魔法少女リリカルすれいや~ず!   作:タカヒロオー

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今回、予告していたタイトルを変更します。

あと、今回登場するキャラクター(詳細は本編で)のアイデア(主にバリアジャケットなど)を、当サイトで活躍中の立花フミさんからいただきました。

この場を借りて御礼させていただきます。本当にありがとうございました。


四十二、金色と 挫けぬ心と 蒼き仮面

NO SIDE

 

時は流れて、今日はなのはたちのデバイスが帰ってくる日。

 

リナたちご一行は学校が終わると同時にテスタロッサ家の別邸・時の庭園へと集まった。

 

ちなみに今回はリナたち子供組だけじゃなく、シグナムたちヴォルケンリッターやユーノも集まっている。

 

この場にいないのは食事の買い物に出掛けたリンディとアルフぐらいだ。

 

やがてクロノとマリーが訪れ、対策会議が始まった…。

 

SIDE:リナ

 

「すまない、遅くなった。…マリー、早速頼む。」

 

「了解。まずはなのはちゃん、フェイトちゃん、お待たせしました!相棒を返すね。」

マリーさんがバッグの中から、待機状態のレイジングハートとバルディッシュを取り出し2人に手渡す。…あれ?見た目も少し変わった?

 

「紐だったのが細いチェーンになってる…」

 

『どうです?お洒落になったでしょう?』

 

「うん!」

 

「バルディッシュも…格好いいよ。」

 

『有り難うございます、マスター。』

 

…どうやら2人とも気に入ったみたいね。

 

「前にいった通り、修理とフレームの強化をしただけだよ?後の強化はプレシアさんと…」

 

マリーさんの言葉にプレシアさんは苦笑い。…何で?

 

「…ごめんなさいマリー、実は…殆どのデバイスは後付けの強化ユニットで組み上げちゃったわ♪」

 

「はい?!」

 

プレシアさんの答えにマリーさんは目が点。…そりゃそうよね、マリーさんデバイスの強化するの、楽しみにしてたから…

 

あたしはプレシアさんに尋ねる。

 

「ちなみにプレシアさん、ユニットが完成してないのは?」

 

「え?完成してないのはレイジングハートとユーノ君のゴルンノヴァ、ガーディアン。それとリナさんのアミュレットね。…やっぱりロストロギアの技術は簡単にはいかないわ。」

 

それ本当にほとんどじゃ…ちょっと待って!

 

「まさかゼルとナーガも?!」

 

あたしの驚きの声にプレシアさんは頷いた。

 

「えぇ。…入ってきて、2人とも。」

 

扉が開くとそこには…

 

「ほ~ほっほっほ!白蛇のナーガ改めナーガ・サーペンツ、今ここに復!活!もうリナばっかり目立たせないわへぐぅっ?!」

 

あたしはその姿を見た瞬間に、その場にあった椅子を踏み台に某天才プロレスラーの閃光魔術を騒音の元の顔面に炸裂させた。

 

「ちょっと何するのよリナ?!ここは復活を喜ぶところでしょ?!」

 

「じゃかましい!もっと静かに出てこれんのか、あんたは!」

 

そこにいたのは言うまでもない、あたしの前世での自称ライバルにしてその正体は金魚のうんち、白蛇のナーガ!

 

その身体はあたしよりも少し高く、その胸には某のどっち級のお餅がついていた。…ちくしょう(涙)。

 

「…プレシアさん、これって前に言ってたユニゾンデバイスってやつ?」

 

あたしの質問にプレシアさんは頷く。

 

「そうよ、私が独自に開発したスイーフィード式の自立型ユニゾンデバイス、その名もナーガ・サーペンツよ。外見の年齢はリナさんたちに合わせておいたわ。」

 

「合わせるんだったら胸も合わせてぇぇっ?!」

 

…まぁつるぺたのナーガを見るのもなんか嫌だけど。

 

「ってアンタ、小学生でそのコスチュームはダメでしょ、いくら母親の形見って言っても。」

 

「大丈夫よリナさん、表に出るときはちゃんとした服着せるから。それよりそろそろ入ってきたら?」

 

「…あぁ。」

 

プレシアさんの呼び掛けに入ってきたのはゼル。…なんだけど…あれ、ゼルその姿ってもしかして?!

 

入ってきたゼルは以前のキメラ状態じゃなく、あたしたちと同年齢ぐらいの[普通の]少年の姿だった。はっきしいってイケメンだ。

 

「ゼル、あんた人間に戻れたの?!」

 

「あぁ、プレシアのおかげでな。」

 

「今のゼルガディス君はユニゾンデバイス…つまりプログラム生命体だから、姿はある程度自由にできるのよ。流石に以前のままじゃ…ね?」

 

そりゃそうか、昔のまんまじゃ街中歩けないもんね。

 

「という訳でゼルガディス・ソウル改め、ゼルガディス・グレイワーズ…昔の名前に戻す事にした。これからもよろしく頼む。」

 

そりゃもちろん!…なんだけど…こうなると例のアレなんとかしないと…

 

「さて、それじゃ話を始める前に…ほら、いつまでいじけているのマリー?あなたにはデバイスのユニット装着の手伝いをお願…」

 

「やります!是非やらせてください!」

 

あ、部屋の隅でいじけてたマリーさんが即座に反応した。よっぽど触りたかったのね、デバイス…

 

「…頼むわね。じゃフェイト、アリサさん、すずかさんはデバイス持って研究室に行って。あとアリシアも。」

 

「判った。じゃなのは、また後で。」

 

そういうとプレシアさんたちは研究室の方へ。というわけでこの場に残ったのはあたしとなのは、ユーノにクロノ、そして八神家の面々。

 

「さ~て、それじゃ話してもらいましょうかレイジングハート、あなたの知っている事をね!」

 

あたしの声になのはの掌のレイジングハートが応える。

 

『はい。…でもその前にリナさん、あのアミュレット型のデバイスを出していただけますか。』

 

ん?これのこと?!…あたしは上着のポケットからアミュレットを取り出す。あれ以来なんの反応も無いんだけど…

 

『…いつまで寝た振りしてるんですか、ルシフェ姉さん。もう解ってるんですよ?』

『…あ~~、バレてた?…久しぶりだね、ヴィヴィ。あたしがこの世界から追い出されて以来かな?』

 

…!! ある程度予想はしてたけどやっぱり…

 

『…あとあんたと直接話すのは初めてだね、リナ・インバース、…いや、今は逢魔リナ、だったっけ。』

 

「えぇ、まさかあなたと話すことになるなんてね、[金色の魔王/ロード・オブ・ナイトメア]。」

 

あたしのその言葉に他の一同、とりわけあっちの世界出身のアメリア、ゼル、ナーガは驚きの表情を見せる。

 

「ち、ちょっとリナ?[金色の魔王]って魔族の頂点に立つ存在でしょ?これは絶対に悪…」

 

『いやだなぁ、あたしは元々この世界の神だよ?それに魔族だけじゃなく、あの世界そのものがあたしだから。』

 

…そう、異界黙示録[クレアバイブル]から得た知識によれば金色の魔王とはあの世界の全て、創造主そのものなのだ。……あたし、そんなのに身体乗っ取られたんだよな~考えてみたら(汗)。

 

…ん?そんな存在を『姉さん』って呼ぶってことはレイジングハート、あんたまさか?!

 

『…はい、私の正式な名称は[レイジングハート・オリヴィアナ]。お察しの通り、私の前世の大元は古代ベルカに伝わる神。そして…」

 

レイジングハートは一呼吸置くように言葉を止め…

 

『彼女のデバイスとしての正式名称は[ナイトメアハート・ルシフェリア]。前世は私の姉、れっきとしたこの世界の神です。』

「ふぇぇっ?!レイジングハートって神様だったの?」

 

衝撃の告白になのははびっくりしたみたい。それはそうよね。

 

『はい。とはいっても、全ての力を使えるわけではないですし、マスターである貴女の能力の限界もありますから。』

 

『ちなみにリナ、あんたはこないだあたしの力を取り込んだから、正式にあたしのマスターだ。ま、よろしく~。』

 

…金色の魔王ってこんなに軽かったっけ?…ま、まさかあんたってL様?

 

『あ~、こっちの世界じゃそう呼ばれてるみたいだね。ま、好きに呼んでくれたらいいよ。ただあたしの力のコントロールは難しいから覚悟しなよ?』

ははっ、望むところよっ!これで重破斬[ギガ・スレイブ]を完全制御出来れば…っても魔力の絶対量の問題があるからな…

 

「…ということは、L様は使用可能なのね!…ゼル、あんた今日でクビね。」

 

「…リナちゃん?!」

 

あたしの宣告になのはは非難の表情を見せるけど、スルーして話を続ける。

 

「…とはいえ再就職先は紹介してあげるわ。…はやて、歳の近い男の子のボディーガードいらない?」

 

はやてはその言葉にピンと来たみたい。

 

「そやな~、ザフィーラは学校には連れてけんし、それにうちのアメリアの想い人をホームレスにはできんしな~?」

「は、はやてさん?!」

 

はやての言葉に即座にゆでダコ状態のアメリア…無茶苦茶かわいいぞ、おい。

 

「わかった、ゼルさんはうちで引き取るわ。給料はないけど、3食と寝床は安心してや~。…なんやったらアメリアと同室がええか?(ニヤニヤ)」

 

「「は、はやて(さん)?!」」

 

…今度はゼルもゆでダコだ。これは超レアかも…写真とっとこ。

 

「ま、まぁ感謝するわリナ。…やっとかなうんだ、わたしの初恋…」

 

あ、アメリア涙ぐんでる。そりゃそうか、次元を越えてやっと、だもんね。

 

「待たせてすまなかったな、アメリア。これからは俺がお前を護ってやる、必ず!」

「ゼルガディスさん…」

 

ハイハイ、お熱いのは家に帰ってからやってね。それよりL様、グラウシェラーが何たくらんでるか心当たり、ない?

 

『ん~、あたしもあんたに無理やり起こされたようなもんだからね…ってか、あたしL様で確定?!』

 

そ、セットアップの時は仕方ないけど愛称はL様。いや?

 

『ま、いいか。その代わりあたしを満足させてちょうだい。まだ調整が不十分だから力の20%位しか出せないけど、制御は任せなさい、リナ!』

 

うん、頼りにしてるわよL様♪

 

その時、目の前にホログラム通信でエイミィの顔が!何、何かあったの?!

「どうしたエイミィ、何かあったのか?!」

 

「クロノ君緊急事態だよ!ついさっき海鳴市内に封鎖結界が発生、その中にリンディ提督とアルフが…」

 

なんですって?!まさかシエラたちがリンディさんを狙って?…くっ、早く助けに…

 

「待ちなさいリナさん!」

 

扉が開くとそこにはプレシアさんとマリーさん。

 

「あなたたちのデバイスは調整が終わってないわ。不完全とはいえ、魔王や神に匹敵する力が解放されたのなら入念な調整をしないと…」

 

「でも、それじゃリンディさんが!」

 

「大丈夫よ、今フェイトたちを結界付近に転送したわ。それにあなたたちのデバイスもすぐ調整してあげる。…今はあの子達を信じてあげて。」

 

あたしはなのはに視線を移すと、なのはは大きく頷いた。

 

「わかりました。でもできるだけ早く!」

 

…フェイト、アリシア、アリサ、すずか…リンディさんたちをお願いね。

 

 

NO SIDE

 

場面は変わって結界上空、フェイトたちは生まれ変わったデバイスを手に、転送されてきた。

 

「まさかデバイスのお披露目がぶっつけ本番になるとはね…」

 

「大丈夫だよアリサちゃん。リナちゃんとなのはちゃんはいないけど、みんなの力を合わせれば!」

 

「そーそー、あたしもデビュー戦だから精一杯がんばるよ!」

 

「…お姉ちゃんは無理しないでね、わたしが必ず守るから。…それじゃいくよ、みんな!」

「「「おう!!」」」

 

4人の少女たちはデバイスを掲げ、起動コードを発動する。

 

「フレイムアイズ・スカーレット…」

 

「スノーホワイト・アブソリュート…」

 

「ラッキースター…」

 

「バルディッシュ・ヘキサ…」

 

 

「「「「セーット・アーップ!」」」」

 

掛け声と共に魔力光に包まれたフェイトたちはそのまま結界を抜いて突入していった。その先には…

 

SIDE:アルフ

 

「…大丈夫、アルフさん?」

 

「…なんとか…大丈夫…」

 

あたしとリンディさんは街で食事の買い物をしてた。

今日はリナやなのはたちが大勢来るから、いっぱい買い物しての帰り道…[アイツ]は襲ってきた。

 

蒼色のロングヘアーに蒼色の仮面を被り、その手には同じ蒼色の片刃の長剣。東洋の武将風(三国姫2の孫策)の衣装に身を包んだ、あたしより少し背が低い…多分女性。

 

『アナタタチノマリョク、モライウケル。』

 

そういって襲いかかってきた彼女(?)に、あたしは手も足も出なかった。…いくら攻撃しても全部避けられ、防御の合間をついてダメージを与えられた。

 

そしてとうとう、追い詰められてしまった。このままじゃ…

 

『フフッ、ナカナカヤルヨウダケド、ココマデノヨウネ…カクゴシテ。』

 

「なんの…まだま…だ…」あたしは立ち上がろうとしたけど、身体に力が入んない。あ、こりゃヤバいかな…

 

『コレデサイゴヨ…』

 

あたしがやられるのを覚悟したその時、空が光輝いたかと思うと…

 

「スカーレットバレット!」

 

「アイススプレッド!」

 

空の上から緋色と碧色の魔力弾が降り注ぎ、敵は攻撃をやめて回避した。

 

「アルフ、大丈夫?」

 

「リンディさんも無事ですか?!」

 

アリサ、すずか!助けにきてくれたんだ!

 

「アルフ、ひどい傷…アリシア、お願い!」

 

「まっかせて~!…フォーチュンドロップ[スキル=スィーフィード]…復活[リザレクション]!!」

先の2人に遅れてきたアリシアが呪文を唱えると、あたしの身体の傷が消えていく。

 

「あ、ありがとうアリシア…」

 

「どういたしましてだよアルフ。あとはあたしたちに任せて。」

 

「うん…でも気を付けて、アイツ強いよ。」

 

「大丈夫だよ、アリサもすずかもいるし、もう1人…」

 

その刹那、敵を襲ったのは正に雷光…フェイトだ。物凄いスピードで斬撃を繰り出すフェイトに相手は狼狽えてる?!

 

「よーし、そのまま倒しちゃえフェイト!!」

 

「…待って!アリサちゃん、フェイトちゃんの様子が…」

 

アリサとすずかの言葉にフェイトの方を見ると、フェイトが驚きの色を見せてる。

 

『アリサ、すずか、わたしが飛び込む隙をつくってほしいの。』

 

フェイトの念話に2人も頷くと、波状攻撃を仕掛けていく。

 

「フレイムウィップ!」

 

アリサが放った焔の鞭をかわした謎の剣士。しかしすずかが続けざまに、

 

「フリーズレイン!」

 

無数の氷の槍を放つと一瞬の隙が。フェイトはそれを見逃さず女剣士に斬りかかる。

 

「バルディッシュ、ブレードフォーム!」

 

フェイトが叫ぶと、バルディッシュは鎌状から光剣へと姿を変え相手の剣と切り結ぶ。

 

そして、つばぜり合いをしながらフェイトは…

 

「何を…何をやってるんですか?! あなたは?!」

 

フェイトのその言葉に剣士は動揺の色をみせる。

 

「こんなところで何をしてるんですか、って聞いてるんです…」

 

フェイトの瞳には涙がにじんでる。

 

「…武器は違っても、戦い方のくせはそんなに変わらないんだよ。その太刀筋も、しなやかな体捌きも…どうしてなの、答えてよリニス!!」

 

フェイトの叫びに剣士は一旦距離を取り、仮面に手をかける。

 

「わかりましたか…バレないように工夫してみたんですけどね…。」

 

あたしはその声を聞いて愕然とした。…その声はあたしとフェイトにとっては懐かしい、でも2度と聞けないはずの声。

 

「久しぶりですねフェイト…成長しましたね。」

 

仮面を外して現れたのは、プレシア母さんの使い魔にしてフェイトの家庭教師・リニスだったんだ…。

 




はい、まさかの形で登場したリニス嬢。この再会は物語にどんな影響を与えるのでせうか…

次回「四十三、恩師との 悲しき再会 運命か」

それでは次も見てくんないと…

「何でやられたい?ノコギリ、それともハンマー?」

「…怖っ?!」

(BY L様&リナ)

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