そこまで触れはしなかったが、あいつ、浜面の背丈は勿論、顔も自分が知っていた浜面とは少し大人びていたりしていたり、御坂も成人へと身も心も発達しているように思えた。そして、これから会う人物もまた…
「ああ…ホントに小っさくなってんだな」
「いや、お前は以上だ!てか誰だお前…」
「なにいってんだおめぇ…」
アンチスキル(警備員)の育成機関にいたレベル5の頂点、一方通行のあの華奢だった身体は見る影もなく、うまく言えないが男性ホルモン…男としての身体の発達が特に目立っている。
「アックアぐらいあんじゃねーのか?」
「あの軍人と一緒にすんじゃねーよ…」
しばらくその変わり果てた姿を凝視していたのだが、お前のせいでこんなになったんだろうがと、しぶしぶ呟いて肩をおろしている。
「そういや打ち止めは元気にしてんのか?」
「あー…まあな、」
一方通行曰く、ラストオーダー(打ち止め)は今、俺と同じ学校に通っているらしい、背丈は低学年くらいなもんだったが3年後にはもう高校生なもんだから上条さんも流石に驚いたってもんですよ。一番驚いたのは、
「まさかお前が転校してきたなんてな…」
俺が何とか出席日数を獲得し、高校2年に進級した時に一緒の学校、一緒のクラスに編入してきたらしい。俺の知っている限りレベル5の2人も在学したのだから小萌先生もさぞ大変だっただろうに…
「それでどうなんだ?御坂からはお前に当たればと言われたが…」
「俺が直接関与するわけじゃねーよ、土御門に当たってくれや、」
「いや、その土御門の連絡先と言いますか、足取りもよくわからなくてですね」
「…俺が知ってんだよ」
こいつが編入してきて土御門や青髪ピアスと関わることがあったのだろうか?なんだか想像できない風景だなと思うんですが、
「最後にテメーと会ったのはお前があっちの、イギリスに飛ぶ前の日のことだ」
「俺はホントにそっから帰って来てないんだな…」
「…お前が世間から姿を隠すっていう理由があったんだがな、お前と終始共にいる魔神と一緒にイギリスに飛んでったんだよ」
「オティヌスと?インデックスは?」
「さあな…」
インデックスは気がついたら居なくなっていたらしく、俺も突然のことのように別れを告げ消えていったらしい。
「そうか、ありがとな、じゃあ土御門のとこに当たってみるよ」
そしてまた、次なる人物との対面に向かうのであった
(俺はテメーが居てくれたからここまで生きてこれたんだぜ、上条…)
カァーカーカー
こんな展開は突然やってくる、そう、上条当麻という人間を取り巻いた世界では…当然のように、俺がこの間まで送っていた日常という幻想で、
「上やん、まさかまさかまさか、そんなちっこい上やんに会えるとは夢にも思わなかったぜー?」
「皆言うんだが、そんなにちっこいか俺?…何て言うかお前はあんまり変わってねえようだけどな土御門」
一方通行から連絡を受け取った俺こと土御門元春は指定したファミレスであの英雄、上条当麻と出会ったのだが、世間からしたらにわか信じがたいことなのかもしれない。上条当麻は3年前の過去から来ているのである。
だが、ここはあの学園都市であり、そしてスパイであり魔術に浸かっていた俺からすればそのような出来事は軽く飲み込める事態でもあったりする。
「そうか、今から丁度3年前だとすると、俺は上里に襲撃された頃だったりするわけか」
「あ、ああ…俺からしたら丁度最近起きた出来事だ」
「へへ、上やん驚くぜよ…あの上里が今じゃあ…ふっふっふ」
「おいおいなんだよ土御門気になるじゃねーか」
「まーそれはこれからのお楽しみにゃー」
この時の上条当麻はまだ知らないはずだ。これから世間がどういう目で自分を見てくるかを、どれだけの陰謀に巻き込まれ、そして自分自身が首謀者にもなることを
(今のアレイスターが見たらきっと上やんを息子のように可愛がるに違いないぜよ)
「それで俺はこうやってお前のとこに来たわけだけど」
「ああ良いぜ、イギリスまでの空の旅、この土御門様が何とか確保してやるぜよ」
「助かるぜ!」
多分、この英雄の頼みだったらイギリスまでの足取りなんて何処にいっても掴めるかも知れないが、この事は上やんには内緒にするぜよ。
「既に連絡はしといた…が、気の早い奴だにゃー、今からすぐ空港に向かいな上やん」
「え、今からか?」
「ああ、英雄様をエスコートしてくれる奴等がお待ちだそうだ」
駅途中まで送り、出会うはずもなかった過去の英雄と別れを告げ、過ぎていく電車をただ眺めていた。
(俺には知るよしもなかったはずの魔神と過ごした世界がお前を変えたのか、さほど変わらなかったのか、俺には到底理解することもないが)
「理解者ってのは羨ましいもんだぜ、オティヌスよ」