【完結】1人の男として、兄として。そして___   作:千倉

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今回はちょっと短めです。
この次から本格的に終わりへと近づいていきますのでどうかお楽しみ下さい!

新しくお気に入りしてくださった方↓
LONさん、ありがとうございます!


別離

上空で睨み合う2匹の怪物______ノアの姿をした何かと黄のフレスベルグだ。怪物の体にはその体躯に似合わない巨大な鉤爪が手足に生えており、その周りにはドス黒いオーラが溢れていた。

一見するとどちらが悪役か分からない状況を悠達はただ見ている事しか出来なかった。

そして怪物が仕掛ける。

誰にも目で追えないような速度でフレスベルグの裏を取る。フレスベルグも急速に旋回して距離を取ろうとするが当然間に合わず、鉤爪が振り下ろされる。

するとフレスベルグを包んでいた金色の靄のような物質が霧散する。

 

「攻撃が_______通った・・・?」

 

これまで何をしようとも一切攻撃が通る事の無かったフレスベルグに初めてダメージが入った様な光景に衝撃を受ける。

そもそもフレスベルグに一切攻撃が通らないのはフレスベルグの体を包む金色の靄が原因だとされていた。

長年その正体を知ろうとしていたがそれは叶わずに時間だけが過ぎていった。だが最近になり、とある科学者が1つの可能性を見出した。

正体はエーテルと呼ばれるフレスベルグの精神体その物が物理的な干渉力を持ち、体の外側に溢れ出したとされていた。最初はそんな非現実的な事はあり得ないとされていたが非現実的だからこそ、攻撃が通らない事にも納得がいき、それ以外説明が出来ないのであの金色の靄の正体はエーテルとされていた。

そしてそのエーテルに干渉出来るのは同じく精神に物理的な干渉力を持たせさせる事しかない。

つまり、怪物の鉤爪から漂っているドス黒いオーラはフレスベルグのエーテルと同じ性質を持つものという事だ。

 

怪物がフレスベルグに攻撃を入れた次の瞬間、一瞬硬直したフレスベルグの足を肩からの触手でがんじがらめにする。そしてその巨体を引き寄せると右腕を突き出し、フレスベルグの胴体を貫こうとする。しかしエーテルによって阻まれる。そこにあったエーテルは消滅する。

何とか脱出したフレスベルグだが命の危険を感じたのか再び体を縮め、硬直する。

先ほど見せた全方位に大量の粒子を放出するものだったが怪物はフレスベルグの真正面に移動する。

すると左腕を大きく薙ぎ払い、エーテルのガードをも無視して嘴を消し飛ばす。

突然の事に甲高い声をあげるが、口を開けたその途端にフレスベルグの口に手の甲を合わせる形で両腕をねじ込む。

そして腕を左右に広げる。するとフレスベルグの頭部は裂け、血や脳漿が飛び出す。さらには胴体や翼に至るまでをバラバラに切り裂く。

もはや面影も無くなったフレスベルグだった肉塊が滝に落ちていく。おびただしい量の血や内臓で滝壺が少し赤く染まる。

 

「や・・・やったのか?」

 

悠が少し目の前の光景に恐怖を覚えつつ、呟く。

 

「えぇ・・・ただし、フレスベルグよりも厄介な案件が増えてしまいましたが・・・」

「あ、あれが・・・お兄ちゃん、なの?」

「ノアくん__________っ!!」

「そんな・・・あの時よりもおかしくなってますわ・・・」

 

そんな中深月の通信機に篠宮先生から言葉が届く。

 

『物部深月、聞こえているか?』

「し、篠宮先生?どうしたんですか・・・?」

 

『簡潔に伝える。__________現時点を持ち、ノア・フレイアのDに関係する全権限を半永久に凍結、以降は_____排除対象とみなす。』

 

「え_____そ、そんな!待ってください!何故彼が排除対象なのですか!?彼はDで、私たちの味方です!」

『物部深月、いいか?目の前にいる“それ”は敵だ。早急に排除せよ。』

「そんな__________っ!!」

 

篠宮先生から伝えられた無慈悲な現実を聞き項垂れる深月。しかし篠宮先生も何かを必死に堪えている事が伝わってきて、強く言い返す事が出来なかった。

 

「ね、ねぇ深月ちゃん、今排除対象って聞こえたんだけど__________嘘・・・だよね?」

「っ!イリスさん・・・・」

「正直に話してよ、深月ちゃん。」

「アリエラさん・・・分かりました。篠宮先生からの言葉を簡潔に伝えます。みなさん、聞いてください。

現時点を持ち、ノアさんのDに関する全ての権限を凍結_____以降は排除対象と見なす。」

「!?どういう事だ!」

「分かりません・・・しかし、これは事実です。」

「嘘だろっ!?なぁっ!ノアが!あいつが敵だと言うのか!?」

「私だって!!私だってそう信じたいですし、そう思っています!ですが、これが事実なんです!」

「__________!!」

 

怪物が騒ぎを聞いたのか悠達の方へと視線を向ける。

すると自分が殺されるという話を聞いたのか、突然咆哮する。それと同時に鉤爪周りに漂っていたドス黒いオーラが全身から発せられる。

それが悠達の体を包むと全員が激しい嘔吐感を味わいまともに立てなくなってしまう。

 

「かっ・・・なんだ・・・これ・・・」

「う、うぅ・・・・」

「ノ、ノアくん・・・・」

 

必死にノアの姿をした怪物に手を伸ばしていたアリエラだったがとうとう耐えきれなくなり彼女の意識もブラックアウトしてしまった__________

 

〜*〜

 

あれから2ヶ月以上が過ぎていた。あれ以降ノアは一切音沙汰無しで全く行方が掴めずにいた。

そしてこれまでユグドラシルからのダウンロードを行ってきた影響か悠への干渉は日に日に強くなっていった。

さらなる侵食を防ぐため、日本にあるアスガルの研究所へと向かう事になっていた。

とある日の朝、篠宮先生がブリュンヒルデ教室のメンバーを教室に集める。

そして真面目な顔つきで話を切り出す。その内容とは

 

「_____諸君、落ち着いて聞いてくれ。2ヶ月程前に失踪し行方知れずとなっていたノア・フレイア、その所在が判明した。」

「何処!?何処なんですか!?」

「落ち着いて聞いてくれと言っただろう。

話が逸れてしまったが、ノア・フレイアの所在は_________日本だ。ニブルが調査を進めていたところ、偶然にも目撃者がいたとの事だ。

そこでだ、君達にはアスガルの研究所へと向かい、ユグドラシルに対抗しうるような策を集めると同時にノア・フレイアの捜索、そして処分をしに日本へ行ってもらいたいのだが____頼めるか?」

 

悠達は複雑な表情を浮かべつつもこの任務を引き受けたのだった_________




ありがとうございました!
主人公ここまでチートにすんのもなぁと思いつつかいていたのですが普通にいけますねw
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