相手はあの“核怪獣”です。
また、今回で転生者三人がどれだけチートな力を持っているかが分かる………はずです(!?)(笑)
それでは、どうぞ!
(OP:Life is SHOW TIME)
五代マドカ(ごだいまどか)、操真暁人(そうまあきと)、千葉丈司(ちばたけし)の三人は、早くも西住みほ達一部の戦車道少女たちと親しくなり、そして殺し屋超獣バラバとの戦いを経て、悪を殲滅し、この世界の者たちを守ると強く決めた。
その翌日の朝、
大洗女子学園のグランドに、戦車道履修者全員が呼び集められた。
その理由は外でもなく、ヒーローズ三人が自己紹介をし、大洗戦車道全員に正式に知ってもらうためである。
そしてそれを機に、今後ヒーローズとパンツァーガールズが力を合わせて戦うためである。
もちろん、彼らがヒーローである事は、大洗女子学園だけの秘密にすることにしている。
まだマドカたちの事を知らない戦車女子たちは、一体どんな人が来るのだろうとそわそわしている。
それを影で見ているマドカたちは緊張に包まれていた。
マドカ「みんな僕たちに期待してるね。」
暁人「ああ、とにかく女の子の前でやるんだからな。かっこよくかっこよく……。」
丈司「そう緊張するなって、普通に侍のように堂々としてればいい。」
亜美「それでは、新しい友達の自己紹介を始めます。 さあイケメン三人、レッツゴー!」
大洗戦車道の教官・蝶野亜美がいつものテンションでマドカたちを呼ぶ。
マドカ「うわあ、ついに来たよ…。」
暁人「んだよ緊張してんのか?しゃーねーなあ…。」
すると暁人は颯爽と女子達の前に出ながら、、、!
暁人「ハロー!出迎えサンキュープリティーガールズ☆」(敬礼ポーズをしてキラーンという音が鳴る)
マドカ・暁人「!!いや待て待て待てーい!!」
““スパンッ””
ノリなのか悪ふざけなのか、暁人がものすごくチャラい出方をしようとし、慌てたマドカと丈司に引きずり戻されツッコミのチョップを受ける。
暁人「ったく何すんだよ!折角かっこよく出ようとしたのに。」
丈司「バッ!………いきなり引かれるだろ!」
マドカ「初対面もいるのにそんな出方したら変人に思われちゃうよ?」
暁人「でも元の世界の学校の女の子には受けがいいんだぜ?」
マドカ「それは、暁人とその女子達はある程度付き合いがあるからだけど、まだ僕らと会ってない子だっているんだから。」
丈司「初対面には第一印象が肝心。普通に挨拶すればいいだろ?」
暁人「だからって普通にしたらつまんねーだろ?」
三人はいつの間にか言い合いになってしまっている。
姿は見えないが、その漫才のようなやり取りは戦車女子たちには若干見えていた。
そして中には可笑しくなったのか、クスクス笑う者も現れる。
一方の西住みほ達あんこうチームは、「嗚呼、またやってるよ…。」みたいな困惑した表情で見つめていた。
亜美「………まあ、三人とも元気がいいわね! グッジョブ!」
マドカ・暁人・丈司「へ?」
亜美の言葉で三人は言い合いを止める。
そして困惑する戦車女子達を見て慌てて我に返る。
丈司「いかんいかん!侍が女子(おなご)の前で、みっともない!」
暁人「俳優並みにイケメンな俺たちが、芸人みたいに言い合ってる場合じゃないな!」
まあ、芸人にもイケメンはいると思うのだが………(笑)
マドカ「とにかく、自己紹介自体は普通にしようよ!」
かくして、自己紹介が始まった。
まずは丈司からだ。
丈司「俺は千葉丈司。8月31日生まれのAB型。
特技は家元故に剣道だが弓道も得意だ。因みに剣道の階級は7段。
あと好きな食べ物は天ぷらだ。
最後に女(おなご)ども、侍が来たからには安心だ。必要ならいつでも頼れ。悪は俺が斬る!」
“ジャキーン”
丈司はちょっとしたアピールからかシンケンマルを引き抜き構えを取り、それを見た戦車女子たちは驚きと共に「おーっ!」と歓声を上げる。
“シャキーン”
丈司「以上だ。」
丈司はシンケンをしまいながら自己紹介を終える。
暁人「丈司のやつ、なんだかんだ言って超アピールしてんじゃん。」
マドカ「そ、そうだね。」
次は暁人である。
暁人「俺は操真暁人。6月2日生まれのO型だ。
特技は球技全般で特にサッカーは格別。サッカー部主将及び県大会優勝経験あり。
あ、あとこれも得意なんだ。」
すると暁人はその場で、特技の一つでありウィザードとして戦う際に見せる動き、エクストリーム・マーシャルアーツを取り込んだ跳躍を披露する。
華麗なその跳躍を見た戦車女子たちは歓声を上げ、中には「(頬に両手を当てて)かっこいい~!」「もっかいやってー!」などという声も飛び交っている。
暁人「好きな食べ物はドーナツ。特に砂糖をまぶしたプレーンシュガーは格別だ。
最後に嬢ちゃんたち、もし絶望しそうになったら、この俺魔法使いが希望になってやるから安心しろ。」
“キラーン”
暁人はそう言いながら左手の中指に填めたフレイムウィザードリングを見せる。
それを見ていたマドカと丈司は苦笑しながら…
マドカ「暁人…とても力が入ってたね。」
丈司「流石は女ったらし。」
暁人「ん?何か言ったか?」
マドカ・丈司「んにゃ。」
最後はマドカである。
マドカ「僕は五代マドカ。4月20日生まれのO型です!
特技というか、空手及び柔道の心得があって、あと射撃が得意で、最近は剣術も学習中です!
あと好きな食べ物はオムレツです!
最後に、この世界の平和のために、僕らヒーローも全力で戦いますのでよろしくお願いします!」
最後にマドカが、普段のおっとりした感じとは想像もつかない程ハキハキと閉めくくった。
あや「あの、良かったら今ここで空手の腕前とか見せてくださーい!」
マドカ「え?」
マドカは一年生チーム・ウサギさんチームの大野あやからのリクエストを受けて少し困惑する。
マドカ「………じゃあ、何か鉄板とかありますか?」
亜美「ああ、戦車を作る際に残った、素材の装甲ならあるけど…。」
そう言いながら亜美はたまたま持っていた70センチぐらいの装甲を取り出す。
マドカ「それでは、しっかりと持っててください。………ふぅ~………」
マドカに指示された亜美は装甲を両手持ちで構える。
そしてマドカは一回呼吸をしながら握った両手の拳をゆっくりと降ろしつつ精神を統一させ始める………。
マドカ「せあっ!!」
“ドバキャッ”
亜美「おおっ!?」
精神統一が完了したマドカは構えを取りながら掛け声を上げると、一回転しながら亜美が持つ装甲に回し蹴りを叩き込む!
そして蹴りが当たった装甲は容易く真っ二つに割れてしまった!
その見事なまでの蹴り技を見た戦車女子たちは「キャーッ!!」などと前の二人以上の歓声を上げる。
何しろ、戦車の素材に選ばれる程頑丈な装甲を、蹴りだけで砕いてしまったのだからその強さが伺える。
あゆみ「かっこいいし強いし最高ー!」
桂利奈「その力で私を守ってー!」
梓「三人とも超イケメン!彼氏にするなら誰がいいかな~!?」
優季「私、お姫様抱っこしてもらいたいなー!」
紗希「………蝶々………。」
特に、ウサギさんチームからの歓声は凄いものだった。
因みにあんこうチームはというと、
みほ「かっこいいマドカさん。暁人さんに丈司さんも。」
優花里「それにしても驚きです!戦車の素材の装甲を簡単に蹴りで砕くなんて。」
華「その気になれば私たちの戦車にも蹴りで穴を空けられるって事ですね。」
麻子「穴どころじゃないと思うがな。」
沙織「三人を彼氏にしたら、一生私を守ってくれそうだな~!」
みほ「(少し笑いながら)沙織さん…恋人にするとしても選べるのは一人だけだよ?」
沙織「分かってるよ~!ああ、彼氏にするとしたら誰がいいかな~ 」
沙織は既に、どれかを彼氏にする気満々のようである(笑)
暁人と丈司も前に出たことで、三人が前に並び立つ。
暁人「ったくマドカ、俺より黄色い歓声浴びちゃってさ。」
丈司「まあ、第一印象は掴めたんじゃないかな。」
マドカ「そうだね。」
三人は戦車女子達の方を向く。
マドカ「というわけで、これからよろしくお願いします!」
一方、歴女4人で構成されたチーム・カバさんチームはというと…
カエサル「正に新たな歴史の始まりのようだな。」
おりょう「立ち姿も坂本龍馬並に凛としているぜよ。」
エルヴィン「ああ、正に「日本の夜明けぜよ!」的な感じだ。」
左衛門佐「織田信長、徳川家康、豊臣秀吉の三大将軍の登場のようだ…」
カエサル・おりょう・エルヴィン「それだっ!」
………因みに、自己紹介が終わった後も、マドカたち向かって女子たちがまるで餌に向かって一斉に駆けて来るうさぎの群れのように詰め寄って来ての質問攻めが殺到する。
まあ、当然であり、イケメン転校生の宿命であろう(笑)
あゆみ「元の世界ではどれくらいモテてたの!?」
桂利奈「あと好きなアニメとかも教えてー!」
あや「もっと魔法とか見たいですー!」
とまあこんな感じで、耐える事の無い質問攻め嵐である。
暁人「まあまあ落ち着け落ち着け! んじゃ、まずは魔法見せてやっからさ。」
暁人はウィザードリングを填めて手形のベルトに擬態しているウィザードライバーにかざす。
《ドレスアップ・プリーズ》
暁人はドレスアップウィザードリングをかざした後右手を前に突き出す。
すると、突き出された手の先にいる阪口桂利奈の学生服姿が光を放ちながら変わり、なんと黄色のドレスのようなワンピースへと変わる!
桂利奈「わあー綺麗!素敵ー!」
桂利奈は嬉しそうである。
ドレスアップウィザードリングは、着ている服を別の服に変化させる魔力を持つのである。
暁人「レディーに喜んでもらえて光栄だよ。」
すると次の瞬間、ただでさえ寄っている女子達がさらに詰め寄って来る!
そしてあちこちから「私にもやって~!」の猛ラッシュである!
みんな暁人にドレスアップして欲しいのであろう。
暁人「お、おおう、凄い凄い。はいはい一人ずつ一人ずつ!」
暁人は困惑しつつも押し寄せる女子たちから一人ずつドレスアップしていく。
マドカ「なんか………すごく大変そうだね、暁人。」
丈司「かっこつけて余計な事するからだ。」
そど子「はいはい暁人さん困ってるでしょ。ちゃんと並んで。」
そこに、大洗女子学園の風紀委員長・園みどり子(通称:そど子)が群がり押し寄せる女子達を指導する。
彼女は風紀委員長であるが故か生真面目で厳しい所があり、特に低血圧で朝起きるのが苦手な遅刻常習犯の麻子には毎回手を焼かされている。
暁人「おお、嬢ちゃん助かったよ。しっかりしてるね~。」
そど子「当たり前です。これも規則ですから。」
暁人「いいんじゃねーの?彼女たち待ちわびてんだ。俺も別に構わねーし。」
そど子「規則は守るためにあるのです!」
暁人「うぅ………何とお堅い。」
丈司「堅物………俺の嫌いなタイプの女(おなご)だ。」
マドカ「まあまあ、そう言わずに。」
暁人「んま、ほどほどににな。………え~っと………、」
そど子「申し遅れました。園みどり子です。」
暁人「そっか、んじゃ、略して“そど子”でいいな。」
そど子「んなっ!?暁人さんまでー!??」
因みに彼女は、自分が“そど子”と呼ばれるのをあまり快く思っていないのである。
優希「あの~…そろそろドレスアップお願いします。」
あや「寒いです~。」
暁人「おーっと待たせた悪い悪い。んじゃ、いくからな。」
暁人は並んで待つ女子たちのドレスアップを始める。
丈司「女(おなご)を待たせるのは良くないな。」
マドカ「まあ、その女(おなご)と話していて待たせた訳だから………女好きも大変だね~。
まあ、確かに今寒いし、早く済ました方がいいかも。」
ゴモヨ「それにしても、何か変ですね…。」
パゾ美「今更こんなに寒いなんて…。」
そど子と同じく風紀委員の後藤モヨ子(通称:ゴモヨ)と金春希美(通称:パゾ美)が何やら異変に気付く。
マドカ「え?」
丈司「どうしたんだ?」
ゴモヨ「おかしいと思いませんか?四月に入ったというのにこんなに寒いなんて…。」
パゾ美「冬でもこんなに寒い事無かったのに…。」
丈司「…確かに、今日は冬みたいに寒いな。」
マドカ「おかしいなあ…天気予報見たけど今日は一日太陽が出ていて暖かいはずなのに…。」
マドカたちも異変に気付き始めたその時、
“ブーッ ブーッ ブーッ…”
突然、大洗戦車道のサイレンが鳴り始める!
出動せよの合図だ!
亜美「はっ、全員整列!」
亜美の指示により戦車女子たちは迅速に整列を始め、まだ暁人にドレスアップしてもらっていない女子も渋々整列に移る。
マドカたちも亜美の横でマドカを中心に横一列に並ぶ。
亜美「たった今大洗町付近の溶接工場から出動要請が来た。なんでもそこの人の話によると、強い風邪と共に雪が降り始めたという。」
なんと、四月だというのに大洗町付近の溶接工場周辺の土地に微量ながら吹雪が吹き始めたというのだ!
天候的にもあり得ない出来事に戦車女子たちはもちろん、マドカたちも驚愕する。
暁人「驚いた。今どき冬でも吹雪はあまり吹かないのに。」
マドカ「天候は変わりやすいとも言われるけど、その土地だけ吹雪なのは確かに不自然だね。」
丈司「間違いない。何者かが暗躍しているのかも。」
亜美「そういう事も考えて、じゃあ今回は………あんこうチーム、カメさんチームが出動。それから、園みどり子さんも一緒に行ってもらうわ。」
そど子「ええッ!?なぜ私も?」
亜美「聞いた話だと、貴女と冷泉さんは視力が2.0と飛び抜けいいみたいじゃない。吹雪の中視界も悪いと思うから、敵を探す時役立ちそうじゃない。」
麻子「そのようだな、一緒に頑張ろうそど子。」
そど子「だからその名前で呼ばないで!
…て言うか、万が一敵がいて見つかったらどうするんですか!?私戦車チームでもないし殺されますよ!?」
マドカ「僕たちも行きます。だから安心して。」
亜美「それじゃ、決まりだね!」
よって、今回はあんこうチーム、カメさんチームが出動。マドカたちも万が一のためについて行くことになった。
そして、視力を見込まれて一緒に行くことになったそど子。
みほたちは戦車に乗り込んでスタンバイしながら雑談をしている。
みほ「多分現地は結構寒いだろうね。」
華「うん。念のため、厚着をする衣類も持ってきました。」
優花里「本当に今日の天候はどうなってるんでしょうね。」
沙織「それにしてもこの寒さ、冬のある日、彼女が寒い中彼氏を待つシチュエーションを思い浮かべるな~。」
麻子「いつか自分がそうなるといいな。」
沙織「ぶー!絶対なってやるもん!」
カメさんチームも、
桃「(ガチガチ震えながら)あー寒い寒い………何故こんな寒い中を我々が行かねばならんのだ!?」
杏「(干し芋を食べながら)まあいいんじゃない?一応厚着も持って来たし、」
桃「会長は呑気で良いよな!」
柚子「まあまあ、一生懸命戦車でも動かしてれば温かくなるよ、きっと。」
桃「戦車を操縦するお前はそうかもだが私は装填、砲手、通信だぞ!?ちょっと動くだけだぞー!?
おのれ…こんな寒い時こそ“根性”でどうにかなるバレーチームに行かせればいいのに…。」
杏「まあ、あの娘たちは昨日の功績もあるからあいにく今日は休みだからね~。」
柚子「それに、リーダーの磯辺さんの怪我もまだ治ってないことだし…。」
その頃、体育館でバレーの練習をしているアヒルさんチームは…
一同「へくしゅッ!!」
…一斉にくしゃみをしてしまっていた。
忍「どうしたんだ?みんな一斉にくしゃみなんて…」
あけび「誰か私たちの噂でもしてるのでしょうか?」
妙子「気のせいじゃないん?今日はこんなに寒いもんね。」
典子「よーし、もっと動いて、こんな寒さ根性で吹き飛ばそう!」
妙子・忍・あけび「おーっ!!」
かくして、練習を再開し始めた…。
やがて、両チーム共出動準備が整い、亜美のアナウンスと共にゲートが開く。
亜美《フォースゲートオープン、フォースゲートオープン………
それでは各戦車、パンツァー・フォー!》
亜美の戦車前進の掛け声と共にあんこうとカメさんチームの戦車は出動する!
暁人「遂に出動開始だな。」
《コネクト・プリーズ!》
暁人はウィザードライバーにコネクトウィザードリングをかざして現れた赤い魔法陣からマシンウィンガーを出現させ、丈司もショドウフォンで『馬』のモヂカラを宙に書いて白馬を出現させる。
そど子はマドカの愛車シャーロックに乗せてもらう事にした。
そして、各乗り物に乗ったマドカたちも出動を始める!
やがて一行は、大洗町付近の溶接工場にたどり着く。
現地は確かに、微量な吹雪が吹き始めていた。
柚子「本当だ…こんなにも季節外れの雪が降るなんて。」
桃「寒いっ!早く事を済ませて帰るぞ。」
杏「(呑気に干し芋を食べながら)まあ、そう焦らない焦らない。」
みほ「うん。まずはこの工場の人から事情を聞かないと…。」
早速マドカたちがみほたちと一緒に作業員から事情を聞いてみた。
なんでも、吹雪が吹き始めてから工場の機械の熱が無くなってしまい、作業が捗らなくなってしまったという。
マドカ「そうですか…。」
作業員「困ったなあ~…まだ溶接しなきゃいけない鉄もいっぱいあるのに、これじゃあ今日も残業ですよ。」
暁人「それは大変だなあ、おっちゃん。」
そど子「その現象が起こったのは、この工場だけですか?」
作業員「いやあ…他にも別の地域の工場でも起こったみたいなんだけど……イマイチ原因が分からなくてね。」
丈司「この辺一帯を探る必要があるな。」
麻子「そど子…。」
すると、麻子は呼びながらそど子の肩を指でつつく。
そど子「だからその名前で………ん?」
そど子も麻子に言い返している途中で何かに気付く。
その視線の先には、吹雪で姿がハッキリ分からないものの、何かがいるのが見えた。
吹雪の中人影にいち早く気付いた二人。流石は視力2.0あるだけはある。
二人に続いてマドカたちやみほたちもそれに気づく。
人影はやがてはっきり見えるようになり、何やら下を向き、黒いコートに身を包んだ男の姿が見える。
マドカ「あれは………ここの作業員ですか?」
作業員「いや、見慣れない顔だな……。」
作業員は男に話しかけてみる。
作業員「おいあんた!その格好で寒くないのか?」
すると!
”グギャアァァオン! ギャオオオオン!”
男は下げていた顔を上に挙げたかと思うと同時に腕も挙げ、何やら人間のモノとは思い難い叫びを上げる!
驚愕するマドカたちとみほたち。
マドカ「⁉︎何だ?この人間とは思えない声は!」
暁人「こいつ初対面相手に早速マジック披露してんのか?」
沙織「それで第一印象狙ってるつもり?」
何事も恋愛と結び付けてしまう暁人と沙織である(笑)
“ゴゴゴゴゴゴゴゴ…”
すると、突然激しい地震が起こり始める!
そど子「わっ⁉︎何っ⁉︎何が起こってるの⁉︎」
“ズゴーン”
“ギャイイィィアアアン!”
やがて男の背後の地面が激しく砕け、中から巨大生物が現れる!
アザラシのような体型の巨体に体は黒い鱗で覆われ、頭部にある左右一対の角や牙のような赤い結晶が付いているのが特徴の巨大生物。
それは『核怪獣ギラドラス』である!
そど子「怪獣!?」
現れたギラドラスは巨体を前進しながら暴れ始め、町の人々は怪獣出現により逃げ惑う。
優花里「ついにお出ましですね。」
みほ「教官、怪獣が現れました。攻撃許可を。」
亜美「オーケー!全戦車攻撃体制に!」
《怪獣出現、都市防衛指令、都市防衛指令》
みほは通信機越しに亜美に攻撃許可を得て、同時にアナウンスが流れる。
みほたちは急いで戦車に残り攻撃準備に入る。
マドカ「僕たちも行こう!」
《コネクト・プリーズ!》
暁人「おう!」
マドカはトライガーショット、暁人はウィザーソードガンを取り出す。
丈司はシンケンマルに秘伝ディスクをセットして回転させる。
丈司「ウォーターアロー!」
シンケンマルは青い光に包まれ変形し、青い弓型の武器・ウォーターアローへと変わった!
ウォーターアロー。それは本家シンケンジャーではシンケンブルー専用の武器であった弓であり、無数の水の矢を放つことが出来るのである。
みほ「攻撃準備、完了です!」
マドカ「了解!三方向から同時攻撃と行きましょう!」
マドカの指示により、暴れ回るギラドラスに対しマドカは前方、暁人と丈司は右側、みほたちの戦車は左側へと回り込む。
丈司「カウントスリーで行くぞっ!」
暁人「オーケー!」
マドカ「トライガーショット・イエローチェンバー!」
マドカは傍で見守るそど子を庇いつつ、トライガーショットを構える。
みほ「それでは、3、2、…発砲!」
“ズドーン ズドーン” “ズガガガガガガ…”
“ドガーン ズゴーン…”
各方向から攻撃を開始する!
火球、弾丸、水の矢、そして戦車の砲撃が同時にギラドラスに命中して爆発していく。
“ギャイイァァァン!?”
だがギラドラスは怯まず、尻尾を振るったりして反撃していく。
みほ「後退してください!」
みほの咄嗟の指示により戦車は2両とも後退することで尻尾の直撃を逃れる。
ビルをも一撃で砕き、地面に叩き付けただけで地響きを起こすほど強力な尻尾。これを喰らえば戦車は一撃で砕け散るであろう。
暁人たちも人間離れした軽い身のこなしで尻尾をかわす。
次にギラドラスは頭部の結晶体を発光させ、するとそれと同時にまるで結晶体からエネルギーが送られているかのように大きく開けた口が発光する。
“ズドンッ”
マドカ「はっ!危ないッ!」
“ドガーン”
マドカ「うおあああっ!」 そど子「きゃああーっ!」
ギラドラスは前方にいるマドカとそど子目掛けて口から火球を発射し、二人は逃げながらも火球が背後の地面に当たり爆発した衝撃と爆風で転倒する。
マドカ「ここは危ない!早くシャーロックに!」
二人はなんとか立ち上がり、急いでシャーロックに乗り込む。
そしてマドカはシャーロックを運転しバックをしつつ窓からトライガーショット(ブルーチェンバー)を連射して攻撃する。
…つまりこれは片手でハンドルを操作し、片手で銃を連射しているという事になる。
正に恐るべし、マルチモードな男である!
ギラドラスは標的をシャーロックに変え、追いかけつつ火球を連射する。
マドカは片手だけのハンドルさばきでそれを避けつつなおも弾丸を連射する。
そど子「うぷっ………凄いですマドカさん………。」
激しく揺られるそど子は酔いそうになりつつもマドカの能力に感心する。
“ズドーン”
ギラドラスはみほたちの戦車の砲撃を側面から受け注意がそれそうになる。
だが次の瞬間、
“パシーン パシーン”
“ガララララララララララララ…”
突然、どこから聞こえる鐘のような音とともに赤い光が現れる。
マドカ「!これは一体?………うっ!?」
するとマドカに異常が現れる!それは隣に座っているそど子も同じであった。
突然トライガーショットの連射が止まり、それどころかシャーロックの運転も覚束なくなっていく。
マドカ「………体に力が入らない………っ!」
苦しむマドカが妙な事を呟いたその時、ギラドラスは隙ありとばかりに火球を放つ!
“ズドーン”
“ガシャーン”
マドカ「うおあああぁぁぁ!!」 そど子「きゃああぁぁぁ!!」
火球は直撃はしなかったものの近くで爆発し、その爆風によりシャーロックが数回転してひっくり返ってしまった!
暁人「おいマドカ!そど子!大丈夫か!?」
マドカ「ああ………何とか………。」
そど子「大丈夫………あとその名前で呼ばな………、」
二人は何とか無事の返事をするが、ある事に気付く。
それは、ギラドラスはいつの間にか姿を消していた事だった!
そど子「ああっ!逃げられちゃったー………。」
“ドサッ”
そど子はそのままダウンしてしまった。酔いが限界に達してしまったのであろうか。
みほ「とりあえず撤退しましょう。」
一同はとりあえず引き下がることにした。
大洗女子学園に戻った一行。
亜美「みんな大丈夫だった?」
みほ「ええ、なんとか…。」
マドカ「誰か、そど子ちゃんをお願い。」
マドカがそう言いながらそど子を担いでやって来る。
そど子はまるで完全に脱力したかのようにダウンしていた。
暁人「?どうしたんだ?」
暁人がマドカに担がれているそど子の元に歩み寄り額に触れてみる。
暁人「!?ひでえ熱だ!」
なんと、そど子は高熱を出していた!
先ほどの現場の寒さの所為なのだろうか?
いや、それだとしてもそど子もみほたちと同じでそれなりの厚着をしていたし、その上みほたちは大丈夫だったのにそど子だけダウンしたという事に不自然さが目立つのだ。
沙織「大丈夫?辛そうだけど…。」
華「とりあえず家に帰した方が良さそうですね。」
みほ「私たちが連れて帰ります。」
マドカ「ああ、頼んだよみほちゃん、みんな。」
優花里「そして、しばらく敵について分析する必要がありますね。」
麻子「そういう事だ。送ってやるからなそど子。」
………いつもなら麻子が“そど子”と呼ぶと、「そのあだ名で呼ばないで!」というそど子の声が飛び出すはずなのだが、よほど元気がなくなっているのか、そうやって突っ込むことも出来ない。
そど子の深刻そうな状態に一同の不安は募っていた。
亜美「それもそうね………よし、一同一旦解散!」
かくして、グラウンドに集合していた戦車道女子たちは一旦解散した。
マドカたちも自分たちの豪邸に戻り、みほたちあんこうチームはそど子を彼女の家に帰すことにした。
豪邸に戻ったマドカたちは、シャーロックに取り付けていたカメラに撮られた先ほどの戦闘の一部始終の映像を見ながら敵についての分析をしていた。
《ガオディクションを起動します。》
マドカは暴れるギラドラスの映像にスパークレンスを向け、あらゆるモノを解析することが出来る機能・ガオディクションを起動させる。
マドカ「奴の意思の大半は“使命感”、“忠誠心”だけど………一体何が目的なのだろう?」
どうやらギラドラスの映像からの解析結果だけでは何も掴めない様子。
丈司「奴の思考が使命感や忠誠心なら、裏で何者かが操っている可能性が高いかもな。」
暁人「………なあ、そういやあさっきマドカ、突然シャーロックごとひっくり返ったな、一体なのがあったんだ?」
マドカ「いやあ、それが…突然鐘のような音と共に赤い光が現れて、その瞬間体の力が抜けて………
………ん?」
その時、マドカは何かに気付いたかのような反応をする。
暁人「?どうしたマドカ。」
マドカ「赤い光………脱力………そしてそど子の体調不良………もしかして。」
マドカは何かに勘づいたのか、映像を赤い光が現れたところまで進め、再びスパークレンスを向けてガオディクションを起動させる。
《対象赤色光、解析しました。》
マドカ「………やっぱり………。」
果たしてマドカたちがたどり着いた手掛かりとは?
一方で、みほたちあんこうチームはそど子を送った後買い出しに出かける。
そど子のためにみんなでおじやを作ることにしたのだ。
みほ「多分消化の良いものを入れた方がいいかもね。」
沙織「にんにくも入れましょ。こういう時こそ体にいいし。」
麻子「放っといても元気になりそうだがな、そど子だし。」
優花里「まあまあそう言わずに。作りましょうよ。」
華「早く元気になってもらうために、私たちも力を貸しましょう。」
沙織「あ、みぽりん、後でホームセンター寄ってもいい?気分的に新しい戦車のデコレーション探してみたいし。」
みほ「いいよ。」
一行はスーパーの買い出しを終えた後、ホームセンターに寄る。
沙織が新しいデコレーションを探している間、みほは店内をぶらぶらしようとする。
その時、
《次のニュースです。今朝11時半ごろ、大洗町付近の田端溶接工場で謎の人物と怪獣が現れました。》
ホームセンターにあるテレビから、今朝自分達が向かった場所についてのニュースが流れていることに気付き立ち止まり、他の者も続いてテレビに見入る。
沙織「これ、今朝私たちが向かった所じゃない?」
優花里「あ、本当ですね。」
《怪獣の方は大洗戦車道の活躍により撤退。なお、謎の人物については工場長の話によると、以前に田端溶接工場の作業員で、5年前に機械のシステムトラブルによる爆発事故によって死亡した『星野明』氏に似ていると言われていますが、正確にどんな人なのかはまだ掴めておらず………》
ニュースのアナウンスと共に、その星野明(ほしのあきら)の写真が映し出される。
見てみると確かに、どこか暗いような表情や髪形などが、現場にいた謎の人物とそっくりであった!
驚愕するみほたち。
みほ「確かに、写真と実際見た人がそっくりだね。」
華「でも、この方は死んでるらしいですし…。」
優花里「何だか不気味ですね。」
麻子「他人の空似じゃないのか?」
みほ「まあ、確かに世界には自分とそっくりな人が3人いるとも言うしね。
でも、やっぱ気になるわね。」
沙織「これは………」
“カチャッ”(所謂気合が入って眼鏡をかける音)
沙織「一度潜入捜査をした方がいいかもね。」
みほ「でもどうやって?」
沙織「ふふふ、私に任しんしゃーい。」
すると自信満々気な沙織は、スマホで電話をかける。
暁人「ん?沙織から電話だ。」
暁人はいきなりで困惑しつつも電話に出る。
暁人「もしもし、どうした?沙織。」
沙織「ふふふ、折り入って頼みがありま~す 」
そして翌日、
ひょんな事から、暁人と沙織がデートする事になった!?
………と、見せかけ、正確には変装して田端溶接工場へ潜入捜査に行くことになった。
沙織「と、言うわけで、すいませんが、よろしくお願いします、暁人さん 」
暁人「んじゃ、行くぜ?」
《ドレスアップ・プリーズ!》
ドレスアップウィザードリングの魔力により、二人はスーツ姿に変わる。
今回の潜入捜査は、就活する大学生の振りをして田端溶接工場を訪れ、あの人物の様子を探るという事である。
暁人「おいまさか、俺がこういう風にドレスアップで簡単に衣装を出せるから俺を選んだんじゃないだろうな?」
沙織「いやいや、それだけじゃありませんよ。それだ・け・じゃ 」
暁人「?………まあいいか、行くぞ。」
二人はマシンウィンガーに乗って工場へと向かう。
後ろに乗っている沙織に抱き付かれる状態でバイクを駆ける暁人。
暁人(はあ、こうして女の子とランデブーするのいつ振りかな………でもこうして見ると、俺たちカップルみたいじゃねーか………ま、いっか。女の子と二人っきりなんて俺としちゃあ嬉しいぜ。)
暁人が心でブツブツ呟いていたその時、沙織は後ろから暁人の顔に顔を近づけ始める!
これはもしかして………!?
熱いキッs………
沙織「頑張りましょうね、暁人さん。」
沙織は耳元でちょっと呟いただけであった。
暁人は期待外れだったのか?がくってなりそうになるが、バイク運転中なのでなんとか踏ん張る。
暁人「お、おう。」
暁人(ちょっと残念………んま、もしもの事が合ったらこの子を守ってやるぜ。)
そう心で呟いた暁人は、その残念感を振り払うかのようにバイクを加速していった。
遂に工場に着いた二人。
工場周辺はやはり昨日と同じく、吹雪は降っていないが寒い気候に見舞われていた。
暁人「ふぃ~…やっぱ寒いな。ちゃっちゃと終わらせるぜ。」
沙織「はい。暁人さん 」
暁人「?お前今日やけに張り切ってんな?」
沙織「え?………い、いやー私、ちょっとワクワクするんですよ。あの男の正体を知るのが。」
暁人「?…そ、そうか、じゃあ、俺たちの共同作業で、男の化けの皮を剝がしてやろうぜ。」
沙織「(きゃー男の人と共同作業だなんて~)じゃあ、行きましょう!」
その時、
男「そこで何をしている?」
突然男の話しかける声が聞こえ、二人は振り向く。
なんとそこには、自分たちの目的の男・星野明らしき人物が立っていた!
服装は昨日と違って工場の作業服である。
暁人・沙織(えええええぇぇぇ!?)
いきなりの、星野明の目の前の登場に二人は驚き、心で声を上げる。
だが、すぐさま仕切り直して早速話しかける。
沙織「あ、あの!私たち、就活のために見学に来たんです。」
明「………そうか………ちょっと俺について来い。」
沙織「いきなり面接なのかな?」
暁人「まさか、とにかくついて行くぞ。」
暁人と沙織はとりあえず明について行く。
二人はとある部屋へと案内される。ドアには『星野明』と書かれた名刺が張られていたため、恐らく明の部屋であろう。
中に入った二人は椅子に座る。
しかし、妙な事に既に他界した人の部屋だというのにこけしや花など様々な物が飾られているのである。
………そして何よりも、この部屋の中はやけに暑いのである!
それもまるでサウナに入ってるかのように暑いのである。
いきなり外とは真逆の温度の部屋に入った二人は驚く。
沙織「…なにこれ?」
暁人「あっちっ!? 何でこの部屋ばかに暑いんだ!?」
明「すまない。この温度が。俺にとって丁度いいのだ。」
暁人「え?…そ、そうです…か。」
沙織「こうなったら暑さに耐えつつ、早く突き止めた方が良いわね…。」
暁人「ああ。……ん?」
暁人は、部屋に飾られている花に目が付く。
暁人「お花……綺麗ですね。………お日様に当てずにこの暑い部屋に閉じ込めといていいのですか?」
明「花には………日の光だけじゃなく、時には熱が必要な事もあるのだよ。」
暁人「あ………ああ、そうですか。」
暁人は明の妙な返事に困惑しつつも返事をする。
明はなおも喋り続ける。
明「知ってるか?………世の中には熱と冷気、二つの温度がある………
人々は夏が来れば冷気を求め、冬が来れば熱を求める。………
だが春と秋は、そのどちらを求めればいいか分からない………それなら、いっそのことどちらかの温度に傾かせてやりたいと俺は思ってんだがね。」
沙織「はあ………それでこんなに部屋を暑くしてるワケですね?」
沙織は汗を拭きつつも明の意味深気味な発言に反応する。
明「思い切り寒い春の方が、その分思い切り熱を求められる………その方が楽ではないか?」
暁人「そうか?むしろ春と秋の方が、丁度良い温度だと思うけどなぁ。」
明「ふんっ!俺は嫌いだねぇ。中途半端な温度の春と秋は。
だからどちらも、いっそ寒くなっちまえばいいんだ。」
暁人「それは嘘だね!」
明「………なにっ?」
暁人「さっき工場長のおっちゃんから聞いたぜ?
星野明は、「春が好きな季節だった」………ってな。」
明「何だと?」
「春が嫌い」………その発言が致命的となってしまった明。
更に沙織が畳みかける。
沙織「本物の明さんは、5年前に亡くなっている筈です。
………貴方は何者なんですか?」
明「くっ………!」
正に、口は禍の元。たちまち二人に追い込まれた明。
明「さあ………俺は一体何者なんでしょう………ねっ!」
“ドシュッ”
暁人「はっ、危ない!」
“ドーン”
明は突き出した手の平から弾丸を発射!暁人が沙織を庇って横に転んだことで間一髪それを避ける。
暁人「待てっ!」
暁人は逃げようとする明の腕を掴むが、次の瞬間、明は逆に暁人の腕を掴んで一本背負いで投げ飛ばす!
暁人は咄嗟に空中でお得意のエクストリーム・マーシャルアーツの動きを取って体制を立て直して着地する。
明はその隙に部屋を出て外に出て逃走しようとする。
暁人「この強さ、人間じゃないぞ………ひとまず追いかけよう!」
沙織「ええ。」
暁人と沙織も外に出て明を追いかけ始める。
沙織「待ちなさーい!」
二人に追いかけられる明は高笑いしながら逃げていく。
暁人「逃がすかっ!」
“ズガガッ”
暁人は追いかけながらウィザーソードガンから弾丸を発射する。
すると、明はなんと振り向きながらの右腕の一振るいで弾丸を打ち落としてしまった!
銃の弾丸を腕で弾く事で明が人間ではない事が明確に分かった二人は、振り向いた明を前に立ち止まる。
気が付くと、先ほど弾丸を弾いた腕が奇怪な姿に変わっていた!
暁人「お前、やはり人間じゃねえな!?」
明「フフフ………そうだ!俺は超獣人間コオクスだ!
いえーい!!」
遂に正体を明かした明は、右手を揚げると同時に掛け声を上げると光に包まれ徐々に変形していき、
やがて、赤い牙と頭部のトサカ・ファイヤーボード、岩石のような両肩が特徴の真の姿『超獣人間コオクス』の姿となった!
“グギャアアアオン ギャアアアオン”
コオクスは正体を明かすと共に、不気味な鳴き声を発する。
沙織「うそ………あんなイケメンに化けてたのが、こんなに禍々しいなんて…。」
暁人「やっぱり………アンタは一体何を企んでいる!?」
暁人は鋭い視線と共にコオクスに銃口を向ける。
コオクス「分かるか!? このマグマを包んだ、熱気あふれる惑星(地球)を!
自然やライフラインが安定なのも、この地球の熱のおかげだというのに!………
だが人々は季節が変われば……夏になれば都合よく熱を拒絶し、冷気を求める。
そんな人々に、この星の膨大な熱は勿体無さすぎる!
………だから俺が全て奪い、侵略兵器の材料にしてやるよ。 どうだ?その方が、効率が良い使い方だろう?」
一見正論を言っているかのように思われるが、言い換えるとコオクスの目的は、地球上の熱源を全て奪い、侵略兵器の素材にする事なのである!
暁人「なにっ!?」
“ゴゴゴゴゴゴゴゴ…”
“ズドガーン”
“ギャイイイィィアアアン”
コオクスの呼びかけに応え、地震を起こしながらコオクスの背後から地面を突き破り、再びギラドラスが現れた!
沙織「また現れた!」
暁人「やはり………お前とあの怪獣は協力関係だったってワケか!」
コオクス「暴れろ!ギラドラス! まずはこの街の熱源を徹底的に全て奪ってしまえ!」
コオクスの指示によりギラドラスは暴れ始める!
そしてそれと共に再び空が更に曇り、吹雪が吹き始める!
暁人「やはり、解析の通りだぜ。」
沙織「解析?」
暁人「ああ。さっき豪邸で色々解析したんだ。
この怪獣はなんでも、気象をコントロールする能力を持っているんだ。」
沙織「え!?そんな事出来るの!?」
そう、春だというのに大洗町とその付近の地域だけ寒くなり、吹雪が吹き荒れるなどという不可思議な気象の正体は、ギラドラスの気象コントロール能力によるものだったのだ!
暁人「だが、驚くべきところはそこだけではない!
奴の顔に、四つの結晶体があるだろ?」
暁人はギラドラスの頭部の結晶体を指差す。
暁人「奴は気象をコントロールすると同時に、その気象の温度を大気ごとあの結晶体に取り込んで光球のエネルギーにする事が出来るんだ!」
ギラドラスの隠された恐るべき能力を語る暁人。
なんとギラドラスは、気象の温度を頭部の結晶体で吸収して光球のエネルギーに変えるという恐るべき能力も有しているのである!
つまり、今回は熱を吸収していたため火球を吐いているが、他にも寒い気候の場合はその冷気を取り込んで冷凍弾を吐き出す事も出来るという事である!
沙織「そんな………じゃあ、この地域が寒くなったのは…、」
暁人「ああ、ギラドラスが気象をコントロールすると同時に熱を奪う事によって、この地域だけ冬と同じくらいの冷気だけが残されたというわけなんだ!」
沙織「じゃあ、早く奴を止めないと地球全体の熱が無くなっちゃうわけ!?」
暁人「ああ。その内地球全体が氷河期になっちまうかもな!
だが分かった事がもう一つある!」
沙織「え?」
暁人「それは………そど子の突然の体調不良に関わることだ!」
暁人が気になる事を言い始めたその時!
コオクス「おいおい、そんなに無駄話しといて………いいのかなっ! ふんっ!」
コオクスは隙ありとばかりに暁人と沙織目掛けて頭部のファイヤーボードや指先からロケット弾を放つ!
暁人「はっ!」
沙織「!きゃあっ!」
“ズドガガーン”
無数のロケット弾は二人の周りを包み込むように大爆発した!
コオクス「はははははは!隙を見せるからそうなるのだ!」
コオクスが大きく広がる爆風を見て高笑いをしているその時、
《ディフェンド・プリーズ!》
爆風の中から鳴り響く音声にコオクスは気づく。
すると爆風の炎が何かに吸収されているかのように消滅し始め、やがてその炎を吸収しながら赤い魔法陣が姿を現す!
そう、暁人は間一髪のところで念のために填めておいたディフェンドウィザードリングをウィザードライバーにかざしてその魔力を発動させていたのだ。
つまりこれはその魔力で作った魔法陣型の防壁なのである。
“スパンッ”
《フレイム・プリーズ ヒ―・ヒ―・ヒーヒーヒー!》
続けて暁人は変身リング・フレイムウィザードリングを填めてドライバーのハンドオーサーを傾け変えてかざす。
そしてディフェンドウィザードリングの防壁がそのまま変身の魔法陣に変わり、暁人を通過し始める。
そして暁人は魔法陣を潜り抜けて仮面ライダーウィザード(フレイムスタイル)へと変身完了した!
暁人「さあ、君は早く安全な所へ!」
沙織「ええ。」
ウィザードの指示により沙織は急いで避難しようとする。
ウィザードがウィザーソードガンを手にまずはギラドラスに向かって行こうとする。
コオクス「おーっと!そうはいかねえよ!」
するとコオクスは沙織に右手の指先を向ける。
“パシンッ”
“ガララララララララララララ…”
すると、鐘の音と共にコオクスの指先から閃光と共に赤い光が沙織に放たれる。
赤い光を浴びた瞬間、突然それを見た沙織の動きが止まる!
沙織「くっ………!?」
暁人「はっ、いかんっ!」
沙織の危機に気付いたウィザードは沙織を救出しに行こうとする。
“ギャイイィィアアアン”
“ズドーン”
暁人「ぐおあああっ!」
だが、そこにギラドラスの尻尾攻撃がウィザードの間近の地面に直撃し、その衝撃波によりウィザードは吹っ飛ばされてしまう。
ウィザードが吹っ飛ばされた隙にコオクスはなおも妙な光を沙織に浴びせ続ける。
沙織「くっ………体に力が………入らない………………。」
やはり沙織も、マドカたちが浴びた時と同じく脱力感を感じている様であった。
そしてそれと同時に沙織は膝を付き始める。身体の力を徹底的に抜かれてしまったのであろうか?
暁人「沙織………!」
ウィザードはなんとか瓦礫から抜け出し沙織を救出しに向かおうとするが、既に間に合うかどうか怪しい状況になっていた。
コオクス「ふふふ、そろそろ止めを刺すか。 ギラドラス!」
コオクスのトドメの指示により、ギラドラスは火球を放とうと結晶体を発光させる。
絶体絶命!
その時、
“ズドーン ズドーン”
“ドガガーン”
“ギャイイィアアン!?”
突然ギラドラスは別方向からの攻撃を受け被爆し、注意がそれたことにより火球は未発射に終わる。
暁人「んっ!?」
コオクス「何だとっ!?」
ギラドラスは振り向き、二人もその方向を振り向いてみると、そこには2両の戦車が止まっていた!
その戦車はIV号戦車D型と38t戦車B型。あんこうチームとカメさんチームの車両だ!
間一髪のところで到着が間に合ったのである!
暁人「良い所に来てくれるじゃねーか。」
沙織「みぽりん………みんな………………。」
沙織は喜びの表情を浮かべるが、だいぶ元気がなくなっていたのか、声は弱弱しくなっていた。
そして沙織はその場でばたっと倒れ込んでしまった。
暁人「沙織っ!」
コオクス「小娘にトドメを刺すチャンスだ!」
コオクスが沙織に向かって行こうとするその時、
丈司「はっ!」
コオクス「なにっ!?」
そこに丈司が変身したシンケンレッドが飛び込み、横に持つシンケンマルで抑え込む。
丈司「女(おなご)には、指一本触れさせぬ!
はっ!」
“ジャキーン”
コオクス「ぐおあっ!?」
シンケンレッドは横一直線の斬撃でコオクスを吹っ飛ばす。
その間にマドカが横合わる沙織を抱きかかえてあんこうチームの戦車に運んでいく。
マドカ「沙織ちゃん大丈夫?………うわっ!?ひどい熱!」
なんと沙織も高熱でダウンしていたのだ!
みほたちも急いで寄って行く。
みほ「沙織さん大丈夫?」
優花里「すごく辛そうですね…。」
華「しかし園さんと言い、どうしていきなり高熱を?」
マドカ「………それは、あの怪人(コオクス)の光によるものだ。」
みほ「えっ?」
マドカは語り始める。そど子や沙織が突然高熱でダウンしたワケを。
マドカ「奴の指先から放つ赤い光は『脳波攪乱電波』。
その光を見ると、不思議な鐘の音が聞こえると同時に体全体が麻痺し、
やがて体の力が奪われ抜けてしまうんだ。」
マドカの語った恐るべきコオクスの能力にみほたちは驚愕する!
マドカ「彼女たちが高熱を出したのは、その電波によって体の力を抜かれた事によって、その分体の免疫力も下がってしまったからだ。」
優花里「そっか!その状態で怪獣の起こす吹雪を浴びたことで………。」
みほたちは早くも理解する。
そう、そど子と沙織はコオクスの脳波攪乱電波によって、力と共に免疫も大きく下がってしまった状態でギラドラスの起こした吹雪や冷気を浴びたことにより、免疫を失った体がその冷気に耐え切れず一気に高熱を出して体調を崩してしまったという事である。
コオクスはそうする事によって、人間からも熱を奪おうと企んでいたためギラドラスを引き連れて来たのである!
マドカ「今回は怪人と怪獣の連携が上手く取れている………うかつだった………。」
マドカは敵ながらコオクスたちの連携に感心しつつその企みに早く気付けなかったことを悔やむ。
コオクス「その通りだ!そうすれば、人間からも熱を奪えると同時にダウンさせることで抵抗できなく出来る!
正に完璧なワケだ!今回の作戦は。」
コオクスはシンケンレッドと交戦しつつ自身の作戦の完璧さを自慢げに話す。
丈司「何だと!?
おのれ………侵略のために女(おなご)をも苦しめるとは………!」
静かに怒りを感じるシンケンレッドは、なおもシンケンマルを振るいコオクスに立ち向かう。
沙織「マドカさん………………みんな………………ごめんね………。」
沙織は弱弱しくもマドカたちに詫びる。
みほ「沙織さん、どうして………。」
沙織「勝手に………潜入なんか実行した私が………馬鹿だったのよ………………。」
無理に笑顔を作ってまで自身の行動の軽率さを感じて詫びている沙織にみほは困惑する。
その時、
暁人「そんな事ねーよ!」
ウィザードが叫びと共に歩み寄り、それにマドカとみほたちも気付く。
そのウィザードの表情はどこか勇ましくなっており、それはいつもの軽い感じではなく、強く決心をした戦士のようであった。
そしてウィザードは沙織の元に歩み寄ると、しゃがんで語り掛ける。
暁人「お前はよく頑張ったよ………だから自分を責めんな。
すげえよ………自分から考えて行動できるなんてな。」
沙織「!………暁人さん………。」
沙織は自信の行動をウィザード(暁人)に褒められ少し驚くと同時に嬉しそうな顔になる。
沙織「私ね………あの時、嬉しかったの………………初めて暁人さんたちに助けられた…あの時………。」
〈回想〉
暁人「その涙、全て宝石に変えてやるぜ。」
暁人「大丈夫かい?嬢ちゃんたち。」
(どちらも第1話参照)
〈回想終了〉
沙織「私ね………あんな風に、男の人に助けてもらったの、、、案外初めてだったりして………
だから、嬉しくて………………だから今度は私が、、、少しでも暁人さん達の役に立ちたかったの………………。」
沙織の本当の想いを聞いたウィザード(暁人)は、険しい表情からゆっくりと嬉しそうな表情へと変わっていく。
暁人「………ありがとな、沙織。
だがもうこれ以上喋るな。余計しんどいだけだ。
………後は、俺たちに任せてゆっくり休め。」
沙織「暁人…さん………。」
暁人「安心しろ。必ず悪を倒す。………
俺が最後の希望だ。」
ウィザードはそう言いながら、沙織の指にウィザードリングを填めてベルトにかざす。
《スリープ・プリーズ!》
ウィザードが沙織に填めたのはスリープウィザードリングであった。
指輪の魔力により、沙織は眠気を感じ始める。
暁人「いい夢………見ろよ。」
ウィザードは、とある大物芸能人のような台詞を言いながら、そっと閉じかけている沙織の目に右手を添え、まぶたを閉じるようにゆっくりと下にスライドさせる。
それにより沙織は目を閉じ、やがて完全に眠りについた。
沙織を眠らせたウィザードは立ち上がる。
暁人「沙織は任せたよ。」
みほ「はい。沙織さんを毛布にくるんで戦車の中で寝かせましょう。」
沙織をみほたちに任せたウィザードはマドカの方を振り向く。
暁人「行こうぜ、マドカ。」
マドカ「ああ。………あ、その前に訂正する事がある。」
暁人「ん?」
マドカ「“俺が”……じゃなくて、“俺たちが”最後の希望、だろう?」
暁人「ふんっ………そうだったな。」
ギラドラスはなおも口からの火球や、巨体を活かした進撃で暴れ続けている。
マドカ「あいつ(ギラドラス)は、僕に任せて。」
マドカはそう言うとギラドラスの方へ向かって駆けて行く。
そして立ち止まりスパークレンスを取り出す。
マドカ「沙織さんの想いに………僕も応える!
ティガー!!」
“キャイイーン”
(ウルトラマンティガ登場BGM)
マドカはスパークレンスを天に揚げ、先端のティガのプロテクターに似たパーツが左右に展開すると共に溢れ出る光に包まれ、その光の中からウルトラマンティガ(マルチタイプ)が右拳を突き出して飛び出す。
“ズドーン”
遂に登場したティガ(マルチタイプ)は、激しく土砂や土煙を巻き上げながら着地する。
ギラドラスもそれに気づき振り向く。
ティガは構えを取ると、ギラドラス目掛けて駆ける。
ギラドラスも巨体を前進させながら頭突きを繰り出すが、ティガは頭部の結晶体を掴むことでそれを受け止め押さえ込む。
そしてそのまま下顎に右膝蹴りを打ち込み、右の手刀を頭部に叩き込んで後退させる。
ティガは次に受け身を取って前転しながらギラドラスに右足蹴りを叩き込む。
ギラドラスは尻尾を振るってティガの足をすくおうとし、ティガはそれを跳躍してかわし、ギラドラスの背中に跳び付く。
そしてそのままチョップを連打するが、ギラドラスも負けじとティガを振りほどこうと暴れる。
やがてギラドラスは自信に跳び付いているティガに尻尾攻撃を連打する。
尻尾の攻撃を背中に数回受けたティガは一旦離れて距離を取る。
だが、その隙にギラドラスの吐いた火球を胸部に喰らって爆発し吹っ飛ぶ。
ティガはすぐさま立ち上がるが、さっきよりも吹雪の勢いが激しくなり、思い通りに動くのも困難になっていく。
ギラドラスはその隙をついて結晶体に熱エネルギーを集中させ、それにより結晶体は赤く発光する。
そしてその結晶体を活かした走り込んでの頭突きを繰り出し、それを胸部に喰らったティガは爆発と共に吹っ飛び倒れ込む。
ギラドラスは仰向けのティガにマウントを取り、更に頭突きを打ち込む。
ギラドラスの起こした吹雪と未知の攻撃によりたちまち苦戦し始めるティガ。
“ピコン ピコン ピコン…”
吹雪による冷気の影響か、早くもカラータイマーが赤く点滅を始める!
大抵のウルトラ戦士は光や熱のエネルギーで戦うため、その分寒さに弱いという弱点を持っているのである。
丈司「はっ!いかん、このままでは…」
ティガの苦戦に気づいたシンケンレッドは、組み合っていたコオクスの腹部を蹴ることで一旦離れる。
そして、シンケンマルにセットしていた秘伝ディスクを回す。
丈司「ウォーターアロー!」
シンケンレッドはシンケンマルが変化したウォーターアローの矢を大きく引き絞る。
丈司「明鏡止水!」
シンケンレッドは掛け声と共に、ウォーターアローでの必殺技・明鏡止水を放つ!
これは、厚さ50センチのコンクリートをも射抜くことができる水の矢である。
“ズドーン”
水の矢の直撃を胴体に受けたギラドラスは少し怯む。
その隙にティガはギラドラスの胴体を蹴ることでマウントから逃れる。
「チャーッ!」
“ズガーン”
立ち上がったティガは体制を立て直すと、ギラドラスに向かいながら回し蹴りを放ち、頭部の左側面の結晶体を砕く!
その動きは正に、先ほど自己紹介で披露したモノと同じ要領であった。
正に、マドカの超絶身体能力がそのままティガに反映されているのだ!
構えを取るティガ。しかし冷気により相当なエネルギーを消耗しているのか、膝をついてしまっている。
その隙に怒ったギラドラスはティガに火球を放とうとする。
“ズドーン”
そこにあんこうとカメさんチームの戦車が砲撃を当てて注意をそらす。
麻子「こっちだ。」
桃「さあ、当てれるもんなら当ててみろ!」
柚子「(満面の笑顔で)桃ちゃん珍しく当てたね。」
桃「(頬を赤くして)やかましいわっ!」
杏「(干し芋を食べながら)みんながんばれー」
あんこうとカメさんの戦車はなおも砲撃を打ち続けながらギラドラスを誘導し出す。
作戦通り、ギラドラスは火球を放ちながら戦車を追いかけ始めた。
シンケンレッドはシンケンマルの獅子ディスクを回させ、刀身に炎を纏わせる。
丈司「シンケンマル・火炎の舞!」
シンケンレッドは炎の斬撃・火炎の舞をコオクスに袈裟懸け、水平にと浴びせて吹っ飛ばす!
そしてコオクスが地面を転がってる隙に獅子折神のエンブレムを取り出す。
丈司「………試してみるか。
獅子折神!」
シンケンレッドはエンブレムを置いて『大』のモヂカラを書いて発動させる。
丈司「折神大変化!」
エンブレムはシンケンレッドを入れながら巨大化し、獅子折神へと変形する。
獅子折神はティガの元へと飛んで行く。
コオクス「させるかっ!」
コオクスが獅子折神に脳波撹乱電波を浴びせようとしたその時、
“ズキューン”
コオクス「⁉︎くっ…」
突然どこからか飛んで来た弾丸を受けて不発に終わる。
コオクスが弾丸が飛んで来た方を振り向くと、そこには一人の人影が立っていた。
その人間は黒と紫のライダースーツ風のジャケットを見に纏い、顔つきはシャープだがどこか冷たい表情をしている。
そして手には、バイクのハンドルグリップにも似た拳銃型のツールを持っている。
コオクス「何者だ貴様ぁ!」
動揺しつつもコオクスは男に問いかける。
???「……俺が誰なのか知る必要はない……これから倒される者に。」
そう言うと男は何処へと歩き去って行った………。
コオクス「…誰だか知らねーが、俺が倒されるだと⁉︎
そんなのあり得ぬ! やれギラドラス!」
コオクスの指示を受けたギラドラスは獅子折神目掛けて火球を放つ。
シンケンレッドの操縦する獅子折神はそれをことごとく避け、返しに火炎攻撃を仕掛ける。
ギラドラスが火炎を回避した隙に再びティガの元へ飛ぶ。
丈司「マドカ!試してみたい事があるがいいか⁉︎」
マドカ「えっ?…試してみたい事?」
丈司「ああ、もしかしたら、逆転の切り札になれるかもしれない!」
マドカ「……分かった。やってみてくれ!」
丈司「よし。行くぞ。
侍合体!」
シンケンレッドは宙に『合』を書いて『侍合体』のモヂカラを発動させる!
すると、獅子折神は一旦分解し、ティガの身体へと装着されていく!
そしてやがて、獅子折神はティガの上半身の首から下、腹から上を覆うような鎧になり、ちょうどカラータイマー辺りと思われる中心には獅子折神の頭が突き出たようになる。
獅子折神はティガの鎧として装着されたのである!
マドカ「おおっ⁉︎ 丈司、これは一体…」
暁人「アンベリーバボー⁉︎」
丈司「思いつきで一か八かでやってみたが、大成功だ。」
マドカ「…不思議だ……さっきまで寒かったのに、全く感じない!」
鎧となった獅子折神から送られる炎のエネルギーにより、ティガは冷気を防げているのである!
マドカ「これならいけるよ、よく考えたね丈司。」
丈司「まあ、咄嗟だがな。
名付けて『ウルトラマンティガ(侍獅子武装)』!」
今ここに、ウルトラマンティガ(侍獅子武装)が誕生した!
合は本来、折神たちをシンケンオー、ダイテンクウ、サムライハオーなどに合体させるためのモヂカラであるが、シンケンレッドだけである丈司が一人で複数の折神を操るのは不可能である。
そのため、この合体は獅子折神をティガと合体できないかと丈司が咄嗟に考えて、思いついたモノなのだ!
マドカ「よし、行くぜっ!」
ティガは構えを取る。
コオクス「何だ⁉︎それは……ギラドラス、砕いてしまえ!」
ギラドラスは火球を放つが、ティガは避けるどころかそれを胸の鎧で受け止め、そして弾き飛ばしてしまった!
コオクス「なにっ⁉︎」
ギラドラスは続いて突進を繰り出す。
ティガはなんと片手で顔の結晶体を掴むことでそれを受け止め、そのまま両腕で頭部を掴んで背負い投げで地面に叩きつける!
次にティガは右拳に獅子折神から送られる炎を纏わせ、渾身のアッパーカットを放つ!
マドカ「ファイヤーカウンター!」
“ズゴーン”
炎のアッパーを受けたギラドラスは上空高く吹っ飛ぶ。
“キュビーン”
「ん〜はっ!」
ティガは、侍獅子武装のままスピードやテクニックに優れた俊敏形態・スカイタイプにチェンジして空高く飛び立つ!
そしてギラドラスが吹っ飛んだ高さまで飛ぶとそこに静止する。
ティガは両腕を胸の前で交差させた後、瞬時に左右に伸ばしてから上に挙げてエネルギーを集約し、両手を左腰に置いてから、右腕で投げつけるように光弾を素早く放つ!
これは、ティガ(スカイタイプ)の必殺技・ランバルト光弾のポーズなのだが、今回は装着している獅子折神の炎の力も合わさっていることにより、炎の力が加わり色も燃える炎のように赤くなったランバルト光弾・『ランバルト火炎弾』である!
マドカ「ランバルト火炎弾!」
“ドシュシュッ”
“ズガーン”
“ドガガガーン”
炎の光弾で貫かれたギラドラスは大爆発して消し飛んだ。
すると、ギラドラスを撃破した事により同時に気象コントロール能力が切れ、吹雪が止み、黒雲で曇っていた空も晴れ始め雲が消える穴から日差しが差していく。
マドカ「…やった………!春が戻って来る。」
丈司「改めて、日本の夜明けぜよ。」
みほたち戦車女子たちも、街に春が戻って来るのを喜び合う。
優花里「やりましたね皆さん!」
華「ええ、もう厚着する必要はありません。」
麻子「眩しい………。」
杏「おお、これぞ真の夜明けだねー。」
桃「ふん、これも寒さに耐えて頑張っただけはあるな。」
柚子「それ、一番寒がってた桃ちゃんが言う?」
みほは眠っている沙織に囁くように呟く。
みほ「春が戻ってきますよ………沙織さん………。」
晴れ始める黒雲から差し込む温かい日差し浴びるその沙織の寝顔はさっきとは違い、どこか気持ちよさそうになっていた。
コオクス「こうなったら俺自身が手当たり次第破壊するしかないか…。」
ギラドラスが倒された事により、自身が暴れようとコオクスが巨大化しようとしたその時、
暁人「待てっ!」
コオクス「ああん?」
何処からか鋭い叫び声が聞こえ、コオクスは振り向く。
そこには日差しを受け、戻って来る春の風でマントを翻しながら悠然と歩みを進める仮面ライダーウィザードの姿があった。
宝石状のマスクにより正確には見えないが、その表情からはどこか静かな怒りを感じた。
コオクス「何だ貴様ぁ!?」
暁人「…お前はこの場で、俺が倒す。」
コオクスは威圧しようと声を上げるがウィザードはそれを物ともせず打倒宣言をする。
コオクス「貴様がこの俺を倒すだと!?」
暁人「そうだ………よくも女の子たちを苦しめてくれたな。この借りは高くつくぜ?」
《コネクト・プリーズ!》
そう言うとウィザードはコネクトウィザードリングをリードし、魔法陣からウィザーソードガンを取り出す。
そして精神統一をするかのようにゆっくりと構えを取る。
暁人「さあ、ショータイムだ!」
(BGM:Life is SHOW TIME(full))
ウィザードはウィザーソードガンを手に颯爽と駆け始める。
コオクス「ほざけ! はああっ!」
コオクスは両手の指先からロケット弾を連射して迎え撃ち、ウィザードはそれをウィザーソードガンを片手で回して弾き飛ばしたり、得意のエクストリーム・マーシャルアーツの跳躍でそれをかわしていき、やがて跳躍して近くの壁を蹴り、頭部の側面に右横蹴りを打ち込む。
コオクスは接近戦に持ち込み両腕を振るうがウィザードはそれを剣で防ぎ、剣を片手で回して威嚇した後、XMAの要領で跳躍しながら蹴りを胸部に打ち込み、、続けて着地した後後ろ回し蹴りを胸部に叩き込んで吹っ飛ばす。
コオクス「おのれっ!」
コオクスは両手を突き出して脳波攪乱電波を放つ。ウィザードはそれが見えないように後ろ向きに跳躍して宙返りしつつ、ウィザーソードガン(ガンモード)から弾丸を10発放つ!
弾丸は生きているかのように複雑な軌道を描きながら飛び、そしてコオクスの指先全てに命中して爆発!
コオクス「お、俺の攪乱電波がっ!」
指先が全て焦げたことによりコオクスは脳波攪乱電波を封じられた。
暁人「お次はこれだ。」
ウィザードは変身リングを填め変えてベルトにかざす。
次の指輪はサファイアの宝石に似ている。
“スパン スパンッ”
《ウォーター・プリーズ! スイー・スイー・スイー・スイー!》
音声と共に真上に現れた青い魔法陣がウィザードを通過する。そしてウィザードは姿が変わった。
サファイアの宝石を模したマスクが特徴のその形態は、水を操る能力を備えた水のエレメントを宿した形態・ウォータースタイルである!
“スパン スパンッ”
《リキッド・プリーズ!》
ウィザードは装着者の体を液体化させる指輪・リキッドウィザードリングをリードする。
コオクスは殴り掛かるが、コオクスの腕は水しぶきと共に液化したウィザードの体を通り抜けてしまう。
コオクス「何だと!?」
暁人「こういうことも出来るんだぜ?」
するとウィザードは、今度は自信が液体のようになりコオクスの体に纏わり付く。
そして人型に戻ると同時にコブラツイストで締め上げる。
暁人「どうよ?」
ウィザードは再び液体化し、コオクスの目前で元に戻ると同時に真上からの斬撃を決め、コオクスは爆発と共に後退する。
ウィザードは続けてウィザーソードガン(ソードモード)での斬撃を回転しながらの斜め、正面突きと叩き込んで吹っ飛ばす。
その華麗な動きは正に流れる水のようである。
ウィザードは今度はトパーズの宝石に似た変身リングを填める。
“スパン スパンッ”
《ランド・プリーズ! ド・ド・ド・ド・ド・ドン・ドゥン・ド・ド・ドン!》
リード音声と共に真下の地面から現れた黄色の魔法陣がウィザードを通過し、今度はトパーズの宝石を模したマスクが特徴の土や大地のパワーを備える土のエレメントを宿した形態・ランドスタイルへと変わった。
コオクスは再度殴り込むが、ウィザードはそれを右手で易々と受け止め、左手の平を胸部に打ち込む。
力技に特化したランドのパワーによりコオクスは大きく吹っ飛び地面に落下する。
コオクス「まだまだあ~!」
コオクスは負けじと突進を繰り出す。
《ディフェンド・プリーズ!》
ウィザードはディフェンドウィザードリングをリードする。するとウィザードの目前に土の壁のような障壁が現れる。
“バゴッ”
コオクス「何ッ!?何だと!?」
突進の勢い余ったコオクスはその障壁を突き破り刺さってしまった。
暁人「どーん!」
“バゴンッ”
コオクス「!?うおああああ!」
ウィザードは身動きの取れないコオクスを、障壁を破壊すると同時に蹴り上げ、コオクスは上空高く吹っ飛ぶ。
暁人「どんどん行くぜっ!」
“スパン スパンッ”
《ハリケーン・プリーズ! フー・フー・フーフーフフー!》
今度はエメラルドの宝石に似た変身リングをリードし、跳躍すると同時に緑の魔法陣を通過し、エメラルドの宝石を模したマスクが特徴の風や大気を操る風のエレメントを宿した形態・ハリケーンスタイルに変わり飛翔する。
そして上空のコオクスにすれ違い様に斬撃の一撃を決め、続けてコオクスの周りを回転しながら飛行して斬撃のラッシュを決めた後、右足蹴りを叩き込んで地面に叩き付ける。
コオクス「くっ、奴め、あれほどの力を…!」
《フレイム・プリーズ!…》
暁人「はっ!」
ウィザードは着地すると共にフレイムスタイルに戻り、再度コオクスに駆け寄って行く………。
一方で暁人の戦いをあんこうチームの戦車から見守るマドカと丈司、みほたち。
みほ「凄いですね………暁人さん。」
丈司「女(おなご)を想う力は、男にあれほどの力をもたらすというワケだな。」
マドカ「暁人、普段は女好きのチャラ男に見えるけど………
実際は結構誠実な奴なんだ。」
華「え?」
疑問に思うみほたちにマドカはなおも暁人の事を語る。
なんでも暁人が女好きになったのはワケがあるらしい。
〈回想〉
それは転生前の高校時代。
3月のある日、とある受験に失敗した女の子が学校のベンチで一人で泣いている時であった。
その子の足元に一つの紙袋が置かれる。
その紙袋には、『ドーナツ屋 はんぐり~』と書かれていた。
紙袋に気付いた女の子が涙を拭きながら顔を上げて見ると、そこに見えたのはプレーンシュガードーナツにかぶり付きながら見つめる暁人の姿だった。
暁人「これ、美味いぞ。食ってみろよ。」
女の子「…え?」
困惑する女の子に暁人はなおも気さくに語り掛ける。
暁人「いや、その………女の子の泣き顔見てると放っておけなくてさ。その涙を宝石に変え、瞳を輝かせに来たのさ。
そのドーナツは、食べた途端笑顔になれる魔法の指輪。
そして俺は、その指輪の魔法使いさ。………なんてね。」
そう言ってドーナツを指に填めながらおどける暁人を見た女の子は恐る恐る暁人のくれたドーナツを一口食べてみる。すると、泣き顔にふと笑顔が戻る。
女の子「………おいしい。」
暁人「だろ~?
もう泣くな。失敗したっていくらでもやり直しが効くさ。
もう一年頑張ってみろよ。くじけそうになったら、またドーナツやるからさ。」
女の子「(笑顔で涙を拭きながら)………うん。ありがとね。」
暁人「よしその意気だ!やっぱ女の子は笑顔が一番!(サムズアップしながら)だな。」
〈回想終了〉
余談だがその女の子は暁人の励ましを胸に、暁人から差し入れのドーナツをもらいつつ一年間浪人生活を頑張り、見事大学受験に成功したという。
優花里「(感動の涙を流しながら)いい話ですね~!」
華「素敵です。女の子にそこまで親切にできる男の人なんて。」
マドカ「ただそれがきっかけで、高校から大学にかけて多くの女の子からの人気の的になって、それによって暁人は女好きに目覚めてしまったワケだけどね(笑)」
みほ「でも、だからこそ女の子に親身になれるんですよね。」
マドカ「………ああ!」
コオクスと交戦するウィザード。
片手でウィザーソードガンを振り回して斬撃のラッシュを決めた後、XMAの要領で跳びながら再び斬撃を決めて着地し、続けてコオクスの突進を肩を踏み台にしながら飛び越えて着地すると同時に背後を斬りつけ、足蹴りで遠くに吹っ飛ばす。
コオクス「そんなっ!?………この俺が……この俺が!」
ふらつきながらも立ち上がるコオクスは悔しがりの声を上げる。
女の子を二人も苦しめ、更にみほたちまで手に掛けようとした事により怒りに燃えるウィザードの敵ではなかった!
“スパン スパンッ”
《チョーイイネ!キックストライク!サイコー!》
ウィザードはキックストライクウィザードリングをリードして足元に発生した魔法陣から炎のエレメントを右足に纏う。
暁人「この一撃に怒りをこめて………
フィナーレだ!」
ウィザードはロンダートによって威力を倍増して跳躍して空中反転し、必殺の跳び蹴り・ストライクウィザードを放つ!
暁人「はーっ!」
“ズガーン”
コオクス「ッッッ!?ぐおあああァァァ!!」
“ズドガガーン”
怒りを込めた炎の跳び蹴りを喰らったコオクスは、赤い魔法陣を浮かべながら大爆発し砕け散った。
暁人「…ふぃ~。」
コオクスを撃破したウィザードは一息つく。
マドカたちもウィザードの勝利に笑顔で喜び合う。
マドカ「やったな………暁人。」
丈司「んま、今回ばかりは侍魂が光ってたぜ。」
変身を解除した暁人はマドカたちと合流。そして、近くの公園の草原に座り込み戻って来た春の空気を味わっていた。
暁人「ぷは~やっぱ春の空気は美味いぜ!」
マドカ「戦いの後だから格別だね。」
丈司「ああ、正に勝利の夜明けぜよ。」
みほ「みなさん………今回も、ありがとうございました。」
マドカ「うん、で特に今回は暁人のおかげだからね。」
暁人「ばっ!?………(嬉しそうに)お前それ女の子の前で言ったら恥ずかしいじゃねーかよー!」
丈司「恥じることは無い。女(おなご)のために頑張ったのだろう?」
暁人「(赤面になって)ッ!お前らさあ…」
またいつものムードになったマドカたちを見てみほたちは微笑む。
暁人「………まあ、女の子たちが笑顔に戻って良かったぜ。
いまごろ“あいつ”も、笑顔が戻ってるだろうな。」
同じ頃、大洗女子学園で。
そど子「へッ……へくちゅん!?」
ゴモヨ「ああ、大丈夫ですか?」
パゾ美「(ポケットティッシュを差し出しながら)ほら鼻水拭いて。」
そど子「ああ、ありがとう………。」
そど子はふと日差しが増したような窓を見つめる。
そど子「(ふと笑顔で)………やったのね………あの人たち………。」
マドカ「しかし丈司、よくあんな合体思い付いたね。」
丈司「まあ、咄嗟だけどな。でもこれで、折神がティガの武装として装着できることが分かった。」
暁人「いつか俺のドラゴンとも合体させたいな。」
マドカ「ええ…?」
丈司「て事は他の折神も可能って事だな。いつか他も試してみるか。
そしていずれ全折神と合体を…」
マドカ「なんか、そこまで行くとグ〇ッドマンみたいだな…。
でもこれで、僕は新しい力を手に入れた。
これからも、この調子で力を合わせよう。」
暁人「ああ。」
丈司「そうだな。」
そして暁人はふとあんこうチームの戦車を見つめる。
暁人「………やったぜ………沙織。」
なおも戦車の中で寝ている沙織の表情は、どこか気持ちよさそうであった。
そして約5日後、沙織の風邪は完全に治り、沙織は戦車道に本格的に復帰できるようになった。
もちろんそど子の風邪も完治している。
沙織が完治したと分かった日の夜、マドカたち三人とみほたちあんこうチームが沙織の家を訪問する。
みほ「沙織さん、完全復帰おめでとう。」
沙織「ありがとうみぽりん。………でも………約一週間も戦車道が出来なかったから………みぽりん達に迷惑かけちゃったね。」
華「そんな事ないですよ。」
優花里「武部殿が元気になって嬉しい限りです。」
麻子「(どこか嫌そうな顔で)………そど子も元気になったけどな。」
沙織「みんな………。」
すると、マドカたち三人が沙織に歩み寄る。
暁人「はいこれ。」
沙織「………え?」
暁人が差し出した茶色の紙袋を沙織は困惑するような表情で受け取る。
マドカ「沙織ちゃん、完治おめでとう。」
丈司「それは俺たちからの完治祝いだ。 ま最も、買ったのは暁人だけどな。」
暁人「(照れくさそうに)ッお前!それ言うか!?」
丈司「何が悪い?ホントの事を言っただけだぞ?」
暁人「俺だって心の準備ってのがあるんだよ………」
暁人たちがいつものやり取りをしている間に、沙織はそっと紙袋の中を覗いてみる。
中にはプレーンシュガーのドーナツが三つ入っていた。
沙織「………………ありがとう。」
沙織は揉め合う暁人たちの方を向いて、嬉しそうな表情でそっと礼を言った。
その視線は、どこか暁人の方を向いているようであった。
因みに一行は、そど子、ゴモヨ、パゾ美の三人にもドーナツを届けたことを付け加えておこう。
〈エピローグ〉
一方、沙織の完治を祝うマドカたちの様子を、とある家の屋根の上から見つめている一人の男がいた。
その男は黒と紫のライダースーツ風ジャケットを身に付けている。
………そう、5日前の前のコオクスやギラドラスとの戦いの時も現れた男である。
???「………………俺は一体………どこへ向かえばいいのだ………………。」
男は冷たい表情でそう呟くと、例のバイクのハンドルグリップに似た拳銃型のツールを取り出す。
そして、銃口型スイッチに掌を押し当てると、そのまま屋根から跳び降りて何処かへと去って行った………。
《ブレイク・アップ!》
そして、何処からか野太い電子音声が夜の空に静かに響き渡って行った………………。
To Be Continued………
(ED:Enter Enter MISSION!)
〈次回予告〉
(予告ナレーション:操真暁人)
(予告BGM:ウルトラマンⅩ(インストルメンタル) サビ)
ティガが繭の中にーっ!?
宇宙怪獣ゴキグモンの繭糸攻撃に、マドカとみほちゃんが大ピンチに!
行くぜ丈司、沙織たち戦車ガールズ!救出作戦の開始だ!
次回、ヒーローズ&パンツァー、『ビー・アンビシャス』
いかがでしたか?
因みにこの話を書いている時、実は私も風邪気味でした(笑)
ティガの侍獅子武装は、ウルトラマンⅩのモンスアーマーをヒントに思い付いたものです。
いずれ他の折神でもやってみたいと思います(笑)
ギラドラスの天候をコントロールすると同時にそのエネルギーを吸収するという能力や、コオクスの脳波攪乱電波により免疫も下がるという設定は、私個人の新解釈で思い付いたものですのでご了承ください。
今回で暁人と沙織に若干フラグが立ったように見えますが、まだこの先どうなるかは分かりません(笑)
感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。
また、今回隠れていたサブタイトルは、『この一撃に怒りをこめて』(帰ってきたウルトラマン第46話)です。