↑朝起きた時の作者
前話の内容がもうね、うん。だからシリアスは嫌いなんだよ(ヤケクソ)土壇場で勢いに任せて文を書いてはいけない(戒め)
今回もちょっと患ってますねーお医者さんいきましょうねー
その後、食堂に来た山田先生より男子も大浴場を使えるという朗報が飛び込んできた訳なのだが、勿論のごとく真実はそう簡単にいかない。三人揃って頭を抱える。ええい、ここに頭の良い奴はおらんのか! 転生してそこそこ頭の良い俺。元々高スペック且つ主人公力天元突破気味な一夏。あざといことで有めげふんげふん中々に頭のキレるシャルルさん。うん。結構戦力になりそうな奴等が集まってこれならオワタな。オワタ。
「……どうするよ」
「まだあの人から報告来ないの?」
「おう。音沙汰なしだぜ」
「ど、どうしよう蒼、一夏」
ふんふむ。かなりマズイ。予測していたとは言えろくな回避方法が思い付かない。どれくらいマズイかと言うと自家発電を妹に見られた時くらいマズイ。いや、そんなこと無かったけどね? うん。全然。そもそも植里くんに妹なんていませんし? うんうん。はっはっは、余計なトラウマスイッチを踏ませるんじゃないよ。
「落ち着けシャルルさん。こういう時は円周率を数えるんすよ」
「3.1415926535……」
「それつまりおっぱ──」
「蒼。ステイ」
「わん。……さまー」
「ステイ」
「はい」
すいませんでした。ちょっと調子乗りました。最近なんか妙に格好良いこと出来るなーと思ってたんです。ただこれ流れ来てるなって確信してただけなんです。まさか流れ変わったのか? 原作声優的に? ユニコォォォォォオオオオオオオン!!
「真面目に考えようね。先ずは現状把握から」
「男子は大浴場を使える。しかも機会は少ない」
「でも僕女の子……」
「そうだね、シャルルは女の子だからね」
問題はそこだ。シャルルさん女の子。何度も言うがシャルルさん女の子。シャルルさん女の子。大事なことなので三回言いましたよ。もしこれでシャルルさんに生えてたら驚くどころじゃない。一回裸見て確認してるのになんで生えてんねんってな感じで。あ、いやまぁ生えてるっつっても棒の方で……いや、これ以上はやめよう。墓穴を掘りかねない。既に掘ってるけど。……良い、裸でした(澄んだ瞳)。
「いっそ蒼が入らないのは……駄目か」
「いや、俺は別にそれでも構わんけど」
「駄目だよ蒼。僕はまだしも、蒼は結構疲れが溜まってるんだし」
「いいや、シャルルさんの方が男子生活で疲れ溜まってますっしょ」
精神的疲労と肉体的疲労では優先度が違うと思うの。ここはやはり滅多に入れないお風呂に入ることでシャルルさんの心の疲れを癒してですね。俺は別に後日でよろしいです。ほら、こういう時は女子に譲るのが世の男ってもんだろう?
「……なら二人とも一緒に入ればいいんじゃない?」
「「えっ?」」
お前がそれ言うの? え? マジで?
「いいいい一夏!? 何言ってるの!? 大丈夫!? 熱とかない!?」
「ないよ。平気だって」
「お前馬鹿か。馬鹿なのか。俺が女性苦手なの知ってるだろ。無理に決まってます」
「蒼は相変わらずだね……」
ここでも性格の差が表れてますねぇ。一夏の心配をするシャルルさんと自己の保身に走る植里くん。どっちが人間的に駄目かなんて明らかだ。ごめんな、ヘタレチキンの日本男児で。
「それに……あー、うー、……あ、蒼に信じてって言っておきながら私が信じないのは駄目、だし」
「一夏……」
「……あと、今度余るくらい返してもらうし」
「マジっすか……」
それはあれですね。今度行くデートのことを言ってるんですかね。ははは、余るくらいに返せだと? 笑わせるなよ小娘。俺にそんなこと無理に決まってんだろ常識的に考えて。どうやって返せと。えっと、キスとかそういうので勘弁して貰えませんかね? 十分レベルたけーよオイ。オイコラ。オイヘタレチキンコラ。
「……ど、どうしますシャルルさん」
「…………こ」
「「こ?」」
金輪際話し掛けないで変態、とか?
「……こ、今回だけなら……」
なん……だと……(オサレ並感)
◇◆◇
「……い、良い湯、ですねぇ~」
「う、うん。そう、だね」
どうしてこうなった。気まずい。圧倒的に気まずい。とりあえず一緒に入ることになって大浴場内を極端に離れた位置で体と髪を洗い終えた俺達なのですが、その時から既に戦いは始まっていた。主に俺自身との戦いが。いえ、理性は大丈夫なんです。間違ってもシャルルさんを襲うということはない。鋼の理性なめんな。彼女居るんだぞ彼女。なめんな。駄目なのは本能。どうしても意識しちゃうと危ない。何が危ないってナニがアブないのよ。察して。
「……そ、それにしても、今日のアレは驚いたっすね。ま、まさかラウラさんがああなるとは」
「だ、だね。ぼ、僕も唖然としちゃったよ」
「はは、はははっ……」
「あ、あははは……」
なんだこれ(混乱)なんだこれ(錯乱)。だから俺と女子を気まずい雰囲気の場所に押し込んではいけないとあれほど。別に言ってないけど。ふふっ、なんだか頭が痛くなってきやがったぜ。のぼせたのかな? 二分も経ってないと思うんだが。しかしのぼせたのなら仕方無い。さっさと出た方が身のためだ。うん。よし、出よう! そうして立ち上がろうとしたところで、ざばあっと音が聞こえる。おかしいな、俺はまだ勃って……げふんげふん立っていないんだが。
「……ね、ねぇ、蒼」
「ひゃいっ!?」
「わっ!?」
ざっぱぁーんと直ぐ側で大きな音と飛沫が起きる。あら? ドウシテ直グ側ナンデスカネェ。嫌な予感しかしない。むしろ嫌な予感しかしない。もちつけ。同じ意味だ。ぺったんぺったん。文字ぴったん。それぴったん。ええい落ち着け! 俺! ステンバーイ! ステンバーイ!
「ななな何やってるんすかシャルルさん!!」
「ごごごごめんね! ごめんね蒼!!」
「謝るなら早く離れてッ!!」
「それは無理ッ!!」
何故。
「そ、その、蒼に伝えたいことがあって」
「え、え? な、なんすか」
ドキがムネムネしてる。これが恋する乙女の気持ちってやつね! ※注:違います。
「あ、ありがとう、蒼。……僕は、蒼のおかげで救われたんだよ?」
「ま、まだ決まった訳じゃないっすよ。報告が来てませんし」
「それでも……蒼のおかげで希望が持てたんだ」
「え、や、えぇっと……」
こういう時ってどう言えば良いんだ!? ええい、分からん! 全くもって分からんぞ! 経験値がゼロだから慣れも何もない。初体験ですよ初体験! 同年代の女子と一緒にお風呂入ったの! 先ず普通の人間でもこの年代に一緒にお風呂はありえないと思いますがね!
「僕の名前ね、実を言うとシャルルじゃないんだ。仮の名前なんだよ」
「そ、そうなんすか?」
知ってるけど。
「そう。僕の本当の名前は『シャルロット』。シャルロット・デュノア」
「……良い名前、っすね」
「うん。お母さんがくれた、大切な名前」
大切な名前、かぁ……。あぁ、なんか泣けてくる。日本人ってこういう話に弱いんだよなぁ。俺の涙腺が緩いだけかもしれんが。くっそ。眼鏡が曇って前が見えねぇじゃねえか。あ、眼鏡かけてなかったわ。くっそ。
「時期が来たらそう呼んでよ?」
「うっす。シャルロットさん」
「……前から思ってたんだけどさ。なんでセシリアや鈴は呼び捨てなのに僕はさん付けなの?」
「……シャル、ロット」
「うん。それで良し」
良くない良くない。こっちとしてクッソ恥ずかしい。今にも顔から火が吹き出そうだぜ。ああやだ。このままじゃのぼせちまうぜ。さっさと上がろうそうしよう! 今度こそざばあっとシャルロットさんに背を向けて立ち上がる。
「そ、それじゃあ俺、先に出てますからっ」
「う、うんっ。また後でね、蒼」
その後、脱衣所で鳴り響いた携帯から天災の任務完了を告げる報告が入った。おせーよ。
早いことでこの小説も八十話。よく書いたなぁ(自画自賛)クオリティはお察しな部分もありますが(白目)
八十話記念に蒼くんがガチホモだったらという展開を考えてプロット練って話の構成をしていざ文を書こうとしたところで正気に戻りました。
ちなみに√aの場合。
生まれたときからホモ→女に耐性なし→ホモksk→ガチホモ化→一夏ぁ……(ねっとり)
√bの場合
生まれたときからホモ→女に無関心→イケメソ力発揮→素敵!→ホモを直さなきゃ!
どっちも駄目みたいですね(呆れ)