魔法少女リリカルすれいや~ず!   作:タカヒロオー

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暑さもピークが過ぎて、執筆が進むように…なったのかな?

頑張ります!


はいすくうる〈1〉 運命の出逢い、運命の再会

NO SIDE

 

アリサの家から転送されたリナ、なのは、フェイト、アリサ、すずか。

 

転送された先はミッドチルダでも有数のリゾート地。その名前は…

 

SIDE:リナ

 

「しっかし…アリーマって地名だけでもえっ?って感じなのに、ホテル・〈コーヨカーク〉って…わかる人にしかわかんないわよっ?!」

 

「…誰に怒鳴ってるのリナちゃん…?」

 

…はて、誰にだろうね?(謎)…それはそうとはやてたちは、っと…。

 

「お~い、みんなぁ~っ?!」

 

「…やっと来たか、待ちくたびれたぜ…」

 

「遅いですよ皆さ~ん!」

声のした方を見ると、管理局の制服姿のはやて、ヴィータ、そしてアメリアの姿が。

 

「ごめんごめん、若干1名寝過ごした人が居てさ…」

 

アリサがそういうと、3人は合わせたように…

 

「寝過ごした?」

 

「そんなのどーせ…」

 

「あなたなんでしょ、リナっ?!」

 

…予想通りのコメントにあたしたちは苦笑い。…なのはは顔伏せてるけど。

 

「残念、ハズレ。…寝坊したのはなのはよ。」

 

あたしの答に驚いた表情のはやてたち。…こいつら、あたしをどんだけ寝坊助だとオモッテルンダ…

 

「どないしたんなのはちゃん、体調でも悪いんか?」

「…確かになのはが寝坊なんて珍しいよなぁ…」

 

「ほんと!…リナはしょっちゅうだけど。」

 

… やかまし。それとアメリア一言余計。

 

「大丈夫だよみんな、心配してくれてありがと。」

 

なのはは申し訳なさそうに礼を言う。

 

「ならいいけど…せっかくの旅行を台無しにしたくないもんね。」

 

まぁアリサのいうのは正論ね。この面子で遊ぶのもしばらくは出来ないんだし、おもいっきり楽しむとしましょ?

 

「うん、アリサとすずかは新学期からは別の学校だからね。」

 

「う~~~っ…ほんとはわたしも行きたかったんだけどなぁ…」

「アリサちゃん、それは言わない約束だよ?わたしたちは家業を継ぐっていう、リナちゃんやなのはちゃんたちとは違う目標があるんだから。」

 

そう、アリサはバニングスグループの、すずかは月村家の跡取りだから海鳴に残りこちらの高校に通うことになってる。

 

「…確かアリサちゃんが武偵高校で、すずかちゃんが直江津高校だっけ?」

 

…すずかはともかく、アリサは継ぐ気あるの?!そこって確か…

 

「皆まで言わないで?!…だって資格取り放題よ、しかも普通じゃ取れないような奴まで?!大学は父さんのいう学校に行くつもりだから、高校ぐらい自由にね。」

 

「わたしは姉さんがその学校にいけば楽しいことが起きるからって。何でも真祖クラスの同族がいるらしいんだ。」…実はすずかの実家・月村家は吸血鬼の真祖の家系で、もちろんすずかもそう。あたしたちは小学校卒業の時に本人から打ち明けてもらった。

 

『もう親友を騙し続けるのは嫌だ』って。

 

今考えてみると、あの運動神経はそういう事か、と思う。

 

…てか、他にもいるんだそんな人外が…

 

「…まぁまぁ、話はチェックインしてからゆっくりな。このホテルは食事が美味しい上に部屋からの眺めもバッチリらしいで。」

 

…というわけで、まず最初はホテルの屋上の展望台へGo!…さすがミッドチルダ随一の観光地ね、ガラス張りの高速エレベーターからでも見事な眺めだわ。

 

「すっごーい、あんなに遠くまで?!」

 

「それだけやないで、多分もうすぐ…ほら、山の方見てみ?!」

 

「………………?!」

 

その時あたしたちの目に飛び込んできたのは、展望台全面に拡がる雲海だった。

 

このホテルは地球のものとは比べ物にならないくらい高層な為、文字通り『雲を突き抜け』たのだ。

 

「…凄いわねこれは…まさに雲の海そのものよこれは…」

 

「こんなの見たことない…」

 

神秘的な光景に目を奪われたあたしたちは雲海をバックに記念撮影。そして予約を取っておいた最上階のレストランで食事と相成った。

 

「がつがつがつ…」

 

「ばくばくばく…」

 

周りの客席の反応がどうもおかしい。何かに見とれてるというか、呆気にとられてるというか…

 

「…多分リナとアメリアにだと思う。」

 

「わたしもそうだと思うの…。」

 

フェイトとなのはがこっちを見ながら呟く。

 

「…えっ、これくらい普通じゃない、ねぇアメリア?」

 

「むしろ皆が少食なんじゃ…あ、すいません、ムニエルとパスタおかわり!!」

 

「あたしはステーキとライス大盛りで!!…あ、ミディアムレアでお願い♪」

 

「うっ…マジかよ…」

 

…いっとくけど、あたしもアメリアもこう見えて結構グルメ。あたしは前世で故郷(くに)の姉ちゃんに舌を鍛えられてるし、アメリアに至っては大国セイルーンの王女さまだからね。

…そう考えるとナーガも食べ物にはうるさかったわね。何でも食べたけど…。

 

「さぁ、ご飯も食べたことやし午後からは…『ピリリリッ!』…本部から通信?!いったいなんやろか…」

 

管理局本部から通信?!…嫌な予感以外なにもしないんだけど…?

 

「…皆、大変や!『訓練施設の近くにある空港で大規模な火災が発生、近辺に滞在する管理局の魔導師に救助の応援を要請する。』やって!」

 

空港火災?!…予想以上の重大事態じゃない!

 

「仕方ないわね、旅行は一時中断よ!…せ~の、…」

 

『セーット・アーップ!(×8)』

 

あたしたちはバリアジャケットを装着しデバイスを展開すると、全速力で現場へと向かった。

NO SIDE

 

火災現場に向かったリナたちだったが、現場は彼女たちの予想を遥かに上回る惨状だった。

 

火災現場には、消火魔法を使える魔導師も、消火隊を指揮する司令官も不在だったのである…。

 

「…応援の方ですか?!ご協力感謝します!」

 

現場の魔導師の中のリーダー格らしき人が話しかけ、代表してはやてが応える。

 

「…指揮官候補生、嘱託魔導師の八神はやて、他7名です!…指揮官は貴方ですか?」

 

はやての問いに男は悲痛な表情で答える。

 

「いえ…わたしはあくまで暫定的なものです。指揮官は今こちらに向かっているはずなのですが…」

「…な、なによそれっ?!」

 

「それじゃ消火活動は…」

 

アリサ、すずかの言葉にも申し訳無さそうに首を振るばかり。

 

それを見たはやては意を決して男に話す。

 

「…解りました。非常時と判断し、指揮官と援軍が到着するまでの間わたしが全体の指揮を取ります。…任せていただけますか?」

 

「本当ですか!はい、これより八神はやて候補生に現場指揮を委任します!…よろしくお願いします!」

 

はやては頷くと、後ろでてぐすねひいているリナたちに指示を開始する。

 

「…聞いての通りや!…すずかちゃんとアメリアは消火活動の指揮と援護を!」

「任せて、はやてちゃん!」

 

「守護騎士の名にかけて!」

 

 

「ヴィータは燃え移りそうな建物を破壊して二次災害を防いで!必要以上に壊すんやないで?」

 

「任せといてはやて!燃えそうな奴だけだろっ!」

 

「リナちゃん、なのはちゃん、フェイトちゃん、アリサちゃんは四方に別れて要救助者の捜索と救助や!頼んだで!」

 

「任せなさいっ!」

 

「絶対助けてみせるの!」

 

「それじゃ…」

 

「ミッション…スタート!!」

 

掛け声と同時にはやてを除く7人は自分の使命に向けて動き出した。

 

消火班は上空高く舞い上がり封鎖結界と消火の準備、救助班はそれぞれの方角へ散らばり炎の中へと突入していく。

 

「す、凄い…なんて統率力だ…」

 

「さて、と…でておいで、リイン?」

 

『はいです、マイスターはやて!』

 

はやてのデバイス、シュベルトクロイツから現れたのは、夜天の主の新たな融合騎、リインフォース・ツヴァイ。

 

「リインはわたしとここで指揮官がくるまで補助をお願いや。情報処理は任せたで?」

 

「リインにお任せですぅ!!」

 

…これが後の機動六課総司令官として名を馳せた、八神はやての記録に残る最初の指揮である。

SIDE:なのは

 

『なのはちゃん、こちらはやて。…進行方向800m先に生体反応1…救助に向かってや。』

 

「こちらなのは、了解。…レイジングハート、全力で翔ばすよ!」

 

『行きますよ、なのは!』

 

わたしの願いに応えるように、両足の羽根が大きくなり飛行スピードが上がる。要救助者はいったいどこ…あっ!

 

SIDE:???

 

「…お父さん…お姉ちゃんっ……ノーヴェ…ェ…」

 

ドッカーーン!

 

「うわぁっ?!」

 

…お父さんの出向先にお姉ちゃんと妹のノーヴェの3人で遊びに来て…まさかこんなことに…

「…痛いよっ…熱いよっ!…こんなのやだよぅ…」

 

もう帰りたい…夢なら早く醒めてよっ?!

 

わたしは痛む身体を起こし、立ち上がろうとした。その時…!

 

ミシッ…ミシミシッ…バキッ!!

 

「…えっ?!」

 

ゴゴゴゴゴッ…

 

物凄い音にわたしが振り向くと、そこには倒れてくる巨大な女神像…もう逃げられないっ?!

 

「誰か…助けてっ!」

 

わたしは死を覚悟し目を閉じた。…でも、いつまでも石像は倒れてこない。

 

??…恐る恐る目を開けると、そこには魔力の枷に縛られた女神像。そして舞い降りたのは…白いバリアジャケットに身を包み黄金の杖を持った、女の人…わたしの目にはその人はまさに〈天使〉そのものだったんだ…

SIDE:なのは

 

…!はぁ、危なかった…なんとかバインドが間に合ったよ…

 

『…要救助者はあの子のようですね…』

 

うん、辺りに人影はないしそうみたいだね。…わたしは泣いてるその子に近づき声をかける。

 

「大丈夫?…よくがんばったね、偉いよ。」

 

「ぐすっ…わたし、わたし…うわあぁ~ん!」

 

わたしは泣きじゃくるその子の頭を撫でなぐさめる。

 

「あなた、お名前は?」

 

「…スバル…スバル・ナカジマ…」

 

スバルちゃんか、いい名前だね。さぁとりあえずここを脱け出して…

 

『…?! なのは、頭上から?!』

えっ…わたしが見上げたその先には崩れた天井が…駄目だ、バリアも間に合わない?!わたしはスバルをかばうように覆い被さる。…その時、目の前に男の人が立ちはだかり…

 

「爆砕…点穴!」

 

次の瞬間、落ちてきた天井は粉々に砕け散る。目の前の彼が指一本で岩を破壊したのだ…指一本で。

 

「あ、ありがとうございます、お陰で…えっ?!」

 

わたしは助けてくれた男性にお礼を言おうとした瞬間、硬直してしまう。

 

年の頃はわたしとおなじくらい、その身体は見るだけで鍛えられてるのがわかる。

 

でも、わたしが目を奪われたのはその出で立ち…黄色のTシャツを腕捲りして背中には大きなリュックサック。そして何より特徴的なバンダナ…

 

「もしかして…『りょうがくん』、なの?」

 

「…?! お前…『なのは』…なのか?」

 

…まさかこんな形で再会するなんて、神様もL様も読めないと思うの…

 




遂に再会した2人。さらにはフェイトとリナもあの子たちと?!

次回「はいすくうる〈2〉雷神と魔王の人助け」

それでは次回もリリカル、マジカル…

「「頑張ります!!」」

「うん、良くできました♪」

(BY スバル、ノーヴェ&ギンガ)

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