俺の友達が美少女になったから凄くマズい。   作:4kibou

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すまない……調子が出なかった……本当にすまない……。ばーるむんく!


隣に幼馴染みがいる時間。

「はい、これ蒼のやきそば」

「サンキューな」

 

 言いながら一夏に手渡されたそれを受け取る。夏休みも残すところ半分を切った。一ヶ月半の長期休暇だというのに僅か一週間にも満たないんじゃないかと思うくらいだ。時間が過ぎるのは早い。歳をとればとるほどそのことを実感していく。現在でも十分実感している俺がお爺ちゃんになったらどうなってんだろな……。時間とか止められたりすんじゃねえの。やれやれだぜ。いや、むしろWRYYYYYYYYYYY!! 

 

「てか、よくこんな場所見つけたね」

「女性から逃げてると必然的に」

「それって偶然だよね……」

「そうとも言う」

 

 そんな会話をする俺たちの居る場所は、転生少年植里くんが幼い頃に見付けた花火を見るときの隠れスポットである。お察しの通り今日は花火大会。別に出店を回っても良いのだが、何となく今年はゆっくりしたい。そう思って最初は行く気すら起きなかった訳だが、隣に座るこの美少女に強請られて渋々来てやった。常日頃に色々とありすぎて疲れてんのに労ってくれよ。思えば全ては一夏TSから始まり交通事故まで。ワイの人生めっさ楽しそうやなー。非日常に溢れてるやん。誰かちょっと居場所変わろうぜ(提案)。

 

「ぶっちゃけ、感傷に浸りながら見る花火ってのを経験してみたかった訳よ」

「あぁ、お祭り気分じゃなくて?」

「そうそう。静かなところで響く音を聞くのも良いってこと」

「そうなんだ……ちょっと楽しみ」

 

 くすりと微笑んで、一夏はやきそばを啜る。そんな姿を見て手元にある同じものを思い出した俺は、付いてきた割り箸をぱきんと割って早速食べることにした。海に行った時とかもそうだけど、こういうイベントで食べるものって何故か美味いよな。脳内物質か何かでも出てるんですかね。平常時に食ったらそんなに美味しくないだろうに。だって一夏の飯の方が美味いんだもの。比較対象が織斑家な時点でちょっとおかしかったわ。すまん。ほら、ブリュンヒルデさんと戦闘力を比べられたらこいつ馬鹿かって思うだろ? それと同じ。

 

「……なんか、すまんな」

「ん? ……んっ。何が?」

「いや、誘って貰ったのに付き合わせて」

「なんだ、そんなこと」

 

 ふぅ、と一息ついてから向けられる視線。なんか無駄に緊張するな。妙に顔が真剣だからか? いや、こいつの場合いっつも真剣だから別に変化ない気もする。真面目くんもとい真面目ちゃんですねぇ。騙されやすそうだけど基本的に人生得するタイプだよなコイツ。持ち前のレベル高い容姿もあって。家事が出来て飯も上手くて気遣いの出来る性格も良い美少女。なんだこの超メインヒロインスペック。もうちょっと欠点とかあってもいいんですよ? あ、こいつ元男やん。ノンケにとっては凄まじい欠点ですね。

 

「ほら、こうやってゆっくり出来るのも今年で最後かもしれないし」

「? いや、なんでだよ」

「だって、私はIS学園に行くんだよ?」

「……あぁ、そういえばそうだった」

 

 こいつ結局来年から本格的にIS学園に通うようになるのね。あれだけ抵抗してた素振りはどこへやら。何ともないように告げる一夏の心情は分からない。気持ちが変わったのか、それとも何かを隠しているのか。昔から感情をよく表に出す奴だったから、ちょっとだけ意外だ。嘘をつけるような性格でもないし、ならば心配はいらないとも思うが。……でも、どっかで女性の方が嘘つくのは上手いって言ってたような言ってなかったような……まさかTSしてその特性を取り入れているのか……ッ!?

 

「蒼はどうするの?」

「自宅警備員」

「へぇ?(威圧)」

「ごめんなさい嘘です。……多分、藍越」

 

 そう、多分。

 

「ああ、蒼なら楽に受かりそうだもんね」

「それもあるけど、進路選択にそれ以外無かったというか……潰されたというか……」

「え?」

「とにかく、多分藍越だ」

 

 あの天災兎は一体どこまでその手を広げているのか。進路調査の行きたい学校の欄が知らない間に藍越学園になってた時点でちょっと察した。普通の人間ならなんだその程度かで済むと思うけど、俺の場合は違う。インフィニット・ストラトスというライトノベルを知っている転生者。そんなイレギュラーだからこそ分かる。原作一夏とほぼ同じパターンに陥る可能性が高い。間違えて入った部屋にISが置いてあって偶然触り起動。まぁ、その時は意地でも触れてやりませんがね! 簡単に俺を攻略出来ると思うなよ……!!

 

「なんかはっきりしないね」

「……誰が進んでIS学園なんて入りたがるよ」

「え? なに?」

「いいやなんでも」

 

 うん。さっきのは全部忘れてくれ。一般人の俺が適当に暇潰し程度に考えた可能性の一つであって確証も何もない。つまりこの程度天災には把握済みな可能性もあるのだ。凡人に天才の考えは理解できない。ならば、凡人にとって天災とは何か。でかいおっぱいぶら下げた変態らびっとちゃんです。テメェ人のこと利用するんならその無駄に良さそうな乳揉ませろやゴルァ。

 

「……気になるんだけど」

「気にすんな。それよりほら、花火上がるぞ」

「むぅ……」

 

 如何にも私は不服ですと言いたげな表情をする一夏。それを軽く流しながら遠くより微かに花火の上がる音を聞く。人が周りにいない分、音も通りやすいってやつなのか。そこら辺はよく知らん。むしろ俺より数馬の方が得意分野である。幼女の声を聞き逃さないために特殊な訓練を受けたあいつは凄い。幼女の声が聞こえたとか言って時々授業とか抜け出すし。そんな馬鹿げたことを考えていれば、不意に視界一面を光が迸る。ほーとーばーしーるあついぱーとすーでー。

 

「うわぁ……」

「……」

 

 うん。単純に一言。やっぱ花火って綺麗だわ。光のあれがうんたらかんたらとか夜空に映える閃光がどーたらこーたら何て小っ恥ずかしいことは言わねえけど。あえて感想を言うとすれば、やっぱり綺麗の一言に尽きる。無駄に言葉を並べ立てる意味なんてねえだろ。普通に綺麗だから綺麗なんだよ。いいね、花火って。こう、直ぐに消えていく感じが凄くいい。俺の命の灯火みたい。なんなの、重病患者か何かですか俺は。折角のいい雰囲気が台無しだぞオイ。

 

「何度見ても綺麗だよね」

「……あぁ」

 

 どうやら一夏も同じ心持ちなようで。ふむふむ。ちょっとはセンチになってます? ならばその心に漬け込んで一つ悪戯をしてやろう。このモテない系男子蒼くんが前世に同士たちからアンケートを無理矢理集計した結果に叩き出された『彼女が出来たらしたいシチュエーションランキング童貞ver』にて堂々の第三位に輝いたこれをするチャンスは、今しかないと思うのです!

 

「何度見ても綺麗だよな、一夏は」

「……ふぇ?」

 

 未だ上がり続ける花火の音に遮られることもなく、その一言は妙に透き通って伝わった。言われた本人はぽかんと口を開けて此方をまじまじと見詰めてくる。言った台詞が信じられないのか、それとも何こいつとか思っているのか。多分後者の方が確率としては高い気がする。自分のスペックは自分が一番知ってるからね。ちょっと顔が赤いような気もするけど、多分花火の光によるせいだろ。むしろそれ意外にどんな理由が。

 

「なーんて、冗談だ──いてぇっ!?」

「……」

 

 無言で腕をつねられました。

 

「何すんだお前。地味にじんじんするんだけど」

「人をからかう蒼が悪いよ」

「からかわれて割と本気でつねる馬鹿がいるか」

「だってその冗談一切面白くもないし」

 

 ちょっとこの子辛辣過ぎません? もうちょっと優しくしてくれてもええんとちゃう? 友達同士のふざけ合いの範疇やぞオイ……。別に本気で一夏のこと口説いた訳でもあるまいし、一夏も俺に口説かれて嬉しい訳無いだろうし。特につねられる理由が思い当たらないんですが……。はっ、まさか最近流行りの理不尽系暴力ヒロインってやつか。現実では嫌ですねぇ。

 

「理不尽な暴力……」

「違うもん」

「じゃあ何でやったし」

「分かんないよそんなこと」

 

 どうして自分で分からないんだ(困惑)。俺が悪いのか? 自覚症状のない俺が悪いんですか!? いや、でも一夏の方が悪い可能性も微粒子レベルに存在……してたらいいなぁ。うん。多分これ、俺が悪いんでしょ。からかったのは自分な訳ですし。その理由は知らんが。




いちかわいいは永久不滅。例えこの作品が終わったとしても、第二第三のいちかわいい小説が……ある、はず。あるよね?(期待)

一時期ホモホモしかった感想欄が今となってはいちかわいいで埋め尽くされる始末。どうしてこうなったんでしょうねぇ……。段々と皆いちかわいいに目覚め、そして周りをいちかわいいにしていく。ゾンビみたいっすね。

取り敢えずいちかわいいイラスト最高じゃないっすかね(恍惚)
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