NO SIDE
前日、リナの家にお泊まりして魔法やジュエルシード、リナの前世のことを語り合ったリナとなのは。決意も新たに2人は学校へと向かう。
SIDE:なのは
はぁ~昨日はとんでもない1日だったの。フェレットを拾って病院に預けたらその夜に病院が謎の怪物に襲われ半壊、その上にわたしとリナちゃんはまさかの魔法少女デビュー!?…どこのB級深夜アニメなの。
でも、これは現実。その証拠にわたしの胸にはレイジングハートが、リナちゃんの胸にはゼルさんことゼルガディスソウルが待機状態のペンダントとして光ってる。
聖祥小は私学のせいか校則が比較的甘いから、これくらいのアクセサリーは普通なの。それはそうとリナちゃん、なんだか眠そうだけどあれからすぐに寝なかったの?
「あ~、あれからゼルと話し込んじゃって…前世の共通の知り合いの話とかね。」
「そっか、久しぶりに会ったんだもんね。どれくらい会ってなかったの?」
「そうね…前世と今を合わせて、かれこれ100年ぶり…いや、それ以上かも。」
「ひ、100年って…リナちゃんって前世でいくつまで生きたの?」
「150歳だったかな?たくさんの孫たちにかこまれて幸せな人生だったわ。」
150歳って…ってことはもしかしてわたし、いままで相当生意気な口きいてた!?
「あ~大丈夫よ。転生してからあたし、だいぶ精神的に子供化?してるみたいだから。なのはやアリサ、すずか逹に影響受けてるみたいね。」
「は~よかったの、リナちゃんが気にしてなくて。それはそうと、今朝ユーノ君起きてこなかったんだけど。リナちゃんなにか…ひぃ!?」
ユーノ君のこと尋ねようと思ったら、リナちゃんからどす黒いオーラが?!でも顔が真っ赤なんだけど…
「…ユーノは昨夜あたしとO・HA・NA・SHIしたから起きてこなかったの。
」
そうなの?それならいいんだけど…あっ、バスもう来てるの!
「いけない!なのは、走るわよ!」
そう言うとリナちゃんはバス停へ駆け出した。わたしも慌てて追いかけたの。
学校へたどり着いたわたし達が教室に入ると、アリサちゃんとすずかちゃんはもう来てたの。
「あっ、なのは!例の話聞いた?」
「えっ、例の話って何?」
「槙原動物病院が昨夜めちゃくちゃに壊されたんだって。私たちが助けたフェレットが
心配だから帰りに見に行こうと思うの。」
すずかちゃんの言葉にわたしの表情が少し強張る。あれは私達のせいじゃないからね…?!
「あ~心配いらないわよ。あたしとなのはが昨夜散歩してたら、偶然逃げてきたあの子を発見してさ。今は家に保護してるわ。ね、なのは?」
「う、うん、そうなの。名前もユーノって決まったの。」
どう誤魔化そうと思ったらリナちゃんが
うまく説明してくれたの。うん、嘘はいってないの…
「そうなの?!それはまた凄いタイミングね…ま、無事なら良かったわ。」
「本当、リナちゃんの家なら安心ね。ユーノ君が落ち着いたらまた遊びにいくね?」
2人共納得したところで授業開始のチャイム…私たちは自分の席に座る。わたしは授業を受けながらレイジングハートと念話で会話する。
『聞こえますか、マスター?』
『うん、聞こえるよ。』
『マスター、貴女には優れた魔法の才能があります。経験無しであれだけの砲撃魔法を使われたのは、歴代のマスターでも貴女が初めてです…』
『そんな…それはレイジングハートが優秀だからだよ。わたしだけじゃ…』
『私はデバイス、貴女が魔法を使えるよう導くことはできますが、貴女というマスターがいなければただの道具に過ぎません。』
『う~ん、じゃレイジングハート、わたしを導いて。わたしはもっと強くなりたい。ユーノ君のお手伝いはもちろんだけど、
かけがえのない家族や友達を守れるように魔法を覚えたいの!』
『貴女がそれを望むなら。』
『うん、よろしくなの。』
早速、明日から早朝トレにメニュー追加なの!リナちゃんも誘って…
『まぁ、あたしは基礎トレよりも何が出来るのか確認しないとね?』
リ、リナちゃん、聞いてたの?!
『あたしの場合、なのはとは違って昔使えた呪文を試してみる、って感じかな?
昨日も2つ使ってみて使えたし、色々試してみたいんだ。』
『じゃ、リナちゃんも一緒に早朝トレするって事で!』『OK!』
キンコン カンコーン…
あれ、気がついたら1時間目の授業が終わっちゃったの…でも念話しながらでもノートは書いてるし先生の話も聞いてたよ?
これ、並列思考[マルチタスク]っていって魔法を使う時に重要なんだって。
明日から魔法のトレーニング、リナちゃんと2人で頑張るの!
日付は変わって、ここは家の近所にある裏山。ここだったら誰にも邪魔されないの。リナちゃんとユーノ君は少し離れたところで呪文の確認作業中。ユーノ君が結界を
張ってくれてるから、環境には心配ないんだけど…
「レイジングハート、あれって…」
『…マスター、見ない事にしましょう。
リナさんの能力は私にも理解不能です…
それより私たちも始めましょう。」
そ、そうだね?私たちは基礎トレから頑張るの!
NO SIDE
なのはとレイジングハートが基礎トレーニングを始めた頃、リナはゼルガディスの協力の元、自らの呪文の確認に勤しんでいた。その様子をユーノは側で呆然と眺めていた。
SIDE:リナ
「獣王操牙弾[ゼラス・ブリット]!」
あたしの呪文が発動すると、一筋の光弾が綺麗な線を描いて大岩に当たり、弾けとんだ。
「これでほとんどの呪文をチェック終了。問題はなかったんじゃないか、リナ?」
ゼルの問いかけにあたしは答えず首を傾げる。
「う~ん…これって一体…」
「どうした、リナ?」
「こないだあたし、ジュエルシードの異相体を倒した時に思わず魔竜烈火咆[ガーヴ・フレア]唱えたんだけど、よく考えてみるとガーヴって滅んだはずだから使えないはずなのよ…だけど普通に発動した…それどころか冥王降魔陣[ラグナ・ブラスト]も…
どうして滅んだはずの魔族の力が使えるのかてんで解らないのよ…」
「なるほど…でも、問題なく使えるのならいいと思うがな?」
「まぁね…ま、いずれ解ると思うけど。それじゃ、あと1つだけ試して今日はおしまい!最後は神滅斬[ラグナ・ブレード]いってみようか?」
そう、ラストに試すのはあたしの中に眠っている[金色の魔王]の力を使い、虚無の刃を具現化させる術・神滅斬。現状あたしの最強呪文だと思う。
「…天空のいましめ解き放たれし…」
あ、ちなみに今回は不完全バージョン。
朝からガス欠にはなりたくないし、試すだけだからね。
「…凍れる黒き虚無の刃よ…
我が力 我が身となりて
共に滅びの道を歩まん
神々の魂すらも打ち砕き!!」
呪文の詠唱と同時にゼルの刃先に虚無の刃が具現化する。長さはショートソードぐらい。うーん、まだ成長途上だしこんなもんかな?
「な、何それ!?ものすごい魔力の圧縮率…」
ふふっ、ユーノも驚いてるみたい。それじゃいくわよ!
「ラグナ・ブレード!!」
ゼルから放たれた漆黒の刃は正面の大岩を一刀両断!でもその瞬間に身体を気だるさが襲う。
「だ、大丈夫、リナ?」
「…大丈夫よ、ユーノ。久しぶりに使ったからね…」
あ~やっぱりこの呪文、魔力消費が半端じゃないわ。1回の戦闘で使えるのは1度だけね…あ、なのはもこっちに来た。
「リナちゃん、今の魔法凄すぎるの!わたしもあんな魔法使いたいな~」
「マスターとリナさんでは魔法の資質が
違うので…でも射撃・砲撃魔法だったら
いずれひけをとらなくなりますよ。」
「ほんと!?それじゃ、わたしもっともっと頑張るの!」
はは…なのはは元気ね。あたしも魔法を
覚えた頃はあんな感じだったのかな?
「それじゃ、今朝はこれくらいにしましょうか?ユーノ、結界解除お願い。」
「うん、わかったよ。結界解除!」
ユーノの声と共に結界が解除されていく。と同時に…これは!?
「ジュエルシードの反応だ!それもこんな近くに?」
「早速実戦なの!リナちゃん、行こう!」「えぇ、なのは!ゼルガディスソウル…」「レイジングハート…」
「「セットアップ!!」」
NO SIDE
2人はバリアジャケットに身を包み、それぞれのデバイスを構えると、反応のあった方向へ向かう。
「2人共気をつけて!今度の異相体は何か他の物に憑依してるみたいだ!」
「えっ、それって強いの?」
なのはの問いにユーノがうなづいて肯定する。
やがて、反応のあった地点にたどりついた2人(+1匹)は、見てはいけない物を見てしまう。
「「「うっあ~あれはないわ…」」」
そこに繰り広げられていたのは、豹に翼の生えた怪物と九尾の狐の怪物、そしてその2匹を相手にしていたのは鎌型のデバイスを構えた金髪ツインテールの美少女。本来なら絵になる構図である。
…少女が纏っているバリアジャケットが…[ふぇいと]と胸に書かれたスク水じゃなければ…
…はい、フェイトちゃん登場ですがまさかこんなことになるとは…一言でいいますと全てはお母さんのせいです!決してフェイトちゃんの趣味じゃありません!
というわけで(どういうわけだ?)
次回、「十二、黒き種 巡り対する 三つ巴」
そ、それじゃ、次回も見てくれないと…
あ、あばれちゃう…ぞ?
「なに、この可愛い生物…」
(BYフェイト&リナ)