俺の友達が美少女になったから凄くマズい。   作:4kibou

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ラストブリットォォオオ‼


抹殺の……あら?

「みなさん、おはようございます……」

 

 翌朝。ホームルーム。教室に入ってきた山田先生は一目見て分かるほど元気がない。覇気がない。エロスがない。おっぱいはある。いやぁ、今日も良いおっぱいですね山田先生! なんて阿呆なことを考えていればじとっとした視線を向けられた。ずっきゅーん。

 

「植里くん。そういうの、やめましょうね。女性は視線に敏感なんですよ……」

「あ、うす。さーせん」

「……変態」

「男なんてケダモノなのよ」

 

 本能という名の、ね。どこも格好良くない。そして括弧も良くない。『男なんてケダモノなのさ』とか言った方が良かったかしら。やだそれどこの球磨川さん。一夏だって男だったら山田先生のおっぱいに視線が釘付けだったろうに。ソースは原作。やっぱやまやっぱいは最高なんやな! ……という訳で分かったと思うが、俺のテンションは現在変な方に向かっている。主に昨日のお風呂での出来事で。

 

「今日は、ですね……皆さんに転校生を紹介します。転校生といいますか、もう既に紹介は済んでいると言いますか、ええと……はぁ……」

 

 あかん。山田先生のテンションは俺と違って最底辺を彷徨っているところだった。大丈夫? サマヨール通信交換しようか? れいかいのぬの持たせてやってあげようか? したとしても山田先生が元気になるという可能性はゼロに等しいが。

 

「じゃあ、入ってください」

「失礼します」

 

 可愛らしい声が聞こえて、ガラリと戸が開く。そうして現れたのは声にも負けないほどの美少女。光に照らされキラキラと煌めく金髪。引き締まった肢体。眩しく思えるほど白く綺麗な肌。この年の女性としてはある方だと思われる胸……いや、おっぱい。紛うことなきパーフェクト美少女がそこにいた。うん。やっぱ今日の俺のテンションおかしいわ。

 

「シャルロット・デュノアです。皆さん、改めてよろしくお願いします」

 

 ぺこりと女子の制服を着たシャルロットが礼をする。礼儀正しい良い子ですね、礼だけに。

 

「ええと、デュノア君はデュノアさんでした。ということです。はぁぁ……また寮の部屋割りを組み立て直す作業が始まります……」

 

 頑張って山田先生。俺、応援してます。声に出すと純粋に感謝されるか怒られそうなのでやめておく。無責任な応援とかそういうので腹立てる人もいるからね。仕方無いね。頑張れって言葉自体もう他人事だもの。実際他人事ですしおすし。

 

「え? デュノア君って女……?」

「おかしいと思った! 美少年じゃなくて美少女だったわけね」

「この世にイケメンは居なかった……ッ!!」

「あれ、そういえば昨日、男子って確か大浴場を使用した筈じゃ──」

 

 おっと、なんだかこっちに飛び火しそうな勢いだゾ。やだやだやめて来ないで嫌だよぉ! 必死必死。植里くん超必死。なお脳内だけの模様。駄目ジャマイカ。俺の奮闘も空しくクラス中の女子の視線が一斉に集まる。後ろから一夏のため息が聞こえた。

 

「ほら、蒼。お風呂の感想をどうぞ」

「え、えぇ……このノリで?」

「ほらほら早く。ハリーハリー」

「……こほん。気持ちよかったです」

 

 お風呂が。

 

「気持ち……っ!?」

「え、嘘? えぇ!?」

「や、ヤりやがったのか!? あの野郎、遂にヤりやがったのか!? 他の女と!?」

「あ、愛人……だと……」

「どうして火を注ぐのかなぁ……」

 

 違います。それとシャルロット関連で愛人とか言うんじゃないよ。悲しい気分にさせてしまったらどうするって言うんだ。うちのシャルロットを悲しませる人は絶対に許しませんからね! なにその親馬鹿。親でもないのにうちのシャルロットとはおかしい。

 

「ち、違うよ! えっと、その、蒼っ!」

「あ、はい。違いますよ。俺はただお風呂(・・・)が気持ち良かったと答えただけで」

「な、なんだお風呂か……」

「もう少しで種馬認定するところだった……」

「ゲス男認定するところだった……」

 

 あんたら容赦なく俺の評価下げていくのね。ようしようし。そっちがその気ならこっちだって時には強気でやらせてもらうぜ。なめんなよ。今の俺は昨日の一連の事件でテンションがハイなんだ。単純に寝てないとも言う。いや仕方無いじゃん。シャルロットとあんなことをした後に同じ部屋でぐっすり寝るとか。

 

「そうですよ。俺はただお風呂の感想を言っただけなのに。一体ナニを想像したんですかねぇ……」

「そっ、それは」

「ナニを、と言われても」

「あ、あれ……? なんだか胸が……」

「おい、M気質の奴等が刺激されたぞ植里」

「えっ」

 

 うせやろ。ちょっと待て。うん。待とう。いや待ってくれ。待ってくださいお願いします。当初の予想ではここで罵詈雑言の嵐を喰らうくらいの覚悟はしてたんだけど。いや、うん。どうしてこうなった。

 

「普段は温厚で優しい冴えない彼……」

「しかし二人っきりになった瞬間牙を向く本性」

「ド、ドSですか? 貴方は私の求めたドSですか!?」

「いいえ、ノーマルです」

「どちらかと言うと受け気味だしね、蒼」

 

 うっさい一夏。そもそもあんたともまだヤってないでしょうが。もうこれシャルロットの転校騒動どころじゃねぇぞ。どう収拾するんだ。俺のクラスがてんやわんや。おい一夏。そこで楽しそうに見てんじゃねえよ。助けろ馬鹿。なんて視線を送るもガンスルー。恋人がドSと勘違いされても良いんですか!?

 

「ほう。蒼は攻める方が好みなのか。なるほどなるほど。新しい発見だ」

「いや違うから。ノーマルだから。つーかなにをメモって……」

 

 時が、止まった。

 

「ラウラさぁん!?」

「む、元気が良いな。朝から元気なのは良いことだ」

 

 うんうんと頷きながら手帳を仕舞うのは銀髪美少女ラウラ・ボーデヴィッヒさん。今日も銀髪が綺麗なことで。

 

「しかしネクタイが曲がっているのはいただけないな。最初に言っただろう。身嗜みくらいきちんとしておけと。どれ、直してやる」

「ちょ、あ、いや、サンキュー……です」

「うむ。そうか」

 

 感謝の言葉を受けたラウラさんは軽く微笑む。なんだろう。このどこか千冬さんに似てるけど根本的には違っている感じ。これがラウラ自身だとでも言うのか。凄く良い人じゃないっすか。いや、元から良い人っぽさは溢れ出てたんだけど。吹っ切れたというかなんというか。

 

「いや、その、えっと。どうしたんすか。突然」

「大したことではない。お前と私に血の繋がりは無いが、十分に理解して接することはできる。だから、これからお前のことを知ろうと思ってな」

「知ろうって……いやまぁ、良いんすけど……」

「それともお兄ちゃんと呼んだ方が良いのか?」

「是非ともご遠慮願います……」

 

 ラウラさんにお兄ちゃんなどと呼ばせたらそれこそ変な噂が立ちかねない。男性IS操縦者の植里がドイツの代表候補生に妹プレイを強いているとかなんとか。誤解も良いところですよ! なんてぷんすか脳内で怒っているとついつい制服の裾を引っ張る奴が一人。誰かは言うまでもない。我が嫁である。

 

「ねぇ蒼。ラウラと何かあったの?」

「……いや、知らねぇよ。ちょっと話しただけ……いや、あれを話したと言うのかは知らんが」

「おはようだな、一夏」

「あ、うん。おはようラウラ……って名前……」

「私の負けだろう、アレは。約束は守るさ」

 

 うん。色々と良い方向に吹っ切れてくれたようで何とも良かったと思いました(小並感)。でも付け加えるなら俺のことを知ろうとしなくて良いのよ? 知ったところでお察しだから。なんだこいつこれでも世界唯一の逸材かよとか思っちゃうから。

 

「改めてよろしく頼む一夏、蒼。私の名前はラウラ・ボーデヴィッヒだ」

「よろしく、ラウラ」

「よろしくです、ラウラさっ……ら、ラウラ」

 

 無言の威圧にやられました。彼女はラウラさんではない(無言の腹パン)。




オリ主「遅刻遅刻~」

今学校に遅刻しそうになって走っている俺は今日から中学生になるごく一般的な男の子。強いて違うところをあげるとすれば転生者って事と男に興味があるってとこかナ……。名前は植里蒼。

ドンッ☆

オリ主「いったぁ~。誰だよ、いきなりぶつかってきたのは」

一夏「ごめん、少し急いでて。立てるか?」イケメンスマイル

オリ主「えっ……」ドキッ

その日、俺は恋をした。




こんなものを書いたところで作者の精神が悪化するだけだと悟ったのでお蔵入り。

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