ハートキャッチプリキュア!~大樹の守護者と青い鎧戦士~ 作:sora1996
季節は進み初夏から梅雨へと月日が流れ虫や人々が活発になる夏という季節にむけていよいよ本番にまで近づいてきたこの日に。プリキュア勢力と砂漠の使徒勢力の双方であ新たな動きが起きていた。
「なんです!?この光は・・・・・」
「溜まった【こころの種】が輝いてるです!!」
「ということは・・・・・」
目を合わせるシプレとコフレ。このような事が起きると言うことは・・・・考えられることは一つだけだ。それは・・・・・・
『すっごい事が起こるですっ!!!』
何が起きるかわからないにしてもとんでもない事が起きるということは間違いない。具体的には何が起きるかわからないにしても・・・因みにその予感は当たっていた。いや、正確には今まさにその何かが起ころうとしていたのだった。
場面をこころの大樹がある場所へ移動すると地上でこころの種が同調するかのような光を放っているところでこころの大樹にも凄まじい光が集約していた。その光は大樹の一点に集まり2つの光を作る。
そしてしばらく光り輝いたの後に現れたのは・・・・・
「・・・・はぁ~~~」
シプレとコフレより一回り小さい白い身体の妖精。そしてその隣には形状から察するに短剣と思われる石器のようなものが出現した。
また同じころ砂漠の使徒の中秋司令室とも呼べる場所にサバークがおり彼の側近のダークプリキュアとブラックビートが呼び出されていた。そう、サバークが砂漠の使徒のボスではない。そのさらに上の存在が・・・影なる存在が今姿を見せたのだ。
「サバーク・・・・サバークか?・・・・・通信状態が悪いようだな」
通信室からサバークを呼んだ相手はデューンという名前。顔などは通信状態が劣悪な環境の影響からかハッキリと判別は出来ないのだが声は聞こえる。
「・・・・・」
ブラックビートはデューンという存在の名を聞くのが初めてであるようで姿が見えない事をいいことに腕を組んで不服そうな態度をとっていた。というよりも自分の生みの親であるサバークに軽々しく命令口調で話すデューンが気にいらない様子であった。
「早速だが、【地球および人類砂漠化計画】はどうなっている?」
「それが・・・新しいプリキュアとブルービートの復活により事の他遅れおります」
言いたくないことだが事実は言わなければならない。サバークは言葉を詰まらせながらもそう言うとモニターから自分の名前を大声で叫ぶデューンの反応に思わず身体をビクつかせて驚いた。
「ふふふ、総指揮官の座を降ろされるとでも思ったのか?」
「っ・・・御冗談を」
図星を突かれた事にサバークは内心冷や汗が止まらない。中間管理職というべき立場ではよくあることだ。上からは目標達成を急かされるも下の先兵が使い物にならなければ思い通りにならない。サバークも内心ではそろそろ焦り始めているのだとブラックビートとダークプリキュアは察しがついている
「こころの大樹を守る妖精を逃し、倒したはずのブルービートのビーコマンダーが大樹の力で修復された揚句、次の資格者に移った時点で起こりうることだ。私は気にしておらんよ・・・」
本当にそう思っているのか?ダークプリキュアとブラックビートは思わずそう思った。確かに今の敵の戦力と自分たちの戦力を比較すれば一目瞭然で大した障害ではない。つまりはデューンも其れを認識しているとでもいうことなのか?だがそれにしても今のいい方では戦いを楽しんでいるようにも聞こえるが。
「お前にいい情報を与えよう。嘗てこのデューンがキュアフラワーとビーファイターに敗れたのは・・・彼ら自身が強かったこともあるが、更に“能力を高める何か”を手に入れたのが大きな要因だったのだ。」
「なんなのですか?それは」
「それがわかれば苦労はしない。とにかく、それを手に入れさせてはならない。奪うなり壊すなりすればプリキュアやビーファイターなど恐れるに足りぬ。」
デューンの言葉はもっともであった。というよりももしもデューンがこの地球に来ていた時点でもしもその力の要因が分かっていたのであれば今頃自分たちがわざわざ地球砂漠化作戦を彼の代理になって行う必要がないからだ。それよりも重要なのはその要因がまだ今のこの戦いにおいて自分たちが認知していないという事だろう。
「手掛かりはこころの大樹にあるはずだ・・・探してみるがよい」
もしもそれが奴らの手に渡ったら・・・・自分達でも手に負えなくなる可能性がある。相手が弱いといえども武器を持たせたら大いに戦況は変わることは分かっている。
「ふぅん」
砂漠の使徒は予感を感じながらも行動を開始し指令を受けたダークプリキュアを向かわせ空を呼びこころの大樹の探索を開始する。そのころ通信室を出たブラックビートは・・・
「急がなくては・・・ブルービートを、甲斐拓哉をこの俺の手で!!」
このままではデューンがもしも地球に迫ってくればブルービートをこの手で倒す前に地球が砂漠化されてしまう。それで組織としての目的を達成できるのは大いに結構であるが自分が生まれてきた目的を果たせなくなってしまったら無価値に変わらない。
黒いカミキリ虫の使者はこうなれば自分のルールでやるまでだと独断で一人下界に降りていった。
「で、僕はなんでこんな所に居るんでしょうかね?」
甲斐拓哉は休日にえりかに呼び出されある場所へと来ていた。本日は日曜日・・・折角ゆっくり休もうかと思っていたところに呼び出されたので今の彼は不機嫌さが極まりない程であった。
「いいじゃない~つぼみが初のモデルデューなんだから」
「いや、モデルデビューじゃなくて代役でしょ?・・・それに何で俺まで」
「だぁ~もうウダウダ言わない!!」
そう実はつぼみがももかの相手役の代役として急遽モデルの仕事を引き受ける事になったのだ。ほとんどはえりかがゴリ押したようなものであるがマイペースガールに無理矢理連行された形なのだ。
「・・・・しっかし、つぼみガッチガチだな。なんていうかぎこちなさすぎる」
「た、たしかに・・・つぼみ~~!!」
実際に自分があの立場になったら自分も絶対に彼女と同じくガチガチになってしまうからあまり大口は言えない。
そして恐らくつぼみの緊張は自分たちが想像する以上のもので半端なるものではないのだろう。ポーズが固いままの彼女に助け船を出す様にえりかはつぼみに見本のポーズを見せてみるのだが……
「ポーズはいいが顔が笑顔じゃないだろあれ・・・・」
ポーズは見事に決まっているのだが其れに不釣り合いすぎるほど笑顔が不自然すぎてミスマッチの一言。遠くからそれを見た拓哉が思わず苦笑いをしている状態になるほどであったためその酷さはフォローする言葉も思いつかないほどなのだ。
「つぼみちゃん、撮影終わったらスイーツバイキング行こう」
「え?ホントですか!?」
ももかの一言でつぼみは自然な笑顔を出して撮影班はそれを逃さず写真を撮った。驚きなのはやはり、ももかのアシストだ。仕事で慣れているというのもあるだろうけども人の心を解すのはそう簡単にできることはない。
「やっぱり凄いな桃ネェは。ほら、つぼみも負けずに頑張れって」
「は、はい~~」
今日の体験はつぼみ本人からすれば良い意味でも悪い意味でも貴重なものとなるはず・・・なのだが本人からすれば緊張が止まない非常に長い一日という事に変わりはないだろう。
また同じ頃こころの大樹の偵察へと向かったダークプリキュアは自身の予想が当たった事に驚いていた。こころの大樹の内部には少なくとも生まれたての妖精が生み出されたことは間違いない。
妖精は本能で危険を感じたのかなんとか守ろうと自身の能力で大樹に黄金の結界が出現させて守っている。
「まさか・・・こころの大樹が再び新しい妖精を生とわな」
「ひょっとするとあの妖精がデューン様の言っていた手掛かりなのでは?」
「うむ、捕まえろ」
サバークの命を受けダークプリキュアは砲撃で一気に黄金の結果に罅を入れさせていく。それに震え恐怖を感じる。だが破壊者はその悲鳴を無視し一気に砲撃を叩きこんでいき結界を少しずつ壊していく。
「や、やめるでしゅ。もう守りきれないでしゅ」
両手に光を宿してなんとか守りの力とも言うべき能力で大樹を必死に守る妖精。しかしその頑張りを粉砕するかのように砲撃は勢いを増してそれを受ける次第に結界の罅割れは大きくなっていく。この妖精一人ではどうにか攻撃を抑え込もうとするも力不足なのかこれ以上は破られるのも時間の問題だ。
「っ!?・・・逃げるでしゅか?・・・で、でも!!」
なんとか守ろうと踏みとどまる妖精。しかしその絶体絶命の妖精に大樹が助け船を出すように自身の葉の囀りを声変わりにして妖精に逃げるように促した。
逃げろと言う大樹の言葉を聞いて妖精は逃げる事を迷う。生まれたばかりの自分でもこれらの起こるである事の予想は出来る。だからこそ自分だけ逃げる事は出来ないのだ。
しかし非情にもその考えている間にも砲撃は止まらず結界の亀裂は大きくなっていく。そしてトドメとばかりの巨大な一撃が放たれると罅割れは遂に結界の全てに走っていき爆発が発生して崩れ落ちた。
「あっ!!!」
爆発音が発生して結界は割れてしまう。妖精はそれに気がついて思わず目を閉じてその場に蹲る。爆発で発生した爆風が周りを包み込んでいき大樹全体を包み込んでしまって幸運にも妖精はそれで身を隠すような状態となった。
「・・・・・・」
ダークプリキュアは見事に結界を破壊したのだが思いのほか砲撃の威力を強すぎたのかあたりの爆風が自分の視界をも奪ってしまっていて肝心の妖精が何処に居るかわからない・・・・目をを凝らしてみても視界が悪いためどこにいるかすら分からないのだ。頼れるのは気配ぐらいしかないようだ。
「っ!?」
爆風が包む一帯の探索を続ける中突然謎の光球がダークプリキュアの横から猛スピードで横切る。咄嗟の事でダークプリキュアは驚いたがすぐに条件反射でその物体に向かって砲撃を放つ。
「ひぃっ!!?・・あぁあっ!!」
その正体はあの妖精であり大樹の言葉を聞き石器を持って超スピードで逃げようとしていたのだ。だがダークプリキュアの咄嗟の攻撃を避けるのに精一杯で逃げる際に一緒に持ってきた石器を落としてしまった。
気がついたときにはもう遅い。既に石器は遥か下の方に堕ちてしまっていて身体の小さいこの妖精では取りに行くことは不可能。妖精はその石器のこと諦めるしかない・・というよりは考えている余裕がないと言う方が適切だろうか自分に迫ってくる黒い悪魔から必死に逃げた。
「逃がさん!!!」
「待て。恐らく仲間の妖精のもとへち逃げていったのだろう。アイツを捕まえるのはサソリーナ達に任せる。お前はこころの大樹を探せ」
追いかけようと動くダークプリキュアだったがそれをサバークが止める。気がつけばその場にいたはずである大樹も消えておりその場に残ったのはあの妖精が作ったと思われる砕け散った黄金の結界の破片だけであった。
「・・・・・」
不満であるが命令とあれば仕方がないとダークプリキュアは腑に落ちない気持ちを抑えて無理やり自分を納得させて一人大空を移動し消えた大樹の探索を開始する。果てなく続く広いこの青空のどこかに居るはずであろう大樹を探して舞うように悪魔の肩翼を羽ばたかせた。
「・・・・・」
サバークはその間に3幹部たちとブラックビート招集したのだがブラックビートは一向に姿を見せない。奴はどこに行ったのだとサバークは呆れて息を漏らす。
「ブラックビートはどこに行った?」
「そう言えば姿が見えませんわねぇ・・・まさか勝手に独断先攻を?」
「勝手な真似を・・・・まぁよい。新たに第3妖精が現れた。恐らく仲間の妖精やプリキュア達のもとへと向かったのであろう。お前達はその妖精を生け捕りにしてくるのだ」
『はっ!!』
3幹部は久々の全員出撃に気合を入れるように掛け声をあげると瞬間移動で姿を消す。それとまた同じころ下界には町に降りた黒い影の申し子が既に行動を開始していた。