インフィニット・ストラトス~銀色勇者持って転生~ 作:KPGver2
ラッキースケベを起こした翌日
「……………」
「……………」
食堂で隣り合って無言で朝食を食べていた
気まずい…非常に気まずい…
何があったかを大体理解しているだけに喋りかけにくい
今回ももれなく俺が悪いのだ
時は銀士起床前まで遡る
布仏 虚は規則正しい生活をしているので起きる時間もだいたい同じである
目覚まし時計も必要ないので使わない
そしてその起床時間は銀士が起きるよりも早かった
まず顔を洗い、着替え、歯を磨く
その後少し時間が余るのでベッドを整える
それだけ動いたにも関わらず起きない銀士を
「小金井くん、朝ですよ」
と言いながら揺すり起こそうとする
が、起きない
再度実行すると
「う…うぅん…」
起きるのかと思い気を抜いた
それが間違いであった
「え?」
唐突に銀士に手を掴まれる虚
そして
「きゃ!?」
思いっきり引っ張られ体勢を崩す
そして
「…」
気づけば何故か抱きしめられていた
左手で頭を抱えられると同時に胸板に辛くない程度で押し付けられしかも頭が左腕に付く…要は腕枕のような状態に、右手は右側の腰に手をまわしギュッと強く虚の体を抱きしめている
そして足を足でホールド…そう簡単に逃げられない体勢になっていた
視覚、触覚、嗅覚の三つで男性である事を感じる
視覚…目の前より少し下辺りから見える胸筋
触覚…男性特有の硬さが触れている部分から
そして嗅覚…寝汗をかいたのだろう、そこから感じられる匂い
などと可笑しな事になっているだろう頭が勝手に分析していた
この状況を理解し顔を真っ赤にして緊張し動けない
で、寝ていて違和感を感じたのか目を開ける銀士
彼の頭が徐々に覚醒していくのと同時にどんどん顔が赤くなっていく
当たり前だ、朝起きたら同室の女性を抱きしめているのだ。しかも昨晩裸を見た相手を
おかげで脳内で裸の虚がフラッシュバック
さらに顔を赤くする
そして寝息が聞こえなくなったからか銀士の顔を見る虚
目が合った
両者更に顔が赤くなる
すぐさまお互いが離れ反対方向を向く
「い、今から着替えて食堂に行かないと朝食を食べられませんよ」
所々高い声になりながらも言う虚と
「お、起こしてくれてありがとう」
こちらも所々声が高くなる銀士
「で、では」
と言って部屋の外に出る虚
それから銀士が着替え、部屋を出て、ドアの傍で待っていてくれた虚と一緒に食堂へ向かう
そしてその間も両者共に無言だった
そして現在へ戻る
顔を赤くしながら食事する変な二人を観察する周囲に気づかずに黙々と食べ続ける銀士と虚
周りは
『あの二人何かあったのかな?』
『もしかして、恋人だったとか?』
『一線越えちゃった?』
などと邪推している
まぁ、当の本人達は全く気にする事が出来ない状態なのだが
両者話題を探すのだがお互い共に知能が割と高い。故に状況判断も割とできる
そんな二人が
『今日はいい天気ですね』
とか
『今日の授業はなんですか?』
何て話で始めれば
間違いなく広がらない
お互いに何らかの話題を見つけよう、そう必死のあまり出てきたと理解できる。その為ぎこちない状態になり、更に気まずくなることは請け合いである
だからそんな話題は切り出さない
と考えながら黙々と食べていると
両者の盆に載っていた朝食がなくなった
そして盆を食堂の食器返却場所に持っていき、学園に向かった
どうしよう?
そんな考えが両者の頭の中にある
片や朝の事を謝ってこの気まずさをどうにかしたいのだが実行できず
片や雰囲気を和らげたいが朝の事を思い出してまともに見ることが出来ない
そんな状態のままクラスについた
銀士と虚の席は隣同士である
一時間目はHR
幸いと言うべきか不幸というべきか最前列の教卓前
そんな所で顔を赤くするわけにはと思っているのだが
つい、お互いにお互いを見てしまう
で結果顔を赤くして両者俯く
そんな事して気づかない訳が無い
「おい、お前ら立て」
と益荒男先生が銀士と虚を立たせる
「何やった?」
と銀士に言う
何かあったか?ではなく何やった?である
そして黙秘を許さないと言う表情
「そ…その…朝起きたら布仏さんを…その…抱きしめてました」
と言いにくそうにしながら顔を赤くしながら言った
「お前……寮生活開始すぐ何ラッキースケベやってんだよ…」
と呆れたというように言う先生
…それ以上のラッキースケベが合った事は黙っている
「おら、お前ら仲直りしろ。んな目の前でいちゃつかれるのは不愉快だ」
と二人を向き合わせる先生
「……………そ、その…」
「……………は、はい…」
「あ………朝はゴメン。嫌だったよな」
「い…いえ、その……悪くはなかったです…」
"悪くはなかったです"そこだけほとんど誰にも聞こえない声で言う
「できるだけ今後は…………気をつけます。だからその……仲直り…って言う程仲良くねェか?…してもらえると…助かる……」
ポリポリと頬を掻きながら言う
「は…はい」
と緊張しながら言う虚
「…はは」
「…ふふ」
と笑い出す二人
そんな二人を見て
『やっぱり恋人なのかな?』
などと思うクラスメイト達が居たとか