ハートキャッチプリキュア!~大樹の守護者と青い鎧戦士~ 作:sora1996
果てなく広がる夢の世界のような場所にキュアブロッサムに変身した状態でつぼみはいた。彼女の目の前にいるのは昨日の戦いで自分を助けてくれた蒼鎧騎士ブルービートだった。
「あ、あの・・・ブルービート、改めてちゃんとお礼を言わせてください!!!あの時貴方が助けてくれなかったら私は・・・・」
戦いが終わったあとには彼からは冷たく言われてしまったがブルービートにはちゃんとお礼を言いたかったとブロッサムは頭を下げる
「・・・・」
その彼女を見てブルービートは無言で近づいていくとそのまま突然抱きしめた。当然ブロッサムはというと突然のことでテンパってしまう。
「い、いきなりなんですかぁ!?大胆すぎます!!!」
いきなりしかも彼女からすればかなりの大胆な行為に顔が真っ赤になりるとブロッサムは彼を突き飛ばした・・・
「わ、私にはまだ・・・は、はやすぎますぅ!!!」
というところで突然場面は切り替わる。そう今までの光景の全ては夢であり今のつぼみは寝ぼけてるのだ。
「つぼみ・・・」
寝ぼけている彼女に飛ばされたシプレとコフレは勢いよく壁に叩きつけられてしまったようでフラフラになっている。
「えぇ?」
『突き飛ばすなんてひどすぎです』
一体どんな夢を見ているんだこの娘はと思いながらも妖精コンビはハモってそう言った。
「あ、ごめんなさい。ちょっと衝撃的な夢を見たものですから」
「衝撃?」
「どんな夢ですか?」
衝撃という言葉の意味に疑問次が浮かぶ妖精二匹。どんな夢を見たらそんな言葉が出てくるのだとつぼみに問いただす。
「秘密です♪」
つぼみはそう言ってはぐらかした。ブルービートに抱きしめられて慌てふためいたなんて言えるわけがない。それに今の夢は結構いい夢だったから心に留めておこうと思いあえて言わないことにしたのだ。
「つぼみ、おはよう!!
「おはようございます」
カーテンを開けると朝日が眩しく思わず目を瞑りたくなる・・・えりかの部屋の方を見ていると制服に着替えた彼女が挨拶してきた。つぼみもベランダに出てえりかに挨拶を返す。
「もう登校する時間だよ。着替えなくていいの?」
「ええっ!?もうこんな時間?・・目覚ましかけ忘れちゃいましたぁあ!!!」
えりかにそう言われるとつぼみは大急ぎで着替える。その姿を見てえりかは笑いながらも彼女らしいなと思うのだった。
「あたしのアドバイス受け入れてくれたんだ」
つぼみはなんとか着替えと朝食を済ませてえりかと共に学校へと向かっていた。その道中えりかはつぼみの姿を見てそう言う。
「え?」
唐突になんことだろうと思ったがつぼみだがえりかに「メガネとヘアスタイル」と言われると成るほどと納得した。
「性格を変えるには形から変えるのもアリかなと思ったものですから」
そう今日のつぼみの姿はえりかのアドバイスを参考にメガネを外しツインテールにしてみたのだ。本人は気がついていないのだがえりかのセンスは抜群でかなり似合っている。
「おはよう~~~えりか!!・・・おお、一緒にいるのは誰かと思ったら花咲さんじゃん」
話し込んでいる二人に後ろから拓哉の声がする。えりかは彼にハイタッチを求めるように腕を出し拓哉はそのえりかの手を叩いて応えながら隣のつぼみにそう言った。
「甲斐くん、おはようごさいます」
隣でテンションの高いえりかとは対照的に落ち着いた口調でつぼみは彼に挨拶をする。すると拓哉はまじまじとつぼみを見て全体のシルエットを目に焼き付けて笑顔になり。
「うん、似合ってる。いいじゃん♪」
「え、ええ!?」
拓哉にストレートにそう言われると思わずつぼみはドキっとしてしまい顔が少し赤くなった。やはり年頃の女のコは社交辞令でも緊張するものだ。
「ファッション部副部長として見てもいいセンスだよ。・・うん、えりかじゃないが勧誘したくなるねぇ~うちの部活に」
何だそういうことか・・・嬉しいようなちょっとガッカリしたようなと複雑な心境になるつぼみ。いや、悲しい訳じゃないのだが複雑だ・・・いや、そんな気持ちになる理由は考えられないのだが。
「でしょ!! あたしのアドバイスなんだよ!!」
拓哉の一言でえりかはさらにテンションが上がったのか天狗になった気分でドヤ顔を浮かべた。拓哉はそれを見るなり成程なというような顔になる。
「ほうほう、つまりは彼女に無理矢理この姿をするように仕向けたか?相変わらず風邪菌のような感染力のようで」
「こら、人聞き悪いこと言わない!!」
いつもの口調で拓哉は皮肉を言うとえりかのツッコミが返ってくる。それを見たつぼみはクスクスと笑いそれに釣られて2人も笑う。
「おっと・・・ちょいと遅れ気味だな。さぁ、行こう」
腕時計を見た拓哉はそう言うとチャイムがなる。3人は一緒に教室に向かいながらも世間話をする。それは全くいつもの変わらない平和な日常の風景だった。
「つぼみ、早く早く~~~ここで食べるお弁当は最高だよ!!」
時間はあっという間に流れて生徒達は昼食を取る為の昼休みを迎えていた。つぼみ、えりか、拓哉の3人も自分たちが持ってきたお弁当を手に握りえりかに言われるがまま中等部の屋上に来ていた。
「うわぁ~~~気持ちいいですね」
そこから見た光景はまさに天下を取ったような気分にもなれるほど絶景だった。えりかと拓哉のお気に入りの場所だ。
「でしょ?・・・ここで昼寝すると気持ちいいんだよなぁ~~。飯も美味くなるしこの中等部の隠れた名所なんだよ」
特に拓哉は放課後で暇なときは昼寝の場所として勝手に使っているほど。まさに知る人のみ知る秘密の場所なのだ。
「おっと・・・そろそろ限界だ」
グーと腹の虫がなった拓哉はもうお弁当のおあずけはしんどいと顔を赤くしながらそう言う。その様子を見てつぼみは笑いえりかもニヤリと笑みを見せた。
「だね。さぁ、食べよう」
食事をしながら世間話をする女子二人だが拓哉はというと花よりも団子であり弁当を食べながら満面の笑みを浮かべていた。
「・・・私さ、最近変な夢を見るんだよね」
「変な夢?」
「プリキュアなんちゃらとビーなんとか・・だっけかな?・・とにかく変な夢で」
「
キュアムーンライトですか?」
「ビーなんとかって・・・もしかしてビーファイターか!?」
えりかの夢の話につぼみと拓哉は同時にそう言った。お互いにハッと顔を合わせ拓哉ははぐらかすように顔をそらす。えりかは二人の反応に不思議な違和感を察したが流して自分の見た夢の話を続ける。
「そう、それそれ!!」
「えーーー!!??えりかも私と同じ夢を見ていたんですか」
えりかの答えを聞いて思わずつぼみは驚き大声を漏らした。拓哉はと言うと突然黙り二人と距離を取るように一歩下がっているのだがそれは気がついていない。
「同じ夢?」
どういうことなのか全くワケが分からない。いや、普通はそうだろうし同じ夢を見たぐらいでこんなに騒ぐこと自体がそもそも変な話だ。
「だったらプリキュアになれるですっ!!」
今までの話を全部聞いていたシプレとコフレがつぼみの弁当袋から声を上げて飛び出てきた。つぼみはソレを見て顔が青くなり隣に居るえりかはと言うと・・・
「ぬ、ぬいぐるみが喋った!?」
当然の反応で目を丸くしている。ぬいぐるみが喋るなんてありえない現象・・・それを後ろで見ていた拓哉も同じように目を丸くしていて言葉が出ないでいる。
「何でこんな所から・・・ていうか私のお弁当は?」
何でというかいつの間にこの中に入っていたのだ?・・いや、それ以前に弁当袋にこの二匹が入っていたということは中にあったはずのお弁当は自宅にあることに気がついたつぼみはそう聞く。
『そんな事より大事なことがあります』
勝手に入って勝手に話を進めている妖精二匹はつぼみの反応を尻目にえりかの元へと飛んでいった。えりかはというともはや完全に放心状態で目が点になっている。
「この娘にはプリキュアになる資格があるのです」
「ですです」
場の空気を読まず話をどんどん進めていくシプレとコフレ。少しはもっと考えてから行動するべきなのでは?と第三者が見たら思うほど大胆だ。
「なんなのこの子たち・・・つぼみ?」
えりかは一体何者だと二匹を見ながらつぼみを凝視する。つぼみはというとどう説明したらいいか分からずにいるが言葉が見つからずこうなればストレートに包み隠さず説明したほうがいいと思い口をごもらせる。
「こ、【心の大樹】を守る妖精の・・・・・」
「コフレですっ!!」
「シプレですぅ!!」
つぼみがすべてを言い終える前にまたしても勝手に自己紹介をするシプレとコフレ。えりかは案外肝が座っているようで気がつけば表情は普段のものに戻っている。
「へぇ~妖精なんだ」
「納得して頂けましたか」
つぼみはホッとした表情になってはいるが約一名ワケが分からないまま目が点になっている男が一人いることを忘れている・・その人物とは拓哉のことだ。
「えりか、お前・・・納得すんの早いね」
もはや何処からツッコミを入れればいいかわからないこの状況で考えることを止めた拓哉も一度息を吐いて納得したようにそう言った。
「あぁ!!甲斐くんの事忘れてました!!」
拓哉の存在を忘れていたつぼみはそう言ってまた焦るが拓哉はと言うと至って落ち着いている様子。普通ならばこういう状況になれば自分の正気を疑いようなものであるが拓哉も意外と肝が座っているのだろう。
「もう何も驚かないから・・・話を続けてくれ」
拓哉もえりかが見たという夢に興味があるのかそう言ってえりかに話の続きをするように促した。えりかは「そうだった」と話の続きをする。
「今、心の大樹って言ったよね?・・・そう言えば昨日見た夢の中にも出てた・・・」
えりかは公園で倒れてから見たという昨日の夢で見たことを思い出すようにそう言った。そうだ・・・やっぱり夢だと思っていたのは気のせいなんかではなかったのということなのか?
「えりか、貴女が気を失っていた時に見た夢は・・・現実です!!」
「えぇ?」
「そして魔物を倒したキュアブロッサムというのは私なんです!!」
驚いているえりかに言い聞かせるようにつぼみは自分が【キュアブロッサム】であるという事をえりかに告白した。ここまできたらもう黙っている必要はないと思ったからだろう。
「え、マジ!?」
「マジです!!」
えりかは衝撃の事実にそう言う。いや、驚かないと言うのはこの流れや空気的にありえないだろう。
「・・・・」
だが後ろで聞いている拓哉はそのやりとりを聞いてはいるが驚いてはいない。寧ろ聞き流しているようだったがその態度に二人は気がついていなかった。
「まさかこんな身近にプリキュアになれる人がいたなんて・・・えりか、僕のパートナーのプリキュアになってですっ!!」
コフレは感激しえりかに自分とコンビを組みパートナーになってくれるようにそう言った。
「あたしがプリキュア?・・・あのコスチューム・・・可愛かったなぁ~」
プリキュアにならないかという誘いを受けてえりかはブロッサムが登場した時のことを思い出す。あのコスチュームはえりかにとっても魅力的な可愛らしい衣装。
あれを着れるなら・・・なってもいいかも!!
「でしょ、でしょ!!第二のプリキュアになってです!!」
もうひと押しだとコフレはそう言ってえりかのモチベーションとテンションを上げる。あとはココロパヒュームを渡せれば・・・と思っていた矢先突然屋上の扉が開く音がし3人と2匹は何事だという顔になる。
「・・・お前は」
「生徒会長!!」
当然メガネをかけた男女数名が入り込んできてその団体を率いる者が姿を見せた。それはこの明堂学園の生徒会とその生徒会を率いる生徒会長の【明道院いつき】であった。
「来海さん、甲斐くん。ファッション部だけまだ部員名簿が出ていませんよ?」
えりかはギクっとした態度になっているが拓哉はそうでもないようで寧ろいけ好かないとでも言うような顔になっており口笛を吹いている。ソレを見てえりかは拓哉の頭を叩いて黙らせた。
「すいません生徒会長。今週中には必ず!!」
珍しくえりかが動揺しているのを見てつぼみは状況が読めないでいた。ただ分かっているのは生徒会長呼ばれた男子と思われる人物の姿は凛々しく思わず見とれるほどだということぐらいだ
「名簿を提出してくれないと予算が出せないので急いでください」
生徒会長のいつきはそれだけ言うと頭が硬そうなガリ勉メガネ集団を率いて屋上の扉から出て行った。
「ふぅ~」
「ふん・・・偉そうに。つーかそれだけの要件だったらわざわざここまでくるなっツーの!!」
えりかはホッと息を漏らし拓哉は鼻息を漏らして何やら気に食わないと不機嫌な態度になっていた。
「生徒会長さんって素敵な方なんですね~~!!」
「まぁね。この学校の理事長の孫でさ」
つぼみはその凛々しさに胸がキュンとなったようでそう言うがえりかは何やら意味ありげな笑みを浮かべている
「(・・・そして実は女のコなんだよな~~~・・・知ったらどうなるか)」
その事実を拓哉とえりかは言わなかった。知ったら恐らく大変なことになる。拓哉はそれを去年目の当たりにしたので面倒はゴメンだと事実を知ったつぼみがどうなるかと悪知恵を考えているえりかとは対照的だった。