暇なときにご覧いただければ幸いです。
葉山隼人が何故、あの技を知っていたのかを考えていた。そもそも悪魔が知り得るはずがない。知っていたとしても太古の悪魔ぐらいだ。若手悪魔が教えてもらうのも可能性が低い。
「……あいつは何だよ」
家のソファーで寝そべり、何時でも陽乃から連絡が来ても良いようにしている。
「ゼノヴィアとイリナが無事だと良いんだが……」
いざとなれば堕天使を全滅させないといけなくなる。
「まぁ、あの二人のためならやってみせるが」
ゴロゴロして時間を潰しながらこれからの学園生活を考えていると電話がかかってきた。
「……っ!!」
突然のことでソファーからずり落ちそうになったが、何とか踏ん張った。
「もしもし」
『もしもし、八幡?』
「ああ、そうだが……弁慶か?」
『そうだよ』
俺は慌てていて着信先を見ていなかったがどうやら弁慶のようだ。
「どうした?」
『今度の休日、買い物に付き合ってほしいんだけど』
「あ~、まぁ、予定が入らなかったら良いが……」
『なら改めて連絡するね』
「ああ、すまんな」
『ううん、こっちこそ夜にすまないね』
「じゃあな」
『じゃあね』
そして電話を切り、また同じ体勢をした。
「はぁ、陽乃かと思った」
しかし弁慶が買い物のお誘いか……今までで見てきたが考えられなかったな。
弁慶の事を思いながら、だんだん睡魔が襲ってきた瞬間に電話が掛かってきた。
今度こそ、眠気と体勢のおかげで転げ落ちた。
「…っ!……痛っ……」
鼻から落ちたため猛烈な痛みが生じた。
「もしもし……」
痛みに堪えながらも何とか電話に出た。
『八幡!?コカビエルが戦っている場所が分かったよ!』
「まじか!!」
俺は場所が分かったと共に戦っていると知り、少し焦り始めた。
「場所は?」
『リアス・グレモリーが管理する駒王町。直ぐ学校に来て。私が転移させるから』
「助かる」
電話を切り、すぐさま川神学園に転移した。
ーーーーーーーーーー
グラウンドに転移するとすぐそこに陽乃がいた。
「陽乃!!」
「此方に来て!!戦闘が始まって、もう時間が少し経っている!!」
「おう!」
俺は陽乃の元に一瞬で向かい手を繋いだ。
「転移するよ!」
「頼む!」
俺と陽乃はその場から移動した。
ーーーーーーーーーー
転移した先はオカルト関係の物が沢山ある部屋だった。
「ここは…!!」
陽乃に場所を聞こうとしたが、それは強制的に止めさせられた。
俺は常に気配を敏感に感じとることができる。これは俺が無意識にしていることだ。
それにより意識が危ないゼノヴィアとコカビエルの気配を感じた。これだけ近くに転移されては嫌でも感じ取ってしまう。
そして俺は陽乃を放っておいてコカビエルの方に剃を連発しつつ向かった。
ーーーーーーーーーー
校庭に出て、気絶しているゼノヴィアの前に立ち、一番デカイ実力を持つ者を睨み上げる。
「お前がコカビエルか……?」
「そうだ、お前は何者だ?」
「俺は……お前を倒す者だ」
「ふっ、その程度の実力で俺に勝とうとは……」
コイツは……本当は弱いのか?陽乃ですら俺の力量を量れていたのに。
「そんなに悠長に話していると……」
俺は瞬発的に30回以上地を蹴り、剃を使い空に浮くコカビエルの胴体の前に来た。
「舌を噛むぞ」
そして顎にアッパーをキレイにいれた。
「ぐっ!!?」
コカビエルは俺の速さに付いてこれてなく、何をされたか分からない表情をしていた。
「貴様……何をした?」
「俺は今キレてんだよ。コカビエル、お前がゼノヴィアに何かをした。それを俺は永遠に許すつもりはない」
そう断言し、更に速い攻撃を仕掛ける。
ー瞬歩は一回に力を込めて移動する技。剃は何回も地を蹴り瞬発的に移動する技ー
ならば瞬歩の要領で剃をすればどうなるのだろうと考えた。
答えはこうだ。
「
この技は蹴る回数を10回にして移動する。20回や十刻みで回数を増やしていけば、技も進化するがこいつにはこれで十分だ。
コカビエルの回りを高速で移動しつつ、硬化した右腕で殴っていく。
突然加速した俺にコカビエルは付いていけず防御する構えすら取らない。
「どうだ、1つの誤った選択をしたおかげで惨めになった気分は」
「……っ…」
最早、立っていることがやっとの状態になっていた。それもそのはず、体の骨や内蔵をほぼ破壊しているからだ。それでも立っていられるのは強者の意地と言うやつか。
「もう終わりにするか……」
ー極限無想・仙人モードー
俺は硬化している右腕に六式・鉄塊を付け加える。
「猿武・音の一閃」
コカビエルの心臓に向けて音歩の速度で移動し技のごとく真っ直ぐに突っ込んでいき、奴の胸を貫いた。
奴は物凄く吐血しそのまま息絶えていった。
「こんなものか……堕天使ごときが天使に楯突くんじゃねぇよ」
奴の死体を見下ろしながら文句を言う。
「はぁ、あれもどうにかしないといけないよな……」
俺は今にも起動しそうな術式を見る。
ダルい足取りであれの元に向かい、
「一閃」
再び右腕を硬化し鉄塊を付け下に向けて攻撃する。さっきの技の威力には劣るがこれを壊すには十分なほどだ。
そして術式が光の粒子となり消えていった。
「ふぅ、今日は緊張で疲れた……それより、早くコカビエルを持って帰ってくれないかねぇ。白龍皇」
「ふふ、やはり気付いていたか」
何かに包まれた声を放つ者が、ここらに張っている結界を破り視界に入る距離で止まった。
「さっさと持って帰れ。どうせアザゼルに頼まれたんだろ……」
「ご名答だ。しかし君とも戦ってみたいが、今は止めておこう」
コイツ、戦闘狂かよ……。面倒な奴に目を付けられたもんだな。
白龍皇はコカビエルと白髪の男を担いで飛び立とうとしていたが、どうやら二天龍同士で話をしているらしいな。
俺はその光景にそれほど興味は持てず、ゼノヴィアの所に行こうとした。だが
「お久し振りですわね、八幡」
「出会いの季節は春じゃねぇのか?今は、ほぼ夏だぞ……」
ポニーテールの大和撫子が俺に話し掛けてきた。
「誤魔化さないでください」
「……すまない、朱乃」
「良いですわよ♪」
満面の笑みで答えてくれたこの女の子は知り合いだ。
「……朱乃、彼と知り合い?」
呆然とする一同の中でいち早く我に返った赤髪の女が朱乃に疑問を投げ掛ける。
「彼とは……」
「今こうして再会したから腐れ縁だ」
朱乃の言葉を遮り俺が答える。朱乃はその答えが気にくわなかったのか、俺の元に寄り耳を引っ張る。
「痛いぞ、朱乃」
「うふふ、そんな解答で私が納得するとでも思ったのかしら?」
笑顔で怖い顔をしてくる朱乃に怖じ気づいてしまった。
「滅相もございません」
「分かったのなら良いですわ♪リアス、彼が前に言っていた私の想い人ですわ」
この場にいた悪魔全員が
『ええーーーーっ!!』
俺だとそんなに驚くのか……おい、そこの
このままじゃ埒があかないと思い、用件だけ朱乃に伝える。
「朱乃、そこの青髪の聖剣使いは神の不在で気絶したんだろう?」
「ええ、そうですわよ。八幡は知っていましたの?」
「まぁな……それよりどうせ、ゼノヴィアは自棄になって悪魔にでも成るかもしれんからな……その時は頼む」
「分かっていますわ。……八幡」
「何だ?」
「連絡先を交換しない?」
「別に良いぞ」
携帯を朱乃に渡して入力してもらう。
「はい、出来ました♪」
「サンキュー」
朱乃から携帯を返してもらい、帰ろうとする。
「待ってくれないかしら?」
リアスと呼ばれる女が俺を引き留める。
「何だよ、俺は早く家に帰りたいんだが」
「貴方は何者かしら?」
「そうだぞ、お前のせいで……」
赤龍帝が何かを言っているが無視してもいいことだろう。
「何者だろうが、助けたんだからどうでも良いだろう。それに朱乃から聞いてくれ」
「そうだよ、リアス」
陽乃が暗闇から出てきた。コイツ、高みの見物をしていたな……
「陽乃!?」
どうやら二人とも知り合いのようだ。
「深夜だよ?彼は悪魔じゃないんだから仕方ないよ」
陽乃がそれらしい事を言ってくれた。まぁ俺クラスに成るとそんなのは関係ないがな。
「分かったわ……」
リアスとやらは渋々納得してくれたような顔をした。
「別にもうすぐ会えると思うがな」
俺は何気なく言うが他の人は意図が分からず聞こうとしたが
「じゃあ帰るね!!」
陽乃が転移して難を逃れた。
ーーーーーーーーーー
「今日はありがとうな」
「ううん、構わないよ♪」
学校に転移し各々解散しようとする。
「じゃあな、また明日」
「うん、明日ね」
お互い転移しようとするが俺は1つ言い忘れた事に気付いた。
「陽乃」
俺が呼んだときには転移が行われている途中だった。陽乃は俺の方に振り返る。
「俺が解決してやるから安心して寝ろ」
最後まで言ったときには既に転移が終えていたが、転移している途中、どこか笑っているような気がした。
次回は日常です。