ヤンデレ・シャトーを攻略せよ 【Fate/Grand Order】   作:スラッシュ

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さあ、盛大に風呂敷を広げましょう。畳み方なんか分からないけど。




ヤンデレ・シャトーを攻略せよ/EXTRA
ヤンデレ・シャトーを攻略せよ/EXTRA 序章 


 

「……えーと、どういう状況だ、これ?」

 

 FGOのストーリー5章をクリアしたその日の夜。

 数日前の悪夢を思い出す風景の中で俺は気が付いた。

 

『ようやく来たか』

「その二重かぎ括弧は、アヴェンジャーか!?」

 

「では、こうしようか」

 

 おい、メタ発言にツッコミ入れろよ! 入れずに対応するなよ!

 

「知っての通り、俺はアヴェンジャーだ。なぜだか知らないが、この塔の主の様な扱いを受けている。恐らくだが、貴様のカルデアにいないのが原因だろう」

 

「じゃあ、召喚されろよ。フレンドポイントで」

 

「俺はそんな安くはない。無課金は無課金らしく、大人しく呼符でも貯めて待っていろ」

 

「今月分全部使っちゃいました!」

 

 ジャンヌ……来なかったけどな……

 

「黒いほうか、俺は好きだぞ」

「だよね! でもいないんだよ!」

 

 今度は秩序悪で固めたパーティーを設定して引いてみるか?

 

「ふん。それよりも貴様の現状だが、もうわかっているだろうが此処はヤンデレ・シャトーの中だ」

 

「だと思った……」

 

「そう悲観するな。これは無事クリアした者へのエクストラステージ、再臨ダウンのペナルティは無い」

「どーせ、拷問はあるんだろ!?」

 

「ああ」

 

 否定して! せめて、嘘でもいいから否定して!!

 

「今回は特別ルールが設けられている。くじ引きで決めろ」

 

 そう言ってアヴェンジャーは俺に箱を渡す。

 

「その中にルールの書かれた紙が入っている。お前の引いた紙が特別ルールとなる」

 

「どんな特別ルールが……」

 

 俺の問に、アヴェンジャーは後ろにあった張り紙を見せてきた。

 かなりの項目があった。

 

「……マスターとサーヴァント逆転!? 1体1のお見合いに、なんだこの【おい、デュエルしろよ】って!?」

 

「遊戯王で勝負して、負けた者に一時間好きにされると言うルールだ。まあ、勝ち続ければ問題ない」

 

「まぁ、分かりやすいのは嬉しいな…………待て! なんだこの一番最後に滅茶苦茶小さく書かれたドキドキデート大作戦って!」

 

「……っち、気づいたか」

 

 舌打ち!?

 

狂宴の宴(カーニバル・ファンタズム)よろしく、従者共との複数同時デートの最低男チャレンジだ」

 

「無理ゲーだ!? 全員ヤンデレだからアウトだよね!? それにデートって何処で……」

 

「この塔はその気になれば屋台や店を出せるし、廊下や部屋の風景を変えられる。何だったら、この塔を街の様にする事も可能だ」

 

 ヤンデレ・シャトー便利だな、おい。

 

「因みに、遊戯王は全員オリジナルカード使用、お見合いとマスターとサーヴァント逆転はR-18行くくらいしかネタがないかもな」

 

「えぇー(童貞卒業したい)」

「おい、本音が顔に出ているぞ。あとその展開に入った場合、リアルでテクノブレイクされる程絞られるぞ。痛みは引き継がないが、快楽は体に影響を与える」

 

 死因が夢精は洒落にならねーよ!

 

「救いは無いのか!」

 

「一応、いつものカルデアと、ツンデレ化等も用意されている。何だったら、10回引くか? これから1日ずつ別々の物が楽しめるぞ?」

 

「…………幸せか、地獄か………………」

 

 

 

「……で、引くしかない、のか?」

 

「引け、しかして希望せよ――」

 

「それ言ったら許されると思うなよ!!」

 

 

 そんなツッコミを入れつつ意を決して、俺は箱へと手を伸ばした――

 

 

 

(しかし、何なんだ? あの読者の希望って

書かれた項目は……)

 

 

 




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