(全て独自設定)
※家族構成はなのセントよりです。…なのでクイント健在の8人家族です。
※ただ、6人姉妹の順番は①ギンガ②チンク③ディエチ④スバル(姉)ノーヴェ(妹)〈双子〉⑤ウェンディとさせていただきます。
※あとノーヴェはなのセントのロリノーヴェがそのまま成長しています。
※いうまでもないかも知れませんがお隣はマッドな科学者の親戚の叔父さん一家が住んでます(笑)。
六十、始動する 新たな星の 物語
NO SIDE
PM(パラレル・ミッドチルダ)事件から約半年。リナたちが2年生に進級した頃…
SIDE:スバル
「え~っ、皆さんはこれから1年間、様々な訓練を受けていただき立派な管理局の…」
…
『ねぇスバル姉、どうしてどこでも校長先生の話って長いんだろ?』
『そうっスよね~、それでまぁ大体…』
ドサッ
あ、また倒れた。…これで3人目だよ?
「ま、これくらいで倒れるよーじゃ訓練耐えれないとは思うけどね。」
わたしの名前はスバル・ナカジマ、12歳。わたしと双子の妹のノーヴェ(あとここにはいないけどギンガ姉)は1年半前に起きた大規模な空港火災に巻き込まれた。
危うく命を落としかけたその時、わたしたちを助けてくれたのは…管理局の〈エース・オブ・エース〉、高町なのはさんと〈魔を滅する者/デモン・スレイヤー〉逢魔リナさんだった。
その日から2人はわたしたちにとって憧れと同時に…
『あの人たちみたいに強くなりたい…』
その想いを胸にわたしたちは魔導師を目指して勉強、そしてストライクアーツを学ぶ。
そして今日、わたしとノーヴェ、そして妹のウェンディは時空管理局武装隊の陸士訓練校に入校した。
「…と言うわけで、早速だが本日より訓練を始める。各員はこの後割り当てられた部屋に荷物を持って移動するように。…なお部屋のルームメイトは当面のパートナーとなる。試験と面接から選んだ組み合わせだ、喧嘩なんかしないように。1時間後、訓練を開始する。以上だ!」
あ~、やっと話が終わったよ~!
「あ、スバル姉!」
後ろからした声に振り向くとわたしとそっくり(髪型はセミロング)の双子の妹・ノーヴェと、パイナップルみたいな髪型をした1つ年下の妹・ウェンディ。
「スバルねーちゃんはなん号室?あたしとノーヴェねーちゃんは31号室ッス!」
ん~と、わたしは…32号室。2人とは別室かぁ…ま、隣同士だし、2人部屋だから元々1人はあぶれるんだよね。
「32号室…あんたも?」
横からした声に振り向くと、そこにいたのは落ち着いた雰囲気の女の子。オレンジ色の髪の毛をツインテールにしてる…少し年上っぽいかな?
「あ、はい!…スバル・ナカジマ、12歳です。今日からコンビ組ませていただきます…よろしくお願いしますっ!」
わたしが挨拶すると、彼女はあまり関心が無さそうに返事する。
「…あくまで仮コンビだけどね…ティアナ・ランスター、13歳よ。ま…よろしく。」
ランスターさんはそう言うと手荷物のバッグを肩に抱える。
「荷物置いたら早めに行こっか、準備運動きっちりやりたいしね。」
「は、はいっ!」
…はぁ~、ランスターさんかぁ。大人っぽいし、綺麗な人だなぁ…
「そんじゃスバル姉、また後でね♪」
「遅れないよ~にするッスよ~!」
ノーヴェとウェンディも部屋に入っていく…いけない、わたしも早く準備しなきゃ?!
わたしはバッグを肩にかけると先を歩くランスターさんの後を追いかけた。
その頃学長室のブラインドから外を覗く2人の少女の姿があった。…時空管理局保護管理官アリシア・テスタロッサとその妹で同執務官のフェイト・テスタロッサの姉妹である。
SIDE:フェイト
「ふふ…新人さんたち、みんな元気だね。」
ブラインドを下げながら話すアリシアお姉ちゃん。
「えぇそうね…今年も元気な子達が揃ったわ。もっとも、7年前のあなたたちには負けるけどね。」
そう返してきたのはこの訓練校の学長にしてわたしたちの恩師でもある、ファーン・コラード三佐だ。
「…ま、あなたとなのは、それにリナは3ヶ月の短期プログラムだったから…」
「はい、その節は本当にお世話に…」
コンコン!
「どうぞ、開いてるわよ?」
ノックの音にコラード先生が応える。
「失礼しまっす!」
ドアが開くと、わたしの副官を勤める執務官補佐、シャリオ・フィニーニ(シャーリー)、そして…
「…初めまして、エリオ・モンディアルですっ!本日は見学させていただきありがとうございます。」
後ろから入ってきたのは赤毛の髪の少年。
この子はエリオ・モンディアル。訳あってわたしとお姉ちゃんがとある研究施設から救助、保護した子供だ。
「はい、しっかり勉強していってね。」
「シャーリー、ごめんね~っ!エリオ、いい子にしてるんだよ?」
「はいっ、それじゃいってきまーす!」
ガチャン
シャーリーとエリオは挨拶を済ませると学校の見学に向かった。
「…かわいい子ね。あの子が例の…?」
「うん、あたしとフェイトで救助した子だよ。あたしは本当は管理局には入ってほしくはないんだけど…」
それはわたしも同意見…あの子には平和に暮らしてもらいたいから。
「でも最終的には本人に決めさせたいと思ってます。…今日はあくまで社会見学ですけどね。」
「そう。…でもあんなちっちゃかった貴女たちがもう子供を育ててるなんて…わたしも老けるはずだわ。」
そう言うとコラード先生の眼に鋭い光が灯る。
「さあて、それじゃ本題に移りましょうか。…想い出話をしに来た訳じゃないでしょ?」
「あ~…やっぱりバレちゃった?」
「はい、実はお願いが…」
わたしはお姉ちゃんの隣に座ると話を始めた。
…その頃、訓練場に集まったスバルたちは…
SIDE:ティアナ
「…では順番に訓練用のデバイスを選択しろ。自ら持ち込みの者は受け付けで登録申請を行うように…分かったか!」
「はいっ!」
トレーニングウェアに着替えた他の訓練生が銘々杖やスピアを手に取るなか、あたしはバッグから自分の相棒である拳銃型のデバイスを取り出す。
これは兄さんがあたしの為に作ってくれた特製でアンカー機能やカートリッジシステムも装備してある。
「へぇ…拳銃型なんだ?」
そう話しかけてきたのはルームメイトになったスバル・ナカジマ訓練生。
「…まぁね。あんたも持ち込みなの?」
スバルが装備していたのはローラーシューズと右手にはナックル型のデバイス。って事は…前衛か、後衛型のあたしとは相性は悪くないかも。
「うん!このリボルバーナックルは母さんから貰ったんだ。本当は両腕ぶんあるんだけどお姉ちゃんと片方ずつ分けたの。」
「あ、スバル姉!」
「やっと見つけたッスよ~!…この人がスバルねーちゃんの相方さんッスか?」
「ノーヴェ、ウェンディ!…あ、紹介するね。こちらティアナ・ランスターさん、わたしのルームメイトでパートナー。で…ランスターさん、こっちの2人はわたしの妹で…」
紹介された2人は軽く会釈して…
「ノーヴェ・ナカジマです。スバル姉は双子の姉です。」
「ウェンディ・ナカジマです!ナカジマ家の末っ子ッス、ねーちゃん達ともどもよろしくお願いするッスよ!」
2人とも気さくに挨拶をしてくれた。
「ティアナ・ランスターよ。ま、よろしくね…。」
改めて2人をみるとノーヴェは双子だからか顔はスバルによく似てる。ボーイッシュなスバルに較べると少し髪が長めで可愛らしい印象だけど。
一方のウェンディは…頭をひっくくってまるでパイナップルみたいな頭だ。ちょっとやんちゃそうな感じ。
「…次31番、ノーヴェ・ナカジマ、ウェンディ・ナカジマ組!準備はいいか?」
「あ、わたしたちの番だ!」
「それじゃ行ってくるッス!」
最初の訓練はラン&スロウ。障害物の前まで走って移動し、1人が相方を持ち上げ障害物を乗り越えさせる。そして今度は上の人間が下の相方を持ち上げるという、基礎的な訓練だ。
「さて、それじゃお手並み拝見…ええっ?!」
あたしは内心年下だと思って甘く見ていたんだけど、いい意味で予想は裏切られる。
スバルと似てるローラーシューズを履いたノーヴェ、そしてホバーボードに乗ったウェンディはあっという間に障害物の前までたどり着く。そして…
「いくよウェンディ!」
「あいよ、ノーヴェねーちゃん!」
ノーヴェはウェンディのトスアップで障害物をよじ登るとウェンディを引っ張りあげ、ここまでの最速でクリアした。
「な、な、…なんなのよあの子達…?」
あれでホントに12歳と11歳なわけ?
「やるなぁノーヴェたち…『次、32番!』…あ、出番だよランスターさん!わたしたちも頑張ろうね!」
…そうだ、あたしには主席卒業っていう大目標があるんだ、こんなところで立ち止まれないっ!
「いくわよスバル!」
「うんっ!」
そう言ってあたしは飛び出そうとした。そのとたん…
ドンッ!!
スバルがローラーシューズを加速させ猛ダッシュで飛び出しあたしはその反動で転倒してしまった。
『32番、なにやってる!罰として腕立て伏せ20回!』
「「は、はいっ!!」」
あたしとスバルはその場で腕立てを始める。
「…ちょっと、足が速いのはよく判ったからもっと落ち着いて。妹たちがあんだけできんだからあんたもできんでしょ?」
「ご、ごめん…」
仕切り直して再スタート…よし、今度はうまくいった!
障害物の前まで来たあたしはスバルに指示する。
「スバル、あんた力ありそうだからあたしを押し上げて。…今度はちゃんとやってよ?」
「う、うんっ。…1、2の…3っ!!」
「?!」
…次の瞬間、あたしの身体は障害物の遥か上空に…あの馬鹿、何処まで放り投げ…って、お、落ちるぅ~っ?!
「ランスターさんっ?!はあっ!」
落下地点に滑り込んだスバルがなんとか追い付いてキャッチしてくれたものの…
「…(怒り)…32番!訓練中断、グラウンド30周だ!」
…あぁ、やっぱり…こりゃ前途多難だわ…
この後あたしとスバルはひたすらグラウンドを走る羽目になった。
…でも、あたしはまだ気づいていなかった。
この馬鹿力でお花畑なオツムの少女とその姉妹が、あたしの運命のパートナーになるって事を…ね。
SIDE:フェイト
「…去年起きた空港火災、非公開ですが原因は古代遺物〈ロストロギア〉です。おそらく密輸品だと…」
わたしの説明を神妙な顔で聞くコラード先生。
「それでね、ここんところ古代遺物ばかり狙って出没する魔導兵器がいるの。わたしたちは〈ガーゴイル〉って呼んでるんだけど…」
アリシアお姉ちゃんが説明を補足する。
「…〈ガーゴイル〉は魔力を中和するAMFに近い能力を持っていて、並の魔導師では太刀打ちできないぐらいの力を有しています。…先生にお伺いしたいのは、〈ガーゴイル〉に対抗できる魔導師を育成するにはどれくらいの時間がかかるか、そしてそもそも育成できるのか?ってことなんです。」
わたしの質問にコラード先生は少し思案して答える。
「…なるほどねぇ…でも、本気で育てるならわたしの古巣…今は貴女たちの親友が所属してる本局の戦技教導隊に依頼するか、いっそのこと貴女たちが素質のある子達を育て上げた方がいいと思うけどね。」
その答えにわたしとお姉ちゃんは顔を見合せる。
「やっぱそうなるのか~?」
「もちろんそちらでも動いては貰ってるんですが、将来的な準備の意味もあって…」
「あらまぁ。…まぁ、せっかくだからもう少し詰めた話をしましょうか…ついでに貴女たちの近況も聞きたいしね。いいかしら?」
「いいよ~っ!」
お、お姉ちゃん…一応コラード先生は上司なんだからもう少ししゃべり方を…
「ん?」
いや…なんでもないです…(汗)
久々の川柳タイトル…な、懐かしい…
しばらくは導入編というか新メンバーがメインでリナたちはスポットです。
といいつつ次回!
「六十一、ドラまたで 恐れおののく 村の民」
次も見てくんないと…
「君に届け 無問題(モーマンタイ)♪」
「えっ、なにそのソラミミ?!」
(BYリナ&作者)
※活動報告にて引き続きキャラクター人気投票やってます。詳細は活動報告の「人気投票」をご覧ください!