ハートキャッチプリキュア!~大樹の守護者と青い鎧戦士~   作:sora1996

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第30話「いつきの奮闘ー前篇ー」

 夏もいよいよ本番といったところで蝉の鳴き声が五月蠅いほど響き渡る。太陽の光も強くなってスカイにラムネが欲しくなるの頃だ。

 

『あぁ・・・・ああ』

 

 

 明堂学園中等部も明日からいよいよ夏休みという事で普通の生徒であれば休みをどう満喫数かを考える頃合いなのだが拓哉達は今現在事情が違っていた。というのも・・・

 

 

「・・・・」

 

 

 先日生まれた第3の妖精ポプリがなんと学校のど真ん中である人物の手の上にいたのだ。それを見ていたシプレとコフレはというとこの状況でパニックになっていてどうしようかと完全に困惑状態となってしまっていたのだった。

 

 

「可愛い縫いぐるみ」

 

 

 ポプリを抱きかかえている人物は明堂院いつき。どういう経緯でこうなってしまったのかわ分からないのであるがそれにしても今のこの状況は『マズイ』の一言。なんとかしなければと拓哉、つぼみ、えりかの3人が近付いた。

 

 

「あ、あのぉ~~」

 

 

「いつきさん!?」

 

 

「この子君達のかい?可愛いね……何処で買ったの?」

 

 

 それは生き物ですなんて言える筈がない。ポプリを速く取り返さなければと3人は必死に何かいいアイディアはないかと考えながら話す。

 

「えっと・・・えりかが作ったんだ・・・よな!?アレは」

 

 

「え?・・あ、そうそう、あたしが作ったんです!!」

 

 

 芸人のアドリブ芸のように不自然極まりない態度であるが場繋ぎ程度にはなる。そういって乾いた笑いを浮かべる拓哉とえりか。

 

 

「へぇ~流石ファッション部の部長さんだね。とっても可愛いよ」

 

 

「・・・・・」

 

 

 いつきに抱きかかえられてそう言われるとポプリは感動の声を押し殺しながらその顔を見る。まるでその笑顔は太陽のようなきれいな笑顔………ポプリはある事が確信に変わりつつあった・・・今目の前にいる彼女こそが自分が探していた【資格者】なのかもしれないと………

 

 

 

 

翌日からいよいよ学校も夏休みで拓哉達も休みをのびのびと過ごしている筈だったのだが……が朝からグデグデと一同は疲れ切っていたのだ。その理由はというと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ったくよぉ・・・一晩中探させやがって」

 

 

「寝不足です」

 

 

 そう理由は簡単であり先日当たらに仲間に加わったポプリが突然3人目のプリキュアを見つけたと言って深夜の遅い時間につぼみの家から飛び出したためそれを手分けして捜索する羽目になったからである。一晩中探しまわった挙句やっとの思いで見つけた一同は完全に睡魔に襲われていて拓哉とつぼみは疲れ切っていた。

 

 

「しかしポプリの言う事が確かなら本当にあの生徒会長がプリキュアってことになるんだが……」

 

 

 そもそもポプリが突然飛び出したのは明堂院いつきが第3のプリキュアだと言いだしたからであったからなのだ。拓哉達は今その彼女の家の前にいるのだがどうやって話を切り出そうか迷っていたのだ……しばらく考え込んでいると家の大きな門から人影が出てきた。

 

 

 

「生徒会長・・・」

 

 

「拓哉、つぼみ、えりか・。確かめるですぅ!!」

 

 

 ポプリをコフレと共に抑えつけながら3人に本当に彼女が資格者であるのかを確かめて来るようにそう言う。拓哉達はまるで刑事ドラマで犯人を尾行するかのようにゆっくりと彼女の後を追う。

 

 

「確かめるねぇ…どうするよ?」

 

 

「【プリキュアですか~?】って聞くわけにもいかないですし」

 

 

「う―ん」

 

 確かめると言っても身分証明書があるわけでもないしましてや今回にいたってはポプリの完全な指名にも等しい。もしも違っていたらそのあとの処理面倒すぎる……果たして何かいい方法はないだろうかと3人は考えながらいつきを尾行する。

 

 

「あ、そうだ。あたし達プリキュアになる前にこころの大樹とキュアムーンライトとビーファイターの夢見たよね?」

 

 

「ああ、そうか!!」

 

 

「成程。いつきさんが同じ夢を見たかどうか聞けばいいんですね!!」

 

 

 そう言えばそうではないか。自分たちの共通点はその夢を見たことなのだ。だったら何気ない感じでその夢を見たかどうか問いただしてみればいい。3人は早速いつきにその事を聞こうとコソコソするのをやめて彼女に声をかけようとした・・・のだが。

 

 

「病院!?」

 

「いつきさん、どうかしたんでしょうか?」

 

 

「・・・さぁ?」

 

 

 3人は訳がわからないまま顔を見合わせる。彼女に何かあったのだろうか?

 

 

「とにかく行ってみよう。此処でつっ立ていてもしょうがない」

 

 

『うん』

 

 

 15分ほど考え込んだがいつまでもこのままでいては何も解決しない。拓哉は率いるように二人にそう言って病院の中に入っていった。

いつきに気がつかれないように3人はいつきの後を追うとある病室に入った姿を見て拓哉は察しがついた。

 

 

「成程な。お兄さんのお見舞いね」

 

「あら?」

 

 

『っ!?・・・いつきさんのお母様!?・・こんにちは!!』

 

 

 後ろから声がして反射的に反応してしまうと其処にはいつきの母の姿があった。別に悪気があったわけではないのだが思わぬ事に3人は当然のように動揺して謝るように挨拶をしてしまった。

 

 

「貴方達もさつきのお見舞いに来てくれたの?」

 

 

「え!?・・・えっと・・・偶々なんです。あの、さつきさんどうかしたんですか?」

 

 

 拓哉は必死にその場をやり過ごす様に適当な言い訳を考える。まさか用があるのはいつきの方ですなんて言うわけにはいかない。拓哉に続いてつぼみがはぐらかす様にそう言い逆に質問を返した。

 

 

「実は……これから手術なんですよ。さつきの」

 

 

『え?』

 

 

 思わぬ展開に思わず3人は食い入るように話を聞き始めた。簡潔に説明すると今回さつきが受ける手術が成功すれば彼の身体は自由に動けるまでに回復するという事らしい。医者曰くその成功率は殆ど完璧にまでという事らしい。

 

 

「…(だったらなんで生徒会長の顔色が暗かったんだろう?・・・何かあったのかな?)」

 

 

 話を聞きながら拓哉はそう思った。喜ばしい事であるはずなのにどうして雰囲気が暗かったのだろう?彼女に何か聞いてみたほうがいいかもしれないと一同はプリキュアの夢の事を忘れて彼女が病室から出てくるのを待った。

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