ハートキャッチプリキュア!~大樹の守護者と青い鎧戦士~ 作:sora1996
「いつきさぁ~ん!!」
「ひぃ!?!?」
聞き覚えのある声にポプリはビクっと震えて大急ぎでいつきの方に駆け寄ると彼女の服に侵入するとお腹の部分に隠れたのだった。
「ポプリ!?」
「シーーーっでしゅ!!」
いや、そう言われても……
いつきは困惑してしまうのだったがどうしようもなく何も出来ないままであった。
「おはようございます」
「お、おはよう」
前かがみになっていたので分からなかったのだが立ち上がるとつぼみ達はいつきのある部分を凝視した。お腹がポッコリと膨らんでいたのだ。まさかその中にポプリが入っているなど絶対に想像できないだろう。
「そ、そのお腹・・・」
「こ、これは……き昨日食べ過ぎて」
「何食べたんですか!?」
えりかの声が響くその近くではシプレとコフレがポプリ捜索を続けていたのだが一行に見つからない…というのも灯台もと暗しとでも言うべきで目の前にいる事が分からないので見つかるはずがないのだが。
「いつきさん、これお兄様に」
「手術が成功するように俺達も祈ってるよ。」
つぼみは花束を渡し拓哉が激励の言葉を贈るといつきは笑顔を見せた。自分だけでなくこうして兄を想ってくれる人がいる事は素直にうれしい。もうすぐ手術が始まる…その時だった・・・突然空が曇り始めて太陽の光が隠れてしまった。天気予報では快晴の筈だったのに・・・・
「(嫌な予感がする………ものすごく嫌な予感が)」
今日だけはその予感が外れてほしい。そう思っていたが無情にもその予感は当たる事になる。しかも最悪に最悪を上乗せした形で………
拓哉の予感は的中してしまった。突然ガラスが割れた音がしてその場所が院内でさつきの病室だと分かると4人は大急ぎで走った。病室の中に入ると其処には居る筈の彼の姿がなく窓が割れて風が吹いているという有り様であったのだ。
「っ!?・・・お兄様!?」
ベッドの中から水晶が床に落ちる。いつきはそれを手に持って見た瞬間に驚いた。中には閉じ込められ兄の姿が……そしてその次の瞬間には自身の様な地響きで病院の敷地内が揺れた。
「イーーーース」
その地響きの原因は巨大な車椅子の顔を持ったデザトリアンであった。それを見た瞬間にいつきは困惑して言葉を失った。
「いつきさんは此処に居てください!!」
「っ!?」
いつきは今一体何が起きているのか理解が出来ないまま置いてきぼりにされる。
一体彼女達は何を?いや、そうじゃない・・・何がどうなっているんだ!?
「いちゅき、ポプリと一緒に行くでしゅ!!」
混乱し頭がグチャグチャになりそうであったがポプリがいつきに近づいて彼女を我に返すポプリに言われ彼女たちの後を追う。一体彼女達は何をするつもりなのか?
そういえばこの前もあの3人は……まさか?
「サソリーナ!!」
「お早い到着ね?」
デザトリアンを暴れさせていたところにやはり出てきたなとばかりにそっけない声でサソリーナはそう言った。それに対して拓哉達は怒りが極限まで高ぶっておりサソリーナを睨み返す。
「いつもいつも人の弱みに付け込んで!!」
「みんなの心は私達が守ります!!」
「つぼみ、えりか……行くぞ!!」
3人は自分の後ろにいつきが居るとは思っておらずそのまま変身アイテムを取り出した。そして蒼、ピンク、ブルーの光がそれぞれを包み込んでいくと……
『プリキュアの種、いくですぅ!!」
つぼみからピンクの光がえりかからブルーの光がシプレ、コフレの胸に集まり光が凝縮されピンクと青のプリキュアの種が二人の手に取られる。
『プリキュア・オープンマイハート!!!』
それぞれ手にとったプリキュアの種をココロパヒュームにセットした二人は胸からそれぞれの種の色の光の香水を胸からまとっていく。上半身がピンク色の光と水色の光がそれぞれフリルスカートに変わり今度は下半身にかけて光りが発生するとロングブーツが身にまとわれる。
次に互の胸に香水を噴きかけると胸にハートの形をしたクリスタルが出現す手首にリストバンドが形成される。
最後につぼみの長くきれいな髪がと瞳がピンク色に変色しロングポニーテールに整っていきえりかは明るい青色に変色そしてロングストレートの髪型に変わりひと噴き頭に香水をかけてリボンで髪を結んでいきパヒュームを腰に当てココロパヒュームキャリーに収めていき二人は同時にポーズを決める。
「大地に咲く一輪の花、キュアブロッサム!!」
「海風に揺れる一輪の花、キュアマリン!!」
『ハートキャッチプリキュア!!!』
「重甲!!」
拓哉はビーコマンダーを取り出し赤いスイッチを押して黒い羽のウィングを開かせると変身コードを叫んでコマンダーを頭上に掲げた。
掲げたビーコマンダーが青く光りを発生させあると中に収納されているブルービートのインセクトアーマーが元の大きさに戻っていき拡散し拓哉の身体もその蒼い光へと包まれていった。
まずは腕に素早く鎧が纏われ次に胸と下半身そして顔以外のすべての部分に重厚なる鎧がまとわれると最後に拓哉の顔が鎧騎士の仮面に包まれて蒼いカブトムシの戦士へと姿を変えて蒼い閃光が当たりに発生する
「ブルービート!!! 重甲!!ビーファイター!!!」
鎧を輝かせ名乗り上げてポーズを決める。そして次の瞬間には守護者の3人は飛び上がってデザトリアンの前に立った。
「あの3人がプリキュアとビーファイター!?」
いつきは3人が変身した事に驚愕してそれ以上の言葉が出なかった。3人の戦士にはいつきが居ることには気が付いていないためそのまま先頭へと突入する。
「………」
デザトリアンはゆらりと身体を動かすと素早い動きで3人との間合いを一気に詰めた。素早い動きに体勢を崩されそうになったがギリギリのところで応戦しブロッサムがデザトリアンの張り手やパンチを避ける……どうやら狙いはブロッサムであるようだ
「ビームモード!!」
標的が絞られている事を逆手にとってブルービートがインプットマグナムを発射する。直撃して爆発に包まれた事に効果は期待できるか?とホルスターにマグナムを収める。
「っ!?」
突然土埃が風によって舞い上がったかと思えばデザトリアンがブルービートに目と鼻の先まで近づいてきた。咄嗟の事で判断が遅れた彼をそのまま巨大な手でつかみ上げられる。
「ぐぁあぁあっ!!!!・・・ぐぅ!?」
『ブルービート!!』
握力にインセクトアーマーが軋んで火花を散らす。ブロッサムとマリンは大きく飛び上がるとデザトリアンの手首に向けてダブルキックを叩きこんで彼を逃がす。すぐに体勢を立て直すべく3人は離れる。
「・・・・・・」
「たぁあああ!!!!」
『はぁあああっ!!!』
3人はこのままいつまでも劣勢のままでいるつもりはないとブルービートはフライングパンチアタックを繰り出しブロッサムとマリンはダブルキックを放った。この距離での攻撃であれば避けることなどできる筈だし当たればかなりのダメージが与えられる事は間違いない。そう確信した・・・が・・・
「・・・・・・っ!!!」
「何っ!?」
デザトリアンが腕を盾にするように前に出すと突然残像のようにその姿が消え3人の攻撃は空を待っただけであった。その次の瞬間にはデザトリアンの反撃が直撃して3人は地面にたたきつけられると同時に悲鳴がその場に大きく響いた。
「あの呼吸は明堂院流!?・・・お兄様!?」
いつきはデザトリアンの動きを見てあの構えと動きを見て確信する。あの怪物は…自分の兄であるという事を。
「このデザトリアンめちゃめちゃ強いよ」
「ああ。会長の時と同じだ……俺達の動きが完全に読まれている」
地面に膝をついてマリンの弱音を吐いてブルービートはデザトリアンの強さを確信した。あのデザトリアンは並みレベルとは格が違う。いつきがデザトリアンとなった時と動きがほぼ同じだが強さはその倍いやそれ以上だ。
「コワイ…手術ガコワイ」
『っ!?』
デザトリアンは突然膝をついてそう呟いた。それにブルービート達は勿論すぐ近くに居るいつきも驚いた。
「手術ガ決マッテ皆喜ンデル。今更コワイナンテ言エナイヨ!!」
デザトリアンから出てきた本音に絶句する一同。手術で身体が自由に動き回れるというのは彼自身も喜んでいるだろう。しかしそれ以上に恐怖が彼の心を蝕んでいたのだ。
「妹ハボクノ為ニガンバッテクレテイル。手術ヲ怖ガル情ケナイ姿ナンテ妹ニ見セタクナイ!!」
「……お兄様」
「ミラレタクナイ~~~~!!!」
うめき声をあげながらデザトリアンはブロッサムとマリンを掴み上げる。二人は抵抗が出来ないまま握っていた腕が光っていくと爆発して周囲に衝撃波が走った。
「ブロッサム!!、マリン!!……大丈夫か!?」
爆炎と爆風が治まった頃にブルービートが駆け寄って二人の身体を気遣う様に優しく手を置いた。地面に大穴があくほどの爆発をゼロ距離から受けてダメージを避けられないはずがないためすぐには立ち上がれない様子。
「二人とも少し休んでろ。俺が少しでも時間を稼ぐ」
ブルービートがスティンガーブレードを装備するとすぐには動けないであろう二人から注意を離すために一人走った。彼の存在に気がついたデザトリアンは振り返り身体を動かすとギロリと眼光を光らせて威嚇していくように睨みつけたがその程度で今更ブルービートが怯むはずはなく一気に距離を縮めて飛び上がった。
「たぁああぁっ!!!!」
飛び上がって構えたスティンガーブレードの刃をデザトリアンの上半身に叩きつけて一気に一閃斬りつけを浴びせていこうとするも巨大な腕によって防御されてしまいブレードの刃はデザトリアンの固い体表対して小さい傷程度しかつけられない。
「っ!?・・ぐあぁあああぁああっ!?!?」
腕を薙ぎ払われ更に追撃のパンチを真正面から受けてしまいブルービートは勢いよく飛ばされて地面に叩きつけられてしまった。
「ぐっぅ・・・っ!?・・ああぁあああああっ!?!!??」
起き上がろうとしたところを蹴り飛ばされて更に掴み上げられてしまう。凄まじい握力による圧力でアーマーが軋み火花が散る。それを静観していたサソリーナは今回生み出したデザトリアンの強さに惚れ惚れしているとばかりに邪悪に満ちた笑みを浮かべて唇を歪ませる。
「いいわよぉ~デザトリアン。そのままブルービートを握りつぶしちゃってぇ!!・・・そしてこころの花が枯れ果てるまで暴れるのよぉ!!!」
アーマーの傷が大きくなるにつれて火花も大きくなっていく。彼の悲鳴が大きくなっていく共にサソリーナはいつも以上にテンションをあげて興奮したように声を漏らす。ブルービートの腕に力がなくなっていきダランと垂れていく……装着者の拓哉の体力もこのままではもたない!!
「やめろぉ!!!」
ブルービートの絶体絶命というその時に一人の影がデザトリアンの前に立った。その影の主の声にデザトリアンは意識を集中しブルービートを離した。
「っ!?・・・・か、会長!?・・・何してるんだ、離れろ!!」
インセクトアーマーのダメージ蓄積が通常の数倍以上で破損が激し過ぎるため身体が思うように動けず立ち上がろうとどんなに力を込めても自由が利かない。
「お兄様は人を傷つけて喜ぶはずがない!!……お兄様ぁ、目を覚ましてください。優しい心を取り戻してください!!」
いつきは必死に訴えた。元の優しい兄に自分が幼いころから知っている人に戻ってくれと。しかしデザトリアンの目を見た瞬間に彼女はそれが無駄であると本能的に感じ取った。
その眼とはただ赤く光るだけ。邪悪に満ちただけの瞳でそれに映るものはすべて敵だと断言しているかのよう。
「お、お兄様」
いつきがその瞳を見て擦れるようにな声で出した言葉がそれであった。その次の瞬間にはデザトリアンの巨大な腕が彼女に向かって降り注ごうとしていた。直撃すれば生身の人間は玉砕されるほどの勢い。
「やめろぉおおお!!!!!」
ブルービートの叫びが木霊する瞬間にいつきは眼を瞑った。しかしその瞬間に彼女の前に巨大な黄金の盾が彼女の目の前に現れた。そう、この能力を使えるのは一人しかいない。
「ポプリ!?」
拳と盾がぶつかり合って火花が散っている。ポプリはその小さな体で必死に力を込めていき踏ん張って耐える。しかしその頑張りは目の前に居る強大なデザトリアンの拳にいつまでも耐えれるほどの力はない。
「きゃぁあああああああああっ!!!!」
盾が粉々に砕けて衝撃にポプリは飛ばされた。それを後ろに居たいつきが受け止めてい地面に寝転んだ。
「ポプリ、どうしてあんな無茶を!?」
ポプリの小さい身体を手にとって優しく問いかけた。自分の無茶も大概ではあるがそれ以上にその小さい身体で敵に突っ込んでいった事に驚いているようだ。
「いちゅきと・・・同じでしゅ」
「え?」
「守りたいんでしゅ。プリキュアを守りたい……こころの大樹を守りたい……いちゅきを守りたい。守れなくても……いっぱい、いっぱい頑張って皆を守りたいんでしゅ!!……いちゅきも同じでしゅ」
「ポプリ……」
ポプリの決意を聞いていつきは自分と同じだと知りその小さい身体を優しく抱きしめてやった。守れなくても守れるようになればいい。だったら・・・・・いつきの中で渦巻いていた迷いが吹っ切れた。
「一匹、二匹…三匹。あぁ!?・・アンタ、第3の妖精ね?ラッキーー!!アンタをサバーク博士のところに連れて行けば大手柄よぉ!!」
今更になってサソリーナは妖精が3匹いる事に気がついたようで狙いを守護者討伐から妖精捕獲に切り替えて、いつきに近づいていった。
「会長、ポプリを連れて逃げろ!!」
なんとか立ち上がったブルービートがブレードを構えいつきの間に立つ。アーマーは既にショートして煙が上がっていて装甲の破損の度合いを物語っている。
「でも!!」
「早く行けって!!こういう時ぐらい言う事聞いてくれ!!」
二人は声を荒げながら言い合うがどちらも譲ることはない。その間に邪悪なるサソリが迫っておりその毒牙が二人に向かって忍び寄っていた。
「ごちゃごちゃ五月蠅いわねぇ……ほら、さっさと妖精を渡しなさいよぉ!!」
いつきとブルービートに向けてサソリーナの髪の毛が無数に忍び寄った。ブルービートは素早くポプリを庇っている、いつきを自分の背に隠すように前に立ちスティンガーブレードの刃で薙ぎ払うが数の多さでは対処しきれなくなっていく。
「くっ!?・・危ない!!!」
髪の毛が後ろの回り込んだのに気がつくとブルービートはいつきを抱えて宙に舞った。その間に彼の背中に髪の毛が鞭のように叩きつけられていって身体に衝撃が走った。
「ぐぁああああああああぁああっ!?!?!?・・・がぁっ・・ぐぅ・・・っ!?」
地面に着地しなんとか身体を起こすもいきなりインセクトアーマーから通知音が鳴る。そして中の装着者である拓哉の目に映ったのは【”ARMORED TIMEーLIMIT”】の表示。その意味は文字通りであった・・・
「駄目だ、インセクトアーマーのエネルギーが………」
インセクトアーマーがメンテナンスを要求しているのだ。重甲が限界になるほど追い詰められるのは初めてかもしれない。自分が纏っている鎧がこんなにも重いと感じたことも今までなかった……まるで、自分の身体ではないと錯覚するほど動きの自由が利かない。
だけど・・・・拓哉は動かない身体に鞭を打つ。
「ブルービート!!・・どうして其処まで」
いつきはボロボロで傷だらけのブルービートに駆け寄った。彼の鎧は熱く熱を帯びていて生身では触れないほど。こうなったのも自分とポプリを必死に守ったせいで……いつきはどうしてここまで他者のために必死になれるのだと彼に問いただすとアーマーを触っていた手に自分の手を置いた。
「別に理由なんてないさ。ただ、自分の目の前で危険な目にあっている人を助けるのは力を持っている人間だったら当たり前の事。・・・・ただ、それだけだ」
いつきにそう語りかけブルービートは立ち上がる。サソリーナを睨みつけているが彼自身の身体を守るはずのその傷だらけの装甲は見るだけで痛々しいが本人はそれも気にせず身体に鞭を打って動かした。
「そして、砂漠の使徒に利用された人を助けたい。・・・それがこころの大樹を守るプリキュアと共に闘う・・・守護者【ビーファイター】だ!!」
「・・・・」
ボロボロになってまで戦う彼の姿を見た瞬間にいつきの中にあった何か何かが吹っ切れた。ポプリを抱きかかえた体勢でサソリーナに向けてファイティングポーズをとっているブルービートの隣に立つ。
「ポプリは渡さない!!」
いつきの突然の宣言に全員が驚いた。それにサソリーナは嫌悪感丸出しの態度となっているがそれを無視して、いつきは言葉を続ける。
「力がなくたって守って見せる。ポプリも、お兄様も……僕は、“大切な皆”を守って見せる!!」
例え力がなくても想いの強さがあればそんな事関係ない。【“守りたいという想い”】と言うこそが大切。ポプリが、今ここに居る皆がそう教えてくれた
だからこそもう迷わない!!
『っ!!!!』
いつきの心の想いに同調したようにポプリの胸のゴールドのエンブレムからエンブレムと同じ色の光が輝いていった。ポプリも驚き戸惑っているがブルービート達はこの光が何なのかを知っている。
「アレはまさか!!」
『いつきの心に変身アイテムが反応してるですぅ!!!』
ポプリの中に眠る第3のプリキュアの変身アイテムといつきの心が繋がった証の光なのだ。つまりポプリの選好みではなく本当に彼女が第3の戦士だったという事なのだ。
「いちゅき、一緒に皆を守るでしゅ!! 【シャイニーパヒューム】でしゅ!!」
ポプリはいつきに向けてその光の中かから生まれたのはブロッサムとマリンと同形状のパヒューム型のアイテム。二人のココロパヒュームとの差異はレリーフの形状が違う事そして色が金色であるという部分だ。
「シャイニーパヒューム……いくよ、ポプリっ!!!」
「はいでしゅぅ!!!」
自分が大切な人たちを守るために手に入れた力を手にいつきはもう一人の自分へと覚醒時。彼女の身体は黄金の光にへと包まれていった。
プリキュアの種、いくでしゅぅ!!!」
いつきが黄金の光に場が包まれて風景が変わると彼女にも変化が現れる。ショートヘアーだった髪がロングヘアーに変わったのだ。ポプリを抱きしめ高くあげるとポプリの胸から光が射出され其処から凝縮された黄金色のプリキュアの種が生み出される。
「プリキュア!オープンマイハート!!」
プリキュアの種をシャイニーパヒュームに装填していき光り輝いていく。そして金色の光の香水を上半身に拭きかけて辺りにその光が拡散するといつきは上半身にパヒュームの光を噴きかけるフリルが出現その次にスカートが纏われていく。
次に脚に光を浴びせるとロングブーツが纏われ胸、両手首にパヒュームの光を浴びせるとプリキュアの象徴のハート型のリボンとリストバンドが形成される。
いつきは一通りのコスチュームが纏われたあとにロングになった髪を靡かせるとそれがツインテールに纏まっていき色もイエローかかった茶髪からゴールドに変わり髪止めのリボンとピアスがつけられて変身が終わる。そして仕上げにシャイニーパヒュームを腰に当ててパヒュームキャリーに収納するとポーズをとって全体のシルエットを見せる。
『………』
いつきの変身が完了した瞬間に暗雲に包まれていたはずの雲に太陽の光が照らし暗黒の全てを吹き飛ばした。それは彼女がまるで太陽の女神と言わんばかりに輝いていて神々しい。
「これが私!?」
「さぁ、好きな名前を考えてくだしゃい!!」
「名前……」
自分でも驚くほどの変わり加減に思わず言葉を失った。いつきはポプリにこの姿の名前を考えるように言われると空にある太陽に目がいった。それを見た瞬間にこの姿の名前を思いついた。
「私・・私は、そう・・・出来るなら太陽のような!!」
「本当にいつきさんが」
「プリキュアだったんだ」
『3人目のプリキュア誕生ですっ!!』
その姿はまさに太陽の戦士そのもの。眩く光を放つようなそのゴールドでヴィーナスの如く美しきシルエットは彼女の理想の姿そのもの。彼女のその姿を見て絶望に沈んでいたブロッサムとマリンは希望の光を見たように笑顔を取り戻す。
「3人目ぇ!?金色のプリキュア??目立ちすぎよぉ、やっちゃってぇえ~~~!!」
自分と色の系統がが被ったのが気に入らないのかサソリーナはデザトリアンを差し向ける。それと同時に3人目のプリキュアは飛び上がった。
「はぁあっ!!・・・・たぁあああっ!!!」
飛び蹴りを浴びせその直後にエルボードロップ更に回し蹴りを放ってデザトリアンを地面へと叩きつける。デザトリアンはその程度では怯まず叩きつけられながらも体勢を立て直して彼女へと体当たりを繰り出した。
「ふっ・・・・・はぁあああっ!!!」
デザトリアンの攻撃を華麗によけると水の上を優雅に走り素早く高速移動して更に反撃のストレートパンチをデザトリアンの顔面に叩きこんだ。
「イーーーース!!!」
それでも怯まないデザトリアンはサンシャインに三度(みたび)飛び上がるも今度はシールドの発生によって攻撃を跳ね返されてしまいまたもその場に地面に叩きつけられた。
「お兄様。お兄様の心の光は私が取り戻します。そして願わくば【太陽】のような 皆の心を見守る光になりたい。私の名前は……」
太陽の光を見て思いついた名前……それはどんな夜の闇を飲み込みで人々を希望で照らすような光の存在になるという意味を込めたあの言葉以外なかった。いつきだった少女はブロッサム、マリンと同様に手を花弁のように拡げてポーズをとった。
「陽の光浴びる一輪の花、キュアサンシャイン!!!」
今この時よりいつきは一人の少女から人々を守る戦士へと覚醒したのだ。その名前はブロッサム、マリンと同じく自分の思いがこもった名前。太陽という大きな存在になるという思いを込めて。3人目のプリキュアキュアサンシャインがに覚醒!!!