(´・ω・`)つ[シュガースティック]
秋も深まる十月上旬。古い言い方だと神無月なんていう実に厨二心くすぐるこの時期。俺たちのクラスはいつも通りというかいつも以上にというかハイテンションプリーズに互いの意見をぶつけ合っていた。なんと言ったってもうすぐ文化祭。お祭り騒ぎが大好きな中学生はただでさえはしゃぐ行事をこいつらがやるとどうなるかなんて知れたこと。めっちゃはしゃぐ。
「だから演劇に決まってんだろJK」
「いいやお化け屋敷だ」
「でっかいの! スノーアイス!」
「え、アイスティー?(難聴)」
「え、なんだって?(難聴)」
「耳鼻科行け」
うちのクラス聴力検査大丈夫ですかねぇ……。補聴器つけろ補聴器。全くお前らちゃんと耳掃除してんのか。俺はしてるぞ。つーかされてる。誰にってのは聞かずとも分かってくれる筈だ。勿論俺の後ろの席に座ってるつい最近十五歳になった人ですよ。マジでスキンシップ行き過ぎてんだよ気付け馬鹿野郎。友達同士の枠を完璧に越えている気がしてならない。日頃の感謝とか言ってるけど俺自身そんなに感謝されることしてないし。つーか膝枕しながら語りかけてくるのやめーや。危うく眠っちゃうだろーが。
「クラス全員でソーラン節」
「いいやここはEZ DO DANCEでしょ」
「文化祭、本気でやろう、阿波踊り」
「Daisuke踊ろうぜ」
「これはLOVE&JOY」
「ダンスバトルかな?」
うん。これもう収拾つかねえな。正直ダンスとか運動苦手な奴等が死ぬと思うんですけど。俺含めて。体育祭の時に活躍しただろって? いや、あれ完全にマグレですし。なんか色々とリミッター外れてましたし。リミッター解除ですし。もし俺が機械族だったら攻撃力が倍になってる。ストラクのマシンナーズが地味に強かった思い出。代行天使には勝てませんけど。
「唱歌、仰げば尊し」
「翼をください混声三部合唱」
「 国 歌 斉 唱 」
「こころぴょんぴょん♪」
「あぁ^~こころがぴょんぴょんするじゃあ^~」
「駄目だこいつら……早くなんとかしないと」
また
「グラウンド使ってサバゲとか」
「鯖の味噌煮?」
「サーヴァント?」
「サービスショット?」
「スリングショット?」
「oh! セクシーダイナマイトひゃっふう!」
スパーンと最後三つを繋げた男子三人がハイタッチ。ここには変態しかいないのか(呆れ)。発想力がもう完全に性欲まみれの男子中学生だよ。やれやれ、これだからオープンスケベな猿共は。ムッツリスケベとは相反する存在なのも頷ける。相反する。背反する。はっ。さっさと双逆鱗よこせやオラァ!(発作)
「もうまともな意見出てねぇじゃん」
「あはは……。まぁ、うちのクラスだし」
「阿呆しかいねーよ本当」
「楽しいから良いんじゃない?」
自分もその阿呆だと気付いてないどうも植里
「知ってるか一夏。その阿呆筆頭は俺たちだぜ」
「私は阿呆じゃないし」
「テンパったら何もできない奴が何か言ってんな」
「ぐぬぬ……」
フゥーハハハァ! どうだぁ? 悔しかろう悔しかろう。学校では家みたいに振る舞えなくて辛かろう! ここが畳み掛けるチャンス。手札から速攻魔法発動! バーサーカーソウル! いくぜ、ドロー、モンスターカード! ドロー、モンスターカード! ドロー、モンスターカード! ドロー、モンスターカード! ドロー、モンスターカードォオ! つまりあれだ。何勘違いしているんだ。まだ俺のバトルフェイズは終了してないぜ!
「夕飯は椎茸をふんだんに使おっかなー」
「やめてください死んでしまいます」
「冗談だよ、ふふっ。必死になっちゃって」
「心臓に悪いわ」
別に食えない訳じゃない。食えない訳じゃないんだよ。でもやっぱり出来るなら遠慮したい。それ結局嫌いってことですね。全国の椎茸作ってる人達に申し訳無いです。すいません。でもほら、鍋とかに入れると食べれるし。炊き込みご飯とかでも大丈夫だし。色々と食える手段は無いこともない。
「でも、こういう時に数馬は騒がねーよな」
「そうだね。さっきからずっと本読んでるよ」
ちらりと見れば実に優雅な体勢で読書に勤しむロリコンの姿が。ちなみに席替えをしたので隣。しかしながら微妙に似合ってるんだけどなんかしっくりこないコレジャナイ感。う~ん、こいつが読書ってキャラじゃない気がするんだが。なんて抱いた疑問も本の題名を見れば霧散する。その名も『後輩を虜にする114514の方法 ~まずうちさぁ……年上……なんだけど~』大丈夫かあれ。
「大して興味が無いからな。強いて言うなら多くの人が楽しめるものにしてほしい」
「お前何があった」
「数馬がまともだ……」
なにこいつ。すっげえきちんとした解答してきたんですけど。もしかして偽物なんじゃない。本当の数馬をどこへやった。オープンロリコンなあいつを返せ! ……思えば同じロリコンだから大して変わらんか。やっぱり別に返さなくても良いです。
「なぁ、蒼。人を好きになるってどういうことだと思う?」
「は? いや、お前何言ってんだ」
「いいから答えろ」
「……その人と一緒に居たくなる、とか?」
「違う。違うな、全然違う」
ふりふりと首を横にふる数馬。なんだこいつ。いつにも増しておかしいぞ。自覚してなさそうだけど。すっと此方へ目が向けられる。話すことに専念するためか、数馬は読みかけの本に栞を挟み、ぱたんと閉じて机に置いた。どことなく真面目な雰囲気が漂ってますな。
「その人を本心から愛しいと思ったとき。それが多分、人を好きになるってことなんだ」
「え、いや、数馬?」
「外見とか、年齢とか、立場とか、そんなものは関係ない。関係ねえんだよ」
「ちょっと? あの、聞いてる? 数馬? 数馬さん?」
「確かに俺はロリコンだ。幼女趣味だ。けどな、そんな俺がどれだけ年をとろうと好きでいられるって、愛せるって思ったんだ」
ダンッと音をたてて椅子の上に立ち上がり片足を机に乗せる数馬。危ないから降りなさい。そう教師から声がかかるもガンスルー。ぐっと握り締めた拳を頭上に高々と掲げ、クラス全員の注目が集まったところで大きな爆弾を落とした。
「──御手洗数馬、十五歳。彼女出来ました」
……え?
「……なん……だと……」
「アイエエエ!? カノジョ!? カノジョナンデ!?」
「ロリコンに先を越された……」
「お前は今泣いていい」
「嘘だろ承太郎」
おいおいマジかよマジですかこの野郎! 嘘だろ!? なぁ!? 嘘だって言えよぉ! どうしてこんなロリコンが彼女持ちになるんだよ。ありえねぇ。まじありえねぇわこの世界。狂ってる。全部が狂ってやがる。普通の男子中学生を差し置いて筆頭ロリコンに幸福を捧げるとか汚いさすが神様汚い。死ね。つーか死ね。おまけに死ね。あと死ね。妬み嫉みのオンパレードですね。嫉妬は醜い。はっきり分かんだね。
「相手は誰だよ」
「前にメールしてたあの子」
「告白の台詞とかは?」
「普通に。好きだ、一緒に居てくれって」
「場所は!?」
「夕方に二人っきりの公園。デート終わりにな」
それロマンチック過ぎてあかんやつや。ましてや相手は小学生。初心な年頃の女の子にそれはちょっとやばくないっすかね。てか付き合う前にデートするとかジュンバンおかしくない? きちんと順番守れよ。ん? ブーメラン? はて、なんのことやら(鈍感)。
「解散。終了。閉廷!」
「数馬ァ……許さんぞ貴様ァ……」
「モテない男子の怨みを喰らうがいい」
「平凡な見た目でよくもぉ……」
「平凡な見た目……蒼のことかぁーっ!!」
「んだとゴルァ!!」
テメーは俺がぶちぶちにじきのめす。
「なぁ、話戻すんだけどよ」
「なんだ
「ご奉仕喫茶やろうぜ」
ぴしりと教室の空気が固まる。数馬に集まっていた視線は全て弾へ。三百六十度全方位から視線のエメラルドスプラッシュを浴びた弾は「え? やだなに怖い」と呟く。が、お前は一つ勘違いをしている。うちのクラスの連中を思い出してみろ。はしゃぐべき文化祭。むしろはしゃいでこその文化祭にそんな案が出されたら。結果はご想像の通り。
「それある」
「可決! 決定! 終了!」
「とりま服とかどうすんの?」
「演劇部の借りれば良くない?」
「だな。あとは軽くつまめるものと……」
「誰が燕尾服とメイド服を着るか」
「最重要選択項目ですな」
阿呆の特徴その①──決まってない内から行動が早い。
TSした美少女。ご奉仕喫茶。メイド服。あとは……分かるな?
とりあえず色々とあれなんで念のためにも再度確認。この小説の八割はくっそ適当な設定と展開に十割のネタをぶっ込んだアイスカフェオレです。真面目な考察なんてしたら無駄無駄ラッシュされるので気を付けましょうねー
せっかちなホモの為に事前予告しておきます。予告って大事。残されたイベントは僅か。文化祭の次にはクリスマス、大晦日からのお正月、受験。あ、バレンタインとかありましたね。多い(白目