魔法少女リリカルすれいや~ず!   作:タカヒロオー

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最近気づきましたがUA20000&お気に入り200超え有り難うございます!!
駄文&遅文な拙作にお付き合いしてくださる皆様に感謝です!




十六、尾行する アリサとすずか 見たものは

SIDE:アリサ

 

…怪しい。実に怪しい。

 

「何をそんなに考え込んでるの、アリサちゃん?」

「決まってるじゃないすずか、なのはとリナよ。なのはは学校来ても心ここにあらず、って感じでぼーとしてる事が多いし、

授業が終わったらすぐに帰っちゃうし…」「そういえばリナちゃんも近頃付き合い悪いなぁ…塾のときは一緒だけど。」

 

でしょ?!なんか2人して隠し事してるのバレバレなんだよね。

 

「私達親友なんだから悩みがあるんだったら言ってくれたらいいのに…なんかムカつくわ!」

「アリサちゃんの言い分もわかるけど…

だめだよ、怒っちゃ…」

 

すずかがなだめてくれるけど、わたしの怒りは収まらない。

 

「わかってるわよ!わかってるけど何もできなくても一緒に悩んであげることぐらい!」

 

わたしのぼやきにすずかはくすっと笑った。

 

「やっぱりアリサちゃんも大事なんだね、2人の事。」

「当たり前じゃない!あの子たちがいたから、4人は親友になれたんだから。すずかもそうでしょ?」

「うん、2人がいなかったら、私達友達ですらなかったと思う。」

 

そういうとわたしとすずかは、帰ろうと

してたリナとなのはに近寄り話しかけた。

「リナ、なのは!」「今から帰るの?」

 

わたし達の声に2人が振り向く。

 

「アリサちゃん、すずかちゃん…ごめん、今日も用事が…」

「悪いわね2人とも。それじゃ行くわよ、なのは!」

「うん!それじゃ、また明日!!」

 

………行っちゃった………

 

あぁ、もぉ!ここんとこずっとこれよ!

 

「どうする、アリサちゃん…?」

「どうするもこうするも…帰ろうか?

鮫島がもうすぐ迎えに来るから送るわ。」

それからしばらくして、お迎えのリムジンの後部座席からぼ~っと眺めてると…

 

あれって、リナとなのは?2人とも自転車に乗って、猛スピードで何処かへ向かってる。しかもなのはの前かごには子狐のくおんが、リナの前かごには子猫のヌクヌク、肩にはユーノが乗ってる…何か怪しいわね……

「鮫島!あの2人を尾行して!絶対ばれないようにね!」「お任せください。」

 

2人はわたし達の車には気づかず、どんどん郊外の方へと向かっていく。

 

「アリサちゃん、2人何処へ行くのかな?あんなに急いで…」

「わかんないわ…あ、あんなとこで…」

 

2人が止まったのは郊外にある倉庫街。

人気はまったくない。2人は自転車を止めさらに奥へと進んでいく。

 

「わたし達も後を追うわよ!鮫島はここで待ってて、何かあったら携帯で連絡するわ!!」

「判りました。お気をつけて…」

「ま、待ってよアリサちゃん?!」

 

わたしとすずかも車を降り、リナ達の後を追う。

2人は広場になっている所で立ち止まる。わたしたちは物陰に隠れて様子を伺う。

 

「いるんでしょ?でてきなさいよ、フェイト!」

 

フェイト?フェイトって誰?

 

「…なのは達も気づいたんだ、ジュエルシードの反応…でもこれは譲れないよ?」

 

そう言って反対側の物陰から出てきたのは金髪をツインテールにした、黒のワンピースを着た少女。歳はわたし達と同じくらいかな?その後ろにはオレンジ色の髪の毛のお姉さん…

 

「この間の事は感謝してるけど、私達にも事情があるんだ…だから…」

 

あの金髪の娘がフェイトって子らしいわね…でもまた解らない単語が…ジュエルシードって?

「アリサちゃん、あれ…」「えっ…?」

 

すずかが指差す方を見ると、なのはとフェイトのちょうど中間点ぐらいに、鈍い光を放つ宝石みたいな石が…あれがジュエルシードか…

 

でもなんでなのは達やフェイトはあんなの集めてるの?ますますワケわかんないんだけど…

 

「待って、フェイトちゃん!わたし達は

お話したいだけなの!フェイトちゃん達が何をしたいのか、どうしてジュエルシードが必要なのか、何にも解らないまま戦うなんてできないよ…」

「なのは………、ごめんね、それは話せないんだ。ただ言えることは…!」

 

なのはの問いかけにフェイトは拒否の意志を示し、右手を前にかざす。するとフェイトの全身が金色の光を放ち、そして…

「えっ、あれなによ…?」

 

光が消えたあと、そこにはワンピース型の水着にスカートとマントをまとい、右手に斧の形をした杖を持ったフェイトがいた。

「私達は戦うしかない、ってこと。」

「フェイトちゃん…でも!」

「残念だけど、あたし達も譲れないんだ。だから勝負よ、フェイト!」

「リナちゃん…うん、わかったの!」

 

なのはの決意の言葉をきっかけになのはは桜色の、リナは暗い蒼色の光をまとう。

え、まさか、嘘でしょ?!

 

光が消えると、そこには2人の魔法少女がいた。なのははうちの制服に似た白と青のローブに身を包み、その左手には魔導師の杖を持ってる。

リナはと言うと、翠色したアイドルのステージ衣装風のワンピース。右手には短剣を持ってる。

 

「…アリサちゃん、わたし達夢でも見てるのかな?」

「…すずか、残念だけど現実よ…」

 

「ヌクヌク、くおん、お願い!!」

 

なのはの声にヌクヌクとくおんも光を放つ…ってもしかして?…やっぱり…。

 

予想通り、ヌクヌクはリナと色違いの衣装を着た幼女、くおんも巫女風の服を着た

少女に変身した。因みにどっちも可愛い。

なのはとリナ、フェイトはそれぞれ得物を構え、臨戦態勢に入る。ヌクヌクとくおん、フェイトの連れの女性も身構えた。

そして双方が動こうとした瞬間…

「どちらも、そこまでだ!!」

 

どこからともなく声がしたかと思えば、

なのはとフェイトの間に黒いローブを着た男の子が現れ、それと同時になのは達全員が魔力で拘束された…

 

「時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ。ジュエルシードの事について、事情を聞きたい。」

 

時空管理局?また解らない単語がでてきたわ…もう、どうなってるのよ?!

 

「管理局…フェイト、撤退するよ!」

 

1人離れていて難を逃れたオレンジ髪の

お姉さんが魔法の弾を連発してクロノと名乗った少年を攻撃してきた。

 

「…くっ?!」

 

クロノはバリアみたいな魔法でそれを防ぐけど、お姉さんはお構い無しにどんどん打ち込み続ける。するとフェイトの拘束がほどけた。

 

土煙が立ち上がる中、フェイトは転がっているジュエルシードを確保しようと駆けていく。でもその時、土煙の中から…

 

「やらせるか!スティンガー!」

 

クロノが放った魔法弾がフェイトに命中!フェイトはその場に倒れ込んでしまう。

 

「フェイト?!しっかりして!!」

 

お姉さんがあわてて駆け寄り、フェイトを抱き抱える。どうやら気を失ってるみたいね。

 

クロノは2人に近づくと杖をかまえ、魔力を貯める。

 

「だめ~っ!!」

 

その時、拘束されたままのなのはが、クロノに声をかけた。

「だめ、撃っちゃだめなの!!」

 

まったく…なのはったら、自分たちも拘束されてるのに人の心配?!相変わらずお人好しなんだから…

 

でもクロノが声に気をとられた隙に、お姉さんはフェイトを抱き抱えたまま高く飛び上がり…空中で消えた?!…そっか、ワープしたんだ。

 

「アリサちゃん適応力高くない?!」

 

諦めなさいすずか、慣れないとやってらんないわ…。

 

「…逃がしたか…まぁ仕方ないか。君たちには話を…」

「お断りよ(なの)。」「えっ?!」

 

あはは、リナとなのはも相当怒ってるわね…。

 

「人が真剣に向き合おうとしてる時に勝手に乱入してきて、拘束したあげくに話を

聞かせろ?!ふざけてんじゃないわよ!」

『はい、そこまでよ。』

 

…?! 女の人の声と共になのは達の目の前にホログラフスクリーンが現れ、女性の映像が浮かび上がる。

 

『…時空管理局、次元航行艦アースラ艦長リンディ・ハラオウンです。ごめんなさいね、うちのクロノが迷惑かけて…』

 

ハラオウン?…と言うことはクロノのお姉…

 

「母さ…、艦長!!」

 

なん…だと?今クロノ「母さん」って言いかけてたよね?クロノの母親だと?!

あんた一体何歳よ?!桃子さんといい、

アンチエイジングし過ぎじゃない?

 

『今の言動は此方に非があった事はお詫びします。その上で貴女たちにこれまでの経緯を尋ねたいの。こちらへ席を用意するから来ていただけないかしら?』

 

「それは任意ですか、強制ですか?」

 

リンディの提案にリナは嫌味たっぷりで

返す。

 

『任意だけど、来てもらえると嬉しいかな?ぶっちゃけ言うと、魔法文化が無いはずのこの世界にこれだけ優秀な魔導師が居るのが驚きなのよ。

それに貴女たちの知らない情報も教えて

あげられると思うけど?』

 

リナは少し考えると、頷いて答える。

 

「…解りました。なのはも、ユーノもいいわね?」

「リナちゃんが行くならわたしもいくの。」

「僕も同行するよ。僕らの中で管理局の事を知ってるのは僕だけだからね。」

 

ユーノもしゃべった?!もう何でもありね…。

 

『有り難う。それではクロノ、彼女たちを案内してあげて。そこに隠れてるお嬢さんたちも一緒にね。』

「…了解。…こそこそせずに、そろそろ出てきたらどうだ?」

 

えっ、どうしてばれてるの?…まぁ、いっか、隠れてるのも疲れたし。

 

わたしとすずかは両手をあげながら、なのは達の前に姿を現す。

 

「アリサちゃん、すずかちゃん?!」

「…まったく気づかなかったわ…」

「ごめん、帰り道の途中で見かけたから、気になって…」

 

わたしの言葉にリナは軽くため息をつく。

「まぁ、ばれちゃ仕方ないか。この際、アリサ達にも付き合ってもらうわよ?」

 

望むところよ!アースラだろうがなんだろうが何処へでもいってやるわ!!

…でもその前に鮫島に連絡だけさせてね、心配するから…

 




とうとう魔法の世界に巻き込まれたアリサ&すずか、彼女たちを待ち受けているものは?一方、リナの重要な秘密も明かされるかも…

それでは次回、「十七、明かされる 不思議なリナの その力」

それでは…
「リリカル、マジカル、頑張ります…」
「硬すぎるわよ、クロノ…リラックス、リラックス!」
「性分です。放っといてください…」
(BYクロノ&リンディ)

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