素直に追いかけて ボールを追いかけて 作:スターダイヤモンド
別作品として、掲載していたエピソードを、挿入しました。
~凛の部屋~
凛「折角、ソフトボールやるんだから、背番号も付けるにゃ~」
花陽「せ、背番号?」
凛「そんなに驚くことかにゃ?」
花陽「う、うん…そこまでしなくても…」
凛「さっき、ことりちゃんも『どうせなら、ユニフォームも作らなきゃね』って言ってたにゃ」
花陽「えぇ?ユニフォーム!?」
凛「『そうそう、なんでもカタチって大事だよね』って、穂乃果ちゃんも」
花陽「ははは…自分ではやらないのに?穂乃果ちゃんらしね…。でも、明後日だよ…試合!間に合うかな?」
凛「ことりちゃんのことだから、大丈夫だと思うにゃ」
花陽「うん、そうだね…(あとでお手伝いに行かなきゃ)」アセアセ
凛「?」
花陽「あ、だけど背番号なら、わざわざ考えなかなくても…ピッチャーは#1、キャッチャーは#2とかで、いいんじゃないのかな?」
凛「にゃ~!!」
花陽(!)ビクッ
凛「それじゃダメにゃ~!高校野球じゃないんだから…」プンプン
花陽「そ、そうだね…」
凛「実は、もう、少し考えてあるんだなにゃ」
花陽「は、早いね…。あ、でも、こういうことは、みんなで相談して決めないと…」
凛「それじゃ、いつまでたっても、決まらないにぁ~。みんな好き放題言うにゃ」
花陽「そ、そう…かな?」
凛「希ちゃんは『ウチのカードによると…』とか言いそうだし、真姫ちゃんも『なんで私がそんな番号なわけ?イミワカンナイ クルクル』って、絶対なるにゃ~。みんな文句しか言わないにゃ」
花陽「そうかもね」アハハハ
凛「だから、こっちで決めて当日に発表するにぁ!誰にも文句は言わせないからね」
花陽「凛ちゃん、総指揮官だもんね。いいんじゃないかな?」
凛「総指揮官…いい響きにゃあ…。それはそれとして、まずは『にこちゃん』の番号なんだけど…」
花陽「あ!にこちゃんは、わかるよ。『#25(ニコ)』でしょ?」
凛「正解にゃ~!さすが、かよちん!」
花陽「いや、それはさすがにわかるよぅ。リストバンドとか、自分の持ち物に『25』って入れてるから…。うん、うん、これは確かに文句言わないね」
凛「じゃあ、真姫ちゃんは何番にゃ?」
花陽「おっと、いきなり?…真姫ちゃん?…真姫…マキ…まき…はて、何番だろう?」
凛「正解は…西木野真姫の『にし…ニシ…』で『#24(ニーシー)』なのにゃ」
花陽「あ、名字があったか!」
凛「偶然にも、にこちゃんと並びの番号だし、これなら文句も言わないにゃ!」
花陽「『並びの番号』…って、ちょっと意味深だねぇ」ムフフ
凛「じゃあ、次は希ちゃん!」
花陽「希ちゃん?…のぞみ…のぞみ…東條…とうじょう…とう…『#10(トウ)』?」
凛「わかってきたねぇ…かよちん、すごい!」
花陽「当たり?やったぁ!」
凛「そうしたら、次はことりちゃん!」
花陽「ことりちゃん…ことりちゃん…南ことり…みなみ…み・な・み…わかった!『#373(ミナミ)』でしょ?」
凛「ブーッ!いくらなんでも、3桁は大きすぎるにゃ」
花陽「そっか!」
凛「ここはちょっとアレンジして…3+7+3=13…ってことで、ことりちゃんは『#13』にゃ!!」
花陽「あんまり、いい番号じゃないね…」
凛「えぇ、カッコいいにゃ~!!『ゴルゴ13』ならぬ『コトリ13』…」
花陽「…無理があるね…」クスッ
凛「あるにゃ…」フフン
花陽「あ、あぁ、それなら…花陽は…は・な・よで8・7・4だから8+7+4=19で『#19』だね!」
凛「そうにゃ~」
花陽「じゃあ、凛ちゃんは?」
凛「凛は…『#0』にゃ」
花陽「『#0』…ゼロ?…」
凛「『ゼロ』じゃなくて『零(れい)』…というか…『りん』」
花陽「ん?『0』と書いて『りん』と読ますの?なんかキラキラネームみたいだね」
凛「『1番、センター、星空凛…背番号#0(りん)』みたいにゃ…」
花陽「だいぶ、無理があるね…」クスッ
凛「すごく、あるにゃ…」ニャハ
花陽「でも、キラキラネームのセンターなら『キラセン』だねぇ!」
凛(キラキラネームではないんだけど)
花陽「あれ?もう打順とか、ポジションとか決まってるの?」
凛「まだにゃ。でも、凛のセンターと、絵里ちゃんのピッチャーは、ほぼ確定かにゃ」
花陽「そうなんだ…花陽は?あんまり、動かなくていいとこがいいな…なんて」
凛「だとしたら、キャッチャーか、ファーストか、サードかにゃ?」
花陽「キャッチャーが一番動かないかな…」ムフッ
凛「にゃ~、かよちん、わかってないにゃ…キャッチャーは大変だよぅ。お尻の筋肉痛、すごいことになるにゃあ」
花陽「…じゃあ、そこは、他の人に任せるということで…。背番号に戻ろうかな…あとは誰が残ってるっけ?」
凛「穂乃果ちゃん」
花陽「うん、穂乃果ちゃんは?」
凛「穂乃果ちゃんは『#5』」
花陽「『#5』?」
凛「『5番、サード、高坂穂乃果…背番号#5(ほ)』みたいな」
花陽「『ほ』?」
凛「そう『ご』じゃなくて『ほ』」
花陽「なるほど!一瞬『聞き間違えかな』的な…。これは、さっきの『りん』より説得力がある」
凛「う~…」シュン…
花陽「あ~、落ち込まないで!『りん』は『りん』で、ステキだよ」
凛「ありがとう。かよちんなら、そう言ってくれると思ったにゃ~」
花陽「あははは…」
凛「あとは、誰だっけ?」
花陽「海未ちゃんと、絵里ちゃん?」
凛「うん、その2人。海未ちゃんは簡単『#4』でいいにゃ」
花陽「『よん』?…なんで?…よん?…よっつ、フォー、クアトロ、フィーア…」
凛「どんどん離れていってるにゃ」
花陽「ん~…いち、にぃ、さん、しぃ…しぃ…しぃ…シー…あ、わかった!海未ちゃんだから『Sea』で『#4(シー)』ね」
凛「正解!最後は絵里ちゃんなんだけど…」
花陽「…なんだけど…」
凛「なにも思い付かないにゃ!!」
花陽「そうなの!?」
凛「『あ・や・せ・え・り』…なにも引っ掛からないにゃ…」
花陽「あやせの『や』で『#8』は?」
凛「それは、説得力に欠けるにゃ」
花陽「それをいったら、凛ちゃんの#0も…」
凛「にゃ~!!」プンプン
花陽「うわぁ、凛ちゃ~ん…ごめんねぇ…」
凛「ウソにゃ!怒ってないにゃ!」
花陽「はい、はい…」クスッ
凛「絵里ちゃん…えりちゃん…エリー…エリーチカ…えりち…」
花陽「ん?えりち?」
凛「えりち?…」
花陽「絵里ちゃんは、ピッチャー?」
凛「その予定だけど…」
花陽「ピッチャー…ってことは、エースだよね?」
凛「…だにゃ…」
花陽「えりち…エース…」
花陽「あ~!!それだ!!」
凛「あ~!!それにゃ~!」
花陽「やっぱり『#8』だったね」
凛「すごいにぁ~!さすが、かよちん」
花陽「『えりち』+『えいす』=『えいち』…『はち』→『えいと』…う~ん、かなり苦しいけど」
凛「もう面倒くさいから、それで決まりにするにぁ~!絵里ちゃんは『#8(エイト)』で決まり」
花陽「凛ちゃん…面倒くさいからは…」
凛「大丈夫!これは凛とかよちんの秘密だから」
花陽「背番号の理由は公開しないんだ…」
凛「さぁ、背番号が決まったら、お腹が空いたにゃ~!ラーメン食べに行くにゃ~!」
花陽「ちょっと待ってぇ~!」
凛「今度見付けたラーメン屋さんは、ご飯お代わり自由にゃ~!」
花陽「ひゃあ、行く!行くぅ!」
花陽(おっと!あとで、ことりちゃんのお手伝いに行かないと…)
カヨチン ハヤク オイテッチャウヨー
~つづく~