朝食を食べ終えた俺は、いつも通り食後のコーヒー(微糖)を飲みながら一夏の話に耳を傾けていた。そこでブラックじゃないから駄目なんだよお前は。RXも違いますね。ブラックだよブラック。全く。全くもう。この童貞。もうそろそろセルフ罵倒で快感を感じそうなのでやめておく。ドMになんてなりたくない。出来ることならそう、私は貝になりたい(名作)。
「だから、戸籍関係やら学校での色々は千冬姉が片付けてくれるって」
「ふぅん……千冬さん有能だな」
さんきゅーちっふ。己の職務を放り出してまで弟(現在は妹)のために奔走するとは。まぁ、あの可愛がりようだしなぁ。仕方がないと言えば仕方ない。どれくらい仕方がないかと言うと、コーラを飲んでゲップが出るくらい仕方ない。ふぅ、やれやれだぜ。最近やれやれ言い過ぎてやれやれ系主人公扱いされそう。やめろよオイ。やれやれ系主人公って意外と嫌われやすいって聞いたことあるぞ。あ、だからぼくはモテないんですねハイ。まったく、やれやれだぜ……。またかよこいつ。ホントやれやれ好きだね。セットでオラオラも付いてこいよオラァ! 星の白金ッ!!
「ちなみに」
「ん?」
ずずーとコーヒーを啜っていれば、意地悪そうな表情を浮かべた一夏が付け足して言う。
「蒼の吃り癖を直す方法を考えたのも千冬姉」
「やれやれだぜ……」
ふぁっきゅーちっふ。あんたのせいで俺の逃げ場が完全に無くなった。前門の虎、後門の狼ならぬ前門の一夏、後門の千冬ってとこか。ふむ。体型のイイ女性二人による素晴らしいサンドイッチですね(戦慄)。命の危機さえ感じなかったら最高の気分だったよ。多分現実でそんなことになったら間違いなく
「というわけで、私はただその言葉に従っただけ」
「従っただけ、か。良い言葉だな。逃げる口実として優秀じゃないか」
「従っただけ。イイネ?」
「アッハイ」
有無を言わさぬオーラを感じました(今更感)。とりあえず一夏ちゃんが怖いのでみくにゃんと那珂ちゃんのファンやめます。いぇーい、恋のとぅーふぉーいれぶーん(解体済み)。艦隊のアイドルなんて紅茶が飲みたい人とかぱんぱかぱーんさんとかにやらせとけばええんや。声がいいのね、分かるわ。分かられてもちょっとあれなんですけど……(困惑)。む。なんだかさっきオラオラとか言ったけどやっぱ違う気がしてきた。わ……わ……わなび。ちょっと違う。WAAAAAAAAANNABEEEEEEEEE!!
「ずずー……ふぅ。まぁ、昨日はそれくらいかな。あとは何だっけ、ISの……えーと……」
「適性検査?」
「そうそう、それ。束さんがまた何かしてきちゃいけないから、一応言葉通りには動いておくって」
「うん。とても正論に聞こえる
脳内想像。現実。あの馬鹿が何かしてきてはいけん、IS学園に一夏を入学させる(キリッ)。思考。一夏に何かあっては死んでも死にきれん、IS学園に一夏を入学させる(キリリッ)。完璧だな。我ながらとてもいい推理力だと思う。まさに超推理。江戸川乱歩かな?
「目がマジだった、とだけ言っておくよ」
「手遅れじゃねーか」
ちっふやばい。何がやばいって、性別の変わった弟の心配をせずに甘やかそうとする強かなメンタルがやばい。そしてそれに耐える一夏のメンタルもやばい。こいつワンサマーとか言われても怒らないんじゃないかな。いいや、ワンサマーなんて呼んじゃ駄目だ。ここはきっちりとふざけず真面目にワンサマーちゃんと読んであげるんだ。特に変わってない? 気にしたら負けよ。ワンサマーとか呼び捨てにするより可愛くね。ワンサマーちゃん。うん。いいね。今日から君はワンサマーちゃんになるんだ。おめでとう、ワンサマーちゃん。
「……なんか失礼なこと考えてない?」
「いいや、別に何も考えてないよ。ワンサマーちゃん」
「正座」
「ちょおまなにい──ッハイ」
土下座じゃないだけまだマシ(ポジティブ)。けれども一夏ちゃんのキレ具合はマジ。それに怯える俺の態度も割とマジ。だから全部マジな出来事。YO。何の形もありはしないクソラップだな。まるで意味のないサランラップみたいですね。サランラップ。オレァクサムヲムッコロス。はいはい、そんな馬鹿なこと考えてたらもう一度一夏ちゃんのくびれ見つめタイムがやってきましたよ。いいくびれですね。かぶりつきたいです。なにそれ変態じゃん。やめてけろ、俺はノーマルなんだけろ。
「あのさぁ……性転換二日目。私まだ二日目なんだよ。意外と心に傷を負ってるんだよ?」
「仰る通りです」
「蒼のためにもって頑張ってたけどね、もう限界だよ。分かる? この罪の重さ」
「分からな……いわけないじゃないですかー!」
「うん。そうだよね? ほら、さっさと悔い改めて」
†悔い改めて†(幻聴)。不思議なことに尻の穴がきゅっと締まりました。え、なに。やめて、意味不明な行動しないで俺の体。怖くなっちゃうから。八尺様をネットで調べた日に迎える夜ぐらい怖くなっちゃうから。ちなみに一夏(イケメン)だと八尺様に呪われる前に惚れさせるんじゃねーの。大丈夫ですか(キリッ)とかやってぽっ(鳴き声)てなるんでしょ。なにそれどこのギャルゲの冒頭シーン。やっぱ一夏は強い(確信)。
「悪い、悪かったって。ほら、落ち着けよワンサマ」
「そう思うならやめてよ」
「分かった。だから落ち着けワンちゃん」
「結局略しただけじゃねーか」
ワンサマーちゃん。略してワンちゃん。黒髪ロングで垂れ目気味おっぱい美少女一夏ちゃんに犬耳と尻尾がついた状態を幻視したあなた。ようこそ、
「ステイステイ一夏。ほら、お手」
「死ね」
ツンデレさんですね(白目)。このワンちゃんちょっと懐きにくすぎんよー。犬派より猫派の人はすまんな。猫もいいけどやっぱりペット(意味深)にするなら犬が良いって俺は思うの。別に変な意味じゃないよ。燃料投下ってナンノコトデスカネ。最近変態嗜好の強い人が多いからね。美少女に首輪をつけて調教させたいなんていう変態さんもどこかにはいる筈なんだ。やべぇな、勝てない。変態力が圧倒的に高すぎる。くそっ……獣耳少女の耳を息が荒くなるまでもふもふして赤面させたいと思う程度の俺じゃあ勝てないッ……!!
「……悪かったって。ごめん。だから機嫌直せ」
「じゃあ、交換条件」
「ん? なんだよ」
すっ……と一夏ちゃんが指したのはこの部屋の扉。え、まさかその扉を寄越せと。それは流石に無理かな。色々と問題があるし。ほら、ここマンションだからうちの私物じゃないですし。扉が無かったら風が吹き抜けて寒いでしょうし。あと物騒。戸締まりも出来ないから泥棒にだって入られる。結論、流石に無理だよ一夏ちゃん。
「扉はあげられないぞ」
「ちがうよ、ほら」
「違うって……ん? いや、なんだその手」
「ほら、早く」
言いながら手を差し出してくる一夏。握手でも求めてるのかな(超推理)。さっきから言いたいことが全く分からん。主語を話せ主語を。君はちゃんと国語の授業を受けていたのかね。主語述語接続語修飾語やら何やらって話を聞いてたのかね。俺は聞いてた(うろ覚え)。じゃあ主語って何だよーって煽られたら焦るけど。困ったときは
「この部屋の合鍵、ちょうだい♡」
「」
はーとまーくでせすじがこおったのははぢめてです。にっこりと笑う一夏の顔はちょっと赤い。恥ずかしいんならやんじゃねえ。やんじゃねえよ。そして地味に怖い。ちょっと言い表せないレベルの怖さがほんのりと滲み出てますよ。蛙の子は蛙。つまりチートで化け物な千冬ネキの弟である一夏もチートで化け物でFA。実際そうじゃないかと思い始めてきた今日この頃。何でだろ、昨日までは俺の方が優勢だった筈なのに。逆にこいつのこと弄って遊べてたのに。
「一応聞いておく。何故だお前」
「え? だって毎日会って女性に対する耐性をつけるために、自由に出入りできた方がいいでしょ?」
「確かにそうかもしれんが、ケツ狙われるのは勘弁」
「狙わないよ。あと、朝ごはんも早く作れるし」
こいつまさか毎日来て朝飯作っていくつもりか。一体どこの押し掛け女房だよと声を大にして言いたい。言いたいけど、絶対無自覚なんだよなぁコイツ。イケメンだから性格もイケメン。ただ世話焼きたいから焼くだけ。それを好きでやってると言い張る。なんだこの童貞キラー。イケメンをTSさせちゃいけない(戒め)。同じくして冴えない奴をTSさせてもいけない(保険)。ぼくは男だよ!
「……渡さなきゃダメっすか」
「ダメ」
「やっ、やれやれ、だぜ……」
友人が女の子になった翌日の朝。友人に部屋の合鍵を奪われました。ダレカタスケテー。
引き続いて感想欄の勢いが激しすぎる件について。これは不味いですよぉ……。
活動報告でも書きましたが、あまりの多さに返信をすることが出来ておりません。してたら朝になりまする。
感想多すぎて困るぅ!(建前)もっとぉ!!(本音)
目は通していますので、これからもホモしく……宜しくお願いします。
いいですか、作者はホモではありません。確かに初めてapoのアストルフォちゃん見たときに恋をしましたが決してホモじゃないのです。……あれ?