ハートキャッチプリキュア!~大樹の守護者と青い鎧戦士~   作:sora1996

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第35話「こころの大樹での決選ー後編ー」

「どうしてここに!?」

 

 

 招かれざる客であるダークプリキュアとブラックビートの突然の登場に驚く守護者4人。一体どうやってこの場所を突き止めたというのだ?つぼみ達は全く見当がつかないという表情になっている中で拓哉はあの時の違和感を思い出す。

 

 

「まさかあの時の気配………お前達だったのか!?」

 

 

「その通り。貴様の読み通りだ甲斐拓哉。其処の間抜け3人組は俺達の気配に気が付かなかったようだがな」

 

 

 あの時感じた妙な殺気と気配は気のせいではなかったのか・・・もっと注意して見るべきであったと悔やまれるが今はその場合ではない。この場所が付きとめられてしまった以上は全力で後ろに立つこころの大樹を守るべく防衛しなくてはなわない。

 

 

「甲斐君、あの二人は?」

 

 

「プリキュアとビーファイターを倒すために砂漠の使徒のサバーク博士が生み出した悪のプリキュア【ダークプリキュア】と悪のビーファイター【ブラックビート】だ」

 

 

 実物を初めて見るいつきに対して拓哉がそう説明する。その説明を聞いている間にも身体へと直に伝わってくる殺気と威圧感は言葉にしようがないほど強いものである。

あえて何かに例えるのであれば野生の草食動物が捕食者(プレデター)である肉食動物に狙われている時に感じる“それ”と同じものであるかもしれない。

 

 

「こころの大樹をどうするつもり!?」

 

 

 

「ふぅん・・・お前らには関係あるまい。痛い目にあいたくなければ其処を退け」

 

 

 ブラックビートにそう威圧されるが素直にその脅迫に従う守護者など聞いた事がないと4人は逆に睨みつけていきそれぞれ変身アイテムを取り出した。ここは絶対に引くわけにはいかないと決意にその瞳は燃えあがる。

 

 

『プリキュアの種、いくですぅ!!」

 

つぼみからピンクの光えりかからブルーの光いつきからゴールドの光ががシプレ、コフレポプリの胸に集まり光が凝縮されピンクと青のプリキュアの種が3人の手に取られる。

 

 

『プリキュア・オープンマイハート!!!』

 

 

 それぞれ手にとったプリキュアの種をココロパヒュームにセットして胸からそれぞれの種の色の光の香水を胸からまとっていく。上半身がピンク、水色、ゴールドの光がそれぞれフリルスカートに変わり今度は下半身にかけて光が発生するとロングブーツが身にまとわれる。

次に互の胸に香水を噴きかけると胸にハートの形をしたクリスタルが出現す手首にリストバンドが形成される。

つぼみの長くきれいな髪がと瞳がピンク色に変色しロングポニーテールに纏われ、えりかは明るい青色に変色そしてロングストレートの髪型に、いつきは長く伸びたストレートヘアがゴールドのツインテールへと変わる。仕上げのひと噴き頭に香水をかけてリボンで髪を結んでいきパヒュームを腰に当てココロパヒュームキャリーに収めていき3人はそれぞれのポーズを決める。

 

 

「大地に咲く一輪の花、キュアブロッサム!!」

 

 

「海風に揺れる一輪の花、キュアマリン!!」

 

「陽の光浴びる一輪の花、キュアサンシャイン!!」

 

 

 

『ハートキャッチプリキュア!!!』

 

 

 新生プリキュアチームはしん来るするようにポーズを決めると周囲は3人のシンボルカラー3色で照らされる。ピンク、ブルー、ゴールドのその3色の光は実に彩り豊かという言葉以外は浮かばないだろう。

 

 

 

 

「重甲!!」

 

 

 拓哉はビーコマンダーのスイッチを押して黒い羽のウィングを開かせると変身コードを叫んでコマンダーを頭上に掲げた。

掲げたビーコマンダーが青く光りを発生させあると中に収納されているブルービートのインセクトアーマーが元の大きさに戻っていき拡散し拓哉の身体もその蒼い光へと包まれていった。

腕に素早く鎧が纏われ次に胸と下半身そして顔以外のすべての部分に重厚なる鎧がまとわれると最後に拓哉の顔が鎧騎士の仮面に包まれて蒼いカブトムシの戦士へと姿を変えて蒼い閃光が当たりに発生する

 

 

「ブルービート!!! 重甲!!ビーファイター!!!」

 

 

 鎧を唸らせながら大樹の守護者【ビーファイター】ブルービートはその場にポーズを決めて前に立った。

 

 

 

 

 

 ブロッサム達プリキュアチームはダークプリキュアへブルービートはブラックビートへとそれぞれ走っていた。こころの大樹という聖地での漆黒の戦士との決戦は3人が夢で見たものと全く同じシチュエーション。不吉な予感を響かせながらも戦士達は怯むことなく邪悪の申し子達へと戦いを挑んだ。

 

 

『はぁああっ!!!!』

 

 

 3人がかりでダークプリキュアへと各党戦を挑むブロっサム、マリン、サンシャイン。しかし3対1と言う数では不利な形勢でも実力の差での差は圧倒的で全く埋める事が液ないのか赤子の手を捻るように3人の攻撃は全く通用しない。

 

 

「きゃぁあっ!?・・っ!?」

 

 

 マリンが不意にダークの攻撃に足を取られてしまうとバランスを崩してしまった。其処にダークプリキュアのニードロップアタックが彼女に向けて放たれるが紙一重で避ける。地面に伝わる振動から察するに直撃すれば大ダメージは必須。

 

 

「はぁあっ!!!」

 

 

 体勢を立て直す前に一撃を食らわせてやるとブロッサムが不意打ちのようにストレートパンチをダークプリキュアへと叩き着こんでいったのだが悪魔の翼をもつ片翼の少女はその攻撃も紙一重で飛び上がって避ける。

 

 

「ふっ!!」

 

 

 その時を待っていたとサンシャインがダークプリキュアの後ろへと飛び上がって攻撃を仕掛けにかかるが武術の達人の彼女も悪魔の持つ能力には追い付く事が出来ないのか素早い身のこなしでサンシャインの回し蹴りを受け流すとそのまま反撃の腕振り下ろしのよる叩きつけ攻撃によってサンシャインは地面へと叩きつけられてしまう。

 

 

「っ!!」

 

 

「来ちゃダメ!!」

 

 サンシャインが物凄い勢いで地面へと叩きつけられるとその周辺に土埃が発生してその衝撃を物語る。ブロッサムとマリンはダークプリキュアの攻撃の直撃を受けた彼女が気がかりをと駆け寄るがサンシャインが二人を止める。一体どうしてと思っているとその答えの如くの攻撃が上空から降り注いでいった。

 

 

『きゃぁあああぁああああっ!!!!』

 

 

 サンシャインがブロッサムとマリンを自分に近づけさせない理由……それはダークプリキュアが第二の攻撃を仕掛けていると察したからであった。その攻撃は上空からのエネルギー弾の砲撃を発射する全体攻撃でありその第一波がサンシャインに直撃し次の瞬間にはその爆撃が近くに居たブロッサムとマリンも包み込んでいってしまった。

 

 

「サンシャイン!!」

 

 

 爆風だけでもこのダメージなのに砲撃が直撃した彼女はひとたまりもないとブロッサムは彼女の名前を叫ぶ。一撃必殺とは言い難いものの直撃すれば怪我だけでは済まされない・・・返事がない事に嫌な予感で冷や汗が浮かんでくる。

 

 

「・・・・・・・」

 

 

 しかしその予感は幸いにも外れていた。サンシャインはギリギリのところでヒマワリ型のエネルギーシールド『サンフラワーイージス』で砲撃の直撃を耐えていたのだ。思わずそれと見たブロッサムは「ふぅ・・・」と息を吐いて安堵する。だが束の間のそれに酔っている時間はないとすぐに気持ちを切り替えた。

 

 

「大丈夫ですか!?」

 

 

「ええ。でもあの動き・・・・徒者(ただもの)じゃない」

 

彼女自身の戦闘能力に加えた最強と言うべき防御力はまさに鬼に金棒なのであろうが目の前の悪魔にはその彼女でさえも軽くあしらう程の戦闘能力(スペック)と実戦経験による実力を兼ね備えている・・・・ブロッサムとマリンにサンシャイン目の前の敵と対峙して感じた素直な感想をただ一言で述べた。

そして彼女が感じた事は今目の前に居る相手に対して一瞬でも気を抜いて隙を見せたり勝てないからと言って弱気になったりしたら負ける・・・・と。

 

 

 

 

 

「たぁああぁあっ!!!」

 

 

「ふぅんっ!!!!」

 

 

 その近くでは青い正義と黒い怨念の決死の死闘が繰り広げられていた。その激しさはいつにも増して過激でありスティンガーブレードがブラックビートの右肩の鎧に食い込んでいかせるとスティンガービューとがブルービートの脇腹へと食い込んだ。

 

 

「ぐぅ!?」

 

 

「ちっ・・・・はぁああぁっ!!!」

 

 

「ぐあぁっ!?・・・がぁああぁっ!?」

 

 

 鍔迫り合いの末にブラックビートがブルービートの脚を蹴りあげてバランスを奪うと氏馬乗りになるようにビューとで首を挟んで締めあげる。このまま締めつけられて歯が食い込んでいけばアーマーがひしゃげて拓哉の首が千切られてしまう。まさに激戦の死闘に相応しいぶつかり合いと言うべきだろう。

 

 

「ぐぅ・・・たぁあっ!!!」

 

 

苦しみに悶えながらもブルービートの仮面の下で拓哉の表情は苦痛に歪んでしまう。ビュートの刃は確実に自分を追いつめている。だがこのまま終わって堪るものかとスティンガーブレードをブラックビートの首へと振り下ろした。

 

 

「ちっ!?・・・ぐぁああぁああっ!?!?」

 

 

ブルービートから上をとっている優位の体制とは言え突然大きなブレードが首筋へと叩きこまれて刃が食い込めば流石のブラックビートでも衝撃で一瞬怯みブルービートを絞めてあげて拘束していたビュートの刃へと入れていた力が緩む。その瞬間を待っていたとばかりにブルービートは空いている左手に力を込めて拳を作る。

 

 

「はぁあああっ!!!」

 

 

次の瞬間にブルービートの左腕はブラックビートの仮面へとストレートパンチを放った。無理矢理自分から引き剥がす様に吹っ飛ばした。続けざまの不意打ちに黒い鎧戦士は対処できずにそのまま数メートル飛ばされて地面に尻餅をついてしまう。

 

 

『・・・・・・』

 

 

一進一退の攻防……喰うか喰われるかの死闘とはこの事をいうのだろう。蒼と黒の鎧戦士両者はアスリート並みの激しい動きをしたにも関わらず休憩もいれずに立ち上がると右手に各々の象徴の武器を構えて相手を威嚇するように睨む。傷ついた鎧からは煙が上がり双方が相手へ送り込んだ攻撃の激しさを物語る

 

 

『っ!!!』

 

 

しばしの静寂の中でその場に風が吹くと大樹の葉が擦れ合って囀る。二人の鎧戦士はそれを合図にしたかのように同時に横走りをして【こころの大樹】という聖地を駆け巡った。青い正義の守護者と悪の黒き申し子は無言のまま言葉を交わすことなくそのまま戦いへと投じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人の鎧騎士の死闘が激戦を極める中でプリキュアチームの闘いも大きく動いた。悪魔の片翼で上空を自由に舞いあがるダークプリキュアがブロッサム、マリン、サンシャインの3名の攻撃を受けつけず防戦一方まで追い込んでいるのだ。

 

 

「何よ自分だけ空飛んで・・・コフレ、こっちもやるよ!!」

 

 

「ガッテンですっ!!」

 

 

 空を飛ぶ事は何もあの悪魔だけの専売特許ではない。マリンはコフレを率いて前に走るとシプレとポプリもそれに同調してプリキュア達の背中に纏わりつくようにマントへと変化して3人空を舞う力を与える。そして3人は一斉に飛び上がると上空で待ち構えているダークプリキュアへと格闘戦を挑みそれがプリキュアチームVSダークプリキュアの第2ラウンド開始の合図となった。

 

 

「っ!!!」

 

 

『っ!?・・・うわぁああぁああっ!!?!?』

 

 

 しかし飛び上がった瞬間にダークプリキュアも彼女達へと向かって瞬間移動の如く高速で飛びロケットのように体当たりを仕掛ける。すると3人の編成を一瞬で崩して体勢を壊されてしまその途端にリズムが崩された事で動きが止まってしまった。3人は壊された体勢を立て直そうと瞬時に身構えるもダークプリキュアの攻撃の速さは3人の処理速度を遥かに超えていたのだ。

 

「ぐっ!!?」

 

「っ!?」

 

「うわぁっ!!?」

 

次の瞬間にはダークプリキュアは3人へとパンチ、キック、ハンマーナックルの3連続攻撃をそれぞれに浴びせて再び3人を地面へと叩き伏せた。3人は受け身をしっかりととって着地に成功してダメージは至っていないが次なる攻撃は既に待ち構えていた。

 

 

「っ!?」

 

 

 ブロッサムが気が付いた時にはもう遅い。ダークプリキュアのオッドアイである右目が開かれるとその瞬間に周りに凄まじい衝撃波が発生しブロッサム達を襲う。マントとなっていた妖精達はその衝撃に耐えきれず飛ばされてしまう。

 

 

「っ!!・・・蕾が。こころの大樹を傷つけちゃダメでしゅ!!」

 

 

「・・・・・」

 

 

 ダークプリキュアの衝撃波によって花の蕾が千切れて地面へと落とされてしまう。それに気が付きポプリは小さいその身体から大声でそう言った。それが癪に障ったのかダークプリキュアはポプリに向けて冷たい眼光を向ける。嫌な予感がサンシャインの胸に走った。

 

 

「ポプリ危ない!!」

 

 

 その予想通りにダークプリキュアはポプリに向けて衝撃波を発射して小さい妖精の身体を後ろにある大樹の枝へと叩きつけた。幸いにもポプリの身体には影響はなかったのだがダメージを受けていたのはポプリだけではなかったのだった・・・・・

 

 

「・・・あぁ・・・・・っ・・・・・」

 

 

 それ以上に大きな問題がポプリを精神的に絶望のどん底へとたたき落とした。目の前にはこころの大樹の大きな枝から千切られた花の蕾の数々。目についたものを拾っていくが目線を拡げてみると数え切れないほどの花の蕾が其処には転がっていた。

折角ここまで育ったのに・・・とポプリは目の前の光景に何も言葉が出ない。

 

 

「……なんてことを」

 

 

サンシャインがポプリに駆け寄り優しく抱きしめてやる。ポプリはそのまま黙って泣く事もせず言葉を失ったままだ。それに続きブロッサムとマリンが合流して辺りの惨状を見て出した言葉がそれだった。

 

 

「【こころの大樹】が枯らせば人間達の【こころの花】も枯れて砂漠化する。それはサバーク博士が望んでいる事だ」

 

 

「・・・ポプリやこころの花を傷つけて」

 

 

「っ?」

 

 

「私、堪忍袋の緒が切れました!!!」

 

 

 怒り爆発とブロッサムはブロッサムタクトを取り出してクリスタルドームを回転させる。タクトに花のエネルギーを充填させてクリスタルを輝かせるとタクトを振るい舞う。そしてピンク色の光を辺りに発生させてダークプリキュアへと向ける。

 

 

「花よ輝け、プリキュア!ピンクフォルテ・ウェイブ!!!」

 

 

 そのままダークプリキュアへとフォルテウェイブを発射する。ピンク色のエネルギー弾はそのまま物凄い族度で直進していったがダークプリキュアは微動だもしない。それどころか右手を前に突き出すとフォルテウェイブを受け止めていってエネルギーを拡散消滅させてしまった。

 

 

「・・・・・・・・・」

 

 

「そんな」

 

 

 必殺技のフォルテウェイブですら通用しない。ここまで力の差が歴然となってしまえばもはや勝ち筋など考えられない。これがキュアムーンライトを倒した実力だと言うのか?だとすればこんな相手に勝つことなんてできるのか?いや、それ以前にこの強大な相手に対してどうやって戦えばいい?最初から勝負は決まっていて出来レースだったと言うのか?・・・・そんな錯覚さえも生まれてしまうほどだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時系列を少し戻しブロッサム達がダークプリキュアへと第2ラウンドを挑んだ場面になる。その時の彼女達の近くでは・・・・

 

 

「たぁあっ!!!」

 

 

「ふぅん!!!」

 

 

 蒼と黒の鎧戦士の両名の死闘は両者譲らない流れが続いたまま動かない。まるで鏡合わせのような戦術のぶつかり合いによって両者の力関係はほぼ互角だ。

 

 

「ブルービート・・・貴様を倒す。それが俺の生まれた宿命!!」

 

 

「宿命?・・・お前の宿命などどうでもいい。お前が俺を倒したいのと同様に俺はお前をこの手で倒さなければならない。絶対に!!」

 

 ブラックビートはビュートとブレードの鍔迫り合いの中ようやく開いたセリフはそれだった。それにブルービートも同調しブレードを薙ぎ払うと二人は同時に鎧の腹筋部分へと刃を立てて斬り伏せる。

 

 

「ぐっ・・・・パルセイバー!!」

 

 

「っ!?・・・ごふっ!?・・・ぐあぁあっ!?」

 

 

 ここでブルービートは勝負の流れを自分のモノにしようと左手にパルセイバーを構えて二刀流になる。そして素早い斬撃をブラックビートの鎧へと叩きつけた。流れは一気にブルービートへと動いた。続けざまにインプットマグナムへと合体させてセイバーマグナムを召喚して手に取った。

 

 

「マキシムビームモード!!」

 

 

 

「ぐぁああぁあああぁああぁああっ!!?!?」

 

 

 蒼い砲撃がブラックビートに直撃するとその場は爆発してその黒い鎧の身体を包む。衝撃で飛ばされてブラックビートは宙を舞い一回転して背中から地面へと思いっきり叩きつけられてしまった。

 

 

「くっ・・・・この俺のアーマーにここまで傷を負わせるなど・・・だが、そうでなくては貴様に武器をくれてやった意味がないというもの」

 

 

 

「・・・何っ!?」

 

 

 意味不明の発言をするブラックビートにブルービートはそう言った。俺の武器を託した?コイツが敵である自分に何故そんな真似をする必要がある?…理解が出来ないと困惑しているブルービートだったが突如ブラックビートは立ち上がりながら黄色い目を光らせて不気味な顔でブルービートを睨みつけた。

 

 

「ふぅん・・・・・っ!?」

 

 

「・・・・!?」

 

 

 再び戦いを繰り広げようとした瞬間に物凄い衝撃波が二人にも降り注がれた。何事だとブルービートが視線を辺りに広げてみると視界に映った光景はダークプリキュアに追いつめられる仲間の姿があった。

 

 

「くっ!!・・・・」

 

 

 死闘を繰り広げていたのだったが目の前で仲間が絶体絶命のピンチに追い込まれている光景が目に映るとブルービートの動きが止まる。目の前の敵から逃げる事は戦士としてのプライドが許さないがそれ以上にこのまま見過ごすなんて事の方がもっと出来ないと迷った末にブラックビートとの闘いを中断し飛び上がろうと構える・・・・しかし目の前の相手はそれの察しがついたのか黄色い瞳を黒いソリットの上に光らせる。

 

 

「逃がさんぞ。スティンガービュート!!!」

 

 

「っ!?・・・ぐあぁ!?・・・あぁああああぁああっ!!!??」

 

 

 無粋な真似はさせないとブラックビートは仲間の元へと向かおうとするブルービートの首にワイヤーへと変形させたスティンガービュートを絡ませると無理矢理自分の元へと引きつける。そして瞬時にワイヤーをサーベルに切り替えブルービートの肩に刃を叩きつける。

 

 

「今こそ消え失せろ・・・この世から・・俺が俺になるためにぃ!!!!!!」

 

 

「があああぁあっ!?!?・・・ぐぁあああぁあっ!?!?!」

 

 

「終わりだぁ・・・・・」

 

 次の瞬間にはブルービートの刃がインセクトアーマーの肩の部分の隙間を斬り裂いて拓哉の右肩を傷つけて続けざまに胸にビュートを振り下ろして薙ぎ払う。するとそのまま痛みに耐えられない彼の身体は地面へと押し倒された。これで勝負は決まったというような声で笑うとブラックビートはトドメを指そうとビュートをブルービートの首の上に翳す。痛みで動けないブルービートの仮面の下の拓哉は思わず目を瞑る・・・・・だが次の瞬間・・・

 

 

「ぐあぁっ!?……ぐぅ……や、奴の痛みがこの俺にぃ???」

 

 

 突然ブラックビートの右肩がショートしたかと思えば痛みに悶えその場に倒れる。突然に起こった黒い鎧戦士の異変。しかし今がチャンスだとブルービートは立ち上がるとスティンガーブレードでブラックビートの胸へと全力全開の一閃を叩きこんだ。

 

 

「ビートルブレイク!!!」

 

 

「ぐおぉおぁあああぁああぁっ!!!!!」

 

 そして渾身の一撃のビートルブレイクによるX字斬撃がブラックビートを直撃して蒼い閃光がその黒い身体を包み込んでいく。倒れはしないもののブラックビートは右肩の傷と今までの戦闘での疲労と今の一撃重なってもはや闘いを続行できるような状態ではない。唸り声をあげるようにしながらも胸に手を当てブルービートを睨む。

 

 

「おのれぇ。ブルービート、貴様の命…今しばらく預けたぞぉ!!!」

 

 

 ブラックビートは捨て台詞を吐くとそのまま瞬間移動をして消えていった。なんとか今回もギリギリの勝利となってしまった。ブラックビートも着実に強くなってきている。

だがしかしそれよりも気になるのはあの傷は?・・・・・

 

 

「あの光はまさか!?」

 

 

 考えこんでいたがすぐに現実に引き戻されたブルービートは赤黒い光が発生した事に気が付くと振り返る。するとその眼に映ったのはダークプリキュアがダークタクトを手に取っている姿。その先にはブロッサム達が・・・・急いで合流しなくてはとブルービートは痛みが走る右肩を抑えながらも大急ぎで身体を動かした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「闇の力よ集えダークタクト・・・・・」

 

 

 力の差と言うモノに絶望して言葉すら失ったブロッサムとマリンにはもはや用すらないと判断したダークプリキュアは勝負を一気に決めるべくダークタクトを呼び出して右手に握る。キュアムーンライト倒したこの場所で奴と同じように引導を渡してやるつもりなのだ。

 

 

「皆、大丈夫か!?」

 

 絶体絶命の大ピンチにブルービートがブラックビートとの闘いを終えて合流してきた。・・・ブルービートの視線の先にはダークプリキュアが此方に向けてダークフォルテウェイブの発射態勢に入ってきていた。このままではあの夢の通りの結果に終わる!?いや、そうは絶対にさせない。スティンガーブレードを構えて飛び上がろうと体勢を整えるがその彼にサンシャインが止めに入るように声をかけた。

 

 

「皆、私に考えがあるわ・・・・時間との勝負になるから協力して。先ず私がダークプリキュアを・・・・・」

 

 

まだ策はあるとサンシャインが3人へと呼びかける。この期に及んでどうするつもりなのだと3人はサンシャインの呼び掛けにこたえて視線を集め彼女の策を聞いた。そして全員は彼女の考えた作戦に乗じるしかないと顔を見合わせ目線と目線を合わせて頷いた。

 

 

「絶対に成功するっていう保証は出来ないわ。でも・・・・」

 

 

 サンシャインが言葉を続けようとした瞬間にブルービートが遮った。そしてブルービートはサンシャインに向けて腕を出す。

 

 

「絶対に成功させる。だよな?ブロッサム、マリン」

 

 

「はい。【こころの大樹】を守るために必ず成功させます!!」

 

 

「あたしもサンシャインの作戦を信じるよ。だからブッツケ本番だけど・・・全力で行こう!!」

 

 

 4人は手を合わせるように腕を出し合った。ブッツケ本番の一発勝負で失敗は絶対に許されない。しかし今はこれに賭けるしかない・・・・4人はダークプリキュアの方を見直すと其処には既にダークフォルテウェイブを発射が終えた所であり早速手筈通り全員が動いた。

 

 

「サンフラワーイージス!!!」

 

 

 先ず動いたのがサンシャインであった。先程も自分の身を守ったサンフラワーイージスを発動させてダークプリキュアのダークフォルテウェイブを跳ね返す。流石のダークプリキュアも防御はまだしも反射という能力がある事に驚き腕を前に出してクロスさせて自分の攻撃を凌ぐ。

 

 

「集まれ花のパワー、シャイニータンバリン」

 

 

 その一瞬の隙にサンシャインはシャイニータンバリンを召喚して手に取るとゴールドの光が輝く。その瞬間にシャイニータンバリンの外周部部分を回転させてエネルギーを充填させてタンバリンをリズミカルに叩いてその場に舞い踊り周りにヒマワリの結晶が形成されて彼女の後衛に待機させる。

 

 

「花よ舞い踊れ、プリキュア!ゴールドフォルテ・バースト!!」

 

 

 技名を高らかに叫ぶとその瞬間にヒマワリ型のエネルギー弾がダークプリキュアめがけて発射。纏わりついたエネルギーの玉は逃げようとするダークプリキュアを追尾していき遂には拡散して黒い悪魔を完全に拘束して動きを封じる。

 

 

「今よ!!」

 

サンシャインが相図を出したその瞬間にブルービートがインプットマグナムにパルセイバーを合体させてセイバーマグナムを構えブロッサムとマリンの二人はフラワータクトを同時に取り出してクリスタルドームを回転させる。

 

 

「1,1,0インプット。マキシムビームモード!!!」

 

 

「集まれ二つの花の力よ、プリキュア!フローラルパワーフォルティシモ!!」

 

 

 サンシャインのフォルテバーストによって動きが封じられたダークプリキュアに向けてマキシムビームモードの砲撃とフローラルパワーフォルティシモのダブル攻撃を発射する。3つの光はダークプリキュアに叩きこまれていくと爆発し辺りは土埃によって大樹があった小島が覆われて全く見えなくなってしまう。

 

 

「それで私を倒すつもりか!?・・・未熟なプリキュアはともかく、ブルービートよ貴様の攻撃手緩いな。所詮は貴様でも私を・・・・っ!?」

 

 

 衝撃によって身体は少し飛ばされてしまったがダメージは殆ど皆無。ダークプリキュアはこの程度の攻撃で撤退するとでも?と言わんばかりの態度で見下していくダークプリキュアだったが様子のおかしい事に気が付く。煙から何やら金色の結界の様なものが出現しはじめたのだ。

 

 

「目的はこれか!?」

 

 

 次第に視界を奪っていた土埃がだんだんと晴れていくと目の前に映ったのはサンシャインが太陽の光を吸収してポプリ共に【こころの大樹】がある小島全体を覆いかぶせるほどの特大サイズのバリアが形成されていく。

 

 

「(そう。今までの攻撃は全てこの真の目的を奴に気がつかせる事を遅らせるための誘導・・・ダークプリキュアにフォルテバーストが効かなかったり避けられたりしたらその時点でアウト。それが心配の第一要因だったが其処はなんとかなったか。)」

 

「光よぉ!!!」

 

 

「【こころの大樹】を守るでしゅ!!!」

 

 

 サンシャインはまだ開花して間もない自分の能力がどれ程のものなのか把握していない・・・しかし咄嗟の判断といえど実力で勝てない以上は一か八かの勝負に出る以外この場を凌ぐ手はなかった。しかし今のところはその作戦も順調に進んでいる・・・あと少しで結界は大樹全てを覆い隠すところまで進んでいった。

 

 

「(その後の俺とブロッサム達の攻撃は煙幕の代用・・・インプットマグナムの煙幕弾よりもこの方が奴も乗ってくるっていう判断は間違いじゃなかったようだな)

 

 

「っ・・・させるかぁあっ!!!」

 

 ダークプリキュアの焦った様を見て作戦は見事に成功したとブロッサムとマリンは彼女を睨みつけてやった。その視線が癪(しゃく)に障ったのかダークプリキュアは赤黒いエネルギーを溜めて光弾を作っていくとそれを発射する。

しかしそれが直撃する寸前のところで先にサンシャインとポプリが創り出した結界が完成して紙一重のところで赤黒いエネルギー弾の砲撃はそのまま標的に当たらず空に舞って消えていった。

 

 

「おのれぇ・・・・おのれぇえええぇえええええええええっ!!!!!!!」

 

 

 僅かなる慢心によって格下が僅かな時間で考え出した場繋ぎ程度の作戦にまんまと嵌まった事にこの上ない屈辱を覚えたダークプリキュアは誰もいなくなったその場で荒げた声を空に木霊させる。残された彼女がその後どうなったのかは当の本人以外は全く謎に包まれていてそれはブラックビートにさえも知らない出来事であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 はるか上空で片翼の悪魔が怒りの咆哮をあげたその後にはプリキュア達は地上に帰還する。シプレ達曰く【こころの大樹】は別の場所へと移動し砂漠の使徒には絶対に見つからない場所へと移動したらしい。更にサンシャインポプリが張った結界の効果もあってか園守りはほぼ完璧だということ。

 

 

「大したことないのにこんな傷・・・いってぇ!!!・・・痛いですよ先生」

 

 

 いつきは兄の手術が終わった事で病室へ行きつぼみ達もそれに付き添っていった。しかし拓哉はというと病院の医務室で手当てを受けていた。ブラックビートとの闘いで出来た傷を3人に見られてしまい病院だから序に治療を受けろとしつこく言われたためほぼ強制的に連行されてしまったのだった。幸いにも見た目ほど大したことはなく傷の軽い洗浄と消毒で済んだのだが痛みはそれなりあるため思わず手当てをしてもらっているが文句が絶えないでいた。

 

 

「(・・・・あの時俺達は……俺とブラックビートは“同じ傷”の【痛み】を分け合った。何かが……何かが始まろうとしているのか?)

 

 

 当の本人は治療の最中にブラックビートと自分が同じ傷を受けた事を思い起こした。あの時の奴にも傷ができたのは何故なのか?ブラックビートが拓哉をつけ狙う理由とは?今この戦いでブルービート【甲斐拓哉】と悪のビーファイター【ブラックビート】の闘いに拍車がかかる。

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