土佐弁北上様、略して土佐上様の装備一覧
服装
若草色の作業着
頭にタオル巻き
山用の踏み抜き防止のプレート入りブーツ
ウェストポーチ
煙草(わかば)
ライター
オイル(ライター用)
十徳ナイフ
ライト等
装備
鉈(ハンマーチョッパー)
如雨露銃
煙突缶
髪型は北上様そのままの三編み、その上からタオルを巻いている。顔立ちはしばふ絵に近い。
背はほんの少しだけ高め、目は若干やさぐれた感じ
あぁ、アシよ。北上よ。昨日は湯ぅ沸かいて、白湯飲んで寝たがやけんど、あれな妖精さんらのことながよ。
あいたら、まっこと不思議な奴らやが。昨日は白湯沸かいたまでは良かったがよ、がやけんど、白湯飲もうにも器が無いことに気付いてどうすらぁ思いよったら、三人の内の一人が何気なく湯呑みを差し出してきよったが。
どっから出したか聞いたがやけんど、妖精パゥワーです!とかしか答えてもらえだったが。
妖精パゥワーち、なんぜ?その煙草も妖精パゥワーゆうがで出したがか?アシの分は?無い?これは自分らのしか出せん?なんぜそら。
「そいで、妖精さんよ」
『何です?』
『北上さん』
『どうしたです?』
「何ぞ釣れたかよ?」
今は、小島の岸で魚を釣りゆうがよ。竿はどうしたか?これも妖精パゥワーゆうがで出してきたがよ。
なんで魚釣りゆうか言うたら、早い話腹が減ったき釣りゆうがよ。しかし、釣りゆうがやけんど何も掛かりゃせんが、餌がいかんがやろうか?
『何も』
『釣れません』
『これ無理なん違うかな?』
諦めなや、魚の一匹でも釣らんと飯無いがぞ。流石に二日も何も食わんがはツラいが。
しかし釣れん、仕方無いき竿岩の隙間に差いて、小石詰めて押さえてから妖精さんらがどういたち持ってけ言いよった煙突缶に凭れて煙草を吹かすことにしたがよ。
「早よう何ぞ釣れんかのぅ」
幸いに天気はええし、海も穏やかやが。しかしたいて釣れん、あれやろか?其処らで捕まえた虫じゃいかんかや。
あ~、煙草の煙が喉に沁みるんじゃ~。妖精さんらも竿手離して煙草吹かしゆうし、これで釣れんかったら沢蟹やら川海老やら採って食うか。こんな小島に居るとは思えんが。
「んぁ?妖精さんよ、何ぞ言うたかよ?」
『いえ』
『何も』
『言ってません』
おかしいにゃあ、何か聞こえたけんど気のせいやろか?
煙草の灰を棄てようと、ちっと顔を上げたら沖の方に何か黒いがが見えるが、ありゃ何ぜ?
「妖精さんよぅ、あっこに見える黒いがは何ぜ?」
『どれです?』
『あれです?』
『嘘やん・・・』
『『『深海棲艦だー!!!』』』
「あれがかよ?」
『しかも!』
『戦艦!』
『ル級!』
「戦艦?」
ありゃ人やが、船やないが。ん?ありゃ戦いゆうがか?
何と戦いゆうがぜ。
「ドンパチやりゆうが、此方にゃ気付いちゃあせんみたいやにゃあ」
『どどど!』
『どうするです!』
『北上さん?!』
どうすらぁ言われてもにゃあ、態々鉄火場に突っ込む必要も無いろうし、やるこたぁ一つしか無いろぉ。
「しゃっしゃと竿片して、隠れようや。態々、助太刀する義理も無いき」
『えー』
『良いんですか?』
『それで』
かまんろ、あの戦艦ル級け?あれと戦いゆうがはアシと同じ艦娘ながやろうけんど、アシ自身特に仲間意識らぁ無いし、この世界でそこまでする義理も無しや。
「ほいたら、行こか」
『はーい』
『わかりましたー』
『今日も飯抜き決定!』
それを言いなや、あの川に何か居るろうか?居ると良いがやけんどにゃあ。二日の飯抜きはきつい。
うおぅ!えらい音がしたが、なんじゃあの水柱?
へんしも逃げよ。
音がせんなったき、岸に戻って来たがよ。何ぜえらいことになっちゅうが。
「この黒いのも、深海棲艦ながか?」
『そうです』
『駆逐』
『イ級です』
あれらの破片やらが小島に流れ着いて凄いことになっちゅが、こらぁこの岸で釣りは無理やの。
「こらいかんが、反対の岸へ行こか」
『はーい』
『行くです』
『飯抜きは嫌です』
ほんにそれやが。あっちは何ぞ釣れると良いがじゃけんどのう。
反対の岸に行くに、昨日目ぇ覚まいた砂浜を通りよったがよ。そしたらよ、妙な格好の子供が棒振り回しゆうが。
「なんで、こがぁな所に子供が居るがな?」
『え?』
『あれって?』
『え?』
「あ?あれもかや?」
『違います』
『艦娘です』
『でも小さい』
あれも艦娘ながか、でもよ、イ級やったか?それに追い回されゆうが。
「おぅおぅ、此方来ゆうぞ」
『なんでー!』
『こっちくるのー!』
『戦闘準備ー!』
子供相手にそこまで必死にならいだちかまんろうに、お、艦娘が何ぞ言いゆうが。
「助けて!母さん!」
母さん?誰がよ?おい!何故アシの後ろに隠れゆうがな!
『北上さん』
『お母さん』
『だったんですか?!』
「なわけあるか!」
「母さん、助けて!」
誰が母さんじゃ!ああぁ!イ級がこっち来ゆうが!
あ?口開けて何しゆうがな?
ドカン!
「おい!あいたぁ、口から鉄砲射って来よったぞ!」
『北上さん!』
『反撃!』
『反撃するです!』
「母さん!」
おおの!なんながな、うおぅ!また、射って来よった。
反撃ちどうするがな?!
「母さん、これ!」
「あ?この如雨露、鉄砲やったがか!」
艦娘がアシの腰に提げちゅう如雨露を指差しゆうきよう見たら、持ち手に引き金があらぁ。おらぁ!食らえや!
「おい、当たらんぞ!」
『北上さん!』
『射撃』
『下手くそですね!』
「母さん、イ級が来てる!」
「ああもう!こんな能の悪い如雨露要らんわ!」
如雨露銃をほり捨てて、使いなれた鉈に持ち変えてイ級の頭をかち割りにかかるけんど・・・
「おら!」
「イガッ!」
かった!何ぞこいつの殻。刃が入らんが!
「イギギギ」
「お?何ぜ、笑いゆうがか?おぉ?あんま舐めなよ、黒ぼっこがぁ!」
見た感じやと、こいた口からしか鉄砲射てんようじゃ。そしたら、やるこたぁ一つやが。
「イギッ?イイイギギ!」
「おうおう!あんましほたえな!いんま、かち割っちゃるき!」
口開けて鉄砲射とうとしたイ級の隙突いて、馬乗りになっちゃったわ。気分は西部劇のカウボーイよ。
こいた、体に引っ掛かりがようけあるき乗りよいが。暴れだったら話やけんどのう!
「ギギギギイーイギ!」
「ほたえな言うろうが!」
殻に鉈の刃が入らんがやったら、こっちの金槌はどうながな!おら、そのレンズみたいな目にシュート!
やっぱり、殻は硬いけんど目ぇはやりこいのう!
「ギッギギイイイィィッ!」
「おうおあ!ほたえんなや!」
鉈の峰に付いちゅう金槌で目ぇ割っちゃったはええけんど、今度はわやくちゃに暴れだしたが。
こんのべこのかぁ!大人しゅうにせぇや!
「ええ加減に、往生せいや!」
「イギッ!」
鉈を逆手持ちに変えてかち割っちゃった目ぇに突き込んで頭の中を掻き回しちゃると、痙攣して動かんなったがよ。ようやっと死によったか、あーしんど。
「うおーい、終わったぞ!」
『終わったです』
『うわぁ・・・』
『エグい・・・』
「母さん、凄い!」
「そら良かった。んで、おんしは誰ぜ?」
さっきはよう見やんかったけんど、アシ、北上の娘らぁ思えんが。
まず、髪の色が違うし顔も似ちょらん。大体、アシの見た目でこんな大けな娘が居るとも思えんがよ。
「私、大和!初めまして、母さん!」
おん?大和?
よく分かる?逆脚屋の土佐弁注釈
~にゃあ:~だな ~だろうな等の意
へんしも:急いで
ほんに:本当に
能が悪い:能の悪いとも言う。意味は使いづらい、使い勝手が悪い等、物に対して使う。県外で使っちゃいけない土佐弁No.1の言葉
ほたえる:暴れる
べこのかぁ:ばか野郎
今回はこんぐらいかな?他に分かりづらい言葉がありましたら、お手数ですが感想又は活動報告までお願い致します。