今回は良牙の秘密に迫ります。それでは、どぞっ!
NO SIDE
空港火災の救助にお疲れぎみのリナやなのはたちだったが、はやての新たな決意を受けて気持ちを新たにする。さらに、なのはから『初恋の人発言』が飛び出し…
SIDE:なのは
え、え~っと…なんでみんなそんなに目を輝かせてるのっ?!
「そんなの、あんたの旦那が見たいからに決まってるじゃない?!…いいからさっさと見せなさいよ!」
ひ、ひぇ~っ?!なんだかアリサちゃんが怖い…なんで怒ってるのっ?!
「…多分羨ましいんじゃない?あんたに彼氏ができそうなのが。」
「だまれリア充っ!」
…リナちゃんとアメリアちゃんは彼氏持ちだからなぁ…そうこうしながらもわたしたちはホテルのロビーまで来たんだけど…あれ?
「何処にいるのよ…あの時助けたあの変な格好の人でしょ、腕捲りTシャツにねじりバンダナの…」
…うん、アリサちゃんはわたしに喧嘩売ってるのかなぁ?これは後でO・HA・NA・SHIしようか?
「…じ、冗談よ冗談。ははは…(…今なのはの後ろに悪魔が見えたのは気のせい?)」
そう、それならいいの。…でも、もう来てるはずなのに…
「…ここは…どこだっ?!」
その時わたしたちの後ろからした声に振り向くと…りょうがくんとあの娘は…
「シャーリー…管理局の職員ってあんただったのっ?!」
彼女の名前はシャリオ・ファニーニ。管理局本部に勤めるデバイスマイスターの卵で、マリーさんの弟子にあたる。わたしたちはシャーリーって呼んでるの。
「あっ、なのはさんっ?!…良かった、もう逢えないかと…」
シャ、シャーリーどうしたの?!目に涙なんか浮かべて…
「…もしかしてあんた…なのはというものがありながらシャーリーに手ぇ出したんちゃうやろなぁ?!」
???…りょうがくん、本当にそんなことを…?
「…ま、待て誤解だっ?!俺は…」
「そうです、わたしたちは…道に迷ってただけですっ?!」
「…道に?!…でもあなたたち30分前に…?」
…そう、わたしたちは30分前にホテルのフロントから「お連れ様が到着した」と連絡を受け、身支度を整えてロビーに来た。
このロビーはホテルの中央にあり、フロントのあるエントランスから離れてはいるけど、それでも5分とかからないはずなんだけどなぁ…
「…はい、確かにわたしと良牙さんは30分前にフロントで呼び出してもらった後此方へ向かった…はずでした。けど…歩いても歩いてもたどり着くのは宴会場だったりトイレだったり…」
「…………………」
涙ながらに語るシャーリーの言葉をわたしたちは正直どう受け止めていいのか解らなかった。
シャーリーの話は更に続く。
「…それで気がついたら何故かなのはさんたちが目の前に…本当によかった…!」
「…リナちゃん、なのはちゃん…まさか思うんやけどこれって…」
「皆まで言わないではやて。…良牙って言ったわよね、…あんたってまさか、方向音痴?!…それも極度の。」
リナちゃんが放ったその一言にわたしの中で何かが反応する。
(…え、ちょっと待って?!…ほ、方向音痴?!まさかあの時来なかったのは…)
「あ、あの…良牙くんって…本当に方向音痴なの?」
わたしの質問に良牙くんは頬をかきながら照れくさそうに答える。
「あ、あぁ…何でかは分からないが、昔からうちの家族は俺も含めて方向音痴なんだ。しかもとんでもないな…」
「…じゃあ、10年前に約束守ってくれなかったのも…?!」
「…あの時は約束した以上は行くつもりだったんだが…」
良牙くんはリュックサックから何かを取り出す。小さな瓶に入った…それって星の砂?だよね。
「…確か近くに海があったから海目指して向かったら辿り着いた浜辺で拾ったんだ。…9月も半ばだったのに暑かった…。」
「…あのさ良牙、それってもしかして…いや何でもない…」
リナちゃんが何かを言いかけて止めた。
(…良牙くん、海鳴に来ようとして沖縄に行っちゃったのっ?!)
「…約束を破ってあの時は本当にすまなかったっ!」
頭を下げて謝る良牙くんにわたしは、首を振って答える。
「いいよ、悪気があったわけじゃないんだし…ね?」
「…すまない…そうだ、お詫びというわけじゃないが、これ受け取ってくれないか?」
良牙くんは星の砂の入った小瓶を差し出してきた。
「思えばこいつを10年も持ってたのも、いつかお前に逢えると思ってたからかも…受け取ってくれるか?」
良牙くん…もちろんだよっ!わたしは差し出された星の砂を受け取った。
「ありがとう!…あ、紹介するね。この人がえっと…あれ?良牙くんの名字って?!」
バンダナに書いてあったから名前は知ってたけど…
「あぁ…それじゃ自分で言うよ。俺の名前は響 良牙(ひびき りょうが)。なのはとは10年前に海鳴で出逢った時遊んだ仲だ…よろしく。」
へぇ…響って名字だったんだ…初めて知ったの。
「…で、皆はわたしの大事な友達っ!みんな魔法がつかえるんだよ!」
「あたしは逢魔リナ、よっろしく!」
「八神はやてです、仲良うしてな?」
「…アリサ・バニングスよ。」
「月村すずかです。よろしくお願いします!」
「八神アメリアです!以後お見知りおきを。」
「…八神ヴィータだ。…ま、よろしく頼むわ。」
ウンウン、あとは…あれ、フェイトちゃんどうしたの不機嫌そうな顔して…
「…何でもないよ。…フェイト・テスタロッサです。」
…後ろでリナちゃんとはやてちゃんがなんか苦笑いしてるんだけど…なんなんだろ?…まぁいいか。
「…それで良牙、今回も道に迷ってなのはと出会ったの?」
リナちゃんの質問に良牙くんは首を横に振った。
「いや、今回は迷ったというより…導かれたような…気がする。」
「導かれた?どういう事なの、良牙くん?!」
「実は10年前も今回も、俺があることを願った時に、不思議な光に導かれて…そして気が着いたらお前が側にいた…ということなんだ。」
…えっと…不思議な光って多分次元震によるものなんだろうけど…
「何を願ったのよ良牙?」
アリサちゃんに質問された良牙くんは苦い表情に。
「…『今の世界からいなくなりたい。』…それが俺が願ったことだ。」
………!!!
「ちなみに10年前は両親が離婚すると言い出してな…すれ違いが多いって…帰ってきたらすっかり仲直りしてやがったが。」
「で、今回は?!」
「…今は言えん。すまないが少し時間をくれ。」
うん、誰にだって言えない事あるよね…
「わかった。良牙くんが話してくれるまでもう聞かない。それより…良牙くん、これからどうするの?」
今の世界と良牙くんのいた世界が同じ次元なら帰れる可能性もあるけど、リナちゃんの世界みたいな平行世界だったら…まず帰れない。
「…あいにくこっちの世界はまったく知らないからな、どうしたもんか…」
「…だったら、わたしたちと暮らす?」
「なのはっ?!」
わたしの爆弾発言に周りはざわついた。でも…
「ま、それしかないんじゃない?…知り合い、なのはしかいないんでしょ?」
「まぁ相部屋になるかはわからんけど、とりあえずカリムにお願いしてみるわ?カリムやったら聖王教会にも顔広いしなぁ。」
リナちゃん、はやてちゃん!やっぱり持つべきは親友だねっ!
「…………(ブスッ)」
相変わらずフェイトちゃんの機嫌が斜めなんだけど…
「あ~、気にしなくていいわよなのは。」
「そーですよっ、ただの焼きもちですよっ!」
…焼きもち?フェイトちゃんが何で?!…ま、いいか♪
「それじゃこのまま良牙くんの歓迎会しよか?ホテルのレストランに予約いれてあるし、1人追加ぐらいできるやろ?」
「賛成~!」
…どうやらなんとかなりそうなの!良牙くんと同じ学校…夢なら覚めないで欲しいよ…
ムギュ
「ひ、ひたいのリナちゅぁん?!」
「夢じゃないみたいよ、なのは?…よかったわね。」
うん!学園生活が今から待ちきれないのっ!
NO SIDE
こうしてリナたち[魔を滅する者達/デモン・スレイヤーズ]に新たな仲間が入る事になったのだが…
当の本人・響 良牙は1人心の中で悶えていたりした…
SIDE:良牙
ふう…なんとか誤魔化せたみたいだな…
まるで深い事情がある素振りで言ってしまったんだが…言えるはずがないだろうが!
元の世界からいなくなりたいと願った理由が…
『あかねさんと乱馬のキスシーンを見てしまったから』なんてっ?!
…でも改めて、思い出した事もあった。…俺の初恋はあかねさんじゃなく、10年前に出会った少女…なのはだったこと。
今はまだ言えねぇけど。
…あっ、石を投げないでっ?!
まぁそんな理由でやって来た良牙くんですがルーミックの人なんでなのはとはなかなか…(笑)
それでは次回、「はいすくうる〈5〉獅子の咆哮、豚の悲鳴(笑)」
…まぁ、タイトルで察してあげてください。
次回も、リリカル、マジカル…
「がんばり…《バシャァ~ッ!》ブキッ、ブイブイッ?!」
(BY良牙→〇ちゃん)