本編の話は置いておき(おいコラ)、感想頂きました!それで読み専でしたがこれから投稿していきたいと記載されており、自分のこんな小説でも誰かの思いを変えられるのだと思い、感動しました。ありがとうございます!
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五月雨の優夜さん、ありがとうございます!
日本にあるアスガルの研究所。そこでは悠達がユグドラシル討伐作戦を遂行するために訓練が行われていた。
それはバジリスクの時のようにレンのダークマターを借りて、悠がフレスベルグから継承されたと思われるエーテルの能力を使い、ユグドラシルの精神体をあの時は使われる事が無かった対竜兵装で消滅させるというものだった。
そしてそのダークマターを借りて、悠のジークフリートを生成する訓練だった。
ただし深月、イリス、ティア、アリエラ、フィリルはこの日本の何処かにいるというノアの捜索に当たっていた。
最初の内こそ上手くはいかなかったものの数日の内には数メートルのジークフリートがあまり確実とは言えないが生成できるようになっていた。
理由としては初日には遊園地に行き、レンと親睦を深めた事による効果だろう。そしてこの事からダークマターは生成する本人の気持ちに影響してくるという確証が得られた。
とある日の夜、悠はここの所長であるレンの父親______宮沢健也の研究室へとレンを連れて足を運んでいた。
以前に悠は彼からエーテルによる魂(精神体)の具現化を頼まれとある棺に向かいそれを散布した。
しかし、悠の生成量では限界があり魂は不鮮明なまま消えてしまっていた。だが今はレンのダークマターを使いより多くのエーテルを生成出来るようになった為、もう一度やらせてくれと彼に頼み込んだ。
もちろん1度目の時よりも進捗があるということで彼は快諾してくれた。
エレベーターで地下4階まで降りるとそこには宮沢健也が待っており、彼に案内されて研究室からも隔離された部屋へとたどり着く。
前にも体験したことがある悠には何も答えなかったがここが初見のレンにはこの部屋の冷気は辛いらしく、軽く身震いする。
「レン、それじゃあ頼む。色々と聞きたいことはあるだろうが我慢してくれ。」
「ん、大丈夫。」
悠のジークフリートが形はそのままにサイズがドンドンと大きくなる。最初はハンドガンよりも少し大きいような装飾銃だったが、5メートルほどのサイズまで膨張する。
そしてレンはダークマターを送り込むのを止め、悠はエーテルウインドの砲弾を放つ。
すると金色の粒子は部屋を埋め尽くす。あまりにも多かった為に自分でも動けなくなった悠と驚いた表情で固まっている宮沢親娘。
エーテルウインドが白の棺を包み込むと最初は不鮮明な姿だったが次第に細かい点描画のようにハッキリと鮮明に具現化する。
(なっ・・・あの棺に入ってるのは・・・)
悠が想像していたのとは違う人物が出現した。
肩あたりでキッチリと切り揃えられた髪、エーテルウインドで具現化を行った為に全身が金色だが彼女の顔は日本人らしい顔立ちをしているので黒髪だと想像する。
何か違和感を感じるがエーテルウインドが濃すぎる為に何も出来ない。そして時間が経つと効果が薄れ段々と身動きが取れるようになってくると共に金色の少女も消失する。
「レナさんじゃ・・・ないのか。」
想像していた事とは違う結果に終わり、落胆からか声に出してしまう。
当然あまり広くはない室内の中、悠の呟きは健也に聞かれてしまう。
「そうか!そういうことか!
君はあの棺の中身をレナと思っていたんだね?」
「っ!?・・・・はい、貴方は最初に散布を行った時、レナさんの名前を呟いていたので。」
自分の心の声が表に出ていたのとその一言で全てがばれてしまって、観念したのか素直に話す。
「残念だったね、あの時私がレナの名を呼んだのは彼女と私でエーテルの研究をしていたのだがそれを確認できたのでね。後、棺の中身はただの実験サンプルだ。気にしないでくれ。今回も興味深い現象を見せていただき感謝するよ。」
彼は事務的に礼を短く言うと視線を逸らし研究に戻ろうとする。悠が呆然としているとずっと黙っていたレンが裾を引き訪ねてくる。
「お兄ちゃん・・・どういう事?」
「レン・・・ごめんな、せっかくレナさんに会わせられると思ったのに。」
「はぁ・・・まったく、君には呆れるを通り越して感心するよ。」
口頭では褒めているのだが表情と言い方を見れば皮肉だとすぐに見抜ける言葉を放つ。
「君は____僕たちが普通の親娘になる事を望んでいるのだろうけど、それはもう無理だ。この問題を放置しておくと研究に差し障りが出そうだからこの際ハッキリさせておくよ。」
取って付けたような笑顔とは打って変わり、真剣な表情で話す健也。
「レンの気持ちを・・・考えた事があるのか?」
「残念ながら私は娘よりも研究を選んだ父親失格で最低な人間だ。こんな私に期待などするな。」
「______!!あんたは!レンが今もあんたと普通に過ごせる事を望んでるんだ!それなのにあんたは______」
「・・・っ!」
悠が怒りのあまり敬語が外れ言葉が横暴になる。そして健也の言葉を聞き、レンは息を飲み悠の裾を強く握る。
次に健也は決定的な一言を口にする。
「レン・・・私はお前を愛せない。」
「____っ!」
必死に殴りたい衝動をこらえる悠。そして後悔する。決してレンにこんな思いをさせる気で連れて来たのではなかったのに、と。
しかしレンは必死に言葉を少しずつだが必死に叫ぼうとする。
「・・・ら・・・らい。」
「何だ?言いたい事があるのならばもっと大きな声で言ってくれると助かるのだが。」
「嫌いっ!お父さんなんて大っ嫌い!!」
レンは必死に叫び、健也を睨みつける。そしてその視線を受けた健也はどこか安堵したような顔で告げる。
「そうだ、それでいいんだ、レン。そうすればお前は幸せになれる。」
「いいもんっ!私はもう十分幸せなのっ!お姉ちゃんやお兄ちゃんがいるからお父さんなんていらない!!」
全てを出し尽くしたような顔でどこか満足しながらレンは悠を連れて研究室を出ようとする。
すると突然警告音であるサイレンが鳴り響く。
「どうした?」
非常用の電話の様なもので連絡を取る健也。そして一通りの事情を聴き終えると悠達の方へと向き直る。
「2人とも、緊急事態だ。」
「何があったんですか?」
「ユグドラシルが急速に枝を伸ばし、周囲への電子的な干渉範囲を広げているらしい。いずれはこの研究所にも障害が発生するだろう。」
「な、何で突然・・・?」
「分からないが、君達が準備を整える前に先手を打ち、潰そうという魂胆なのがしれないな。
とにかく、君たちは一階の正面玄関から出てくれ。そこに車を回すから急いでユグドラシルから遠ざかるんだ。干渉範囲に入ってしまうと力は使えなくなってしまう。」
「ヘリは用意できませんか?」
「出来ない事は無いがオススメはしないね。それこそ飛行中に干渉を受けたらその時点でおしまいだよ。」
「っ・・・分かりました。レン、行こう。」
「ん」
悠の言葉に頷くとレンは悠と一緒に研究室を後にしたのだった。
〜*〜
全員は車に乗り、ただひたすらユグドラシルの枝から逃げていた。しかしもう十分な距離を置いたという事でD達は反撃に出た。まず3つの班を作り、1時間ごとの交代でユグドラシルの枝を迎撃するものだった。
午前4時、ずっと膠着していた状況に変化が訪れた。
フィリルと深月が枝を迎撃していた矢先、突然枝の再生速度が上昇し、2人では捌ききれないほどとなる。
そして残りのリーザ、アリエラ、ティア、レンも迎撃に参加する。
「キリが無いの・・・」
「一応、凌てるけどこのままじゃジリ貧だよ!」
「ん」
ティアが弱音を零す。アリエラもキツそうな表情で叫びそれに対しレンも同意の声を返す。
「____15分間だ。それまで現状を維持し、それでも変化が無い様なら、撤退し作戦を立て直す。」
篠宮先生が15分間というタイムリミットを告げる。
おそらくは悠が考えたユグドラシルには何か大きなエネルギー源を持っているという事を配慮した上での作戦だろう。
そして何も起こらないまま15分が過ぎようとしたその時、西から大気の温度が急激に上昇。熱線が走り目の周りの枝が全て焼き払われる。
「何ですの!?」
リーザが驚愕の声をあげる。そして熱線が飛んできた西の方角に視線を向けると流星の様な物が目につく。
しかしそれは流星などでは無く次第に接近し、その正体を認識する。それは炎を推進力として飛んできたキーリだった。思わぬ人物に全員が驚く。しかしそんなのも束の間。すぐに枝が伸びてくる。
「また来ますよ!」
深月が叫ぶ。だがそれをキーリは平坦な口調で否定する。
「大丈夫よ、見てなさい。」
全員のすぐ側まで枝が伸びてくる。しかしそれらはD達に触れる事は叶わず息絶えた様に消滅し、周りに数十メートルのミスリルの壁が生成される。
「こ、今度は何なんだい!?」
「あら、分からないかしら?あなた達が良く知る人物よ。しばらくは“彼”が持ちこたえてくれるわ。その間に私はとりあえず目的を果たすわ。」
「お前の目的は何だ?」
「そんなに邪険にしなくてもいいじゃ無い。それに私は貴方に文句を言いに来たのよ。」
「文句?」
「あなたが私の警告に従わず無茶な事するからよ。このままだとじきに押し切られるわ。ユグドラシルに持久戦は無意味よ。」
「無意味って・・・どうして断言出来る?」
「ヘカトンケイルがヴリトラ_____お母様の作った物だというのは前に教えたわよね?」
「ああ。」
「私を切り離した事でお母様はヘカトンケイルとの中継点を失ったわ。ここからは私の想像なのだけれど、追い詰められたお母様が新たにヘカトンケイルを作り出し、ユグドラシルを排除しようとしたのよ。」
「ヘカトンケイルが自爆した時の事か?」
「ええ、しかしそれは失敗に終わった。そして恐らくはユグドラシルはヘカトンケイルの出現した位置からお母様の隠れている場所を割り出したんだわ。ここからはもう言わなくても分かるでしょう?」
「あぁ、正直知りたくなかったがな。」
ここで唐突にキーリの頭の中に声が響く。
《おいキーリ!早くしろ!こっちもそろそろ限界だぞ!この量を1人で裁くには無理がある!》
「________っ!うるさいわねぇ・・・我慢しなさい。何の為に左手だけは自由に使える様にしたのよ。」
《こんんんのクソ野郎があああぁぁぁぁぁ!!!》
「キ、キーリ?いきなり1人で話し始めてどうした?」
キーリが誰かに向けて無骨な返事をすると何があったのだろうか枝が先程までとは比べ物にならないとてつも無い勢いで消滅していく。
しかし一向に枝は弱まる気配を見せない。そこで悠は決心する。篠宮先生から出された15分もとうに過ぎている。
「みんな、撤退しよう。」
「ダメッ!!」
撤退を提案した途端にティアの声が即座に否定する。
「ティ、ティア?どうしたいきなり・・・」
「今撤退したらダメなのっ!絶対に倒さないといけないの!ユウはティアが守るの!」
真剣そのもののティアを見て、悠はティアが何を考えているかを理解する。ティアは枝の急速な成長が始まる前に悠とリーザが話していた内容を聞いたのだった。
そして必死に隠してきた事実を叫ぶ。
「このままだと・・・ユウはユグドラシルに乗っ取られちゃうんでしょ!?」
事情を知らないキーリ、フィリル、アリエラ、深月は驚きを露わにして悠を見つめる。既に事情を把握しているリーザ、レンが心配そうに彼に視線をやる。そして知らない筈だが学園長から聞かされていたのか動じない篠宮先生。
「兄さん_____それは・・・どういう事ですか?」
1番この事を聞かせたくなかった人物の声が聞こえ、悠は恐る恐るその方向に体を向ける。
そこには揺れる眼差しで悠を見つめる深月の姿があった_______
〜*〜
ミスリルの壁の外側。枝が一気に集まってくる場所には1人の少年がいた。ただし目は赤と黒色になり、左手にはその体には似合わぬ巨大な鉤爪が生えていた。
そこに無数の枝が襲いくる。しかしそれらは左腕の一振りで消滅する。さらに左右からも枝が伸びてくるが少年が視線を向けると枝は勝手に爆発して消滅する。
「おら、そんなものか?もっと_____かかってこいやぁぁぁぁぁ!!!」
咆哮し、何やらブツブツと言葉を呟く。すると何もなかった右手には卍の様な模様が広がり、その右手を迫ってきた枝にぶつけると拳が直撃した部分とその周りが風圧で吹き飛ぶ。そんな圧倒的な力で少年はこのミスリルの壁の内側にいる人間を守ろうとしていた・・・
ありがとうございました!
今回ですが何故か5000字程と長くなってしまいました。まぁ前回短かったからいいよね?ね?
お知らせ↓
クロウリングカオス様の『転生者とファフニール《忘却の過去と虚無の未来》』とコラボさせていただく事になりました!クロウリングカオス様の作品は私の紙クオリティな駄文よりもよっぽど面白いので是非是非閲覧よろしくお願いします!因みにまだ内容等は決まってはおりませんw