【完結】1人の男として、兄として。そして___   作:千倉

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珍しく深夜に投稿です。
所で私の周りにdグレを知っている人がいないんですけど・・・・・どうしたら良いですかね?

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携帯研石さん、ありがとうございます!


敗走

悠のアンチグラビティ検査から20日後にバジリスク討伐作戦のメンバーが発表された。そこにはブリュンヒルデ教室のメンバー全員の名前もあった。

さらに作戦で出てきた無人島にはもう既に出発する事になっていた。しかしバジリスクが到達するまでには1ヶ月程ある為、移動に使われる船で普段通りの生活を送る事になっていた。

 

「モノノベ!お兄ちゃん!見てみて!もうミッドガルがあんなに小さいよ!」

 

甲板から景色を眺めていたイリスが遠くに見えるミッドガルを見て感嘆の声をあげる。が、それに対して悠は普通に返事をするがノアはというと____

 

「そうだな。」

「うぅ・・・・気持ち悪、酔った・・・・」

「・・・ノアくん、奇遇だね・・・私も・・・」

 

船酔いでノアとフィリルは完全にノックアウトされていた。ノアは必死に耐えているがフィリルはなおも本を読んでおり、このままでは船酔いがひどくなると判断した悠が本を没収する。

 

「あ・・・返して・・・」

「ダメだ、船酔いが治るまでは読むな。余計ひどくなるぞ?」

「・・・モノノベくんのいじわる。」

「そーだそーだ・・・うぇっ。」

「お前も速く自室に戻って寝てろ。」

「へーい・・・」

 

〜*〜

 

こうして無人島に到着してから1ヶ月程が経ち、ついにバジリスク討伐作戦が開始されようとしていた。ちなみに今回はニブルには頼ってはいないので横槍の心配は無い。そこが唯一安心出来るところだった。

しかしニブルもこの1ヶ月何もしなかったわけでは無い。バジリスクの能力を解き明かしていたのだ。

バジリスクの能力は時間を吹き飛ばす能力。この前までは高火力のレーザーの様な物だと考えられていたが、解析により目から放つ紅い閃光で見つめた物を風化させる能力だと判明した。

しかしその時間が過ぎ去る速度は尋常ではなく、少し触れただけでも石などが塵になるレベル。人間が触れたものなら瞬時に骨も無くなる程だった。

そしてニブルが独自に発案したバジリスク討伐作戦の内容は閃光を浴びても瞬時には風化しないミスリルを先端につけた爆弾を落とすというものだった。

作戦としては理に適っているがドラゴンが持つ未知の部分は計り知れない。そうした“もしも“の時が想定されていないアバウトな作戦とも言えた。

 

船内、ここではブリュンヒルデ教室のメンバーがモニターからニブルの作戦を見ていた。

 

「ノア、お前はこの作戦が成功すると思うか?」

「思わん。」

「即答かよ。何でだ?作戦としては良いと思うが?」

「そりゃあこれでバジリスクが討伐されたら御の字だ。だけどドラゴンの力は計り知れん。バジリスクにも何かしらはあるはずだからな。」

「そうか・・・それはそうだな。」

 

そうした何気無い会話をしている内にバジリスクがモニターに映される。その姿を見て驚きを受ける。

これが人類の天敵であり世界にとっての災害だという事を忘れさせる程にバジリスクの姿は美しかったのだ。

骨格はトカゲなどのそれと同じだが、サイズは圧倒的に違う。体長は50メートル程はあるとの事だ。そして何よりも目を惹くのはその表皮。赤く輝くダイアモンドに覆われており、首にあたる部分には一際大きい水晶の様な物もあった。

そんな芸術的とも言えるバジリスクに向かって攻撃が始まろうとしていた。

バジリスクは上空にあるはずのミスリルが付いた爆弾______ミストルテインを感じたのか動きを止める。普通ならば見えないほど上空にあるミストルテインを確認するなど不可能な筈だがそれをやってのけた為、悠は不安を覚える。

 

「おいおい______まさか感づいたのか?」

「あり得ないが・・・そうだろうな。」

「え?何?何で動かなくなったの?」

「モノノベ・ユウも言っていたでしょう。恐らく上空のミストルテインに感づかれたのですわ。あり得ない話ですけれど。」

「本当かい?そんなの分かるはず無いと思うけどな。」

「・・・ん。」

 

各々不安を感じつつもミストルテインが投下される。

上空からミスリルの塊を身にまとった爆弾が降ってくる。

それに対してバジリスクはその両目から閃光____カタストロフと命名された閃光を放つ。

カタストロフと激突したミストルテインだが速度を緩めず落下していく。確実に削れてはいるのだがバジリスクに到達するまでにミスリルが風化してしまうことは無いだろう。そう感じていた矢先にカタストロフが急に肥大化した。と思ったらカタストロフは消えたがミストルテインも跡形も無く消えていた。

 

「何だ!何が起こった!?」

 

篠宮先生が司令室に呼びかける。返ってきた返答はバジリスクの背中から巨大な目が出現。そこから放たれたカタストロフは通常の物より射程も伸び、風化速度も比べ物にならないとの事だった。

こうして失敗に終わったニブルの作戦に変わってノア達が新たな作戦を実行する事になった。

 

〜*〜

 

それから3日後バジリスクが無人島まで10キロメートルまで接近するため、作戦が決行される事になった。

作戦は至極単純。バジリスクの死角から反応できない速度でダメージを与え討伐、と言ったものだった。

そして決戦の時がやってきた。既に全員持ち場についている。因みにイリス、悠、ティアは特に役割も無いということで船で待機していた。当初の予定ではティアはもう既に退避しているのだがティアの主張____見初められている自分がいれば船は攻撃されないかもしれない。という事で船に残っていた。

そして他のメンバーの配置はリーザとレンが火山島にて攻撃準備中。レンからダークマターを借りて特大のレーザーを叩き込む為だ。

そしてフィリル、アリエラは一定の距離を保って待機している。深月とノアも一緒に距離を保ちつつ待機している。深月とノアが一緒なのはリーザとレンに何か起こった時のサポートの為だがノアのダークマターを使い反物質を打ち込む為。

 

篠宮先生からリーザ、レンに指示が飛ぶ。

 

「B1、B6、作戦はプランAにて実行。対象が距離6000に達すると同時に攻撃を開始せよ。」

『了解ですわ。』

『ん』

 

そしてあまり間を空けずオペレータから報告が入る。それに合わせ、間髪入れず作戦開始が告げられる。

すると悠達が見ているモニターにリーザがレンのダークマターを使い巨大な槍を作り出す。

現代兵器など敵わない陽電子砲がバジリスクに向けられる。しかしここでオペレーターが叫ぶ。

 

「バジリスク、移動停止!背面部開口!サードアイが迫り出していきます!」

「まずい____攻撃停止!」

 

焦った声で叫ぶがそう簡単に発射は止められず架空武装から陽電子砲が放たれる。しかし同時にバジリスクのサードアイからもカタストロフが放たれる。

 

「2人とも至急回避行動に移行!作戦はプランBに変更する!」

 

早口で告げられる。その直後にカタストロフが火山の上部を通過する。すると火山は上半分が消失し、その上空にあった雲も不自然な形で抉れていた。しばらくすると火山は溶岩と噴煙を吹き出し始めた。

そして竜伐隊が船に再度集まる。その間にもバジリスクは溶岩と噴煙が邪魔と感じたのかそれらもカタストロフで消し去る。

次にノアと深月による攻撃が始まる。こちらもノアのダークマターにより深月の架空武装が何十倍にも膨らみ、その大きさに見合った反物質の矢が番えられる。

リーザが感嘆の声を漏らす中深月は弓を引き絞り、告げる。

 

「終の矢____ラストクオーク!」

 

放たれた反物質の矢。当たればバジリスクごと島が消し飛ぶような威力のものだったがそれに対抗してまたもカタストロフは飛んでくる。光の規模、射程も考えるとサードアイによる攻撃なのだがまたしてもバジリスクは見えもしていない攻撃に対処してきた。

 

「なっ・・・・」

(この対応の速さは何なんだ?)

 

悠は言葉をなくし、心の中で幾つもの疑問を浮かべていた。しかし彼らに驚いている時間は無かった。

1度は雲を貫き上昇していったがどういう訳か上空にて向きを変え垂直にノア達のいる場所へと落ちてきた。

その光景はまるで紅い大剣が空から降ってきたようだった。なすすべもなく呆然としている中、ノアと悠だけが行動をしていた。ノアは怪物から受け取ったダーククラウン以外の呪文の中から1つ選ぶ。そして悠は実験で性質を把握していたのかアンチグラビティを放つ。

 

「______ヘキジ!!」

「アンチグラビティ!!」

 

ノアが展開した呪文______薄紫色の魔方陣でカタストロフが止まる。そしてそこに悠のアンチグラビティが放たれ、カタストロフが逸らされる。

そしてそこにいた6人が見たのはアンチグラビティに逸らされてもなお周囲の物を風化させるカタストロフ。それが消える頃には地球の形が変わってしまっていた。

海岸線が平坦になっていたのだ。

力不足を実感しつつノア達は撤退する。完全な敗走だった______




ありがとうございました!
今回は負け回でしたw
そしてサラッとノアの新しい呪文が出てどんどんチートになっていきますよ。因みに他にもいろいろノアは呪文が使えるようになってるんでお楽しみにして下さい!
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