あとサブタイ少し変えました。
それでは本編どうぞ!
SIDE:リナ
あたしとキャロが姉妹となってはや1年余り…キャロはSt.ヒルデの初等部に編入し、めきめき実力を伸ばしていた。
そもそも竜の巫女に選ばれたということはそれだけの素質はあったのだろうが、今あの子には周りにいくらでもいい先生がいるし根が素直だから成長著しい事この上ない。
「どうしたのリナお姉ちゃん、わたしの方じっと見て。」
「うん、キャロはいつ見ても可愛いなぁって。」
「あひゃあ?!…もう、リナお姉ちゃんたら?」
あたしの返しに顔が真っ赤になるキャロ。ふふ、そんなとこが可愛いのよねぇ。
「それよりリナお姉ちゃん、わたしの格好変じゃないかなぁ?」
そういうキャロの姿はピンクのワンピースドレス。
「大丈夫、とても似合ってるわよキャロ。」
「へへ…ありがと、リナお姉ちゃん♪お姉ちゃんも似合ってるよ。」
ちなみにあたしの出で立ちはピンク色のパーティードレス。
「ありがと。…だけど、何でピンクのお揃いにしたかったの?」
ちなみになんであたしがこんな格好してるかというと…あたしたちはクロノとエイミィの結婚式に招待されていて、ここは来賓の控室だったりするのだ。
「だってお姉ちゃんとお揃いが良かったんだもん!」
…キャロは幼い頃に親族から見放されて寂しかったのか、あたしの家族やなのはたちには直ぐになついた。それでもあたしとユーノ以外は「さん」付け…甘えるのはこの2人にだけなのだ。
「でも二つ名通りだよね、『ピンクのリ…」
「…ちょっと待てぃ?!」
グワッシ!
あたしはキャロの頭を鷲掴みにするとそのまま持ち上げる…所謂アイアンクローの体勢ね。
「リ、リナお姉ちゃ…ん?」
怯えた表情でこっちを見るキャロ。
「キャロ、誰からその話聞いたの?正直に答えて。じゃないと…」
「…じゃないと?」
キャロの問いかけにあたしは満面の笑みで…
「1週間ニンジンのみ食べ放題にしてあげる♪」
「言います言います?!…っていうか別に隠す気もないし!…この間お使いでフェイトさんのお家に行ったときに…」
ふんふん、それで?
「その時会った妙な服装をした胸の大きいお姉さんが…」
ほほぅ…なるほどね…。
あたしはキャロから手を放すとポケットの財布から500円玉を取りだし床に放り投げた。すると…?
「ほーほっほっほっほっ!今ここでお金の音が『お前が元凶かぁっ?!』へぐぅっ?!」
どこからともなく現れた結婚式にそぐわない格好をした何かをあたしは全力全壊のハンマーフックでぶっ飛ばした。
「…ちょっと、なにするのよリナ?!」
めり込んだ壁から起き出してきたのは言うまでもなく〈自称〉あたしのライバル、その実態は露出過多のユニゾンデバイス・ナーガ。
「あんたが人の妹にいらない知識をおしえるからよナーガ!だれがそんな黒歴史を教えろっていった?」
あたしは前世で魔導師として実力を認められ、〈称号の服/デイグリー・ローブ〉を贈られたんだけど…その時のローブの色がピンクだったせいで 色々と恥ずかしいめに…
「でも事実じゃないの、ピンクのリナちゃ…ひいっ?!」
なおも戯言を言おうとするナーガにあたしはアイアンクローをかます…L様の手で。
「ち、ちょっとリナそれは…『やかましぃ。』」
ギリギリギリギリ…!
「痛い痛いいたいっ?!」
ナーガの頭蓋骨が凄い音たてて軋んでる…ま、ナーガはこれぐらいじゃ死なないから、うん。
「キ、キャロちゃん助けてぷり~ず…」
「リ、リナお姉ちゃん…?!」
さすがに怖くなったのかキャロが声をかけてきたけど…
「…何、キャロ?あたしは忙しいんだけどなぁ…?」
「…おトイレに行ってくるね。」
あたしの冷めた笑みに何かを察したのかそそくさと控室を出ていくキャロ、そして絶望の表情のナーガ。
「…さ、式が始まるまでまだ時間があるし…ゆ~っくり昔を語りましょ、ナ・ー・ガ?」
「ひ、ひえ~っ?!」
SIDE:キャロ
『…ひ、ひえ~っ?!』
…今出てきた控室から悲鳴が聞こえたけど…聞こえなかった事にしよう、うんそうしよう。
そう決めたわたしはトイレに急ぎ足で向かった。
「あれ、トイレはどっちだっけ…あ!」
標識を見つけたわたしは曲がり角を急いで曲がる。
「えっ…」
するとそこには1人の男の子が…駄目、ぶつかる~?!
ドガシャ~ン!
予想通りその男の子はぶつかりわたしを押し倒す形に。そして…
Chu♪
(…えっ、今のってまさか?)
驚いて目を開いたわたしの唇はその男の子に…これって…ファーストキッス?!
「あ、あの…?」
「あ…ご、ごめんなさい!大丈夫でしたか?」
男の子はすぐ起き上がると手をとって起こしてくれた。
改めて男の子を見ると…年は同じくらいで赤い髪の毛を短めにしている。そしてなにより…
(か、カッコいい…♪)
…もしかしなくてもこれって運命の出逢いだよね?
「…はい、わたしは平気です。すいません、慌てていて…」
「僕の方こそごめんなさい。僕はエリオ・モンディアル。君は?」
男の子は自己紹介してくれた。エリオくんって言うんだ…
「あ、すいません。わたしの名前は逢魔キャロっていいます。」
「逢魔って…もしかしてリナさんの妹さん?」
えっ、お姉ちゃんを知ってるんですか?
「知ってるも何も…僕の保護責任者はアリシアさんとフェイトさんだから…」
アリシアさんとフェイトさんはリナお姉ちゃんの小学生時代からの親友でわたしも会った事がある。
「そうなんですか…。」
「でも怪我が無いようで良かった…女の子に怪我させたらアリシアさんたちに怒られちゃうから。…君もクロノさんの結婚式に?」
「はい!あの…さっそくなんですけど…」
わたしはエリオくんの手を取り目を見つめる。
(はしたないかな…でも!)
「…あなたが好きです。お付き合いしてくださいっ!」
「…はいっ?!」
…リナお姉ちゃん、見つけたよ、わたしの旦那さま♪
NO SIDE
クロノとエイミィの結婚式が始まり、式場は厳かな雰囲気に包まれるなか…
「あれ、グレイシア姉さんは来てないの?リナ、見てない?」
「あ~、なんか急用を思い出したから欠席するってさ。ご祝儀はあたしがまとめてだしといたから。」
「ふ~ん…ま、姉さんがいると何かと台無しになりそうだからそっちの方がいいかも。」
リナに相づちをうつアメリア。確かにナーガがいれば高笑いで式はぶち壊し間違いないだろう。
「…それよりキャロ…あんたエリオとなんかあったの?腕なんか組んで嬉しそうに。」
リナの隣に座っているキャロはその隣のエリオの腕をとってニコニコしている。一方のエリオは顔を赤らめて緊張の面持ちだ。
「うん、さっきエリオくんにわたしの初めてのキッスあげたから結婚の約束を…」
「え、ちょっ…だからあれは不可抗…?」
「…ぬぁんですってぇ~っ?!…ていうかなんなのよファーストキッスで即結婚って?」
「えっ?…でもこの間はやてさんが『初めての人に全てを捧げるんやで?』って…?」
「…は~や~て~…あとでシメル。」
ゾクッ!
「…どうしたのはやて?」
「顔色が悪いようですが?」
「いや…なんかどっかから物凄い負のオーラを感じてな…気のせいやと思いたいんやけど。」
どうやらナーガ以外にも余計な情報源がいたようである…とりあえず合掌。そして…?
SIDE:?????
「見ーつけた、わたしの王子様♪」
たまたまママとお呼ばれした結婚式場で見つけたカッコいい男の子。
同い年ぐらいでハンサムだし…まぁ合格よね。
写真は撮っておいたし、後でネットで調べよっと。
「ルーテシア、お家に帰るわよ~!」
「は~い、ママ♪」
わたしの名前はルーテシア・アルビーノ。あの男の子はわたしのものよ!
いかがだったでしょうか?
ちなみに結婚式のあと、式場の裏の樹に簀巻きにされたナーガとはやてがぶら下げられて…合掌。(笑)
次回は予定通り記念の後書き回の予定です。
SPも含めなるだけ早く投稿するつもりなのでご容赦を。
あと活動報告にてコラボ募集してます、よろしければご覧ください。