上条当麻を取り巻く世界は事件など、何の前ぶれもなく、気づかぬ間に足を踏み入れてることが度々ある。
(……)
始めに言っておくと私、上条当麻は不幸な人間である。
朝、目を覚ますと美少女が布団に忍び込んでいたり、歩いているとうっかり美少女の桃色な世界に飛び込んだり、ラブレターを下駄箱に入れてくれた人と追いかけっこをしたりと…、
これだけ聞くとグラサンを掛けることが定着し過ぎて採用されてしまった友人と、旧巻、新約と続き、魔神の塗り替えた世界でさえも名前が判明しない青い髪のピアスの友人にどつかれてしまうのだが、本来そんなピンク色の世界に放り込まれるようなものではなく、
布団に忍び込んでいた美少女に見つかり
「きゃーーバキゴキブシャー」
歩いていてうっかり美少女のスカートのなかに
「きゃーービリビリドシャーー」
ラブレターの宛人に呼ばれ、屋上に出向いたばかりに
「うほほーい☆」校舎が破壊されたばかりか地球滅亡を掛けたチェイスバトルが始まったりと…
(……)
そして今回もまた、何かの陰謀?に巻き込まれてしまったただの高校生が学園都市を徘徊しているのである。
(…不幸だ)
(ここが学園都市なのは分かる…でも、自分が何故ここにいるのかもわからない)
(そして、今が…)
(……)
(西暦何年なのかもわからない)
人気のない、ゴミが捨ててあるだけの路地でツンツン頭は目を覚ますと、自分の状況が全く理解できず、すぐに自分が何かにまた巻き込まれたのではと思い行動に移した。
歩いているとすぐ見慣れた学園都市の大通りに出れたので自分の住む学生寮の方へと歩きだした。
携帯は充電がなく、持ち歩いてる金銭もなく役に立つものは何もない。家にさえ着けば全て確保出来るのだが、上条当麻は少しだけ、違和感に気付きはじめていた。
(ここはいつもの俺の住む町だけど…少し、いやかなり違う)
例えば建っていたビルがなく新しいビルが建築されていたり、見たことのない建造物や、明らかに見たことのない商品の広告が流れていたりと自分の居た町が少しリニューアルされているような感じがしている。
変わった町を横目で見ながら歩いていたが、段々と小走りになり始めていた。
そう、違和感の正体を薄々感じていたが、徐々に今起きている現状に緊張が走り目を背けたくなり始めていた。
そして、その違和感に確信が着いた。
「…家がない」
本来、自分の住んでいた学生寮はなく新しい建造物が建っていた。そして丁度、学園都市を徘徊している気球に映し出されているモノを、西暦を確認した。
(3年後の世界…)
その後も自分の置かれている状況を確認しようとあたりさわり確認したが余計に考えたくない真実への確信だけが強くなった。
「インデックスは…皆は何処に…」
もしかしたらまた魔神の作り出した世界へ…それとも魔術結界の中に…と思考錯誤している時だった。
「おお、英雄!こんなとこでなにやってんだ?」
「…浜づ…浜面か!?」
「おお、何だその変な奴を見る目は…」
明らかに初めてあった知り合いの顔は変わっており、顔だけではなく背丈なども違っていた。
「ん、あああ…やっぱそうきたか…」
「おいおい大丈夫か…それにお前なんか…」
「いや、いいんですよ分かってますよ、上条さんの背丈が違うとか幼く見えるとかそういうこと言おうとしてるんでしょ、パターンが見えてますから」
「お、おう、そうなんだが何か腹立つな…」
「というか、上条さんの呼び方が大将から、ついには英雄になったんですか」
「いや、普通に上条って呼んでるけど…てか、おい、大丈夫か?」
「…あー、今から変なこと言うけど、良いか?、俺は過去から来たって言ったら信じる?」
「は…お前…過去って…え、じゃあ上条過去から来たのか…通りで」
「え、案外…簡単に信じてくれるんですね」
「いや、だってお前よく見たら全然違ってるし…それにお前今日本に居ないもんだと思ってたからよ」
一つ、自分の見た目は変わっていて、3年後の自分は今、日本に居ないということがわかった。
「あ、もしかしたら…今お前らが行っている時空式結界の詠唱の何だったか、タイムマシンに近い…そんな感じの実験をしてるとかしてないとか言ってたような…」
「あー…多分もう、それが原因だわ…」
そして、自分がどうしてここにいるのかはわからないが、ここに呼び寄せた何かはわかった。
「うん、とりあえず、3年後の自分のせいでかここにいるっぽいし…3年後の俺は日本にはいないんだっけか、足取りわかるか?」
「んー確かお前は今、イギリス清教の…あのステイルとかと一緒に…聖ジョージ大聖堂だったっけ、行っているとか行ってないとか」
「なんだよ、行っているのかわからねーじゃねーか」
「いや、俺も詳しいことは余りわからねーんだよ、お前はいつも気がついたら日本の真逆に居たり、転々と国境渡ってるし…」
「…」
「そうだな、俺なんかじゃあれだし、他当たってみたらいいんじゃねーか?」
「あんまり、未来ってだけあって訪ねにくいんだが…」
「とりあえず、お前が通ってた学校にこいついるから聞いて見ろよ」
「浜面は一緒じゃねーのか?」
「いや、俺はこの後…」
大方顔を見る限り女との付き合いだと言うことはわかった。興味もあるが余り未来のことなのでそれは触れずにし、自分の学校へと向かった。