暇なときにご覧いただければ幸いです。
はぁ、昼休みはめんどかったな。おかげで昼休みは休憩できなかったし……まあ、授業でも一緒の事をするんだがな。
それよりも問題なのは放課後だよな。もしかしたら悪魔たちが接触してくるかもしれないし、早々に帰りたいところだ。
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授業も終わり、今は放課後だ。
「八幡」
「あ、何だ与一?」
「遊びに行こうぜ」
……どうしようか。何も無いときなら喜んで行くものだが、状況が状況だしな。
「すまね……」
「与一!何処に行こうとしているんだ!」
俺は断ろうとするが源に遮られた。
「そんなの俺の勝手だろ」
「与一にも決闘が来てるんだから!さぁ行くぞ!」
与一が源に手を引かれて行った。あ、メアド聞くの忘れてた。明日聞こ。
「全く、義経は頑張るね」
「武蔵坊は行かなくて良いのか?」
後ろから声をかけてきた武蔵坊に訪ねる。
「義経には悪いけど、だるそうだから」
こいつは本当に部下なのか。
「……俺に何か用があるのか?」
「一緒にだらけようと思って。八幡の事も知りたいし」
どの選択肢でこの状況になったんだ。
「武蔵坊。移動するぞ」
武蔵坊と一緒に居ても居なくても、この教室からは離れよう。なんたって雪ノ下姉に
「私も付いていって良い?」
再会通告されて、俺の後ろに存在してるんだから。何で俺はこう何回も後ろを取られるんだろう?これ迄一切、殺し合いでは背を取られたことは無いんだが。
「お断りさせて頂きます。それでは」
武蔵坊の手を取り教室を出ようとする。
流石に人前に出れば迂闊に手を出そうとはしないだろう。しかしその考えは霧散された。突如人払い結界と俺を封じる強力な結界が張られた。
「お姉さんの頼みを聞いてくれても良いんじゃない?」
この人が2つの結界を張ったのか。どうやら最上級悪魔だろうな……そういえば昼休みの時、俺が結界を張ったのに何も動じなかったな。それだけ自信が在るってことか?
武蔵坊も周囲の空気が変わったことに身構えていた。
「嫌です。それで、一人で来たってことは話す気が有るって事ですか?」
「そう、君の事を私にだけ教えてくれない?それに悪魔とか云々の前に人格として君に興味があるの、その魚の腐ったような目とか」
……本当に正体だけのようだな。つうか本人を目の前に気にしてること言いますかこの悪魔。
「嫌なら直ぐにこの結界を抜け出してもらって構わないよ」
確かに結界術で俺に勝てるものは居ないだろう。
「貴女に話して他の悪魔には伝えるんですか?」
「それは無いよ。聞いても私は害が有るか無いかを伝える位」
「……はぁ、解りました。余り俺の周りを煩くしないのが条件ですよ」
「解ったよ♪」
「……八幡は人間じゃないの?」
ずっと黙ってた武蔵坊が真剣な顔で聞いてきた。
「ああ、俺は転生天使だ」
本日2度目になります、3対6枚の翼と頭上に光るわっかを出す。
雪ノ下姉は一瞬目を見開くが吹き出した。
「ははははっ!!」
「何が可笑しい雪ノ下姉」
俺は目を半眼にし、おかしな人を見るような目をした。
「いや、ごめんね。私はてっきりはぐれかと思って」
「失敬な。はぐれに成った所で死ぬリスクが高くなるだけだ。リスク・リターンはしっかり考える」
雪ノ下姉が笑いを止める迄待った。
「ごめんね。じゃあ正体も解ったことだし私は戻るね」
やっと面倒な人から……面倒な悪魔から解放される。俺が密かに安堵の息を吐こうとするが
「あ、それと」
教室から出ようとするが扉の前で俺の方に振り返り
「私のことは雪ノ下姉じゃなくて陽乃って呼んで?」
……何言ってんだ、こいつは。
「拒否します」
「なら仕方無いね。黙ってるって約束は守れそうに無いな~」
こいつ……それを出されたら……はぁ。
「解りました。でも陽乃さんで勘弁してください」
「まあ、今は良いか……」
今って何だよ。
「今度こそじゃあね♪」
結界は解かれ元通りの夕暮れに直った。
「武蔵坊、どうす……る?」
武蔵坊の方を向くが、何故か膨れっ面に成っていた。
「どうした?」
「私のことは名字で呼ぶのに、あの先輩は名前で呼ぶんだ」
「や、それは脅されて……」
「なら私のことも名前で呼ばないとバラしちゃうかも」
何でこいつまでそのネタを使う。
「分かったよ、弁慶。これで良いんだろう?」
弁慶は満足そうに笑みを浮かべ頷いた。……俺の周りにはこんな奴等しか居ねぇのか?つか悪魔とか知ってたわけね……
「で、どうする?もうあれから随分時間が経ったが」
「そろそろ義経の方は終わってると思うから、そっちに行くよ」
「俺は別の用が有るからな、じゃあな」
まぁ嘘だが。
「うん、またね」
弁慶が教室から出て、帰ろうとするがよく思えば帰る支度をしていないことに気付いた。
「はぁ」
鞄の中に入れ忘れが無いかを確認する。殆どが鞄の中から出してないから大丈夫だと思うが……
「ん?……」
鞄の中に見覚えのない2つに折り畳まれた紙が有った。
「悪戯か?」
折られた紙を開くとそれは可愛らしい柄の入った便箋だった。そして目立つように真ん中には
『○時に屋上で待ってます』
と書かれていた。
丁度今がその時間だ。
「これ……行かなきゃいけないの?」
俺が思った事は一番がこれだった。誰とか、何だろうではない。
「はぁ、いつまでも待たせる訳にはいかないよな……」
俺は今日1日で重くさせられた足を引きずりながら屋上に向かった。
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屋上の扉を開けるとそこには納豆小町こと松永燕がいた。
「うわ、朝見たときより目が更に腐敗してる」
「今日だけで色々と有ったんだよ」
「そうなんだ。それより……久し振りだね、天使様」
「だからその呼び方は止めろって言ってただろ」
「ごめんごめん、八幡くん」
この会話で解ると思うが、俺は小さい頃燕を助けた。端的に言えば、母親が離れた一端というか全部を負っている父親に嫌気が差して家出紛いの事をしたらはぐれ悪魔に出くわし、そこを俺が助けたと言うわけだ。
「挨拶をするために呼び出したのか?」
「本当は昼休みにしようと思ってたけど、八幡くんが居なかったからこうして呼び出したんだよ」
少し拗ねたような顔をして俺が悪いように抗議してきた。
「なら明日でも良かったんじゃねぇの?」
「……八幡くんに今日会いたかったから……」
「今日も明日も変わらんだろ」
「気持ちの問題だよ!」
まぁボケただけだけど。
「悪かった。それで挨拶は済んだし帰る?」
「待って、メアド交換しよ♪」
別に問題ねぇか……俺は携帯を取り出し燕の方に投げた。
「ほれ」
「ほいと」
燕はやることがわかっていたかのように反応し、上手くキャッチした。
「……八幡くん、何気に連絡先多いね」
「言っとくが、半ば強制だぞ」
アサゼルとか、アザゼルとか、あれ?強制したのアザゼルしか居ねぇ。
燕は素早く打ち込み
「はい!完了!」
俺に返してくれた。
「どうする送ろうか?」
「いや、良いよ。またね」
「そうか。じゃあな、また明日」
俺は転移魔法を使った。
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俺は新居である2LDKマンションのベッドの横に転移した。
「今日は色々有りすぎたろ…」
倒れこむようにベッドに横たわった。
「俺、やっていけるか…過労死しそうだが」
馴れない環境で色々とあり、睡魔が襲ってきた。だがそれを許してはくれないように電話が掛かってきた。
「誰だ…よ!!」
着信先を見るとガブリエル様だった。それが分かり直ぐに体勢を正座にし電話を取った。
「もしもし!」
『…八幡、大丈夫ですか?』
元気よく心配させないように返事したつもりだったんだけどな。
「はい。心配なさらずとも大丈夫です」
『本当ですか?私もそちらに向かいたかったのですが…』
「駄目ですよ。辛抱してください」
『分かっていますよ。しかし八幡に何か有れば直ぐに向かいますからね』
「大丈夫ですよ。俺に大怪我をさせるものはそうそう居ませんし」
『擦り傷だろうが八幡を傷つければ向かいます。私が同行しないのはそれで我慢したからですよ』
少しガブリエル様は過保護な所が有るからな。俺は境遇的に嬉しいがな。
『それに、私の大切なジャックですから』
悪魔なら
「はい。たまにガブリエル様に甘えるぐらいで十分頑張れます」
『たまに、じゃなくて良いのよ?』
「いえ、中毒になってしまいます」
『私は良いのに……』
このままでは流されてしまう……
「じゃあ電話を切りますね」
『あ、ええ。お休みなさい八幡』
「お休みなさいガブリエル様」
電話を切った後も余韻を味わうように携帯はついたまんまだ。
「今日の疲れが吹き飛ぶようだ」
流石に寝間着には着替え、ベッドに倒れこみそのまま意識を遠退かせた。
やっと1日が終りました。
ゼノヴィアとイリナはもう少しで出てきます。