俺の友達が美少女になったから凄くマズい。   作:4kibou

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小説ってどう書くんだっけ(すっとぼけ)

今回の話は面白くない、以上ッ


ジョインジョインホウキィ。

「植里、入れ」

「うーっす」

 

 スタスタと教室に足を踏み入れる。決して軽い足取りではない。そんなことは当たり前。そもそも周り全員が女子という環境に男子一人を放り込む時点で間違ってる。原作一夏の場合はイケメンだったから良かったものの、俺みたいなお世辞にもイケメンと言えないような奴が来たところで歓迎も何もありはしない。あのクソうさぎはどうしてこんな事をしたのか。俺の反応でも見て楽しみたかったのか。もしそうならあのウサミミ引き千切る。なにがなんでも引き千切る。

 

「……ぅ」

 

 あは、胃がががが。ちょっとやめて。見ないで。植里くんお腹いたい。ドアをくぐった瞬間に大勢の女性から熱い視線を向けられた。てかぶっちゃけ突き刺さってるだろこれ。視線が実体化していたら多分死んでる。あとクラスメート全員が真の英雄でも死んでる。吸血鬼もまた然り。視線怖い。がたがた。

 

「どうした、早く来い」

「す、すいません」

 

 千冬さんの声ではっと気付いて歩みを再開する。ナイス千冬ネキ。言葉で表さずとも目で告げてきた。緊張するな、楽に逝け蒼。多分そんなところだろう。あらやだお姉さん字が違うんじゃなくて? 不吉ですわ。逝くくらいなら最後にイカせたい。だって童貞だもの。

 

「……えっと」

 

 呟けば視線が強さを増した。ひぇっ。ボクナニモワルイコトシテナイヨ。シイテイウナラテンサイガゼンブワルインダヨ。ダカラボクワルクナイ。僕は悪くない。だって僕は悪くないんだから。あ、このままマイナス路線でいけばやれるんじゃね? 駄目だな。千冬さんに叩き潰される。どうにかしてまともな自己紹介を行わなければかの悪名高き『出席簿アタック~頭いたをのせて~』を喰らう羽目になるのだ。あんなもの俺が喰らったら死ぬぞ。いやガチで。

 

「植里蒼、十五歳、男、好きなものはゲーム。嫌いなものは椎茸。あと……」

 

 うん。これは言っとかなきゃいけない。束さんにも是非と推奨されたことだし。てかむしろ自分から率先して言いたいまである。相手女子だけど。よし、言うぞ。言ってやる。相手女子だけど。

 

「彼女はいます(キリッ)」

 

 瞬間、教室内の空気が固まった。誰一人として動こうとしない。まともに意識を保っているのは俺と千冬さんくらいか。当事者と事情を知ってる人なんだから何もおかしくはない。そして俺が千冬さんと同じ土俵に立っているという訳でもない。え? 一夏? あぁ、大勢の前で公表したからか顔真っ赤にしてうずくまってるよ。別にお前と明言した訳じゃないんだからそんなに恥ずかしがらなくても。いや、この後の対応でどうせ知れ渡るだろうが。

 

「え、えぇぇぇぇぇ!?」

「嘘! マジ!?」

「なるほど、リア充って奴か」

「よし、殺そう」

「いいや爆発させよう」

「リア充? あぁ、砕け散れ」

 

 今となっては送るべきだったこの罵詈雑言をこの身に受けることで快感が……沸かねーな。別に俺ドMとかそういう特殊性癖持ちでもありませんし。確かに多少ネガティブなせいでセルフ罵倒をする時もあるが決して攻められてあひんあひん言うようなタイプじゃないのだ。むしろどちらかと言えば攻めたい方。

 

「な? 一夏」

「ちょっ!?」

 

 例えばこんな風に。うん。以前から度々通話という名目で練習を重ねていて良かった。主導権を握るという行為は一夏を相手にする時において最も重要な事柄の一つだ。特に己の身の安全を考えれば使わざるを得ない。というか使わなかったら圧倒的に不利。ソースは二学期の俺と一夏。ふふふ、あの時のヘタレチキン豆腐メンタルな蒼くんとは違うのだよ。今の俺はヘタレチキン絹ごし豆腐メンタル最弱全敗の蒼くんだ。弱くなってんじゃねーか。

 

「え? いや、え?」

「まさかIS学園のこのクラスに……?」

「死ね。てか死ね」

「青春とは嘘であり、欺瞞である」

「やはりリア充はくそ」

「ケツ掘られて堕ちろノンケ」

 

 うーんこの。ドストレートに向かってくる嫉妬の念に戸惑いを隠せない俺氏。男ならともかく女性からこんな殺意の波動を向けられるとは思わなかった。しかし甘いな。こちとら身近に殺意を滾らせたら宇宙一とも言われるチフユ=オリムラが居たんだぞ。その程度の殺意、受け止めきれなくて何が彼女持ちか。俺を怯えさせたいのならその三倍は持ってこい。あ、いややっぱ無理。

 

「……うん。なんとか上手く──」

「行くと思っていたか」

 

 がっしと制服の襟を掴まれてそのまま床に押し倒された。いやぁー! 背骨がー、背骨がー! 大丈夫? 俺の背骨曲がってない? あ、元から猫背でちょっと曲がってましたね。なら何の問題もねーや。いやあるわ。冷静に現状を把握しよう。俺の上に跨がって鋭い視線を向けてくるポニーテールのばいんばいんな黒髪美少女。それを見てふと一夏と千冬さんに視線を向ける。ばいんばいん。やっぱりおっぱいって遺伝するんやなって。天災にも負けず劣らずナイスおっぱい。ナイスおっぱい。大事なことなので二回言った。

 

「ちょ、せ、背中が……」

「私のことを覚えているか、蒼」

 

 被害を訴えようとしたら無理矢理遮られたでござる。解せぬ。ともかくとしてこの美少女を覚えているか。答えは間違いなくイエス。艶のある黒髪。大和撫子といった言葉が似合いそうなその少女は、小学生の頃に一夏を通して少しだけ関わった。実際は木刀で牙突放ってくる俺の中の最重要危険人物その四くらいに入っている人間。天災の妹もやはり天災じゃったか……。ツンデレ(物理)でお馴染み、胸がある日かsげふんげふんファースト幼馴染みこと篠ノ之箒ちゃん!

 

「あ、うん。篠ノ之さんっすよね」

「……やはり忘れているようだな。ならば一度ショック療法で……」

「いやー久しぶりっすね箒さん! 懐かしさで蒼くん涙が出そうだよ!」

「うむ」

 

 別の意味でも泣きそう。なんだろう、先ほどからダブルで突き刺さってくる非情な視線が非常に痛い。一夏からの何してるのっていうそれと千冬さんからの貴様一夏を泣かせないだろうなというそれが実に精神・SAN値共にゴリゴリと削ってくる。鑢で削られる材木の気持ちが分かりそうだと思いました(小並感)。

 

「さて、とりあえずだな蒼」

「う、うっす」

「今はSHR、他の生徒にも迷惑をかけている。それを考慮した上で聞くぞ」

「は、はい」

 

 にこりと笑顔を作る箒さん。あらやだ可愛い。思わず惚れちゃいそう。実際一夏と付き合ってなかったら惚れて好きになっちゃって想いが抑え切れなくなったところで告白したらフラれて号泣してる。あ、そもそも俺の場合告白すること自体ありえねーな。周りからボロカス言われるほどのヘタレチキン豆腐メンタルらしいですしおすし。あれ、変だな。目から汗が(泣)。

 

「アレが織斑一夏で良いんだな?」

 

 そう言って指差したのはじとっとした目を向けてくる一夏ちゃん。合ってる合ってる。

 

「ならお前は、アレと付き合っているんだな?」

 

 再度一夏を指差したまま問い掛けてくる。確かに俺と一夏は所謂彼氏彼女の関係というやつでして。うん。合ってる。合ってる。

 

「……なぁ、蒼」

「な、なんすか箒さん」

「この行き場の無い悶々とした気持ちを、私はどう片付ければ良いだろう……」

「と、とりあえず姉にぶつければ良いかと」

 

 一夏を女体化させたのは誰でもない篠ノ之束その人である。分かりきっていることだが箒さんの姉。妹の恋い焦がれた男子を女にするとかあの人の脳内はどうなっているのやら。まさか、百合の花が咲き乱れ……ッ!? なに。千冬さんから殺気が届いた、だと(困惑)。

 

「数年ぶりに再開した想い人が知り合いの男と付き合っていた。こんなこと、あっていいのか……ッ!!」

 

 先ずそのケース自体限り無く低いっすね。




書き直すかもしれません。とか言っておきながら今まで書き直してない駄作者がいるらしいですよ。私です。

もう疲れたよパトラッシュ……

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