ヤンデレ・シャトーを攻略せよ 【Fate/Grand Order】   作:スラッシュ

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あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!

2017年の初ヤンデレを届けに来ましたよ!



……え、もう済ませた?


一フジ二タカ五清姫

「……ん、っはぁぁ……9時か……夜は2時まで起きてたもんな……まだ眠い――っ!?」

 

 新年を迎え、気分良く起きたつもりの俺だったが悪夢に囚われている事に部屋の模様がマイルー厶に変わっていた事で気付いたので慌てて毛布を捲った。

 

「っきゃ! ……朝から激しいお方ですね、旦那様?

 あけましておめでとうございます。新年初清姫、初嫁、初妻、そして初キスですね……っん?」

 

 目を閉じこちらに近付く清姫の顔に手の平を向け、そのキスを阻んだ。

 

「はい、あけましておめでとう」

「もう……そんなに照れなくても良いでは無いですか……」

 

 新年早々ヤンデレに絡まれる俺の気持ちにもなってくれ。

 

「とにかく、他の皆にも挨拶しないと……」

 

 俺は清姫を退かしベッドから立ち上がり、ドアを開いた。

 

「あ、旦那様(マスター)、あけましておめでとうございます。

 新年ですし、新婚旅行はぜひこの水着清姫とハワイに行き――」

 

 和室にミスマッチしている水着清姫から逃げる様にドアを閉めた。

 

「なんでいるの? なんか結構登場してるけど俺のカルデアに召喚されてないよな?」

 

 バレンタインとかで再実装されて欲しいが夢に出て欲しい訳ではない。

 

「マスター……やっぱり私とお部屋でイチャイチャして過ごしたいのですね? ちょっとした玩具なら準備して――」

「――あーお雑煮食べたいなー! 清姫のおでん美味しいかったからきっとお雑煮も美味しいんだろうなー!」

 

 ドアを開いてマイルームから出た。

 

「はい! この水着清姫、お雑煮もバッチリご用意しております!」

「貴女の妻の清姫も、より美味しいお雑煮を作って参りました」

 

 2人とも自分自身を牽制し合いながら、取り敢えず何事も無く鍋を持ってきた。

 

「……旦那様、フーフー……して差し上げますね?」

「うぁ!?」

 

 急に俺の後ろから耳に向かって息を吹き掛けられた。

 

 紅い着物に黄色やオレンジ、赤色の紅葉の模様が入っており、髪は1つにまとめられ後ろで縛ったポニーテール。

 アサシンクラスを獲得した清姫だ。

 

「フー、フー……フー、フー……はい、マスター、あぁーん」

「……あー……ん」

 

 箸で摘まれた餅を半分だけ口に入れ、箸から離れると餅は伸びる。

 

「んっ!」

「!」

 

 アサシンの清姫は俺の食べている餅を逆側からパクリと口に含んだ。

 そのまま徐々に俺へと近付いてくる。

 

「――っふ!」

 

 アサシン清姫は俺の口に到達しなかった。

 何故なら餅と言う名の橋が飛来してきた矢で切り裂かれたからだ。

 

「……全く。他の清姫は遅くて役に立ちません。それでも先生の教え子ですか?」

 

 そう言って現れたのは修学旅行等で見た事のある旅館の女性が着ていた袖が布で短くなるように縛られている着物を着た清姫。色は青く、水色の髪はホコリを被らない様に白いタオルで覆われている。

 

 腕には弓道で使われる様な弓を持っており、アサシン清姫含む他の清姫に向ける表情は厳しい。

 

「大掃除をしなければなりません。騒いでいるだけなら手伝いなさい」

 

 いかにも旅館の厳しい女将といった感じだ。他の清姫達は渋々と言った感じで腰を上げる。

 

「あ、マスターはそこに残っていて下さいね?」

 

 が、厳しい表情は一瞬で崩れ、笑顔を俺に向ける。

 

「初めまして、私はアーチャークラスの清姫です! 正姫(しょうひめ)やアチャ姫、冬清姫など、好きな愛称で呼んで下さい」

 

 グイグイ来るな……そこらへんは他の清姫と同じか。

 

「……水着の私! お雑煮の塩が多過ぎますよ! こんな物をマスターに食べさせる訳には参りません!」

 

 そう言うとアーチャーの清姫はパンパンと手を叩いた。

 

「……アーチャーの私、呼びましたか?

 マスター、おはようございます。よく眠れましたか? 今日の私はどうですか? 今日も可愛いでしょうか?」

 

 何故かもぬけの筈のマイルームからピンクのTシャツに白の生地に桜模様のエプロンを着た清姫が入ってきた。

 

 俺を見た瞬間、アーチャーには目もくれず俺へと近付いて、くるりとその姿を360度全ての角度で見せてきた。

 幸いにも、エプロンの下はちゃんとズボンを履いていた。

 

「……マスター? 私、もしかして可愛くないのでしょうか?」

 

 俺の返事がなかったせいか、目を濁らせどこからともなく包丁を取り出した。確かにこれはセイバーだ。

 

「か、可愛いよ! すごい似合ってる!」

「そ、そうですか!? 嬉しいです!」

 

 ガバッと抱き着こうとしたが、彼女をアーチャーが抑えた。

 

「先にこのお雑煮の味付けを直して下さい」

「…………ペロ……いけませんね。

 直ぐに良くしてきます。あ、マスター、あちらで料理をしますからぜひ後ろから抱き付いてきて下さいね?」

 

 セイバーは鍋を持って調理場に向かったようだ。

 

「あの清姫はセイバークラスの私で料理が得意ですがそれ以外は精々害虫駆除位しか取り柄がないです。春清姫とかそんな感んじで呼んであげて下さい」

 

 アーチャーの清姫はそう言うと立ち上がった。

 

「ではマスターも一緒に来て下さい。マスターのお部屋も掃除します」

 

「え? いや、それぐらい俺がやるけど……」

「旦那様のお部屋の掃除は妻の役目です。ただ、もし何か怪しい物があれば直ぐに問い質したいのでどうぞご一緒に……」

 

 そう言って清姫に引っ張られる形でマイルームのドアを開いた。

 

「「「っあ」」」

 

「!?」

 

 部屋が空いた途端、4人の清姫が同時に驚いた。

 

 いや、なんで全員俺の部屋を掃除してるんだよ!?

 

 

 

「貴方の妻の清姫、……バーサーカーです」

 

「水着の美女の清姫、ランサーです」

 

「貴方の側を舞い散る清姫、アサシンです」

 

「マスターと他者の関係を管理をする清姫、アーチャーですよ」

 

「貴方の喜び、満開笑顔の清姫、セイバーです」

 

「戦隊モノみたいな自己紹介しやがって! もう増えないで下さい!」

 

 自己紹介を頼んだ。

 自己紹介してもらった。

 土下座した。

 

「落ち着いて下さい。マスター、いくら増えても貴方の清姫はここにいますよ」

 

 下げた頭の上に手が置かれた。

 

「ええ、此処に」

「確かにいますよ」

「ずっといますよ」

「貴方のそばに」

 

 ……頭に置かれた5つの手が重なり、頭の上で更に力が込められている。痛い。

 

「……痛いですよ、マスターを苦しめるおつもりですか?」

「なら貴方が退ければ良いでしょう? あ、他の私もどうぞ」

「何を言っているんですか? マスターを慰めるのは恋人である私の役目です」

「秋の私、調子に乗らないでくださいまし? 今は私、正月のアーチャーの刻です」

「春が待ち遠しマスターに春を届けにきた私の邪魔をするおつもりですか?」

 

 駄目だ。どいつもこいつも離れる気が無いらしい。

 俺は痛みが限界だったので頭をすっと動かして何とか抜け出した。

 

「……で、誰も否定しないけど、もう増えないよな?」

 

 俺の言葉にアーチャーが答えた。

 

「嘘は吐けません。推測になりますがオルタ……なんてハイカラな者も現れるやもしれません」

 

 バーサーカーの清姫はフフと笑う。

 

「私としてはウェディングイベントを心待ちにしております。良妻賢母のキャスターになってみたいです」

「旦那様の運命の担い手……ルーラー清姫はどうでしょう?」

「若くて滾りのあるマスターは若妻ライダーも良いでしょう?」

「若妻はセイバーである私と被りますし、乗騎スキルなら私も持ち合わせてます! なら結婚衣装を着たセイバー()で良いでしょう?」

 

「なんかもう実装されているみたいに言ってるけど半数以上が此処だけの存在だからな!?」

 

 俺のツッコミで場が冷めると思ったが、アサシンの清姫は微笑む。

 

「別に実装されなくとも、私達はこうしてマスターと触れ合うだけで幸せですよ?」

 

 そう言って正面から抱き着いてきた。

 

「そうです。実装は二の次。そもそも私達は貴方との縁で喚ばれた英霊です。同じクラスでも他のマスターの所では全く異なる姿かもしれませんよ?」

「だから今を楽しみましょう、ね?」

 

「ええい!  全方向から迫ってくるな!」

 

「それでは……こうしましょう」

 

 うぉ!? お、重い……と口に出さなかった自分を褒めてやりたい。

 勢いに押され、床に倒れ込んだ。

 

「……た、耐久ランクE(アサシン)の上に全員でのしかかるなんて、しょ、正気ですか? マスターが苦しんでますよ……私もです」

 

「一方向からまとめてのしかかるとか正気か……カルデア戦闘服じゃなきゃ即死だったぜ」

 

 床に倒れ込んだおかげでアーチャーが俺の右腕、セイバーは左腕に、残りの3人が重なって俺の真正面の真上にいる状況になった。

 

「抵抗しないで下さいね? このまま事を運んでしまいましょう」

「…………」

 

「どうしましたアサシンの私?」

 

「水着とバーサーカーな私は馬鹿なんですか? マスターの下半身は私達の下にあるんですよ? ナニをどうするおつもりですか?」

 

「んー……っちゅ」

「っちゅ!」

 

 右頬にそっとアーチャーのキス、左頬に軽くも思い切りの良いセイバーのキス。

 

「アーチャーの私、恥ずかしいですか?」

「セイバーの私はどうしてそんなイチャイチャ出来るんですか?」

 

「固いんですよ。マスターの前ですよ、素の私を見せましょう」

「周りに他の私がいるんですよ、がっついたら私まで他の私と同じみたいに思われて恥ずかしいです……」

 

 アーチャー清姫は俺の中の清姫像と合致したくないらしい。これは嘘の姿ではなく、彼女の恥ずかしくなりたくないという正直な気持ちの現れだ。

 逆にセイバーは夫婦だと思い込んでいるバーサーカーの清姫と少し違う。新婚夫婦のつもりで俺に接している。

 

「……ふふふ、レロレロ……」

 

 アサシン清姫が俺の首元を舐める。

 

「水着とバーサーカーの私。そこいてはマスターに届きませんよ? ……レロレロ」

 

 アサシンは冷静……なのだろうか? 

 他の清姫と比べれば行動以外、態度とか言葉とかは落ち着いている。

 

「あ、マスター、勃ちましたね。私のおヘソをくすぐってますよ? レロレロ……ん……」

「今すぐ退きましょう!」

「はい!」

 

 アサシンの上からバーサーカーとランサーの清姫が素早く退いた。そろそろ令呪を使うべきか。

 

「……レロレロ……レロレロ」

 

 まだ首元を舐めている。すごい嬉しそうだ。

 

「アサシンの私、早く退いて下さいまし!」

「マスターと事を成したくないのですか!?」

 

 退いた2人は必死である。

 だが、アサシン清姫は幸せそうに笑う。

 

「私、こちらの方が良いです、ん……」 

 

 舌の動きを依然として続いており、アーチャーとセイバーは俺にキスをするかで互いを牽制しあっていたが、一旦アサシンを見ている。

 

「だって、マスターは私に首元を舐められて気持ちよーくなっているんですよね?

 でも、マスターは……っちゅ、性行を望んでいないので始めようとすると抵抗します……レロ」

 

 鎖骨にも舌が丁寧に流れ、俺の弱点をくまなく探しているようだ。

 

「だったら……んちゅ……このまま私がずっと、ずーっと……レロ、気持ちよくし続けて、マスターの快楽に悶える顔を見続けるのが、一番です……ほら、マスター蕩け始めてますよね? 

 顔が赤いですよ? おヘソでも私の着物にオスの匂いを押し付けて……凄く熱いですよ?」

 

 や、ヤバイ……今までで一番逃げ辛い清姫だぞ、これ……

 

「ふふふ……ほら、私の言葉に征服欲を煽られてしまって、もうすっかり抵抗の意思が消えたんじゃありませんか?

 ああ……そんな慌てて抵抗を始めても、だ・め」

 

 体を動かして抵抗の意思を示そうとする俺だったが、遂に首からツーっと舌が唇へと到達した。

 

「私はアサシン、マスターの静寂はしっかりお守りします。

 夫婦の契などもっと後で良いですよ? マスターの御心を先に私に預けて下さいね?」

 

 快楽が壁となり、視界が徐々に狭まる。周りにいた清姫達の姿が見えなくなる。

 

「アサシンは薬剤に精通してませんといけません。私の身が蛇ならば、薬は敵を堕とす毒になりますもの……他の清姫なんて、隙だらけの小娘同然」

 

「……はぁっはぁ……じゃあ、お前は……?」

 

「唯の姫が暗殺者になるなんて無理ですよ。身を竜に変えたとしても、ね?

 私は、清姫。だけど、中身は永遠と続く愛憎(ヤンデレ)の概念の塊……」

 

 清姫の唇が迫る。

 もっともっとと快楽に呑まれた俺に抵抗など出来る筈が無かった。

 

「貴方への愛、そのものです♡」

 




もう書いてて分けわからなくなった。清姫がゲシュタルト崩壊しそうな上になんか清姫の究極形態出てきちゃった。


宮本武蔵を一目見て、何を思ったのか石も呼符も全部使い切りました。

マリー2枚目、メドゥーサランサーは許せる。だがドスケベ叔父さん、あんたは駄目だ。



ちなみに初夢でヤンデレが見えた人はきっと今年は精神病院行きですね。行って来ます。

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