魔法少女リリカルすれいや~ず!   作:タカヒロオー

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今回はヴォルケンリッターの初陣、そして新生リナ&なのはのお披露目です。

それとめでたく1周年を迎える事ができました。ありがとうございました!


四十四、群青の 巫女の初陣 ご覧あれ

NO SIDE

 

フェイトたちの援護で一度は窮地を凌いだアルフとリンディ、すずかだったが、覇王神官グラーヴとその配下・三獣騎に遭遇してしまう。

 

そこに現れたのは群青の騎士ヴォルケンリッター。シグナムはダイン、ヴィータはアース、ザフィーラはトゥーダと対峙し、シャマルはバックアップに廻る。

 

そしてアメリアは新しく得たデバイス、ジャッジメント・ハウルをセット・アップしたのだが…その姿は何故か赤ずきんチ〇〇ャその物だった…

 

SIDE:アメリア

 

う~、口上も決まって格好良く変身したつもりだったのに…。これってこの前はやてさんが見てた朝のアニメのキャラですよね?!

あのときわたしも確かに「かわいい」とはいいましたけど、まさか自分が着る事になるなんて…。

 

…でも、この[ジャッジメント・ハウル]、とてもいい。

 

前世の時によく固いもの叩いて拳痛めたこともあったけど、これだったら大丈夫だしオープンフィンガーだから組むことも容易い。まさにわたしの為のデバイスだ。

 

(ありがとうプレシアさん、それにはやてさん…)

 

わたしはすずかさんのそばに近寄るとファイティングポーズを取る。

 

「こいつはわたしがやります。すずかさんはサポートお願い!」

 

「…うん、分かった。アメリアちゃんも気をつけてね。」

「はい!…『全ての心の源よ 尽きること無き蒼き炎よ 我が魂の内に眠りしその力 我が身となりて深淵の闇を打ち払え!…霊王結魔弾[ヴィスファランク]!』」

 

わたしの呪文と共に両手と両足が白い光を纏う。わたしが前世でよく使ってた魔力付与の呪文だ。

 

「これでよし!さぁ、いつでもかかってきなさい!」

 

「ふっ、いかな夜天の騎士と言えど所詮は子供、蹴散らしてくれるわ!喰らうが…」

 

「おりゃ~!とーさん直伝…、[平和主義者…クラ~ッシュ]!」

 

わたしは口上をたらたら言おうとするグラーヴめがけて突撃する。慌てたグラーヴはラウンドシールドを張って防御したけど…わたしの拳が当たった瞬間に音もなく粉々になった。「なんだとっ?!…というか、かかってこいって言っておいて自分から攻撃するか普通?!」

 

「正義のためならいいのよっ!」

 

グラーヴのクレームをわたしは正義の一言ではね除けた。

 

「………貴様、後悔するなよ?覇王神官の力、味わうがよいわ!」

 

「そんなのいらないです!味わうのははやてさんと桃子さんの料理だけで十分です!」

 

冗談じゃなくそう思う。ちなみにシャマルさんのは絶対いらない。タダでもごめんだ。

 

『アメリアちゃん酷い?!』

 

シャマルさんの念話は当然スルー。わたしは構え直すと呪文をイメージする。

 

『…光よ集いて閃光となり 深淵の闇を打ち払え!…烈閃槍[エルメキア・ランス]!』

 

わたしの言葉に答えるように、両掌から光の槍が翔んでいく。

 

グラーヴは今度は慌てることなくラウンドシールドで受け流す。

 

「ふん!そんなちゃちな呪文が効くものか!今度はこちらから…何?!」

 

反撃しようとしたグラーヴの錫杖が氷で凍てつく。すずかさんのバインドだ。

 

「うおりゃ~っ!!くらえ、正義の鉄拳!」

 

わたしの右フックがグラーヴのボディーに直撃、グラーヴはたまらず後ろに下がる。今のは手応えあり!

 

「ぐふっ…なかなかやるな、夜天の騎士よ…だがまだまだ!」

ふぅ…どうやら長引きそうですね、この戦い…わたしはため息ひとつ、構え直した。

 

SIDE:シグナム

 

「な、何なんだあいつは…グラーヴ様と五分に戦うなんて…」

 

「……………。」

 

あぁ、同感だよ犬騎士。…主はやての小説を読んで、多少の知識は頭に入れていたんだがまさかここまでとは…

 

わたしは犬騎将ダインを名乗った犬耳の青年と相対していた。わたしと同じタイプの片手剣を手にした剣士である奴を相手と定め、数合打ち合ったのだか…

 

そのあと始まったアメリアと覇王神官の戦闘に2人とも目を奪われてしまった。

 

あの赤ずきん姿はともかく、あの「平和主義者クラッシュ」?あのバリアブレイクはザフィーラを上回るぞ?!その後の立ち回りといい…間違いない、彼女もわたしが求める「強者(つわもの)」だ。

「…おっといけない、まずは貴様だったな、犬騎士。気持ちも昂ってきたのでな、手加減できん事、赦してくれ。…レヴァンティン、カートリッジロード!」

 

『Explosion!』

 

わたしの声に応え、レヴァンティンはカートリッジを使用、刀身が炎に包まれた。

 

「喰らえ、[紫電一閃]!!」

 

ズガッシャーン!!

 

わたしが居合いから放った一閃は炎を纏ってダインに直撃、ダインは吹っ飛びながらも体勢を立て直す。

 

「うおっ?!やるじゃねーか、えーと…」

 

ん?そういえば名乗ってなかったか?名乗らないのは失礼だな。

「ヴォルケンリッターが将、シグナムだ。お前は確か…」

 

「シグナムか…俺は覇王神官グラーヴ様の僕、犬騎将ダインだ!さぁ、勝負を続けようぜ!」

 

…そうだな、アメリアとはまた後、今はこいつを叩きのめすとしようか!

 

SIDE:ヴィータ

 

あ~あ、シグナムの戦闘狂に火がついたな、こりゃ。…ま、あんなバトル見せられたら仕方ねえか。

 

ってか、アメリアってあんなに強かったのか?普段大人しいから騙されたぜ。

 

「どうした、怖じ気づいたのかおチビちゃん?!」

…おっと、目の前のゴリラのこと、すっかり忘れてたぜ。

 

「うるせー!おまえなんてめじゃないんだよ、このゴリラ!」

 

「ゴリラじゃねぇ、俺様の名前はアース、猿騎将アースだ!てめえこそ子供じゃねえか、このチビ!」

 

…ブチッ

 

「あたしはチビじゃねー!ヴォルケンリッター[鉄槌の騎士]、ヴィータだ!お前なんかアイゼンの錆にしてやる!アイゼン、フォルム・ツヴァイ!」

 

『Explosion!』

 

アイゼンはカートリッジを射ち出すとラケーテンフォルムへと変形した。いくぞ、このゴリラ!

 

「ぶっ飛べ~、ラケーテンハンマーっ!!」

 

あたしは自分を軸にしてアイゼンを振り回しながらアースに突進する。

 

「おっ、おーっ?!」

 

アースはバリアも張らずにもろにくらってぶっ飛んだ。なんだ、見かけ倒しか?!

 

「…いたたた、やってくれたな、おい?!」

 

何だと?!アースの野郎、たいしたダメージも喰らってないのか?…頭から血は流してるけどさ。まぁあれで終わっちゃ面白くもなんともねぇ。

 

「さぁ、お楽しみはこれからだぜ?いくぜヴィータ!」

 

上等だ!地面にめり込ませてやるから覚悟しやがれ!

 

SIDE:ザフィーラ

 

ふむ…あの小柄な少女があれだけの力を持ってるとはな…一度拳を交えてみたいものだ。

「あら、目の前の美人無視して他の娘見るなんて…失礼じゃない?」

 

…済まん、お前の事を失念していた。確か鳥騎将トゥーダとか言ったか…

 

「それほど興味が無かったのでな…まぁ先約は貴様だ。闘うとしようか…我が名はザフィーラ、夜天の守護獣なり!」

 

「わたしは鳥騎将トゥーダ、わたしの美貌に惚れるといいわ!」

 

…残念だが、貴様に惚れる事などあり得ん。私には気になる同族がいるのでな。主に仇なす貴様はここで倒す!

 

私は拳を構え、目の前の敵に向かうことにした。

 

NO SIDE

 

こうして、ヴォルケンリッターと覇王の配下が闘う最中、フェイト達の戦況にも変化が…。

 

SIDE:フェイト

 

リニスと戦い始めてから数分、膠着状態が続いている。

 

お互いに手の内は知ってる。アリシアやアリサの支援はあるけどさすがわたしの師匠、攻撃は悉くいなされていた。

 

「…まさかここまで強くなってるとは…わたしはとても嬉しいですよ、フェイト。」

 

「…リニスこそ、3人がかりでも攻めきれないなんて…昔、アルフと二人教わってた頃を思い出したよ…ねぇリニス、あの頃にはもう戻れないの?」

 

わたしの言葉にリニスの表情が曇る。

 

「…無理ですよ、フェイト。今の私は覇王様にお仕えする身、覇王様に逆らうあなたたちとは相容れる事などありませんよ?」

 

…うん、そうだよね。だからリニス、わたしはあなたを倒してでもあなたを助ける!それがあなたへの恩返しだから。

 

『何をしているのリニス?』

 

…その声は!?

 

声と共に現れたのは、覇王将軍シエラだった。…しかも後ろには魔物の一軍?!

 

「…あら、誰かと思えばこの間ボロクソにした娘じゃない?!またやられにやってきたの?」

 

「…ねぇアリシア、もしかしなくてもこれって…」

 

「ヤバいよね…絶体絶命、ってやつ?」

 

アリサとお姉ちゃんも魔物に囲まれてる…言うまでもなくピンチだ。

 

「…どうやら形勢逆転のようですね。…大人しく降伏してくれたら痛い目には合わせませんよ?!」

リニスの降伏勧告にもわたしは首を横に振る。

 

「…それはできないよリニス。だってそれはリニスが教えてくれたことだよ、『友達を裏切るな』って…」

 

わたしの言葉にリニスは少し表情を変えた。

 

「?!…そうでしたね…」

 

それにね、もうすぐ来てくれる…最強の友達が…!

 

「…!?…結界上空に魔力反応…これは?」

 

SIDE:リナ

 

…なんとか間に合ったみたいね。ま、ぶっつけ本番だけど。

 

「いきなりデビュー戦なんて悪いわねL様、準備はいい?」

 

『…キタキタキタ~っ、いよいよやって来たわ、あたしの時代が!さぁここからは10話位あたしの独壇じ…』

 

そんなもんあるか~~~~~!ってかなんてメタ発言してんのよL様?!…今からが最初の見せ場、変身シーンなんだから…新しいバリアジャケット、期待してるわよ♪

 

「なのはも、準備いい?」

 

「うん!…レイジングハートもごめんね、いきなり本番で…」

 

『お気になさらずに、その為の私たちですから。』

 

それじゃいくわよ!!

 

『…ナイトメアハート・ルシフェリア…』

 

『…レイジングハート・オリヴィアナ…』

 

『『セェ~ット・アップ!!』』

 

あたしとなのははそれぞれの魔力光…濃蒼と桜色に包まれると変身を開始。

なのはは基本的に以前のバリアジャケットと変化ないんだけど、両腕部分にハードシェル装甲がつき、胸のリボンと頭のリボンもハードシェル装甲に。……う~ん、いかにも防御力高そうね。

 

レイジングハートも後付けのカートリッジシステムが取り付けられてうん、いい感じ♪

 

で、あたしの方はというと…見た目は比較的なのはのバリアジャケットに似てる感じ。

 

白をベースとして金色で縁取られたフレアスカート。肩の部分にはハードシェル装甲。ポニーテールだった髪の毛はほどかれて星形のアクセサリーの着いたバンダナで纏められてる。

 

そしてL様はというと…テレビの魔法少女が持つような杖になってた。杖の真ん中には六紡星をモチーフとしたコアが入ってる。

「わ~、リナちゃん可愛いの!よく似合ってるよ、うん。」

 

「ありがと、なのは。…あんたも格好いいよ、なんだか強そう。」

 

「へへっ…(テレッ)」

 

あ~あ、顔赤らめちゃって…。いけない、早くフェイトたち助けにいかなくちゃ…なのは、景気付けに一発、いく?

 

「うん、リナちゃん!」

 

『待ってました!』

 

『それも悪くないですね。』

 

あたしとなのははそれぞれのデバイスを構えると…

 

『『カートリッジシステム、ロード!!』』

 

カートリッジを使用して魔力を充填する。…いくよ!!

 

『ディバィーン…バスタァー!』

 

『魔竜…烈火咆[ガーヴ・…フレア]!』

 

放たれた濃蒼と桜色の砲撃は結界を貫き大穴を開けた。…さぁ、みんなを助けにいくよ!!

 




とうとう降臨した新生リナ&なのは。その実力はいかに?!

次回「四十五、ご降臨 2人の魔王(?) その力」

個人的にはリリなの劇場版と林原めぐみ閣下の(恐らく最初で最後の)ファーストライブで頭が一杯の私…

『後書き関係ないだろ!』

ガスッ

(BY作者&血の匂いが漂うL様)

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