俺の友達が美少女になったから凄くマズい。   作:4kibou

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(´・ω・`)すまない。まだ入荷出来ていないんだ。本当にすまない。代わりと言っては何だが、この年上モノ同人誌でも読んでいてくれ つ[ウスイホン]


体を育む祭と書いて。

 早いことで九月も終わりが差し迫り、本格的に秋の訪れを感じ始めた。秋と言われて思い浮かべるものは沢山ある。学校行事やイベントなどの多いこの季節は、地味ながら様々な魅力に満ち溢れている。秋は飽きない(ここ笑うとこ)。例えば食欲の秋、例えば読書の秋、例えば芸術の秋。だからと言って何でも秋にこじつけて良いって訳ではないが。ロリコンの秋ってなんだよオイ。ロリコンはいつだってロリコンだろJK。いや、ここはむしろロリコン的にJSと言っておくべきか。意味通じなくなってくるからやめよう。という訳で、何がという訳なのかという無粋な突っ込み♂はご遠慮させていただき、今日は二学期を代表する二大行事の一つ。スポーツの秋。つまるところ体育祭である。

 

「くっそ怠い」

「最初からやる気ゼロだね……」

 

 入場行進だけで疲れました(引きニート感)。軍隊とか自衛隊に所属してる人って凄いのね。中学の体育祭の入場行進なんてまだ軽い方。千冬ネキが見たら何か感じるものとかあるのかね。今日千冬ネキ来てるのか知んないけど。あ、うちの両親は普通に来てます。めっちゃ気怠げに歩いてたら母さんに物凄い眼力で睨まれた。何あれ怖い。見た目は着物の似合いそうな美人(父親談)だというのに中身はほぼヤンキー。ギャップに萌えろっていうやつ? 萌えない。怖い女の人は苦手。故に千冬ネキもちょっと苦手。

 

「また蒼のお母さんに睨まれるよ」

「それは勘弁。母さんマジで怖いんだよ」

 

 小学校時代に寝坊しかけたとある日の朝。いきなりベッドに蹴りかまして叩き起こされたあの時の恐怖を忘れることはないだろう。地震かと思ったわ。めっちゃビクッてなって起きたけど。その後にすっごい低いトーンで「起きろ」って言われたのも怖かった。あやうく漏らすところだったぜ……。ママン怖い。

 

「で、千冬さんは来てんの?」

「あー……いやー、それが……」

「んだよ、来れなかったのか」

「ううん。えっと……」

 

 首を横にふった一夏は躊躇うように視線を泳がせ、かたかたと震える人差し指を観覧席の一点に向ける。なんだよ来てんじゃねえか。すいーとその道筋を辿っていけば、行き着いたところに腕を組ながら仁王立ちの超絶クール美女が立っている。ただ、結構ガチな雰囲気でカメラ用意してなければ良かったんだけどなぁ……。あんたそういうことするキャラじゃねえだろ。キャラ崩壊は物語崩壊の第一歩って習わなかったのか。全く。あ、よく考えたら一夏が女になってる時点で崩壊してた。なんだよ、つまり何の心配もいらなかったんだな! 千冬さんはいいお姉さんですね(洗脳済み)。

 

「まぁ、ある程度予想はしてたけど」

「なんかもう恥ずかしいよ……」

「そう言うな。良いお姉さんじゃないか」

「貸してあげるよ?」

「遠慮しとくわ。一夏が可哀想だし」

 

 勿論千冬さんが居なくなったらではなく、千冬さんが居る現状でってことで。友人の不幸を望んでいくスタイル。こいつ気遣ったり罵倒したりからかったりもうこれわかんねぇな。複雑な感情に揺り動かされる小学生かっつーの。……うん。この話題はちょっとやめよう。小学生っていう単語を出せば出すほどあいつが乱入する確率が高まっていく。と言っても今頃は見に来ている女子小学生をナンパしてるだろうが。

 

「蒼は普通でいいね……」

「は? お前さぁ、手抜いたら胸ぐら掴んで説教してくる母親のどこが普通なんだよ」

「いいお母さんじゃん」

「全然。怖いだけでしょあれ」

 

 なんてぶつくさ言ってたら妙に覚えのある殺気をぶつけられる。あ、これマズい奴。冷や汗をだらだらと流しながらそちらへと振り向けば、遠くでにっこりと微笑むマイマザーの姿が。変ですね、笑ってる筈なのに恐く感じてしまうんですけど。バグじゃねこれ。いいえ仕様です。ふざけろ。不意に母さんがここからでも分かるくらいに口を開いて、ぱくぱくと何かを喋った。読唇術でも使えってか? んなもん持ってねーよ。

 

(あとでおぼえてろよ、ばかむすこ)

 

 持ってないから。読唇術とか一切分からないから。多分これは俺の勘違いなんだ。偶然口の動きがそう見えただけなんだよ。そうだ。そうに違いない。マジでそうであってくれ。じゃないとぼく死んじゃう。顔面蒼白で突っ立っていれば、隣の一夏が肩にぽんと手を置いた。

 

「蒼、がんばって♪」

「無理です」

 

 どう足掻いても絶望。

 

 

 

 ◇◆◇

 

 

 

『次の種目は100m走です。選手の皆さんは所定の位置についてください』

 

 はい。取り敢えず無難な種目選んで楽しようとした俺参上。ただ走るだけとか何それ簡単やん。そう思っていた次期が俺にもありました。別にそれ自体はその通りだったので特に問題は無い。マジで100m走るだけ。問題はその一緒に走る奴だった。右を見てみよう。観覧席の綺麗なちゃんねーを見ながらケツがエロいだの胸がでかいだのと宣う五反田弾(生粋の変態)。左を見てみよう。観覧席の愛くるしい女子小学生に向けてはにかんだ後にキリッとした表情を作ってキャーキャー言われてる御手洗数馬(生粋のロリコン)。それらに挟まれるのは最近夏休みデビューしたと校内で結構真面目に有名な植里蒼()。残りの二人は確か美術部と吹奏楽部。どっちも文化系。そこはまぁ良いとして、何だこの局所的混沌(カオス)。混沌過ぎて思わずもう少しで這い寄っちゃうところだった。ふぅ、危ない危ない。

 

「ふふ、ここで格好付ければ俺にもチャンスがッ!!」

「見守ってくれてるあの子達の為にも頑張らないとな……」

 

 うー、にゃー! 果てしなき混沌。どうして君たちは妙にやる気を出してるんですかね。俺はもう体育祭ってだけでテンションがた落ちしてんのに。なんなの、欲望の為ならそこまでやってのけるの? いや、一人は紳士的心持ちからだけど。うん。ノーマルよりロリコンの方が格好良く見えるってこれどういうことやねん。数馬さん本当あんた幼女キラーしてるね。普段一体どんな行動してんのお前。

 

「なぁ、蒼」

「なんだ(変態)

「──絶対ェ負けねぇぞ」

「あ、うん。頑張れ」

 

 駄目だこいつ早く何とかしないと。

 

「なぁ、蒼」

「なんだ数馬(変態紳士)

「──真ん前から打ち砕く」

「これは競争なんですがそれは」

 

 お前の自慢の拳は別にいいから。天下無敵の力なのは承知の上ですから。残念ながら俺はそれを正面から切り裂く唯一無二の力なんて持ってません。一般人だから。どこにでもいる普通の人間だから。

 

「次の人ー」

「あ、うーっす」

 

 そうこうしている内に俺たちの出番が回ってきた。回ってきてしまった。母さんの機嫌をとるためにも本気で走らなければいけないのだが、馬鹿二人の全力全開は全くの予想外である。このままじゃ一位をとって何とかお仕置きを回避するという俺の素晴らしい作戦がパーだ。是非ともご勘弁願いたい。加えて変態どもに邪魔されたとなるとマジでキレそう。プッツンいくぜプッツン。オラオラ。テメェらの頭上にロードローラーとタンクローリー落としたろか。なんてぶつくさ文句を垂れていた時だ。

 

「蒼~! がんばって~!」

 

 ぶんぶんと手を振りながら大声を張り上げる一夏の姿を視界の端に捉える。付け加えるとぶんぶんだけではなくゆっさゆっさもあったと言っておこう。何が揺れてるのかはご想像にお任せします。ただ一つ、母性の象徴ということだけは言っておこう。なんか元気出てきた。

 

「……よし」

 

 男子中学生なんてみんな変態。そしてエロを力に変えていくどこぞのハーレム王然り、特殊性癖の静かに暮らしたい人然り、変態は大抵強い。つまり男子中学生の大半は強いということだな。性欲がさいつよ。他には何もいらない。この歳の男はえっちぃことだけ考えてれば全部上手くいくんだよ!

 

「位置についてー、よぉーい……」

 

 一夏の声を聞いたからか、派手に揺れるおっぱいを直視したからか。なんというか、しない。確信すら持って言えるまでだ。頭は冷えて落ち着いてるのに、心は熱く萌え上がってる。あと燃え上がってもいる。しねぇな。全然。負ける気が、しねぇ。

 

「ここで勝って絶対にモテてやるんだッ!!」

「美幼女の前で格好付けてこそ男だろう?」

「友人の期待に応えねぇ訳にはいかねぇよなぁ!」

 

 弾、数馬、俺。バラバラの思いを胸に、全員が同時にスタートを切る。たかが100m。されど100m。全身全霊を尽くして行われた勝負の行方は、その後の母さんからのお仕置きが無くなっていたということだけ言っておく。




圧倒的にイチャラブ成分が足りてませんね。そろそろ通常補給に加えて臨時補給すべきでしょうか。まぁ、思い付いたらひっそりと書くと思いますけど(フラグ)

(二人のイチャイチャが)まだだよ、こんなんじゃ全然満足できねぇ。足りねぇなぁ! そう思うだろ? あんたも!

ちなみに察しのいい┌(┌^o^)┐は気付いてると思うけど、主人公の保護者がいて主人公と一夏が一緒にいて一夏の保護者がいる。となれば家族で食事をするのは当たり前。

次回ッ!! 炸裂! 一夏ちゃん特製愛妻弁当! (特に変更の無かった場合)

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