ヤンデレ・シャトーを攻略せよ 【Fate/Grand Order】   作:スラッシュ

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今回は……場合によってはR-18行きですね。
もしその方が良いのであれ感想欄に書いて頂ければなるべく早く削除します。その後は未定ですけど。


ヤンデレサーヴァントと立場入れ替え 霊薬編

 

 最近、シャトーがあまり登場しなくなった気がする。そんな事を考えていたせいか、今回は再びシャトーでの悪夢だそうだが……

 

「今回は個別?」

 

「ああ、毎回複数のサーヴァントを相手に避け続けたお前なら楽勝だろ?」

 

 アヴェンジャーがそう言うと絶対に楽では無いと確信した。

 

「絶対何か仕込んだろ! 何か裏があるんだろ!?」

 

 俺が強く問い詰めるが、アヴェンジャーは躱す気でいる様だ。

 

「仮にあったとしても、お前ではどうも出来まい?」

「せめて前情報は欲しいんだよ!」

 

 この野郎、説明役位しか出番無いクセに、それすら放棄する気か?

 

「ギャーギャー騒ぐな。大した事では無い」

「お前、殺されたら絶対に恨んでやぁ――」

 

 俺の恨み言は、意識と共に途切れていった。

 

 

 

マシュ編

 

 

「先輩……」

 

 やって来た。先輩が。

 この塔ではサーヴァントとマスターの魔力パスが感知できなくなる。それがとても、不安を煽る。

 

「先輩!」

 

 私の部屋のドアが開いた。この塔ではドアの開く時間が決められている。だけど、今回は私だけ、私だけが先輩と愛し合える。

 

 ――そうだ。他のサーヴァントなんかに先輩を、渡すものか。

 

「マシュ……」

 

 先輩の顔を見る。そして、先輩は私の名前を呼んでくれた。

 

 ああ……そんな顔をしないで先輩。

 

「先輩、こんばんわ」

 

 警戒しないで下さい。私は先輩に会えてこんなに嬉しんですから。

 

「こんばんわ……えっと、なんか嬉しそうだな」

 

 先輩は常に半歩下がっている。物理的にも精神的にも。

 その距離は私から離れるには頼りの無い距離。だけれど、私を不機嫌にさせない最長の距離。

 

「ええ、今日は先輩と2人きりですから。何時しかの続きをしましょう」

 

 先輩の手を握った。もう先輩の体は私が掴んだ。

 

「いや、それはまだ、ちょっと恥ずかしいから」

 

 照れてる先輩は可愛い。だけどその仕草の後ろで何か必死に考えているようだ。

 

「そうだ。マシュ、たまには部屋じゃなくてさ、歩きながら話そうよ」

 

「……嫌です」

 

 何時もなら、先輩の提案を喜んで受けていた。だけど、今回はダメ。

 私は先輩を部屋の中まで引っ張った。

 

「ちょ、マシュ!?」

 

「今日は、私が貴方のマスターですから」

 

 先輩に手の甲を見せた。令呪が3つ刻まれている。

 

「っ! そういう事か!」

 

 先輩はもう部屋の中。ドアは私以外の意思で内側から開く事は無い。

 先輩の今までの行動を考えると、きっと令呪を無駄に使わせようとするだろう。

 

 だけど、先輩はもう私からは逃げられない。

 私は、ピンク色の容器に入った薬品を取り出した。

 先輩の召喚によってサーヴァントではなく代わりに呼び出された概念、愛の霊薬。

 

「先輩、これで、一緒になりましょう?」

「っ……そ、それは……!?」

 

「令呪を持って命じます、動かないで下さい」

 

 先輩の体が不自然に止まった。本人は必死に動かそうとしているけれど、体はいう事を聞かない。いや、私の命令を聞いているんだ。

 

「ん……」

 

 霊薬を口に付けた。飲み込まず、先輩と唇を重ねた。

 

「んー!?」

「ん……」

 

 抵抗する先輩。だけど、そんな意志を無視して、薬は先輩の喉へと侵入した。

 

「ん……っちゅ……っはぁ」

「っぐぅ……っはっはぁ! や、ばい……!」

 

 先輩はもう、逃げられない。いや、違いますね。

 

「先輩は元々、私だけの先輩です」

 

「マ、シュ……」

 

 先輩は気を失った。次に起きた時はきっと、体も心も私だけの先輩に変わっている筈だ。

 

「私には変化ありませんね。元々先輩を愛していたからでしょうか?」

 

 愛の霊薬。惚れ薬と呼ぶにはその主作用が強力過ぎる霊薬。サーヴァントでも抗い難い程の効果で、今の先輩にもきっと効いてくれる。

 

「早く起きて下さいね、先輩」

 

 

「……ん?」

「おはようございます、先輩」

 

 私の膝元で先輩が目を覚ました。愛らしい寝起きです。

 

「マシュ……おはよう」

 

 先輩は私の顔を見ると、うつ伏せになり顔を膝に埋めた。

 

「んー……マシュの匂い……」

「先輩……くすぐったいですよ」

 

 普段の先輩とは違う。自分から私を求めてきた。怯えも警戒も無い。

 

「匂いも良いけど……起きないと折角のマシュとの時間が勿体無いな」

 

「フフ、匂いが好きなんでしたら幾らでも嗅いで下さい」

 

 先輩は顔を上げると、座って私に視線を合わせた。

 

「おはよう、マシュ」

「おはようございます、先輩」

 

 間違いなく先輩は私を愛してる。

 

「あの、先輩? おはようのキス、してくれませんか?」

 

 指を唇に当てる仕草で先輩を誘う。

 

「良いよ」

 

 半歩下がるどころか早い1歩で踏み込んだ先輩は、私の唇に吸い付いた。

 

「ん……っちゅっぁ……はぁ……」

「んぐ……っじゅ、ん」

 

 少し乱暴だけど、私を求める深いキス。

 

「ん……っはぁ……んっく」

「っちゅ、っじゅ」

 

 お互いをお互いに刻み合う様な激しいソレは、まるで私が先輩の中に収まっていくかの様な錯覚に陥り、私は既に絶頂寸前だった。

 

「……ん……マシュ、顔赤い」

「っはぁ……っはぁ……せんぱぁぃ」

 

 ダメだ。キスだけで堕とされかけた。

 

 体に込める力すら失った私を先輩は優しく、しっかりと抱きしめる。

 

「可愛いよ……マシュ」

「っひゃ……」

 

 耳元で囁かれたと思ったら、次の瞬間には耳を舐められた。

 

「しぇんぱい……ひゃめ……りゃ」

「……レロ、ん……っちゅ。マシュ、美味しい」

 

 舌の動きが、形が、温度が、感触が。

 私を飲み込もうと襲ってくる。

 聞こえてくる水音すら、耳の奥を侵食している気がする。

 

「これ……ひゃめ……ぁっあ!」

 

 呂律が回らない。何を言っても喘ぎ声しか発声できない。

 

「……どうする? もうやめる?」

 

 唐突に、先輩は私の顔を自分の口から離し、私の顔を見て問いかける。

 

「そ、そりぇふぁ……ひきょうですぅ……」

 

「んー? どうして欲しいの? マシュはマスターだからね。命令を」

 

 もうすっかり先輩のペースだ。体が火照って自分すらコントロール出来ていない。

 先輩という沼にもう、脱出出来ない程に嵌ってしまっている。

 

「も、もっと……してください」

 

「了解……」

「ひゃ!」

 

 逆側の耳を舐められ、2回目だというのに声が出てしまった。

 

「っぁ、ふぁ、ぁあ……」

 

 もう、これだけで何度かイってしまいそうだった。

 数十秒ほど耳を舐めた先輩は満足したのかまた止めた。

 

「マシュ、大好きだよ」

「っ! りゃめ、せんぱっん!?」

 

 敏感になった耳元で愛を囁かれる。

 空気の振動と言葉の魔力が、体を掴んだまま沈ませる様に幸せを押しつけてくる。

 

「愛してるよ」

 

 更に先輩は私の口を塞ぐ為に入れた2本の指で舌をなぞる。

 動きだけではなく味覚すら私の思考をかき乱し、先輩の物にする。

 

「結婚、しようね」

 

「あ――ぁ」

 

 夢の様に優しい声が、私の耐えられる幸福のメーターを振り切らせた。

 

 

「これでいいかな? 可愛いマシュにこれは酷だろうけど、また俺のいない所で傷だけになったら……」

 

 壁に拘束したマシュを見て、俺は満足げに頷いた。

 

「…………」

 

「……」

 

「……って何やってんだ俺!!」

 

 量が少なかったせいか、其処で俺は霊薬の効果から開放された。

 

「あぁぁぁぁ……やっちまった……何だ何だ何だ!? 先までの恥ずかしい言動の数々は……ぁぁぁぁぁ……」

 

 羞恥心がじわじわと追い詰め、止めに数秒前の自分がやらかした拘束監禁が目にチラチラと入っては罪悪感が自分を殺そうと襲い来る。

 

「で、出来れば今の内に逃げたい……」

 

 が、ドアが開かない。

 このままだと、マシュが起きて令呪で命令、縛られるか霊薬を飲まされてジ・エンドだ。

 

「……あ、そうだ!」

 

 ならば、霊薬が効いていない事を悟らせなければ良いのだ。

 

 その考えに至った俺は、マシュが起きるのを静かに待った。

 

 

 

清姫編

 

 

「……あれ?」

 

 マシュの部屋にいた筈の俺は、気付けばヤンデレ・シャトーの廊下にいた。

 

「そう言えば個別とは言ってたけど1人だけと入ってなかったな」

 

 そして、目の前のドアが開いた。さてさて、今回は一体誰だろうか?

 

「ま・す・た・ぁ?」

 

 あっ。(察)

 

 

 マスター、私だけの安珍様。

 なのに妻である私を差し置いて、カルデアに次々と泥棒猫がやって来る。

 とても安心出来る状況ではありません。

 

 今回は立場が違う、と言う事なので私は今はマスターの主であり、マスターは私の従者です。この機会に、しっかりとマスターに私の愛を刻みましょう。

 

「ま・す・た・ぁ?」

「清姫……」

 

「今は立場が逆だそうですが、私はマスターとお呼びさせて頂きます」

「どうぞどうぞ、こっちも普段通りで良いのか?」

 

「ええ、構いません。主従関係は違えど、夫婦である事に代わりはありません」

 

 そう言うとマスターは照れてしまったのか、小さく微笑みました。

 

「マスター、今宵は逃げられるとは思わないで下さいね?」

「逃げる気は無いから大丈夫だよ」

 

 そう言ってマスターはこちらに踏み込んだ。求めて貰えて、大変嬉しいです。

 

「妙な真似も、しないで下さいね?」

 

 一応、釘を刺しておきましょう。

 

「しないから」

 

 「出来ないから」と顔に書いてあるような気もしなくは無いですが、マスターが言っているのですから一応信じておきましょう。

 

 私は部屋の中の机を指差した。

 

「ではマスター。早速ですがここにある私のお手製のお茶を飲んで下さい。命令です」

 

 本音を言うと旦那様を疑っている様なのであまり令呪を使いたくはありませんが、これで抵抗される心配もございません。

 

「ちょ……待った……! これは、何かある奴だろ……!?」

 

 マスターは令呪の命令に従って湯呑を掴み、お茶を飲んだ。

 

「ふふふ、恋の叶う素敵な霊薬、だそうです」

 

「またそれか!? ――っう」

 

 お茶を飲み干したマスターは薬が直ぐに回ったのか、その場に倒れた。

 

「……ふふ……これでマスターは、私の物ですね」

 

 倒れたマスターの顔をそっと掴み、膝に置く。

 

「目覚めたら、きっと私の旦那様に――おや?」

 

「……」

 

 思ったより早く目が覚めました。薬の効果が強いのでお茶で薄めましたので効果があったか心配なのですが……

 

「杞憂だった様で――」

 

「清姫ぇぇ!」

「っきゃ!?」

 

 膝の上にあった筈の頭を起こしたマスターは声を上げて急に私を抱きしめた。

 その力強い抱擁に、私は抱き返しました。

 

「何処にも行かないでくれ!!」

「ええ、貴方の清姫、決して何処にも行きませんわ」

 

 抱き着きながら私を求める泣き声があまりにも愛らしく、私は思わず笑顔を浮かべる。

 

「落ち着くまで、こうしていましょう」

「清姫ぇ……」

 

 マスターの顔がすぐ近くにある。マスターの心も今までに無い程近くに――

 

「――あぁ、清姫」

 

 マスターに優しく押し倒されました。

 このまま、マスターと夫婦の営みを……

 

「ん……っちゅん……んっぷ」

「んっ! んー……ちゅ……ん、ん……」

 

 マスターが私と唇を重ねた瞬間、舌を口内に入れられ妻として私はそれに答えた。

 

「っちゅ……んぷ……ん……っちゅぅ……」

 

 しかし、マスターの接吻は思いの外激しく長く、私は流されてしまう。

 

「ん……ん、っ……ふぁ……ま、ましゅっ、った……はげし、っちゅ……!」

 

 息が続きそうに無いので、私は思わずマスターを押し離した。

 

「……清姫?」

「っはぁ、っはぁ……ま、待って下さい……息が、持ちませんわ……」

 

 マスターのお顔に手を向けて制しながら呼吸を整える。

 

「ご、ごめん……清姫の味が、美味しくて」

「ふふ……大丈夫ですよ。もう一度、味わいますか?」

 

 顔もすっかり紅くなっていますが、私も負けず劣らずなのでしょう。

 

「うん……」

 

 私が誘うと今度はマスターは唇を重ね合うだけの優しいキスをした。

 

「っん、っちゅ……」

 

 数回、離れてはもう一度重ねてを繰り返す、優しいキス。ですが、お互いにどれだけでは物足りなくなってしまい、直ぐに先ほどの様な貪り合う激しいキスへと発展した。

 

「んちゅ……うっぷ……」

「っん……っぅ……っ」

 

 ですが、、やはりマスターの動きは激しくて私は先と同じ様に翻弄されました。

 

「っ! んー……んっちゅ……!」

 

 更に其処でマスターは手を伸ばして私の胸を触り始めた。

 

「んー……っちゅっちゅん……ま、しゅ……んー!」

 

 キスと胸への刺激に私は混乱するも、マスターのは止まらない。優しく揉まれて弱い所を刺激され、制止の声もかき乱された。

 

「ましゅ……ふぁ……んっ、っちゅ……んっくぅ……りゃ、りゃめりぇ……」

 

「っちゅ……れちゅ……れちゅ……んちゅ」

 

 水音は激しいまま、掴まれた胸は優しい刺激と強い握力を交互に受けて、私の体に快楽が蓄積する。

 

「っりゃ、ひゃ……っちゅ……」

 

 新しい刺激にキスの感触も何か別の物に変わった様な甘い感覚をもたらし、性感帯が刺激された影響か、私の体は火照り初める。

 

「んっちゅ……可愛い、大好きだよ、清姫」

「よう、やく……っひゃあ!?」

 

 キスが止まり、ようやく終わったと思ったらマスターは首を舐め、手は胸のもっとも敏感な先端を攻め始めた。

 

「だ、めです……! 果てて、しまいますぅ……!!」

 

「大丈夫、イって、いいから」

 

 その誘惑と快感に抗える事は無く、私は大きな声で鳴き上げた。

 

 

 

「…………完全にやってしまった……」

 

 もうR−18に入ってしまったのでは無いかと思いつつも、俺はキスと胸で疲れ果てて倒れ込んだ清姫を見る。サーヴァントではなく普通の少女なのだから、体力が持たなかったのだろう。

 

 惚れ薬とやらの影響で、立場だけではなく攻守すら逆転してしまったようだ。

 

「……早く、目覚めてくれ……」

「……だんな、さまぁ……きよひめぇ……たいへんしあわせですぅ……」

 

 気絶した清姫を抱えた俺が目覚めるたのは、再び清姫が令呪を使う寸前だった。




愛の霊薬の説明文を読んでいたら手が動いていました。
一応、リクエストにあったマスターがヤンデレを書こうとイメージしましたが、作者の想像力の欠片もないワンパターンなキスシーンで一杯です。すいません。

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