ヘロヘロさん、元気になる   作:ヘットズピカル

1 / 5
健康診断の結果も納期も気にしなくていい世界に帰ってきたヘロヘロさんと一人じゃなくなって却ってブレーキを失ったモモンガ様が異世界で現実世界より充実して爆走していくお話です。
きっとヘロヘロさんは凄い強いんだ!という思い込みから始まり、原作中で最も報われて無い感のある有能ソリュシャンちゃんに世界が優しくなる感じです。

※ソリュシャンに優しい世界←なので残酷な描写も含む予定です。その話の前書きに記述する予定ですがご注意とご了承願います。


始まりの一幕

「本当に有難うございました。俺達のギルド、アインズ・ウール・ゴウンの最期を一人で飾る事無く迎えられて嬉しいです。―――俺、報われましたよ。」

 

 

見上げるような高さの天井には豪奢なシャンデリアが煌びやかな光を放ち、白を基調とした中に美しい金細工を施した壁に囲まれた静謐な神殿の如き広く高い部屋。

 

壁の左右には模様の異なる巨大な旗が天井から床まで計41枚―――部屋を訪ねる者にその威容を見せつける様に連なりながら並んでいる。

 

声を発した主はその最奥―――豪奢な細工がふんだんに施された十数段の階段の先にある天を衝くかの如く据えられた水晶の玉座に鎮座していた。

アンデッドの最上位種、死の支配者(オーバーロード)でありギルド『アインズ・ウール・ゴウン』のギルドマスターであるモモンガ―――鈴木悟は横で別の玉座に座りながら頭をフラフラとさせている黒のぶよぶよ―――古き漆黒の粘体(エルダー・ブラック・ウーズ)に優しくそう語りかけた。

 

 

 

 

 

 

 

DMMO-RPG『ユグドラシル』

一時代を築いた体験型ゲームであり、その多種多様な種族や職業と自由な世界観に魅せられたプレイヤー達により長きに渡って愛されたそのゲームにおいて、最盛期には少人数ながら最上位ギルドにも数えられていた異業種のみで構成されたギルド『アインズ・ウール・ゴウン』

 

ナザリック地下大墳墓を拠点に数多のプレイヤーを阿鼻叫喚の渦に落とし込み辛酸を嘗めさせた憎きDQNギルド―――でありながら悪党として変な所で正々堂々としており、更にユグドラシル全土においてもごく一部であるワールドチャンピオンをはじめとした高スペックプレイヤーが数多所属している主要メンバーの攻略Wikiも存在するギルド

 

憎しみを一身に引き受けながらも最後まで落城する事なく悪を貫き通し、匿名掲示板において各メンバーが数多のヘイトと一定数のリスペクトを浴び続けたそんなギルドも今は昔

かつてのメンバーはやむを得ない事情などで一人、また一人と去っていき残ったのはギルドマスターでありアンデッドの最上位種である死の支配者(オーバーロード)にその身を映したプレイヤー、モモンガのみとなった。

 

 

そのモモンガも日々をナザリック地下大墳墓の莫大な維持費を稼ぐ為だけにログインしている有様だったそんな中、届いたサービス終了の公式発表―――

 

 

来る時が来たか、と思うと同時に最期の時を皆で迎えたい―――そう考えかつての仲間達にメッセージを送り今日の日に備えた。

が、やはり社会人として日々を過ごし、いまやリアルの生活の比重が圧倒的となってしまったメンバーの集まりは芳しくなかった。そして来てくれた仲間達も話もそこそこにログアウトしてしまった。

 

仕方ない。大半の人達が少ない時間をやりくりして来てくれたじゃないか―――

忙しい中来てくれたんだから最後まで共にいてほしいと思うのは俺のわがままじゃないか。

分かっていたつもりだったがやりきれなかった。

 

 

そう、頭ではわかっていても心は付いてきてくれなかった。

 

 

何故・・・何故なんだ!

数々の冒険を共に過ごし、何度も相談と喧嘩をしながら少しずつナザリックを作り上げていったじゃないか!皆で苦楽を共に過ごしたあの時間への愛着はなくなってしまったのか!!

 

そう思う自分を止められなかった。

そう思ってやるせなくなって行き場をなくした怒りを机に叩きつけたそんな時だ。

 

叩きつけた拳からでるダメージ0の表記と共に

 

 

「ハイッ!!ただ今っ!進行中の案件の報告につきましてはそのっ・・・!!」

骨の髄まで労働精神を植え付けられた黒いぶよぶよがエビ反りの状態でログインしてきた。

 

 

「っヘロヘロさんっ・・・!?ヘロヘロさんじゃないですかお久しぶりで――――」

 

「ハハハッ、会議後の課長に近づくなんて死にたいのか?いいか、女性社員の後ろに身を潜ませながらな――――」

 

「ヘロヘロさん?戻ってきてください!?ヘロヘロさんっ!!」

 

「はっはっはっ俺を揺すっても致命的なエラーの該当箇所は出てこないぞっはっはっはっ。さ、なくなる前にコンビニで焼き肉弁当と羊羹買ってきてくれ。いいか?夜と深夜と明け方の分だぞ?勿論経費では落ちないんだぞっ☆」

 

「ヘロヘロさーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやー、本当におひさーですモモンガさん。お恥ずかしい所を見せてしまいました。」

 

「いえいえ、本当にお疲れなんですねヘロヘロさん。まさか机を叩いた音であんなスイッチが入るなんて・・・凄まじい労働環境なのがよく伝わりましたよ・・・。」

 

ヘロヘロさん―――スライム種において最強ランクである古き漆黒の粘体(エルダー・ブラック・ウーズ)でありアインズ・ウール・ゴウンにおいてはその対人に特化した能力の高さと相手の大切に大切に育て上げた武器を劣化させる事に執念を燃やした立ち回りから蛇蝎の如く嫌われ、魔法詠唱者(マジックキャスター)の高位魔法に晒され続けるのが日常と化していた非常にアインズ・ウール・ゴウン的な立ち位置のプレイヤーだった。

 

死んでいなくなる寸前の場所に超位魔法や回数制限スキルを空撃ちでぶち込まれていた事からもその嫌われっぷりは伝わるだろう。

 

一度全身神話級(ゴッズ)アイテムに身を包んだ対人でそのアイテム全てをアイテムにまで劣化させた時など怒り狂う相手に全体チャットでリアルの住所を聞かれていた。

 

 

ギルドにおいては本業のプログラマーの腕を活かしてNPCの行動AIプログラムを組みあげてくれた一人であり、彼のおかげでナザリックのNPCは細やかな動きの表現を可能としていた。

又、デザインにおいては一般メイド複数の生みの親でもある。

 

 

だがそんなプログラマーとしての確かな腕が仇となり転職先で馬車馬の如くこき使われ、なまじ高い技術力のせいで毎度極限までポテンシャルを発揮し続けた結果、リアルの負荷の為に泣く泣く引退をしたプレイヤーだ。

引退した後も籍だけは残してくれていたが最後のログインから二年ぶりのその姿に懐かしさもひとしおである

そこから始まった互いの仕事の愚痴は怒涛の如き勢いで飛び出すヘロヘロさんがメインとなり、真っ黒だったヘロヘロさんの濁流が清流になるまで続いた。

 

 

 

「すいません、なんか俺の愚痴ばっか言っちゃって。互いに大変なはずなのに。」

 

「いえいえ、愚痴が言い合える仲ってのも中々貴重ですもんね。こういう所でしか吐き出せないものですし遠慮しないで下さい。」

 

「でもメッセージを受け取った時はビックリしちゃいましたよ。まさかまだこの場所が残っているなんて正直驚いてしまいましたから・・・。」

 

 

「―――っ。そうですね、驚かれるのも無理はないと思います―――。」

 

 

それはあんまりな言いぐさなんじゃないか。そう思い一瞬言いよどんでしまったが次の言葉でその思いは掻き消える

 

「ありがとうございます、モモンガさん。俺たちがいつ帰ってきても言いように維持し続けてくれていたんですね。大変な作業だったでしょうに・・・」

 

「・・・っ、それもギルド長としての仕事ですから!苦なんかじゃありませんよ。」

 

「そんなモモンガさんだからギルド長に選ばれたんでしょうね。喧嘩しかしてなかったたっちみーさんとウルベルトさんはおろかあのるし☆ふぁーさんまで誰一人異論を唱えませんでしたもんねー。アレ位じゃないですか、満場一致で議題が通ったのって?」

 

「そうでしたかね?確かに全員が一致した議題はほとんどなかったような―――」

 

「まぁ毎回ベクトル真逆のあの二人が率先して意見だしてくのがうちのスタイルだからまとまるはずないんですけどね。ピンクの肉ぼ―――茶釜さんとペロさんはすぐ喧嘩するし一番おいしい所をこっそり通してくるぷにっと萌えさんも侮れなくて面白かったですよねー」

 

「そうそう!やまいこさんをダシにして行き先を決めようとした時なんか―――」

 

一度思い出話が始まると堰を切ったように次々と話題が飛び出し、その思い出に浸る楽しさに二人は時間も忘れて語り合った。

 

「っとと。もうこんな時間じゃないですか!あっという間ですねー。」

 

初めに比べると見違える様に生気を取り戻し、もはや属性も変わったのではないかと思う程のヘロヘロさんがコンソール画面を見て呟く。

 

「モモンガさん。最後の時は何処で迎えるつもりなんです?」

 

「あ、最後は玉座に鎮座して迎えようかな、と思ってるんです。それがロールプレイ重視の自分としても相応しいかな、と。」

 

「確かにそうですね。なら玉座に移動しましょうか。本当は少しログインするだけの予定だったんですけど・・・。愚痴を聞いてもらって大分スッキリしましたし、眠気と戦ってるかもしれませんけど俺もお供させてください。」

 

 

「本当ですか!うわー、最後を仲間と迎えれるのは嬉しいですね!」

 

 

―――その素直な言葉にヘロヘロは心の中で申し訳ない気持ちで一杯になった。

こんなにギルドの事を考えてくれて尽くしてくれた人を長い間、寂しい気持ちにさせていた事に。

明日の朝も早いがそれがなんだというのか。

最後の時を一緒に迎えるくらいのワガママは許されるはずだ。

 

体が嘘を付けと抵抗しているが気のせいだ、間違いない。俺はやれる、明日も始発前に起きれる。

 

そう考え少し体をプルプルさせながらヘロヘロとモモンガは玉座へと向かう。

途中、最後だからとギルド武器をモモンガさんに持たせそれをはやし立てたり、自分の作った一般メイドを自画自賛したり執事のセバスやプレアデスを引き連れながら生みの親の思い出を語り合う。

あっという間に玉座へとたどり着いた二人は互いに顔を見合わせながら扉を開く。

 

ゆっくりと開く荘厳な扉の向こうには懐かしい我らのギルド全員の紋章旗達がはためいていた。

うおー懐かしい。

そして設定厨のタブラさん渾身のNPCであるアルベドが微笑みながら迎えてくれる。

うーむ、見事だぜタブラさん。執念まで感じる作り込みだ。

タブラさんの設定厨ぶりを確認しようと二人で覗き込んだアルベドの設定の長さに絶句し、最後の悪ふざけにとビッチ設定(あんまりだと思う)をモモンガ純愛に強引に変えてニヤニヤしたりしていると日付変更―――終わりが迫っていた。

 

わざわざ自分達の分の玉座まで用意してくれていたモモンガさんの気遣いにまた感謝が止まらなかったが時間も時間なので心の中で感謝をし、急いでアルベドやセバスを脇に跪かせ自分達はギルドの主として玉座に腰掛ける。

 

 

「いよいよですね。この場所にいられるのもあと少し。長かったようなあっという間だったような・・・」

モモンガが感慨ぶかげにそう呟く。が、返事が来ない。

横の玉座を見るとヘロヘロが頭をふらつかせうつらうつらしていた。

 

「・・・あ、すいません・・モモンガさん。・・・・はしゃぎすぎたのか・・・・大分眠気が・・・きて・・・まして・・」

そう言っているヘロヘロはすでに船を漕いだ状態であり限界が近いのがわかる。それを微笑みながら見てモモンガは呟く。

 

「・・・いいえ。そのままで結構ですよ。最後の瞬間まで付き合って頂いてすいませんでした。でも嬉しかった・・・やっぱり嬉しかったです。・・・一人は―――」

「一人は・・・寂しいですもん・・・・ね。」

 

 

半分寝言のように続けてくれたヘロヘロの言葉を聞き、天井を眺めたままモモンガは満足げに呟く

 

 

「本当に有難うございました。俺達のギルド、アインズ・ウール・ゴウンの最期を一人で飾る事無く迎えられて嬉しいです。―――――――俺、報われましたよ。」

 

 

そんなモモンガとその言葉を夢うつつに聞いていたヘロヘロの今にも途切れそうな意識は最後のカウントに向けられる

 

・・3

・・・2

・・・・1

・・・・・0・・・・・・・・・・

 

 

 

・・・0・・・0・・・0?

 

万感の思いと共にカウントを終え現実世界に引き戻されるはずの自分の感覚が未だ戻らない事にモモンガは違和感を感じる。

なんだよ、締まらないなぁ、と目を開けると視界は先ほどのまま。

 

コンソール画面を引き出す―――出ない。

チャットやGMコールは――――――――――――通じない?

 

 

「どういう事だ!?」

 

 

思わず立ち上がり周りを見渡す。

声に反応したのであろうアルベドの気ぜわし気な顔、同じ様にこちらを窺うセバスやプレアデス。

そして

 

 

設置した横の玉座に古き漆黒の粘体(エルダー・ブラック・ウーズ)、ヘロヘロさんの姿は無かった―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルベドは困惑していた――――

 

至高の御方であり、愛しきモモンガ様が久しぶりにお越しになられた。

最近はナザリックの維持作業の時にしか玉座にお越しになられずあまり元気がないようにも思えた、そんな愛しきお方が今日は同じ至高の御方であるヘロヘロ様と共に玉座へ来られ二人で仲睦まじくお話をされている。

 

もはや会う事すら叶わない―――そんな思いすら抱いていた至高の御方の来訪に、的外れで不敬な考えをしていた自分を恥じ、いつもより明らかにお元気なモモンガ様の姿を見て愛しさをこみ上げる。

 

 

・・・・・・羨ましい。

羨ましくてたまらない。

 

 

 

何故自分ではないのか?何故自分ではモモンガ様を笑顔にさせる事が出来ないのか。

いつも―――いつでもあなたのそばに寄り添いたいと思っている自分ではなく何故来る事すら稀なその黒いぶよぶよに笑顔をお向けになるのか。

 

どの至高の御方に対してもこの様な不敬な感情を持つ事など万死に値する行為でありこのナザリック大墳墓においては決して看過されぬ事であるのは百も承知であるし、もしそのような態度を感じさせる臣下がいれば苦痛と後悔を与えた上で殺している。

 

敬意を忘れたわけではない。

 

臣下として身を粉にして働き、命じられれば命など顧みず与えられた任務を果たす気持ちは持っているしその事に誇りも感じる。

だが、あの方――――モモンガ様の事になると何故か我慢がきかないのだ。

 

その様な矛盾の思考の渦に陥っていた自分はモモンガ様の戸惑われたお声によって瞬時に現実へと引き戻された。超かっこいい声

 

見るとモモンガ様は普段は滅多に見せない困惑した様子で周りを見渡している。あぁ、戸惑われているお姿にも威厳と風格、それでいて優しさをも伴う完璧なお姿。

 

そんな愛しきモモンガ様を戸惑わせている原因は何なの?許せない、許してはおけない。今すぐ私が排除致しますので此方を向いて一言おっしゃってください。

 

 

 

『アルベド、お前が欲しい』――――と

 

 

 

◇◇

 

 

セバスは緊張していた――――

 

至高の御方のまとめ役であり最後までこの地に残りし偉大なる御方であるモモンガ様と久方ぶりにお姿をお見かけしたヘロヘロ様がお二人で談笑されながらお越しになられ、玉座までの供として私とプレアデスを帯同させて頂けた。

 

玉座に腰掛けながら談笑されるのを傍らで聴く光栄に身を震わせ、臣下の礼を取りながら何か御命令があればすぐに対応できるようにと身構える。

後ろに控えるプレアデス達も同じ気持ちであろう事が雰囲気で伝わり上司でありまとめ役の家令(スチュアート)としてもとても誇らしい。

しかしソリュシャンはヘロヘロ様のお傍にいれる喜びが漏れており、少し前のめりになっていますね。同じ種族として特に敬意を抑えれないのは致し方無い事とはいえ、あくまでメイドとしてスマートである事を忘れてはいけませんよ――――

 

そんな事を思うセバスが最も気になっていたのは自らの横にいるアルベドの腰が据わってない事だった。

 

他の者は気付いてないがNPCとして同じ最高レベルの自分にはわかる。明らかに集中できていないその様な状態で至高の御方達のご命令に迅速に対処できるのか――――

守護者統括でありナザリックNPCの頂点として存在している彼女のその浮ついた空気に苛立ちを覚える。

 

この玉座において、いや、至高の御方の前で失態を演じる事は許されない。もし対処が必要であるならば自分がフォローせねばならない。

 

そう考えた時、モモンガ様がお声を上げられた。いつもとは違うどこか困惑されている声――――

出番があるかもしれないと顔を上げるとアルベドも同じ様に顔を上げている。良かった。浮ついていながらも瞬時に対応しているとは流石は守護者統括です。

 

そう考えていたセバスが目にしたのは困惑した様子で立ち上がるモモンガ様。とヘロヘロ様の御姿が消え空になった玉座であった。

 

至高の御方がリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンの力で瞬間的に移動されるのは珍しい事では無い。だが、いつもとは感じが違うその消失とモモンガ様の困惑した様子――――

 

これはただ事ではないでしょう。我々の出番があるかもしれませんしいつでも対応できる様に身構えておかねばなりませんね。お声が掛かるのを待ちましょう

 

 

『セバス』――――と

 

 

◇◇◇

 

 

ソリュシャンは驚愕していた――――

 

至高の御方の中でも特に畏敬し、崇拝しているといってもいい御方であるヘロヘロ様が久方ぶりに――――本当に久方ぶりにその美しき姿をお見せになられ、更には我々の上司であるセバス様と我々戦闘メイド(プレアデス)を玉座の傍にて侍らす事をお許し下された。

 

種族が不定形の粘液(ショゴス)である私にとって最上位種として畏敬し、崇拝すらしているあの御方の傍に仕えれるのはこの上ない喜びだ。

あの漆黒の無駄のない美しい御姿――――威厳と溢れんばかりのオーラ

 

あの御方の命令であれば率先して承りたいし、足元にも及ばないし不敬だと解ってはいるが少しでも近づきたいし出来ればお仕えしたい。これだけは姉妹といえど他のメイド達には譲れない。

 

 

そんな敬愛すべき至高の御方であるヘロヘロ様の気配が急に途絶えた――――

 

 

アサシンや盗賊系のスキルを修めてる自分には判る。至高の御方が普段使用されるリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンとは明らかに違う気配の消え方だ。断絶した、という感じがしっくりくる。

なにか異常が起きたのか。そうに違いない――――

 

そう思っても勝手に動くことは従者として許されない。ましてやモモンガ様の気配はまだしっかりと感じるのだから。

 

あぁ、モモンガ様。どうか早く我々、いえ私に御指示を――――焦燥感に駆られていたその矢先、モモンガ様の困惑されたお声が聞こえる。

すぐに顔を上げると先ほどまで会話を楽しまれ、まどろみの中におられたヘロヘロ様の美しき御姿はやはり無い。何て事なのでしょう――――

 

あの偉大なるヘロヘロ様に異変を起こした原因は何なのか?許せない、許してはおかない。今すぐ私が排除致しますのでモモンガ様、早く此方を向いて一言おっしゃってください。

 

 

 

『ソリュシャン、ヘロヘロさんを頼む』――――と

 

 

 




ナザリックの恋する乙女組は遠慮しない、を旨に爆走していくのです。

誤字・脱字のご指摘や感想ありましたらお待ちしております。
宜しくお願いします
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。