ヒーローズ&パンツァー   作:剣音レツ

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 遂に本編スタートです!

 変な所もあると思いますが、とりあえず楽しんで読んでもらえれば幸いです。

 ガルパンは、設定が原作とは大きく異なるところもあります(かも)なのでご了承ください。


第1章『出会い、そして戦いへ』
第1話『舞い降りた光』


 (OP:TAKE ME HIGHER)

 

 

 上に学校が存在する大きな『学園艦』が青く鮮やかな海に浮かぶ茨城県大洗町。その町の砂浜の横に一軒の豪邸が建っている。

 

 その豪邸の二階ある寝室で、三人の若者が眠っている………。

 

 そう、その三人こそ、神の力でここ『ガールズ&パンツァー』の世界に転生してきた『五代マドカ』、『操真暁人』、『千葉丈司』の三人である。

 

 この豪邸も、神がこの世界での三人の住居として新しく設置したモノなのである。

 

 三人は昨夜神の試練を越えてようやく転生された後、余りに疲れてたため倒れ込むように眠りについたんだとか。

 

 因みにそれぞれの寝姿についてだが、マドカは仰向けで首まで布団をかけていてとても整っていた寝姿なのに対し、

 

 暁人はうつ伏せで、しかも寝相が悪かったのか布団が完全に捲れており、

 

 丈司は夢でチャンバラでもやったのか、仰向けでおかしな格好であり、暁人と同じく布団が完全に捲れていた。

 

 何はともあれ、三人が気持ちよさそうに寝ていたその時、

 

 

 “ビーッ、ビーッ、ビーッ………“ゥウウウゥゥゥ~ゥウウウゥゥゥ~………”

 

 

 突然、サイレンのような大きな音が鳴り響く!それはマドカの目覚まし時計のアラーム音だった。

 

 外にまで響くのではないかと言うほど大きい音で三人は目覚める。

 

 マドカ「(背伸びをしながら)んんん~よく寝た。」

 

 暁人「そうだな。しっかしマドカ、お前の目覚ましは小さいくせにうるさ過ぎるんだよな~。」

 

 丈司「あの大きさだと近所の人もみんな起きるんじゃないのか?」

 

 マドカ「あはは…でも、その方が確実に目覚めるし、いざと言う時は音量調節もできるからね。」

 

 暁人「しっかし、まさかこの世界での俺達の住居が、こんなにも豪邸だとはな。」

 

 丈司「俺達は戦士の力を手に入れ、命を懸けると誓ったんだ。それなりの報酬じゃ何かじゃないのか?」

 

 マドカ「ちょっと違う気がするけどね………………ん?」

 

 

 起きて早々、いつもの様に陽気な会話をしていたマドカたちは、自分たちの目前にある何かに気付く。

 

 

 そこには正方形の一辺が一メートル以上あるのではないかと言うほど大きな箱とその横の宝箱のような大きな箱、そして巨大な箱の上に小さな一つの箱が置いてあった。

 

 丈司「………あれはもしかして、」

 

 暁人「俺達が注文した、」

 

 マドカ「アイテムなのかな?でも何で不自然に一つ小さい箱があるんだろう?」

 

 すぐさま、“あの世”での神とのやり取りを思い出したマドカたちは箱に近づく。

 

 暁人「もしやこれ開けたりしたら、俺たちおじいさんになったりしてな。」

 

 丈司「よせよ、浦島太郎じゃあるまい。」

 

 暁人は小さな箱を手に取って軽口を言い、丈司はそれにクールに突っ込む。

 

 マドカ「あはは…とりあえず開けてみようよ。」

 

 暁人「おお、んじゃ、とりあえずこれから開けてみっか。」

 

 暁人は持っていた小さな箱を開けた。

 

 “ビュビュビュビュビュ、プアーン”

 

 暁人「うわっ⁉︎」

 

 開けた瞬間、その箱の中から真上に光が広がり、やがてディスプレイのような形になり、そこにあの神の顔が映る。

 

 神「お前たちがこの箱を開けたということは、俺の試練を越えた証だ。さあ!この箱の中のアイテムを受け取るがいい!そしてそれでこの世界で活躍し、モテまくるがいい!ハーッハッハッハー!…あ、あと、約束した例のご褒美も入ってるよ☆じゃあね〜。」

 

 “ビュッ”

 

 映った神が喋り終えると、そのディスプレイと光は消え、小さい箱はただの箱となった。

 

 マドカ「………か、神様のメッセージを伝えるためだけの箱だったんだね。あはは…。」

 

 三人は困惑しながらも、今度は一番大きな箱の蓋を三人で掴む。

 

 暁人「それじゃ、いくぜ?」

 

 マドカ・暁人・丈司「いーち、にーの、さんっ!」

 

 三人は大きな箱の蓋を開けて中を確認する。そして、驚く。

 

 丈司「これは!……全ての『折神』や『秘伝ディスク』。それから『ショドウフォン』に『シンケンマル』も。」

 

 暁人「おお!間違いない。全『ウィザードリング』に『プラモンスター』、『ドラゴタイマー』、そして『ウィザードライバー』だ!」

 

 マドカ「おお、本物の『スパークレンス』だ。それに『ウルトライザー』、そしてウルトライザーを装着できる作りになっている『トライガーショット』が入ってる。」

 

 三人は驚き喜ぶ。その様子はまるでクリスマスの日にプレゼントを開けて喜ぶ子供のようでどこか微笑ましい。

 

 箱に入っていたのは紛れもなく、三人が神様に頼んだ、『英雄(ヒーロー)』に変身するための力およびアイテムだった。三人は見つめ合い頷き合う。

 

 しかし、三人が特に気になってたものの一つは、神様が言ってたご褒美の事だった。

 

 丈司「!…こ、これは。」

 

 暁人「マジで……。」

 

 マドカ「凄いものだよ……!」

 

 そのご褒美を見た三人は驚く。

 

 入っていたのは、『ギンガスパーク』、『ディケイドライバー』、『モバイレーツ』!それぞれ三人分あった!

 

 暁人「おっちゃん……(嬉しそうな顔で)太っ腹にも程があんだろ!」

 

 そして、その驚きのご褒美を見た三人はもう一つの宝箱のような箱に目が移り、「もしや」と思いそれも開けてみる。

 

 案の定、その宝箱のような箱には『スパークドールズ』、『ライダーカード』、『レンジャーキー』がぎっしり入っていた!

 

 マドカ・暁人・丈司「なんじゃこりゃあああぁぁぁ‼︎(嬉しそうな顔で)」

 

 三人は、予想してたよりも素晴らしいご褒美に声を揃えて叫んだ。

 

 すると、先ほどの小さい箱から再び光が広がり、ディスプレイが映る。

 

 神「どうだーい!おっちゃんサービス精神旺盛だろ〜♪あ、因みにスパークドールズもライダーカードもレンジャーキーも、本物の戦士が変形したり、本物の戦士の力から作ったのではなく、俺が各戦士の戦闘データでじっくり作り上げたモノだ。だから、遠慮なく使うがいい。あ、あとマドカ君!君のティガには特別なある力を与えておいた。」

 

 マドカ「ある力……ですか?」

 

 神「そうだ。怪獣退治と言えど、悪くない怪獣だっているだろ?そいつらを救うための力だ。君のティガには、『ウルトラマンコスモス』の力を加えておいた。そなティガは、『フルムーンレクト』や『ルナエキストラクト』などが打てるぞ。」

 

 ……マドカは嬉しくてたまらなかった。なぜなら、大好きなティガに、コスモスの力が加わっているのだから、ある意味チート級のティガである。そんなティガの力を自身が使うのだから。

 

 丈司「これでおかげで怖いもの無しです。」

 

 暁人「サンキュー、おっちゃん。」

 

 マドカ「ホントに、ホントにありがとうございます!この力、ありがたく使わせてもらいます!」

 

 神「ああ。しっかりやれよ。道はおそらく険しい。だが、お前たちが力を合わせ、また、この世界の戦車乗りの少女たちと力を合わせて頑張れば、必ずどんな困難も越えて行ける!健闘を祈るぞ! じゃ、俺はそろそろこの辺で。」

 

 “ピシャッ”

 

 またしてもディスプレイは消え、小さい箱はただの箱となった。

 

 丈司「……なんかちょっと、いいもの貰いすぎて申し訳ない気もするが、神様が用意してくれたものだ。受け取らないのは野暮うだろう。」

 

 暁人「だな。ありがたく頂くとしようぜ。」

 

 マドカ「そうだね。でも、ただ戦力が多くあるだけじゃ意味がない……その戦力を、戦いの状況に合わせて正しく使ってからこそ意味があると思うんだ。」

 

 丈司「ああ、そうだな。」

 

 暁人「俺たちは基本授かった英雄の力で、そして、状況によってはこのディケイドライバーとかを使うことにしよう。」

 

 三人は、自分たちが授けられた英雄の力、そして、ご褒美でもらったギンガスパーク、ディケイドライバー、モバイレーツを有効に使って戦っていこうと決心した。

 

 

 と、その時!

 

 

 神「あ!それともう少し……、」

 

 “ズコッ”

 

 マドカ・暁人・丈司「まだあるのかよー!」

 

 突然神の声が響き三人はずっこける。

 

 神「マドカ君、君のスパークレンスは“ガオディクション”という機能であらゆるものを解析することも出来る。側面のトリガーを引けば可能だ。」

 

 マドカ「あらゆるものを……ですか?」

 

 神「ああ。人間はもちろん、動物、更には物など、調べたい、様子を知りたいものに向けてトリガーを引くと解析可能だ。」

 

 マドカ「そうですか。ありがとうございます!」

 

 神「あ〜あと、お前らの各財布には既に7万円もの大金が入っている。それと、お前らはこの世界ではフリーターだ。」

 

 マドカ・暁人・丈司「え?」

 

 丈司「フ…」

 

 暁人「リー…」

 

 マドカ「ター?」

 

 神「そうだ。マドカはビルの窓拭き、暁人は工事現場、丈司は食肉工事でとそれぞれバイトをする事になっている。シフトは週に三回だ。因みに今日、早速シフトが3時間後にある。せいぜい頑張って稼ぐんだぞ〜。じゃあな〜。」

 

 “ピシャッ”

 

 因みに今現在AM.7:00だから、バイトはその3時間後の10:00からとなる。

 

 丈司「……最後の最後に面倒な…。」

 

 暁人「まあ、でも、金を稼げるならいいじゃねーか。頑張ろうぜ。」

 

 マドカ「そうだね。じゃあ、とりあえず……このアイテムの中で幾つか試しに使ってみる?」

 

 

 三人はとりあえず、アイテムの幾つかを試しに使ってみることにした。

 

 暁人は早速ウィザードライバーを装着してみる。ウィザードライバーは普段、中央に右手の手形が付いた普通のベルトの姿に擬態しており、魔法リングならこの状態でも使用可能なのだ。

 

 暁人「うおおぉぉぉ!いい、チョーイイネ!さあ、早速どの魔法リングを試そうかな〜♪」

 

 暁人は、初めてウィザードライバーを装着した嬉しさから興奮気味である。

 

 マドカ「とりあえず、危害を加えないのがいいんじゃない?」

 

 暁人「そうだな。んじゃあ〜……これだ。」

 

 暁人は一つのウィザードリングを取り出し、右手の中指に填める。そのリングの絵柄は、ドラゴンの鼻から何やら煙のようなものが出ているようなものだった。

 

 マドカ「それは…煙か何かかな?」

 

 暁人「んじゃ、いきまーす。」

 

 暁人は魔法リングをはめた右手をバックルの手形にかざす。

 

 

 《スメル・プリーズ!》

 

 

 “プシュ~”

 

 

 魔法陣とともにリングの絵柄に応じた魔法が発動された。その瞬間、暁人からは何やらガスのようなものが放出される。それを吸った瞬間、三人は鼻をつまみ真っ青になる。

 

 丈司「⁉ブヘッ!!何だこの臭いは!」

 

 マドカ「鼻が曲がる………それって悪臭を放つ魔法?」

 

 暁人「(鼻声で棒読み気味に)………しまった。」

 

 暁人が使ったウィザードリングは、装着者から強烈な悪臭が放出される効果を出す『スメルウィザードリング』だった。

 

 悪臭はたちまち部屋中に広がり、三人はその臭さに苦しむ。

 

 丈司(………はっ、そうだ。)

 

 丈司はふと何か思いつき、そしてショドウフォンを手に取る。

 

 丈司「マドカ!窓を開けろ!」

 

 マドカ「え?…分かった。」

 

 丈司に言われたマドカは近くの窓を開ける。そして丈司はショドウフォンを構える。

 

 “キュッキュイッキュッキュッキュイッ”(←所謂ショドウフォンの書く音)

 

 丈司「はっ!」

 

 丈司はショドウフォンの『筆モード』で『風』という文字を宙に書き、ショドウフォンを振るう事で書いた文字を具現化させる力『モヂカラ』を発動させる。

 

 “ビューッ”

 

 風のモヂカラによって強い風が吹き、悪臭を全て外へ吹き出した。

 

 悪臭から解放されたと同時に、外から入って来る朝の新鮮な空気を吸った事で三人は楽になる。

 

 丈司「ったく、ある意味危害を加える指輪だったな。」

 

 暁人「ふぃ~…サンキュー、丈司。」

 

 マドカ「でもこれで、ウィザードライバーもショドウフォンも使える事が分かったね。」

 

 マドカは窓に縋りつくように外の景色を眺めながら言った後、そこから大洗町の景色を眺め始める。

 

 マドカ「………綺麗な町と海だな~。」

 

 マドカはあまりにも綺麗な大洗町の景色に思わず見入ってしまっている。その時、マドカはふと手に持っているスパークレンスへと目が移る。

 

 マドカ「………このスパークレンス、いろんなモノの様子などを解析できるんだよね…。ちょっと試してみよっと。」

 

 マドカはスパークレンスを大洗町の方へ向け、下部のトリガーを引く。

 

 

 “ピルルピルピルピル”

 

 《ガオディクションを起動します。大洗町、解析中》

 

 マドカ「へえー、こんな感じなんだ。しかも音声が女声とはちょっと意外(笑)」

 

 

 “ピルルピルピルピル”

 

 マドカ「お、解析が完了したかな。」

 

 

 

 《解析完了しました。 

 

 

 脅威、不安、警戒》

 

 

 

 大洗町の解析が完了した。しかし、何やら三つの不吉なワードが並べられる。マドカは理解できず首をかしげる。

 

 マドカ「?一体何の事だろう………。」

 

 マドカはスパークレンスから発せられた三つのワードが気になり始めるが、見た感じ今のところ平和そうな町の様子から、何も起こらないようにも感じていた。

 

 

 

 暁人「おーいマドカ、どうせなら新鮮な空気を外に出てたっぷり吸わないか?」

 

 マドカ「え………うん。いいかもね。」

 

 マドカはとりあえず考えるのを止め、暁人たちと外に出る。

 

 

 三人が外を出るとすぐそこは砂浜で、早朝の新鮮な空気が、青く広がる海からの潮風と共に彼らにそよそよと吹き付ける。

 

 その空気を吸った三人は自然と元気が湧いてくるようであった。

 

 暁人「くう~、この世界は酸素が美味いぜ!なあ。」

 

 丈司「ああ。この世界の人たちは、きっといい人たちだろうな。」

 

 マドカ「絶対に守らないとね………この素晴らしい朝が、いつまでも繰り返し来るように。」

 

 暁人「おうよ!いざと言う時は、俺達が最後の希望になるかもしれないしな。」

 

 丈司「隙を見せたら明日は無い。心して挑まないとな。」

 

 マドカ「そうだね。僕たちが、光を継ぐものだから、、、力を合わせて頑張ろう。」

 

 三人は砂浜で、昇ったばかりの日の光を受け光る海を見つけながら改めてこの町を守る決心をした。

 

 

 マドカ「じゃあ、そろそろ朝食を済ませてバイトに行く準備をしますか。」

 

 丈司「そうだな。」

 

 三人は、朝食を済ませようと豪邸の中へと入って行った。

 

 

 

場所は変わって、大洗町の海上に浮かぶ『翔鶴』型空母に近似する形状の学園艦。その上には『県立大洗女子学園高等学校』という学園が存在している。

 

 この学園も戦車道が存在するが、他の学園と違い、20年も戦車道が廃止されており、生徒数の減少と目立った活動実績が無いことを理由として、今年度(西暦2016年)限りの廃校が決定していたが、謎の影法師と怪獣たちの出現により戦車道を復活せざるを得なくなったため、皮肉にもその事により現在は廃校を保留している状態である。

 

 戦車も、戦車道廃止後に学園予算確保のため多くを売却してしまったため、売れ残った旧式車両しか残っていなかった。

 

 所謂弱小校でもある大洗女子学園。しかし、本校の戦車道に所属する生徒たちは他校に負けず、日々全力で怪獣たちに立ち向かう日々を送っていた。

 

 

 

 AM11:30、そんな大洗女子学園の戦車道の生徒である5人の少女たちは、一緒に食堂で昼食を摂っていた。

 

 『西住みほ』、『武部沙織』、『五十鈴華』、『秋山優香理』、『冷泉麻子』の、二年生五人から成る『あんこうチーム』である。

 

 みほ「ここ最近いい感じに討伐が進んでるよね。」

 

 沙織「最近は等身大の怪人が多いから、戦車の砲撃一撃だからね。」

 

 華「等身大の敵にピンポイントで当てるのは結構難しいですけどね。」

 

 優香理「たまに出る怪獣も、攻撃に気を付ければ倒せますしね。」

 

 麻子「しかし、怪獣も怪人も早起きし過ぎだ。」

 

 みほ「えへへ…いつ襲って来るか分からないもんね。確かに麻子さんにとってはきついかも。」

 

 華「朝の方が狙いやすいのでしょうか?」

 

 沙織「男と怪獣は突然やって来るものだからね。」

 

 華「男が来たこと、あるのですか?」

 

 沙織「ぶー(ふくれっ面)。」

 

 優香理「まあまあ、とりあえずこの調子で、今日は昼からの授業ありませんから、昼食の後新たな戦法の練習しましょうよ。」

 

 みほ「うん、そうだね。」

 

 麻子「その前に昼寝したい…。」

 

 沙織「も~麻子ってば、牛になるよ?」

 

 (麻子以外の四人は笑い合う。)

 

 ………とまあこんな感じで、最近の戦況などのガールズトークで盛り上がっていた。

 

 

 と、次の瞬間!

 

 

 “ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………”

 

 

 みほ「きゃっ!地震⁉」

 

 優香理「机の下に隠れましょう!」

 

 突然大きな地震が襲って来て、四人は咄嗟に机の下に隠れる。

 

 

 同じ頃、バイトをしているマドカたちにも………。

 

 マドカ「うわっ⁉わっ!こんな時に地震かよ!」

 

 高層ビルの窓ふきをしているマドカにとっては、思いもしない恐怖だった。

 

 丈司「久しぶりの大きい地震だ………!」

 

 マドカと丈司は揺れを感じていた。が、一方の工事現場でバイトしている暁人はと言うと………、

 

 

 “ゴゴゴゴゴゴ………”

 

 暁人「ん?やけに揺れが大きいな………ここのショベルカー、よっぽど力強いんだな~。」

 

 …てな感じで、場所が場所ということもあり、まるで揺れに気付いていなかった。

 

 

 

 約30秒後、地震の揺れは治まった。みほたちは恐る恐る机の下から出る。

 

 みほ「ふぅ~…びっくりしたね。」

 

 沙織「ほんと、今日でもう三度目だよ。」

 

 なんと、みほたちは既に先ほどのような強い地震を、同日でもう既に二度も受けていた。恐らく残りは、マドカたちが眠っている夜中か早朝に起こったのであろう。

 

 とするとあの三人、どれだけ眠りが深いのだろうか(笑)

 

 

 マドカたちも同じく、揺れが治まった事で安心する。

 

 マドカ「びっくりした~………あんなに大きな揺れは久しぶりだ。しかもこんな時(高層ビルの窓ふきをしている最中)に………。」

 

 その時、マドカはふと何かに気付いたような反応をする。

 

 マドカ「はっ………もしかしてこれは………。」

 

 そう、マドカは今朝のスパークレンスの述べたワードが再び気になり始めた………。

 

 

 

 「これは何かの前兆かもしれない」………………と。

 

 

 

 場面をみほたちに戻す。

 

 華「自然発生でしょうか?それとも怪人たちの仕業?」

 

 麻子「怪人が起こしたにしては大きすぎだ。」

 

 優香理「これはもしかすると…。」

 

 その時、校内の放送が鳴り始める。

 

 《あんこうチームとカメさんチームは、昼休憩後、町内をパトロールする事。 繰り返し、あんこうチームとカメさんチームは、昼休憩後、町内をパトロールする事》

 

 優香理「突然のパトロール命令ですね。」

 

 みほ「うん。生徒会も遂に警戒し始めたのかな?」

 

 優香理「もしや久々の大怪獣かも…今日は戦車の本領が発揮される日かもしれませんね!」

 

 沙織「はぁ~彼氏とデートする前ぐらい緊張するよ~。」

 

 華「デートした事、あるのですか?」

 

 沙織「んもう、いちいちうるさいな~!」

 

 (沙織と麻子以外の三人は笑い合う。)

 

 みほ「とにかく、この後残りの昼休憩時間で、戦車の準備をしましょうよ。」

 

 華「そうですね。冷めないうちに早く食べてしまいましょう。」

 

 四人はガールズトークをしながらの昼食を再開する。

 

 

 

 そのちょっと後の正午、バイトを終えたマドカたちは合流し、近くのファミリーレストラン『TIGER BOY』で昼飯を摂ることにした。

 

 店員「いらっしゃいませ………ワオ!三人とも超イケメン!」

 

 マドカたちから注文を取りに来た女性店員は、マドカたちのイケメンぶりに思わず素を出して驚く。

 

 無理もない。なんせそれぞれヒビノミライ、操真晴人、池波流ノ介似のイケメン三人組が客として来たのだから。

 

 暁人「サンキュー、嬢ちゃん。ん?」

 

 暁人は店員の首から下げている名刺に目が行く。そこには『アミィ結月(アルバイト)』と書かれていた。

 

 暁人「へぇ~、お嬢ちゃんもアルバイトなの。」

 

 アミィ「え?………ええ、そうですが。」

 

 マドカ「実は僕たちも、バイトを終えたばかりなんですよ。」

 

 暁人「いや~ホント疲れたよ。お嬢ちゃんも頑張ってね。」

 

 アミィ「ええ………サンクス!」

 

 暁人「どいたま(敬礼ポーズをしてキラーンという音が鳴る)。」

 

 丈司「暁人!…長い。」

 

 暁人「ちぇっ、いいじゃんかちょっとぐらい話したって。丈司は堅物なんだから。」

 

 アミィ「ヘヘヘ…では、ご注文はどうなさいますか?」

 

 マドカ「僕オムレツで!」

 

 丈司「俺はお茶漬け。」

 

 暁人「俺は~…このラム丼ってやつにしよっかな。」

 

 アミィ「かしこまりました。」

 

 注文を受けたアミィは厨房の方へ行く。

 

 暁人「いや~あんなかわいい娘も働いてるなんてな~。」

 

 丈司「鼻の下伸びてんぞ。このラッキースケベ。」

 

 マドカ「暁人って誰とでも仲良くなれる所が長所でもあるけど…女の人だと何かたまにナンパに見えるよね。」

 

 暁人「ちょ…そりゃねえッスよ~!」

 

 三人は笑い合う。

 

……とまあ、こんな感じで楽しそうに会話をしていた。

 

 

 やがて頼んだ料理が運ばれ、三人はいただく。

 

 暁人「しかしなぁ~、マドカってホントにオムレツ好きだよな~。」

 

 マドカ「だって大好きなんだもん。」

 

 丈司「しかし、今日は特に大きいな。」

 

 マドカ「何しろ、この世界に来るまで散々だったからね。その分お腹も空いてたの。」

 

 丈司「確かに………剣道部の地獄の特訓以来の、地獄の特訓だったな。」

 

 三人はこの世界に来るまでの経緯を振り返る。

 

 

 なんとガルパンの世界に来る前に、三人は英雄の力を引き出せるために神から様々な地獄の特訓を受けていたのだ。

 

 三人は滝やサウナ、片足立ちで精神統一した後………、

 

 (BGM:Giant Step)

 

 ジープ特訓。

 

 神はなんと、ジープに乗って胴着姿の三人を追いかけまわす!

 

 神「おめーら!逃げるな!向かって来い!」

 

 暁人「無茶ッスよこんなの~!!」

 

 この特訓は、向かって来るジープに向かって行き、跳び越える特訓である。

 

 猛スピードで砂煙を巻き上げながら容赦なく走り向かって来るジープにたまに撥ねられ(※この時はまだ死人なため、死ぬことは無い。)たり、必死に懇望しながら横に回り込むと杖でぶっ叩かれたりなど、とにかくいろんな意味で生きた心地がしない滅茶苦茶な特訓だった。

 

 

 ブーメラン特訓。

 

 神がとにかくブーメランを投げる 投げる! 投げる!!

 

 次々と飛んで来るブーメランを全て弾き返すという特訓だ。

 

 顔を直撃したり、体中に次々とブーメランを打ち付けられても、神は容赦なくブーメランを投げ続ける。

 

 そう、たまにこんな事を言いながら。

 

 神「男は強くならなければならん。何のためだ⁉ 最近は、女も同じくらい強くなりつつあるからだ。男だけ、持ち前の強さで浮かれてヒーローごっこばかりやってて女に抜かれでもしたら、一体どうなるー!!立て!」

 

 筋が通ってるようで滅茶苦茶にも思える理屈である。

 

 神「意気地無しーっ!!」

 

 ………神のくせに地獄の鬼のようである(笑)

 

 

 他にも体中に着いた泡を空中回転で振るい落とす特訓、両手両足を封じられた状態での逆転など………、

 

 

 暁人「もうやめよーよ!その話は! はぁ、思い出すだけで辛いぜ。」

 

 暁人が話を強引に止めてしまった。

 

 まあ、このように、彼らは地獄の特訓メニューを突破した上でようやくこの世界に来れたのである。なるほど、これなら来た直後過労により爆睡し、地震が起きても起きないワケだ(笑)

 

 マドカ「でも、そのお陰でより英雄として戦える自信が付いたように思えるんだ。」

 

 丈司「そうだな。もしあの特訓が無かったら、今頃不安で一杯だったかもな。」

 

 三人は、地獄だったと思いながらも神へのありがたさを感じていた。

 

 三人が話しながら食事していたその時、ファミリーレストラン内のテレビのニュースが気になる事を語り出す。

 

 キャスター「続いて。本日午前5時頃、東京K点で、マグニチュード8の大地震が起こり、道路数か所が陥没すると言う事故が起こりました。警察と消防の調べによりますと、陥没によりできた穴は直径15メートル、深さは20メートル前後であり、それにより巻き込まれた車は5両以上で………」

 

 三人は大事故を語るニュースに見入っていた。

 

 暁人「な~んか物騒な事件が起こってんな。」

 

 暁人は陽気に呟くが、マドカと丈司は何やら深刻な顔になっていた。

 

 暁人「ん?どったの?二人とも。」

 

 丈司「もしかして………さっきの地震も関係しているのか?」

 

 さらに、こんなニュースが。

 

 キャスター「さらに、東京J地点では、謎の飛行物体の通過により数件の建物が大破するという事故が起こりました。この事故による死傷者の数は240人以上で………」

 

 暁人「………まーじか?」

 

 丈司「もしかしてこれは、新たな脅威の前兆かもしれない………。」

 

 マドカ「新たな脅威の前兆………もしやスパークレンスはその事を?」

 

 マドカは今朝のスパークレンスのワードを再び思い出す。

 

 

 脅威、不安、警戒………。

 

 

 あのワードは、この大洗町に新たな脅威が接近していると言う知らせだったに違いない………!

 

 丈司「これは、警戒が必要かもな。」

 

 暁人「ああ。飯が済んだら、ちょっくら大洗を探索してみるか。」

 

 マドカ「うん。決めたもんね。この町を守るって。」

 

 三人は警戒心を強くした。

 

 

 

 場面は変わって、昼休憩を終えたみほたち大洗女子学園戦車道の生徒たちは、戦車に乗り込み、スタンバイが完了していた。

 

 そして今、戦車出動のためのゲートが開こうとしている。

 

 アナウンスは、陸上自衛隊富士学校富士教導団戦車教導隊の1等陸尉で戦車道の教官『蝶野亜美』である。

 

 亜美「フォースゲートオープン、フォースゲートオープン……」

 

 やがて、ゲートが完全に開いた。戦車に乗って構える少女たちは緊張で息をのむ(呑気に干し芋を食べている一人は除いて)。

 

 亜美「それでは各戦車、パンツァー・フォー!」

 

 亜美教官の掛け声と共に、みほたちの戦車『IV号戦車D型』と、生徒会チーム『カメさんチーム』の戦車『38(t)戦車B/C型』が出撃する。警戒パトロールが始まった。

 

 因みに『パンツァー・フォー』とは『戦車前進』という意味であり、決してどこかの懐かしのお笑い芸人の言葉ではない(笑)

 

 町に出た2両の戦車は、とりあえず周囲の探索する事にした。

 

 

 

 同じ頃、レストランで昼飯を終えたマドカたちは町の探索をしていた。

 

 暁人「さあ、怪獣ども、怪人ども、見つけたらすぐさまやっつけてやる!」

 

 丈司「油断はするな。相手はどんな奴か分からないからな。」

 

 マドカ「そうだね。警戒心を忘れずに探索を続けよう。」

 

 と、その時、スパークレンスが一定の音と共に光はじめ、それに気づいたマドカはスパークレンスを取り出す。

 

 マドカ「………これは…もしかして………?」

 

 暁人「ああ、何かあるかもな。」

 

 丈司「行ってみよう。」

 

 三人はスパークレンスの光が差す方向へと足早に歩き始めた………。

 

 

 

 みほたちは町の探索として戦車を走らせ続けた。

 

 だが、今のところ走っても何か変化が起こりそうにない。

 

 そこで、しばらく走ること約30分後、二手に分かれて一旦停車し、センサーで怪獣の位置を探ることにした。

 

 因みに戦車道の戦車には、主に怪獣たちの位置を探るためのセンサーが新たに組み込まれているのだ。

 

 センサーの画面には、自分たちの戦車のマークの他に、怪獣らしき赤い点のマークが高速で移動しているのが確認できた。

 

 みほ「やはり何かが大洗町の地下に潜んでいるね。」

 

 優香理「あれほど地面の中を高速で移動できるなんて。」

 

 華「よほどの大物かもしれませんね。」

 

 沙織「会長さん、そちらの状況は?」

 

 杏「良い感じだよ~。此方の車両接近まであと約2キロだね~。」

 

 柚子「すごい速さですね、ドキドキします。」

 

 桃「怪獣め、出てきたらすぐに仕留めてやる。」

 

 カメさんチームの車両の中には、学園の生徒会長『角谷杏』、副会長の『小山柚子』、広報の『河嶋桃』が乗り込んでいた。

 

 怪獣をサーチしながら、杏は呑気に干し芋を食べてくつろいでいる。

 

 杏「ねえ、怪獣さんも干し芋気に入ってくれるかな?」

 

 柚子「食べさせてみてはどうでしょう?案外仲間になってくれたりして。」

 

 桃「んなわけないだろ?桃太郎じゃあるまい。」

 

 杏「お?“桃”だけに?座布団一枚!」

 

 桃「別にそんな意味で言ったんじゃない!…それに、強烈な地震を起こすやつなんだぞ?悪いやつに決まってる。」

 

 冗談半分で言う杏と柚子に桃はストイックに答えた。

 

 と、その時、

 

 みほ《現在、怪獣らしきものはこちらまであと2〜3キロぐらいです。》

 

 杏「……ん?」

 

 みほからの通信を聞いた杏は何やら不吉な感じになる。

 

 杏「妙だなぁ…こちらのセンサーもあと2〜3キロぐらいのところにいるぞ?私達、みほたちとは離れたところにいるのに…。」

 

 柚子「会長……もしかして間違えてるんじゃ……。」

 

 杏「‼︎アカン、よく見たらそうだった〜!」

 

 なんとカメさんチームは、センサーの画面を間違えてしまっていた!自分たちの現在地ではなく、みほたちの現在地を映していたのだ!

 

 その時、

 

 “ゴゴゴゴゴゴ………”

 

 桃「……なんか、ヤバくないか?」

 

 突然、大きな地震がカメさんチームの場所に起こる。ちょっと離れたところで待機しているあんこうチームも揺れを感じていた。

 

 杏は慌ててセンサーを自分たちの現在地に変える。

 

 すると、なんと自分たちの戦車のマークと赤いマークが重なっており、一定の音とともに『警戒』という文字が大きく表示されていた!

 

 怪獣らしきものは、カメさんチームの真下の地面まで来ていたのである!

 

 桃「てかもう真下じゃない‼︎」

 

 “ゴゴゴゴゴゴ” “ビキビキッ”

 

 地震とともに、カメさんチームの真下の地面がヒビ割れ始める。

 

 柚子「ひゃっ!なんか、下から出てきそうです!」

 

 みほ《!急いでその場から離れてください!》

 

 カメさんチームの車輌は慌ててその場から逃げるように走り始める。

 

 

 杏「ごめ〜ん!ミスっちゃった〜!」

 

 桃「ごめんじゃねーよ‼︎」

 

 

 “ズゴガーン”

 

 

 “ギイイイイィィィィ‼︎”

 

 

 (BGM:怪獣復活)

 

 

 カメさんチームが離れた瞬間、その地面が激しく土砂や土煙を上げながら大破し、その中から一匹の巨大生物が現れた!

 

 自身の体の土砂を振るい落とし、不気味な咆哮を上げながらそのおぞましい姿を露わにする。

 

 その巨大生物は、ショベルカーのような力強い両腕、赤く爛々と光る目、大きく裂けた口に三本の巨大な牙、がっしりした体つき、太く長い尻尾、そして何より首元の三日月のような模様が特徴の怪獣『月の輪怪獣クレッセント』である!

 

 桃「ギャ〜!出た〜!」

 

 クレッセントは地面を砕いて地上に現れ、すぐさま手前のカメさんチームの車輌を追いかけ始める。

 

 優香里「遂に現れましたね。」

 

 沙織「なんか、結構強そうだよあの怪獣。」

 

 華「久々の激戦になりそうですね。」

 

 麻子「相手が誰だろうと全力でやるだけだ。」

 

 みほ「カメさんチームは落ち着いて我々のところに向かっください。その後、作戦を開始します。」

 

 柚子「分かったわ。」

 

 桃「しかし、なぜ我々を執拗に追いかけるのだー⁉︎」

 

 杏「(干し芋を食べながら)そりゃ手前に戦車があったら目立つよね〜。」

 

 桃「てかそもそもお前の責任だろ!」

 

 咆哮や地響きを立てながらなおもカメさんチームを追いかけるクレッセント。カメさんチームは騒ぎながらもなんとかみほたちあんこうチームと合流する。

 

 みほ「ではこれより、『ぺったん作戦』を開始します。」

 

 みほの指示により、2両の戦車はクレッセントから逃げるように走り始める。

 

 いかにも迫力ない作戦名だが、果たしてぺったん作戦とはどんな作戦なのだろうか?

 

 ……それに、二年生のみほがなぜ三年生である生徒会を差し置いて仕切っているのであろうか?まあ、そこはとりあえず置いておこう。

 

 クレッセントは、目から赤い破壊光線『クレスト・エンド』を放ちながらみほたちを追いかける。

 

 2両の戦車は光線を避けながらも逃げ続ける。そんな中、車長のみほは、戦車の上部から上半身を出して様子を伺っている。

 

 その様子はまるでクレッセントをどこかへおびき寄せているようにも見えてきた。

 

 やがて、しばらく10分ぐらあた走った後、両戦車右折する。

 

 みほ「止まってください!」

 

 みほの指示により、両戦車は停車する。そして、砲撃の準備に入る。

 

 だが、砲撃を放つまで若干タイムラグがあった。

 

 クレッセントはチャンスとばかりに破壊光線を放とうと目を光らせる。

 

 と、その時、

 

 

 “バン” “バン” “チュドーン”

 

 “ギイイイイィィ⁉︎”

 

 突如、クレッセントは背中に何かの爆撃を受けてふと振り向く。

 

 その背後にはなんと2両の戦車が止まっていた!

 

 梓「待ってましたよ先輩。」

 

 あや「ここからが作戦本番ですね。」

 

 あゆみ「そーれやっちゃえー!」

 

 典子「怪獣め、強烈なスパイクをお見舞いしてやるぞ!」

 

 妙子・忍・あけび「おー!」

 

 

 華「皆さん…。」

 

 

 待機していたのは、バレー部チームの『アヒルさんチーム』と1年生チームの『ウサギさんチーム』であった。

 

 たちまち前後2両ずつの戦車に挟み撃ちにされるクレッセント。みほの言うぺったん作戦とは、サンドイッチの具をぺったん挟み込むように、相手を前後から同時に攻撃しようということなのである。

 

 実はみほは、パトロール前に怪獣の出現を予想して、その時学園に残っていたアヒルさんチームとウサギさんチームと前もって作戦の打ち合わせをしていたのである。

 

 このようにみほは戦術立案能力や臨機応変な戦術変更能力に長けているため、皆からは信頼される存在でもあり、隊長を務められるのである。

 

 そのスキルはまるで彼女が戦車経験者であるかのようだが…もしかすると………。

 

 みほ「全車輌、砲撃開始!」

 

 “バンッ” “バンッ” “ドーン” “ズゴーン………”

 

 遂に、全車輌による一斉砲撃が始まった!

 

 両方向からの砲撃を受けるクレッセント。砲撃を受けながらも負けじと目からの破壊光線で反撃する。

 

 破壊光線が側で爆発し車体が揺れても、戦車はなおも砲撃を続ける。

 

 妙子「先輩…相手も、凄いスパイクです…!」

 

 典子「諦めるな!こんなの、強豪校の殺人スパイクに比べれば…」

 

 “ガターン”

 

 典子「うおわっ!?」

 

 優季「頑張って!桂利奈ちゃん!あなたはやればできる子よ!」

 

 桂利奈「アイ!」

 

 “ガシャーン”

 

 ウサギさんチーム「きゃーっ!」

 

 クレッセントの猛反撃に、ぺったん作戦は今にも崩れようとしていた。

 

 みほ「このままでは……アヒルさん、ウサギさん、一旦さがってください。我々あんこうがそちらに回り込みます。カメさんはそのまま砲撃を続けてください。」

 

 柚子「分かりました。」

 

 杏「(干し芋を食べながら)みんな頑張ってね〜。」

 

 柚子「会長も頑張ってくださいっ!」

 

 みほ「麻子さん、怪獣に気づかれないようにアヒルさんたちのところに回り込んでください。」

 

 麻子「はーい。」

 

 みほたちあんこうチームは回り込みを始めた。

 

 

 梓「頑張ってください先輩…。」

 

 その時、梓は左側から誰かに肩を指で突かれるのに気づき振り向く。

 

 肩を突いたのは、ウサギさんチームで梓の左脇という一番窓に近い所に位置している『丸山紗希』だった。

 

 彼女はいつもぼんやりしておりあさっての方向を向いていることが多いため、しゃべることが極めて少ないのである。

 

 そんな紗希が何かをしゃべろうとしていた。

 

 梓「どうしたの?紗希こんな時に…、」

 

 紗希「………鳥が………………。」

 

 梓「ん?」

 

 先が一言喋って上を指差す。梓も同じく上を振り向くと、確かに空の彼方から鳥のような一つの物体が飛んで来ていた。

 

 だが、その物体が近づいて来るうちに違和感を感じ始める。

 

 梓「あれ………鳥じゃないしー!」

 

 梓はその物体が鳥ではく巨大生物である事に気付いた。だがそれも束の間、その巨大生物が近づいてくるにつれ、それにより起こる強風が彼女たちを襲う!

 

 

 “ビュビュン、ゴゴゴゴゴゴ……”

 

 

 梓「ひゃっ!…何これ……飛ばされちゃう〜!」

 

 “ガシャーン”

 

 やがて、強風に飛ばされたウサギさんチームは、アヒルさんチームと激突した。

 

 “ビュッ” “ビュッ”

 

 激突のショックによりアヒルとウサギの車輌は行動不能になり、旗が突き出る。

 

 クレッセントの後ろに回り込もうとしたあんこうチームもバランスを崩してしまう。

 

 

 “ズドーン”

 

 

 “ギシャアアアァァァ‼︎”

 

 

 飛んで来た巨大生物は土砂を巻き上げながら着地し咆哮を上げる。

 

 その巨大生物は、青っぽい黒の巨体に、顎髭が生えた大きく裂けた口、瞳の無い赤く光る目、長い尻尾、そして何より大きな翼が特徴の怪獣『羽根怪獣ギコギラー』である!

 

 驚愕するみほたち。

 

 (BGM:大怪獣の咆哮)

 

 優香里「そんな、一度に二体出てくるなんて…。」

 

 華「こんなの初めてです。」

 

 沙織「あーもう!怪獣じゃなくていい男が続々来ればいいのに~!」

 

 優香里「言ってる場合ですかー!」

 

 みほ「そんな………、」

 

 みほ(どうしよう………こんな事になるなんて思いもしてなかったから………。)

 

 流石のみほも策が尽きてしまった。彼女たちはこれまで一度に一体という感じで怪獣たちと戦ってきたみたいであり、一度に二体襲って来るとは予想も出来ていなかったのだ。

 

 柚子「そんな、もう一体来るなんて…、」

 

 杏「………流石にやばいかも…。」

 

 流石の杏も、干し芋を食べる手が止まってしまっている。

 

 桃「えーい!そんなの関係ない!こうなったらどちらに当たってもいい。打つぞー!」

 

 桃はやややけっぱち気味になり砲撃を連発するが、ほぼ当たってなくて外してしまっている。

 

 彼女の射撃技術はもともと低いが、今回は予想外の展開によほど取り乱しているのか、闇雲に発射した砲撃はほとんど当たらず外してしまっている。

 

 そんなカメさんチームをあざ笑うかのように、ギコギラーは大きな翼を羽ばたかせて突風を巻き起こす!

 

 “ビュウウゥゥン”

 

 “ガシャーン”

 

 “ビュッ”

 

 杏「やーらーれーたー!」

 

 強烈な突風にカメさんチームの車両は成す術なく飛ばされ建物に激突し行動不能になってしまう。

 

 

 これで残ったのはみほたちあんこうチームのみとなってしまった。こんなにも早く脱落していくなんて………みほたちは怪獣たちの恐ろしさを強く感じ始めていた。

 

 みほ「とりあえず………カメさんは早く戦車から降りて安全な場所へ……アヒルさん、ウサギさんも早く安全なとこへ避難してください。」

 

 みほはとりあえず脱落したチームの安全を考え指示を出した。

 

 カメさんチームは急いで車輛から降り、アヒルさんチームもウサギさんチームを気に掛けながら比較的安全なあんこうチームの後ろ側のビルの側に移動を始める。

 

 だが、そうしてる間にも二体の大怪獣は邪魔者がほとんど消えたとばかりに我が物顔に暴れ始める。

 

 クレッセントは剛腕、ギコギラーは翼の突風でビルを崩し始める。

 

 みほ「私たちの町が………、」

 

 “ドガーン” “ガシャーン” “ズドーン”

 

 「キャーッ!!」

 

 大地を揺るがすような咆哮、激しい地響き、ビルやガラスの砕ける音、それにより飛び散る破片が彼女たちの恐怖をさらに煽らせる。

 

 残ったあんこうチームも攻撃を続けるが、二体にはまるで通用してなく、二体は気にも留めずに暴れ続ける。

 

 沙織「一体どうすれば………ん?」

 

 その時、沙織は何かに気付く。

 

 桂利奈「ふぇ~ん!怖いよ~!」

 

 それは逃げる際に転んでしまい、そのまま恐怖で動けなくなって泣いているウサギさんチームの『阪口桂莉奈』の姿だった。

 

 沙織「桂莉奈ちゃん!………みぽりんどいて!」

 

 みほ「はっ、沙織さんどこへ⁉」

 

 沙織は戦車から降りて桂莉奈の元へ駆け寄る。

 

 沙織「大丈夫⁉ほら肩に手を回して…」

 

 沙織が桂莉奈を立たせようとしたその時、

 

 

 「お~っと!そのまま動くんじゃねー!」

 

 

 突如、何者かに刃物のような物を突きつけられ思わず動きが止まる。

 

 その現れた者は、妙なマスクを被った顔に、体は黒いタイツのようで胸には何やら鍵のようなマークか付いており、右腕には細長いサーベルが装着されている。

 

 そいつはかつて『ウルトラマンレオ』の故郷『獅子座L77星』を滅ぼした邪悪な宇宙人『サーベル暴君マグマ星人』の同族であった!

 

 今回はあの影法師の力により、この世界を滅ぼすためにやって来たのであろうか………?

 

 「キャーッ!!」

 

 あんこうチームの後方から悲鳴が聞こえ、みほは振り向く。

 

 するとそこには、鎖で束になって絞められている残りのウサギさんチームとアヒルさんチーム、カメさんチームだった!

 

 そしてそこにはなんと、もう一人のマグマ星人がいた!

 

 沙織たちを止めた個体は金髪に青い目、アヒルさんたちを絞めているのは銀髪に赤い目をしている。

 

 そう、今回のマグマ星人は兄弟で攻めて来ており、青い目は兄の『ブラザーブルー』、赤い目は弟の『ブラザーレッド』なのだ。

 

 

 沙織「……あんたたち何者?」

 

 マグマ星人(ブラザーブルー)(以降:マグマBB)「我々はマグマ星人。あの二体の怪獣たちも我々が引き連れた物なのだ!」

 

 沙織「何でこんな事をするの⁉今すぐやめて!」

 

 マグマBB「そうはいかないねえ!俺たちは最近、兄弟そろってローランちゃんに振られてきたばかりなんでね、腹いせにこの町をめちゃめちゃにしてやろうと思って来たら………どうした事か、君達みたいなかわい娘ちゃんがいっぱいではないか!」

 

 マグマ星人(ブラザーレッド)(以降:マグマBR)「なあなあ兄者!こやつらローランちゃんよりずーっと可愛いじゃないっスかー!」

 

 マグマBRは縛ったアヒルさんたちを自分のところに引き寄せて嫌がる彼女たちの頬を一人ずつ指で突いていく。

 

 マグマ星人の言った事を聞いた沙織は、今も泣きじゃくる桂莉奈、怯えるアヒルさんたち、そして怪獣の蹂躙から逃げ惑う人々を見渡して怒りを感じる。

 

 沙織「酷い………なにも腹いせでここまでする事ないじゃない!」

 

 マグマBB「うるせー!………そんなに止めてほしけりゃ俺達の女となれ。」

 

 沙織「何ですって?」

 

 マグマBBはしゃがんで沙織の顎を掴んで自身の顔に近づける。

 

 マグマBB「おめーらが俺達と結ばれ、俺達の言う通りにしてくれりゃあ許してやるよ。」

 

 

 沙織「………なるわけ…ないじゃない。」

 

 

 沙織は恐怖を感じながらも震える声で負けずに言う。

 

 沙織「言っとくけどね、恋愛の男女は親分と手下の関係じゃないんだから! それに………初恋の相手があんたみたいな最悪な人ぐらいなら死んだ方がましよ!」

 

 マグマBB「………ッ!うるせー!!」

 

 マグマBBは桂莉奈を抱く沙織を突き倒す!

 

 マグマBB「抵抗するとこうだー!!」

 

 “ギュイーン ギュイーン”(←所謂サーベルを振るう音)

 

 マグマBBはサーベルを振るい、近くの鉄塔や気を瞬く間に斬り倒し、沙織の左頬すれすれのところでサーベルを止める!

 

 サーベルをゆっくり離すと、沙織の左頬には二センチぐらいの切り傷が出来、そこから血が垂れる。

 

 流石の沙織も恐怖で何も言えなくなっていた。

 

 みほ「沙織さんっ!」

 

 みほたちが沙織たちの危機に動揺している隙に、ギコギラーは口から破壊光線を放つ!

 

 “ドカーン”

 

 麻子以外のあんこうチーム「きゃああぁぁぁ!!」

 

 直撃はしなかったものの間近で光線が爆発し、あんこうチームの車両はひっくり返ってしまう。

 

 マグマBB「おめーら………可愛いくせに生意気なんだよな~。」

 

 マグマBR「兄者、こやつら一度痛い目に遭わせた方がいいかもしれませんねー!」

 

 マグマBB「ふっふっふ、そうだな。その後、どの女をもらうかはゆっくり考えようではないか。」

 

 車両は全機行動不能になり、マグマ星人たちに拘束されている………みほたちの現状は絶体絶命以外に何も無かった………。

 

 

 

 みほ(………誰か、助けてください………神様…仏様……実在しない何かでもいいので………………どうか私たちを…私たちの町を助けて!)

 

 みほは心の中で必死で助けを求めた。多分叶うはずもないと分かっていながらも、僅かな希望を信じて願い続けた………………。

 

 

 

 だが、今そんな彼女の願いが叶いそうになっている。

 

 みほたちから少し離れた場所まで、怪獣たちの出現に気付いたマドカたちが駆け付けて来たのだ!

 

 マドカ「………光るスパークレンスに導かれて来たけど………あんなに壮絶な事になっているなんて………。」

 

 暁人「おいおい、あのお嬢ちゃん達、なんかヤバくないか?」

 

 丈司「すぐさま行く必要があるな。 いよいよか………………。」

 

 三人は戦いの時がいよいよ来たと感じ、激しい緊張を感じ始める。

 

 破壊されていく町、そしてマグマ星人兄弟の脅しで怯えるみほたちを見つめながら………。

 

 その時、マドカはスパークレンスを手に、数歩前に出、暁人たちもそれに気づく。

 

 

 暁人「マドカ……お前、行くのか?」

 

 マドカは深呼吸した後暁人たちの方へ振り向く。

 

 

 マドカ「………僕だって怖いよ。でも………あんな奴らのために、彼女たちの笑顔を汚されてたまるか!」

 

 

 マドカの熱い言葉に暁人たちは安心の表情になる。

 

 マドカ「僕たちは選ばれたんだ………行こう!」

 

 暁人「おうよ!」

 

 丈司「ああ。」

 

 マドカ「今こそ、神様のトンデモ特訓の成果を出す時だ………ファイトー!!」

 

 暁人・丈司「いーっぱーつ!!」

 

 三人は遂に戦う決心をした!三人はマドカをセンターに横に並び立つ。

 

 

 マドカ、丈司はそれぞれスパークレンス、ショドウフォンを構える。

 

 《ドライバーオン・プリーズ》

 

 暁人はベルトの手形に『ドライバーオンウィザードリング』をかざす。すると光と共に本来の姿のウィザードライバーが現れる。

 

 “スパンッ”

 

 《シャバドゥビタッチヘーンシーン! シャバドゥビタッチヘーンシーン!………》

 

 暁とはバックルの横のレバーを、手形の意匠を持つ『ハンドオーサー』を左手側に傾くように操作し変身待機状態にする。そして音声コールが繰り返し発声される。

 

 そして、左手の中指にウィザード(フレイムスタイル)の頭部の形状を取った変身リング『フレイムウィザードリング』を填めて構える。

 

 

 丈司「ショドウフォン、一筆奏上!」

 

 “キッ キッ キュイッ キュイッ”

 

 丈司はショドウフォンで受け継いだ属性のモヂカラの文字『火』を宙に書き構える。

 

 

 暁人「変身!」

 

 丈司「はっ!」

 

 暁人は変身リングをベルトにかざし、丈司はショドウフォンを振るって通話ボタンを押し、火のモヂカラを発動させる。

 

 

 《フレイム・プリーズ ヒーヒー ヒーヒーヒー!》

 

 

 暁人は現れた火の魔法陣を潜り、丈司は火のモヂカラを身に纏ってそれぞれ姿を変える。

 

 そして、マドカもスパークレンスを高く上げる!

 

 マドカ「ティガー!!」

 

 “キャイイーン”(←所謂スパークレンスの発光音)

 

 スパークレンスから溢れ出る光が3人を包んでいく!

 

 文字が火を噴き、指輪が輝き、そして希望に満ちた光が溢れる時………今まさに3人の勇者が立ち上がる瞬間である!

 

 

 

 暴れるクレッセントは、ひっくり返っているみほたちの戦車を鷲掴みして持ち上げる。まだ中にはみほたちが!

 

 沙織「!みぽりん、みんな!」

 

 沙織はみほたちの危機に気づくが、それも束の間マグマ星人にサーベルを突きつけられ動きを封じられる。

 

 マグマBB「他人より自分の心配したらどうだ?え?」

 

 マグマBR「兄者、そろそろやっちゃいましょうよ!」

 

 マグマBB「そうだな。俺たちの女になるまで、徹底的に可愛がってやんよ!」

 

 マグマ星人兄弟はサーベルを振り上げる。沙織もウサギさんたちもほぼ諦めかけ目を瞑る。

 

 みほたちの戦車も、徐々に上へと持ち上げられていた。

 

 優香里「うおわー!ちょっ、何する気ですかー!」

 

 華「私たち、もうここで終わりなの?」

 

 麻子「もはやジ・エンドだな…。」

 

 優香里「言ってる場合ですかー!」

 

 遂にみほたちの戦車はクレッセントの顔の真ん前まで持ち上げられていた。もしかして食べるつもりなのだろうか⁉︎

 

 

 みほ(………お願い………誰か………………!)

 

 

 みほはなおも諦めず、心の中で強く願い続けた。だが、流石に死の恐怖を感じ始めたのか、みほを始め、涙を流す者も多数現れ始めた………。

 

 

 

 私たち、もうここで終わりなの⁉︎

 

 

 

 が、その時!

 

 

 

 「その涙、全て宝石に変えてやるぜ。」

 

 

 

 突如、どこからか声が響き、何人かそれに気づく。

 

 みほ(?この声は………?)

 

 沙織(一体どこから………?)

 

 

 《コネクト・プリーズ》

 

 “バン バン バンッ”

 

 次の瞬間、ある者が魔法陣のような光の中から特殊な形状の銃を取り出し数発弾を打つ。

 

 “ズガガガンッ”

 

 マグマBB「⁉︎ぐはっ!」

 

 なんとその弾丸はまるで生きているかのように手前にいた沙織を避けて飛びマグマ星人(ブラザーブルー)に命中した!

 

 弾丸の直撃を受けたマグマ星人(ブラザーブルー)は吹っ飛ぶ。

 

 沙織「⁉︎……一体何なの?」

 

 

 マグマBR「兄者っ⁉︎」

 

 マグマ星人(ブラザーレッド)が驚いたその時、

 

 “ジャキーン” “ズパーン”

 

 マグマBR「⁉︎うおあっ!」

 

 突如、ある者が刀のようなものでウサギさんチームたちを縛っていた鎖を断ち切る。それにより自由になれた彼女たちはすぐさま安全な所へと移動する。

 

 「はっ!」

 

 “ズパーン”

 

 マグマBR「ぐはっ!」

 

 そして、その鎖を切った者は横一直線にマグマ星人(ブラザーレッド)に斬撃を決めて吹っ飛ばす!

 

 

 マグマBB「大丈夫か弟よ!」

 

 マグマBR「もちろんですぜ兄者!」

 

 マグマ星人兄弟はすぐさま立ち上がり警戒態勢に入る。

 

 そして、戸惑う彼女たちの前に二つの影が立っている。

 

 それは見たところ人間ではないが、マグマ星人たちとは違い邪悪な感じはせず、むしろその二人の赤い輝きからは希望を感じていた。

 

 

 一方はルビーの宝石を模した形状のマスクに、全身に黒いローブのような衣を着ており、そして左手には自身の頭部の形状を取った赤い指輪を填めている。

 

 もう一方は侍のような赤いスーツに、腰に下げた刀、そして顔には『火』という文字が刻まれている。

 

 この二人こそ、操真暁人が変身した魔法使いの英雄『仮面ライダーウィザード(フレイムスタイル)』、そして千葉丈司が変身した侍の英雄『シンケンレッド』である!

 

 

 暁人「大丈夫かい?嬢ちゃんたち。」

 

 ウィザードは沙織の方を振り向く。一緒にいる桂莉奈も泣き止んでいた。

 

 沙織「あの………あなた達は?」

 

 丈司「説明は後回しだ。こいつらは俺達に任せて、女子(おなご)は下がってろ。」

 

 暁人「おいおい、そのセリフ古臭いぞ。」

 

 丈司「“侍の言い方”って言ってくれ。」

 

 二人の漫才のようなやりとりに沙織たちは自然と笑顔に戻りつつあった。

 

 

 

 同じ頃、みほたちの乗る戦車を持ち上げたクレッセントは、光線で戦車を爆破しようと目を赤く光らせる。

 

 その時、

 

 “ズドーン”

 

 突如、何処からか飛んで来た光弾がクレッセントに命中し、驚いたクレッセントは思わず戦車を手放してしまう。

 

 すると、同じく何処からか飛んで来た光が落下する戦車をキャッチし地面に着地する。

 

 その光は徐々に形を変えていき、やがて巨人の姿に変わる。そして全身を包んでいた光が徐々に消えていく。

 

 みほはその光の巨人を戦車の窓から見上げる。徐々に姿が明らかになっていく巨人を見て何かを察し始める。

 

(BGM:ティガ!)

 

 みほ「………私の想いが………届いてくれた………。」

 

 みほはふと笑顔を見せる。他の彼女たちも巨人を見上げる。

 

 その巨人は戦車を下した後一回頷く。まるでみほたちに「もう大丈夫だよ。」と語り掛けているようだ。

 

 そして巨人はゆっくりと立ち上がると、その場から跳躍して二体の怪獣の前に着地する。

 

 

 赤・青紫・銀の体色に、頭部の結晶『ティガクリスタル』、胸の青いランプ『カラータイマー』、肩から胸にかけて付いている金と銀のプロテクターが特徴の光の巨人は、五代マドカが変身した『ウルトラマンティガ(マルチタイプ)』である!

 

 

 今ここに、彼女たちの危機に三人の英雄が参上した!

 

 三人は構えを取る。

 

 マグマBB「何なんだ貴様ら!」

 

 

 暁人「俺達は………彼女たちの希望だ。」

 

 丈司「貴様らのような外道は…俺達が斬る!」

 

 

 マグマBR「ほざけ~!殺りましょうぜ兄者!」

 

 マグマBB「ああ!弟よ~!」

 

 マグマ星人兄弟は駆け始める。

 

 マドカ「俺たちも行くぞっ!」

 

 暁人・丈司「ああ!」

 

 三人の勇士は構えを取り敵目掛けて駆け始める。

 

 ウルトラマンティガVSクレッセント&ギコギラー、仮面ライダーウィザードVSマグマ星人(ブラザーブルー)、シンケンレッドVSマグマ星人(ブラザーレッド)の戦いの火蓋が切って落とされる!

 

 一方、戦車から降りたみほたちは沙織たちと合流する。

 

 沙織「みぽりん、みんな怪我はない?」

 

 みほ「ええ。沙織さんも、頬の傷大丈夫?」

 

 みほは沙織にポケットティッシュを手渡す。

 

 沙織「ええ、ありがとう。」

 

 華「あの二人…それにあの巨人は何なんでしょう?」

 

 みほたちは不思議に思いながらも三人の英雄を見守り始める。

 

 

 

 (BGM:蘇る巨人)

 

 ティガは駆け寄りながら跳躍し、クレッセントの頭部に右の手刀を叩き込み、怯んだ隙に一回転しての水平右チョップを胸部に打ち込む。

 

 巨人と怪獣の戦いは、周りの地面が爆発を起こし土砂や土煙が巻き上がるほどである。

 

 次に両手で頭部を掴んで腹部に膝蹴りを二発打ち込んだ後、そのまま横方向へと投げて地面に叩き付ける。

 

 今度はギコギラーが背後から接近するが、ティガはすぐさまカウンターの後ろ蹴りを胸部に打ち込み、怯んだ隙に振り向き様に右回し蹴りを頭部の側面に叩き込んで吹っ飛ばす。

 

 クレッセントはティガに突進するが、ティガはそれを跳躍して背中をチョップしつつ避け、続いて繰り出して来た右フックをしゃがんで避けると同時に腹部に右横蹴りを叩き込む。

 

 マルチタイプはスピードとパワーのバランスが優れており、多彩な光線技と格闘術を駆使した戦いを得意としているのだ。

 

 だが、ギコギラーは地上戦では不利と見たのか翼を羽ばたかせ空を飛ぶ。そして地上のティガ目掛けて体当たりを繰り出すが、ティガは咄嗟にそれをしゃがんで避ける。

 

 だがその隙に背後からクレッセントの光線を受けてしまい、続けて上空からのギコギラーの光線を左肩に喰らい地面に膝を付いてしまう。

 

 その時、ティガが状況を察知したかのように顔を上げた時、額のティガクリスタルが光を放つ。

 

 “キュビーン”(←所謂ティガクリスタルの発光音)

 

 そしてティガは額の前で腕を交叉させる。

 

 「んん~~~……はっ!」

 

 “トゥラララララッ”(←所謂タイプチェンジ音)

 

 交叉した両腕を左右に振り下ろした時、光を放ちながらティガの体色は赤と青紫から青紫一色に変わり体格もよりスマートになる。

 

 

 ティガはスピードやテクニックに優れた俊敏形態『スカイタイプ』へとタイプチェンジした!

 

 

 華「!青くなりました。」

 

 姿を変えるティガにみほたちは驚く。

 

 

 クレッセントはティガに接近し再び右フックを繰り出すが、ティガはそれを左腕で受け止めると同時に腹部に右肘を打ち込み、そのまま右腕をひねることでスピンさせて地面に叩き付ける。

 

 その後ティガは上空に飛び立ち空を飛ぶギコギラーに挑む。

 

 まずは追撃戦から始まり、ティガは手から『ハンドスラッシュ』を連射しつつギコギラーを飛んで追いかける。光弾はいくつかギコギラーに命中するが怯む様子はない。

 

 ティガは更に飛ぶスピードを上げ難なくギコギラーの前方に回り込む。そして両者は組み付いて数回回転した後一旦離れる。

 

 ギコギラーはティガ目掛けて口から光線を放つがスカイタイプであるティガはそれを難なくかわし、ギコギラーの背後に回り込んで蹴りを放つ!

 

 蹴りが当たると同時にその部位に爆発が起こり、弱点でもある背中を攻撃されたギコギラーはたまらず地面に落下する。

 

 スカイタイプは俊敏さを活かしたスピーディーな格闘戦や空中戦を得意としているのだ。

 

 着地したティガはクレッセントと交戦する。

 

 

 

 みほ「………麻子さん、戦車はまだ動かせる?」

 

 麻子「問題ない。」

 

 みほたちの戦車は痛手を負っていたが、奇跡的にまだ行動不能になっていなかった。

 

 みほ「あの巨人を援護しましょう。」

 

 皆は少しためらったが、やがて援護する事を決めた。

 

 華「………そうですね。やりましょう。」

 

 麻子「助けられた借りを返さないとな。」

 

 優香里「やりましょう、西住殿。」

 

 みほ「沙織さんは桂莉奈ちゃんの手当てをお願い。」

 

 沙織「任せて。」

 

 沙織を残し、みほたちは戦車に乗り込む。

 

 

 みほ「では………パンツァー・フォー!」

 

 

 みほの掛け声で戦車は前進する。

 

 ギコギラーはクレッセントと交戦するティガに背後から光線を打とうとするが、背後からみほたちの戦車の砲撃を喰らい振り向く。

 

 優香里「こっちだー!」

 

 みほ「可能な限り避けつつ攻撃を続けてください。」

 

 ギコギラーは反撃として光線を放ち、戦車はそれをややギリギリではあるが避けつつ砲撃を続ける。

 

 ギコギラーは今度は翼を羽ばたかせて突風を巻き起こし吹き飛ばそうとする。このままではみほたちの戦車が危ない!

 

 

 それを見たティガは、クレッセントを後ろ蹴りで後退させると、ギコギラーに駆け寄りながら両腕を額の前で交叉させて左右に振り下ろす。

 

 “キュビーン”

 

 「んんん~~~……はっ!」

 

 “トゥラララララッ”

 

 ティガは今度は体色が青紫から赤一色に変わり、体格もより筋肉質になる。

 

 

 ティガは、パワーや耐久力に優れた剛力形態『パワータイプ』へとタイプチェンジした!

 

 

 沙織「今度は赤くなった!」

 

 ティガは背後からギコギラーの翼を掴み、背中に右膝を当てて力一杯引っ張る!

 

 “ズバ ズバ ズバッ”

 

 ティガ(パワータイプ)は怪力でギコギラーの翼を引き千切った!翼は爆発を起こしながら千切れる。

 

 そしてギコギラーが怯んだ隙に腹部に右拳を打ち込み、そのまま持ち上げて遠方へと投げ飛ばす。

 

 

 ティガはみほたちの方を向き頷く。まるで「ありがとう。」と言っているみたいである。

 

 それを見たみほは、ティガの力になれたと実感したのか笑顔になる。

 

 

 (BGM:光を継ぐもの)

 

 ティガは再び二体に挑む。二対一とはいえギコギラーの方は翼を失っている。勝負はもうほぼこっちのものだ!

 

 ティガは接近しながら二体同時に腹部にパンチを決める、その後も力強い強烈なパンチ、キックを次々と決めていく。

 

 二体も負けじと腕を振るって反撃するが、ティガはそれを難なく腕で弾き、さらに打撃を加えていく。

 

 そしてクレッセントの右フックを左腕で受け止めると、そのまま右腕で脚を掴んで担ぎ上げ、地面に頭から落として叩きつける。

 

 パワータイプは凄まじい怪力を活かしたパワフルな肉弾戦を得意としているのだ。

 

 

 

 (BGM:侍戦隊シンケンジャー)

 

 シンケンレッドはプラキシノスコープになっている鍔が特徴の刀『シンケンマル』を肩に担いで構える。

 

 

 丈司「シンケンレッド・千葉丈司、参る!」

 

 

 マグマBR「ほざけえええぇぇ!」

 

 マグマBRが逆上して駆け寄るのに対し、シンケンレッドはシンケンマルを肩に担いだまま余裕そうに歩く。これだけでもまるで両者の差が出ているようだ。

 

 マグマBRはサーベルを振り回すが、シンケンレッドはそれを動きが読めているかのようにことごとく弾いていく。

 

 そしてマグマBRの斬撃をシンケンマルで受け止めると、そのまま受け流す様に火花を散らして擦りながら接近し、やがて横一直線の斬撃を決めて吹っ飛ばす。

 

 マグマBRは悔しそうに地面をサーベルで叩いて立ち上がりまた襲い掛かる。

 

 激しいチャンバラを繰り広げる二人。しかし、戦いはシンケンレッドの方が優位に進めていた。

 

 逆上し荒々しくサーベルを振るうマグマBRに対し、余裕で大胆かつ流麗な剣技でそれを撥ね返すシンケンレッド。両者の差は歴然としている。

 

 シンケンレッドはマグマBRの斬撃を、背を向けたままシンケンマルで受け止め、そのまま『獅子折神』の『火』のモヂカラが折り込まれた秘伝ディスク『獅子ディスク』を装填する。そして後ろ蹴りを腹部に打ち込んでマグマBRを引き離す。

 

 シンケンレッドはシンケンマルにセットした獅子ディスクを回転させる。するとディスクに描かれた駆ける獅子の模様がアニメーションになり、刀身が炎に包まれる。

 

 丈司「火炎の舞!」

 

 シンケンレッドは炎を帯びたシンケンマルを手にマグマBRに駆け寄る。炎の斬撃『火炎の舞』を決める時だ!

 

 まずはマグマBRのサーベルを叩き落とした後、斜め上、そして横一直線に斬撃を決めながらすれ違い、そして上から振り下ろす斬撃を背中に決める!

 

 炎の斬撃を連続で受けたマグマBRはたまらず吹っ飛び地面に転がる。

 

 

 マグマBR「くっ……くそっ!何故だ⁉何故俺が押されるのだー!」

 

 丈司「教えてやろう。侍とは、裏切らない。一度守ると誓った人の事を。それに……、」

 

 シンケンレッドはシンケンマルをマグマBRに突きつける。

 

 丈司「侍たる者、か弱き女(おなご)を汚す者を、許すわけにはいかない!」

 

 マグマBR「何を小癪な~!!」

 

 マグマBRは右腕から鉤爪付きのチェーンを伸ばし、シンケンマルに巻き付ける。

 

 丈司「!くっ………。」

 

 マグマBR「ははははは!どうだ!これで剣は振るえまい!?」

 

 丈司「………フッ。」

 

 丈司は少し笑うと、再びディスクを回転させる。すると、シンケンマルは赤い光に包まれ徐々に大きくなっていき、巻き付いていたチェーンを破壊する。

 

 やがてシンケンマルは、2メートル程あり幅も広く、刀身には金色に噴火する火山が描かれ噴煙に赤い『火』の文字が入っている巨大な太刀に姿を変える。

 

 丈司「烈火大斬刀!」

 

 これぞシンケンレッド専用の強力太刀『烈火大斬刀』である!

 

 シンケンレッドは大きな太刀と手にマグマBRに駆け寄る。マグマBRは手からの光線で迎え撃つが、シンケンレッドは烈火大斬刀を盾のように使ってそれを防ぐ。

 

 マグマBRは烈火大斬刀を掴んで止めようとするが、それでも勢いは止まらず、マグマBRはそのまま軽々と押されていく。

 

 そしてその先にあった鉄塔に思い切り叩きつけられる!マグマBRは全身が鉄塔にめり込んで動きが取れない。

 

 マグマBR「そ…そんなっ、お、俺はここで!?」

 

 丈司「止めだ!百火繚乱!!」

 

 シンケンレッドは刀身に烈火を発生させ一回転しその回転力を活かして横一直線での烈火の斬撃『百火繚乱』を決める!

 

 “ズギャーン”

 

 マグマBR「ぐあああっ………あ、あ…兄者~~~!!!」

 

 “ズドーン”

 

 烈火の斬撃で一刀両断されたマグマBRは大爆発し吹き飛んだ。

 

 シンケンレッドは爆風を背に、烈火大斬刀をシンケンマルに戻して腰に下げて凛々しく立つ。

 

 

 

 ウィザードは専用武器『ウィザーソードガン』を手に、左手の指輪を見せるポーズで構える。

 

 暁人「さあ、ショータイムだ!」

 

 (BGM:Life is SHOW TIME)

 

 マグマBB「弟の分まで、俺が貴様らを倒す!」

 

 マグマBBはサーベルを振るいウィザードに襲い掛かる。ウィザードはそれをウィザーソードガン(ソードモード)で防ぎつつ、エクストリーム・マーシャルアーツの如く華麗な跳躍でことごとくかわしていく。

 

 マグマBBは上からサーベルを振るうがウィザードはそれをウィザーソードガンで受け止め、そのまま回して離すことでバランスを崩した隙に腹部に袈裟懸け、一直線と斬撃を決め、その後後ろ回し蹴りを胸部に打ち込んで吹っ飛ばす。

 

 マグマBBは怯まずサーベルを突き立て突進するが、ウィザードはそれをマグマBBを跳び越えることでかわす。

 

 その後マグマBBは振り向き様に一直線の斬撃を放つがウィザードはそれをしゃがんでかわし、続けて繰り出して来た斬撃をウィザーソードガンで受け止めると、そのまま腹部に右横蹴りを二発決め、斜め下に振り下ろす斬撃を胸部に決めた後一回転しての後ろ蹴りを胸部に叩き込んで吹っ飛ばす。

 

 

 “スパンッ”

 

 《ルパッチ・マジック・タッチ・ゴー! ルパッチ・マジック・タッチ・ゴー!………》

 

 ウィザードはウィザードライバーのハンドオーサーを右手側に傾くように操作し、音声コールが繰り返し発声される。

 

 そして右手の中指に填めた魔法リングをドライバーにかざす。

 

 《バインド・プリーズ》

 

 まずは『バインドウィザードリング』の魔法を発動。するとマグマBBの周りに四つの赤い魔法陣が現れ、そこから飛び出た鎖に拘束される。

 

 マグマBB「!!くっ…な、何だこれは!?」

 

 暁人「面白いだろう?次はこれだ。」

 

 《ビッグ・プリーズ》

 

 今度は『ビッグウィザードリング』の魔法の発動だ。ウィザードは手前に現れた魔法陣に右腕を突っ込む。すると、その魔法陣を透過した右腕が巨大化する。

 

 暁人「ほい。」

 

 “バコーン”

 

 マグマBB「ぐああああっ!?」

 

 ウィザードは、巨大化した腕でマグマBBを下から上空に叩き上げる。

 

 暁人「どんどん行くぜ。」

 

 《コピー・プリーズ》

 

 今度は『コピーウィザードリング』の魔法を発動させる。すると、それにより現れた魔法陣がウィザードを透過し、それによりウィザードの隣にもう一人のウィザードが現れる。

 

 暁人「「どうよ?」」

 

 二人のウィザードは同時に指を差し、同時に発声する。どうやらコピーは本物と同じ動きをするみたいだ。

 

 そして二人のウィザードは同時に跳躍し、上空のマグマBBに左右から挟み込むように同時に斬撃を決める!

 

 暁人「「はっ!」」

 

 “ジャキーン”

 

 マグマBB「ぐはっ!!」

 

 マグマBBは地面に落下する。ウィザードは着地した後分身を消滅させる。

 

 

 マグマBB「くそっ、何故だ……何故このマグマ星人の恋の、邪魔をするのだー!!」

 

 マグマBBは逆上しウィザードに斬りかかるが、ウィザードはそれを難なく受け止め語り出す。

 

 暁人「お前分かってねえな~。こんな物騒なモン(サーベルの事です)持ってたら、女の子が怖がるっての!」

 

 マグマBBはなおも斬りかかるが、ウィザードはその斬撃を余裕で受け止め語り続ける。

 

 暁人「それに……女の子を泣かしたり傷つけたりするような奴を、許すわけにはいかないね。…はっ!」

 

 ウィザードは組み合う剣を一旦離し、横向きでの左足蹴りを胸に叩き込んで吹っ飛ばす。

 

 

 暁人「俺が最後の希望だ!」

 

 マグマBB「くっ…ほざけええぇぇぇ!!」

 

 更に逆上したマグマBBはサーベルから光線を乱射するが、ウィザードはそれを地面を駆け、壁を蹴りながら避けていく。

 

 そしてマグマBB目掛けて跳びかかりながらウィザーソードガン(ソードモード)のハンドオーサーを操作し指輪をかざす。

 

 《キャモナ・スラッシュ・シェイクハンズ!…》

 

 《フレイム!スラッシュストライク!ヒ・ヒ・ヒ! ヒ・ヒ・ヒ!…》

 

 暁人「はっ!」

 

 “ドガーン” “バリーン”

 

 マグマBB「ぐおわっ!?」

 

 ウィザードはすれ違い様に、刀身に炎を纏った斬撃『フレイムスラッシュ』を放ち、マグマBBのサーベルを破壊した!

 

 マグマBB「ばっ…バカな!?お、俺のサーベルがっ…!」

 

 

 暁人「フィナーレだ!」

 

 暁人はハンドオーサーを操作し、右手の中指に『キックストライクウィザードリング』を填めてドライバーにかざす。

 

 

 《チョーイイネ!キックストライク!サイコー!》

 

 

 音声コールと共に、構えを取るウィザードの足元に発生した魔法陣から炎が右足に纏われる。

 

 そして、ウィザードはロンダート(側方倒立回転跳び1/4ひねり)をすることによって威力を増幅して空中反転し、必殺の炎の跳び蹴り『ストライクウィザード』を叩き込む!

 

 暁人「はーっ!!」

 

 “ズギャーン”

 

 マグマBB「ぐおああああぁぁぁっ!!…い、今行くぞ…弟よ~~~!!!」

 

 “ズドーン”

 

 マグマBBは赤い魔法陣を浮かべ、大爆発して吹き飛んだ。

 

 ウィザードは爆風を背に左腕の指輪を見せるポーズを決める。

 

 

 暁人「ふぃ~………やったな。丈司。」

 

 丈司「ああ。」

 

 ウィザードはシンケンレッドと合流する。

 

 

 

 (BGM:TAKE ME HIGHER)

 

 残るは二体の怪獣だけだ!

 

 ティガ(パワータイプ)は、クレッセントにボディブローを叩き込み、それにより相手がしゃがんだところで頭から掴み、後ろに倒れ込むように叩きつける『ブレーンバスター』を決める!

 

 その後、ギコギラーの顔面の左側面に右拳、腹部に左横蹴りを叩き込んだ後、腹部に右拳を叩き込み、そのまま持ち上げて放り投げる!

 

 ギコギラーは回転しながら地面に落下する。

 

 ギコギラーはふらつきながらも立ち上がり、ティガ目掛けて渾身の破壊光線を放つ!

 

 ティガは体勢を立て直すと、両腕を左右から上にあげ、胸の前に高密度に集めた超高熱の光エネルギー粒子を光球にして放つパワータイプの必殺技『デラシウム光流』を放つ!

 

 超高熱の光の光弾は破壊光線を消し飛ばしながら飛び、ギコギラーを直撃する!

 

 ギコギラーは大爆発し粉々に砕け散った。

 

 

 その後ティガは腕を額の前でクロスし振り下ろしてマルチタイプに戻る。

 

 よろけながらも立ち上がったクレッセントはティガ目掛けて破壊光線を放つ!

 

 ティガは両腕を腰の位置まで引き前方で交差させた後、左右に大きく広げてエネルギーを集約し、L字に組んで必殺光線『ゼペリオン光線』を放つ!

 

 白色の超高熱光線は破壊光線を消し飛ばし、クレッセントを直撃する!

 

 数秒光線を浴びもがき苦しんだクレッセントは断末魔と共に大爆発して吹き飛んだ。

 

 ティガは爆風を背に振り向き雄々しく立つ。

 

 

 

 今ここに、駆け付けた三人の英雄が悪を撃破した。

 

 英雄たちの勝利を見た戦車少女たちは喜びの歓声を上げ喜び合う。

 

 ティガとウィザード、シンケンレッドは見つめ合い、そして三人同時にサムズアップを決める。

 

 そしてティガたちは、今度はみほたちの方を振り向く。

 

 みほ「あの…ありがとうございます!」

 

 みほのお礼の言葉を聞いたティガは頷く。まるで「みんな無事で良かった。」と言っている様だった。

 

 ティガは眩い光に包まれ徐々に小さくなっていき、ウィザード達の元へと飛んで来る。

 

 そして、ウィザードとシンケンレッドも赤い光に包まれる。そして、三人を包んでいた光が徐々に消えていき、やがて三人の若者が姿を現した!

 

 暁人「んま、ざっとこんなもんか~。」

 

 丈司「初戦にしては良くやった方だな。」

 

 マドカ「だね。これも神様のトンデモ特訓の成果かもね。しかし、ウルトラマンになると意外と疲れるな〜。」

 

 

 

 三人の英雄たちが三人の若者になったことにみほたちは驚愕と同時に唖然とする。

 

 沙織「………ウソ…。」

 

 華「か…彼らは………、」

 

 優香里「一体………?」

 

 麻子「………………。」

 

 みほ「あ………あの、あなた達は一体………?」

 

 

 

 困惑するみほたちを見て、丈司は言い出す。

 

 丈司「………どうやら、まずは説明が必要みたいだな。」

 

 暁人「ああ。そうだな。」

 

 マドカ「………いきなりですいません。あと、援護ありがとうございます。」

 

 

 

 今ここに、英雄の力を得た三人の若者と、戦車乗りの少女たちが出会った………!

 

 ここから始まる物語は果たして………?

 

 

 

 To Be Continued……….

 

 

 (ED:DreamRiser)

 

 

 〈次回予告〉

 

 

 (予告ナレーション:五代マドカ)

 

 (予告BGM:ウルトラマンⅩ(インストルメンタル) サビ)

 

 

 破壊と殺戮のため、暴れ出した『殺し屋超獣バラバ』。

 

 その全身の凶器がパンツァーを、そしてヒーローたちを苦しめる!

 

 英雄三人の巨大戦力が、一つになる時が来た!

 

 

 次回、ヒーローズ&パンツァー、『強く決めたこと』




 読んでいただきありがとうございます!いかがでしたか?

 今回は第1話とはいえ気合を入れ過ぎてしまったと思います(笑)

 ネタも入れ過ぎてしまいました(笑)

 読みづらかった方はすいません。

 因みにスパークレンスのナビ音声のイメージCVは『山村響』さんです。

 遂にであったマドカたちとみほたち。今後の彼・彼女たちの戦いも注目です!


 因みに余談ですが、春休みに観た『劇場版ウルトラマンⅩ きたぞ!われらのウルトラマン』『仮面ライダー1号』そして『ガールズ&パンツァー 劇場版』、どれも面白かったです!(笑)


 感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。





 また、今回隠れていたサブタイトルは、『光を継ぐもの』(ウルトラマンティガ第1話)です。
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