The story of a certain ARCS 作:緑ノ狐
≪アデルカ・ジルバーク≫ 16・男・ヒューマン
ある事情によりエルシィと一緒に道場に住んでいる。小さい頃の記憶がなく、一番古い記憶では既に道場にいた。道場師範であるユリオンを師と仰いでいる。剣術の腕はユリオン曰く粗削りだが、素質はあるそうだ。ある剣の黒い魔物と戦う力に目覚める。
≪エルシィ・ジルバーク≫ 16・女・ヒューマン
ある事情によりアデルカと一緒に道場に住んでいる。以前は有名な商家の娘だったが、アデルカに気を使い昔のことは話に出さないようにしている。一時期アデルカと共に剣術や体術を学ぼうとしたものの、自分には合っていないとやめてしまったところにユリオンが魔法書を持ってきて薦めてくれたのを勉強し自らの魔法の素質に気付いた。
≪ユリオン・ジルバーク≫ 25・男・ヒューマン
ジルバーク道場の師範+エルシィとアデルカの保護者。剣術の腕は確かでアデルカには負けたことがない。しかし道場を開いている周りに人がいないため、弟子はアデルカ一人。アデルカとエルシィを引き取ったのは彼だが、その理由はまだ明かされていない。
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・まったく・・・しぶとい奴らだ・・・」
「あれー?おかしいなー?」
「おかしいよねー?」
「【若人】から借りた眷属と戦ってるときは大したことないフォトンだったのにー」
「どうなってるのかなー?」
「さぁな・・・どうなってんだろう・・・なッ!」
「!・・・生意気なやつ・・・」
「食べちゃおうか?」
「そうだね、食べちゃおうか」
「「いただきまーす♪」」
「チィ・・・!」
(ここまでか・・・!)
ギイン!!
「師匠!大丈夫!?」
「アデルカ!?お前、その剣は・・・」
「間に合ってよかった!」
「なに?こいつ」
「アークス・・・じゃあないよね」
敵の攻撃を防いだまではよかったものの、俺は目の前のその二人の黒衣を纏った子供を見て困惑していた。
いや、戦慄していたのかもしれない。
「なんだこいつら・・・子供じゃないか・・・!」
「見た目に騙されるな!そいつらはさっきの黒い奴らの親玉だ!」
「こいつらが・・・!?」
つい疑いを持ってしまう。しかしその疑いもすぐに消え去った。
「なんか面倒くさくなってきたねー」
「じゃあ一気に片付けちゃう?」
「じゃあそうしようか」
二つの体は赤黒い煙に包まれ合わさっていく。
その姿は、異形そのものであった。
『さあ、片付けちゃおう』
剣を持つ手が震える。
足が棒のようになって動かない。
目の前のものに対する恐怖はかつて経験したことがないほどのものだった。
『異形』がその腕を俺の方に向ける。
「アデルカ!逃げろ!おい!!アデルカ!!」
視界の隅で師匠が何か叫んでいる。
しかし俺の耳はその声を聞きとろうとはしなかった。
『なに?こいつ。今度は動かなくなっちゃった』
『まあいいか・・・死んじゃえ』
俺の目前にその攻撃がきた瞬間だった。
ただ一閃―――たった一薙ぎによって奴らの攻撃はかき消された。
「そこまでだよ、アンタ達」
女性の機械質な声が耳に入る。
「こいつはやりすぎってもんじゃないのかい?なぁ、ダークファルス?」
「その通りです。が、マリアさん、あなたは少し周りを見て行動してください。作戦に支障が出ます。というか既に出ています」
「まあまあカスラよ。マリアにそれは無理な相談というものだ」
「さすがレギアス。わかってるね」
「はぁ・・・困ったものです」
突然目の前に現れた3人。
誰だ?どこから?味方なのか?
そんな疑問を考えているとカスラと呼ばれた男に声をかけられた。
「そこの貴方。どうやらアークスではないようですが・・・とりあえず、戦えないのならあちらの負傷者と共に下がっていてください。そんな所にいては巻き込まれますよ」
「あ、あんたら・・・一体なんなんだ?」
「その話は後だ。まずは奴らをどうにかすることが優先。わかったな?」
「あ、ああ・・・」
聞きたいことは山ほどあったがこの人たちの言ってることは正しい。
俺は負傷した師匠を連れてエルと町の人たちがいる神殿へ向かった。
「アデル!ユリオンさん!」
神殿に着くと扉の前にエルが座っていた。
「二人とも、大丈夫!?」
「俺は大丈夫だけど、師匠が・・・」
「馬鹿野郎・・・こんなのはなぁ・・・ケガしたとは言わねえんだよ・・・」
「立てないくせに何言ってるんですか!」
「・・・エル、師匠のこと頼む」
「え!?ちょ、ちょっと!頼むって何よ!町に戻る気?もうあいつらはいなくなったんでしょ!?」
「今あの黒い魔物の親玉と戦ってる人たちがいるんだ。俺はあの人達を見過ごせない」
「親玉って・・・あんたが行ったところでどうにもならないじゃない!」
「やってみなきゃわからないだろ!」
「わかるわよ!なんであんたはそうやって無茶ばっかりしたがるの!?あんたの無茶にはもう懲り懲りなの!もしそれであんたがいなくなったらみんながどれだけ悲しむと思ってるの!?」
「俺は死なない!それに・・・ここで行かなきゃ後で絶対後悔する」
「——ッあんたねえ!」
「行け、アデルカ」
「ちょっと、ユリオンさん!」
「それがお前の・・・騎士道なんだろう」
「師匠・・・ごめんエル、やっぱり俺行かなきゃ!」
俺はエルの返事を聞かずに町の方に走った。
「ちょっとアデル!ああーもうっ!」
「心配するな、エルシィ。アデルカは俺の弟子だ。こんなところじゃくたばらねえよ」
「ユリオンさんの弟子だから心配なの!もう!信っじられない!」
「ははは・・・」
(アデルカ・・・お前はやっぱりあいつの子だ)
『しつこいなぁ。だからアークスは嫌いなんだ。特に君たちはね』
「おやおや・・・ダークファルスに厄介な存在として認知されているとは。アタシ達も有名になったものだね」
「これでもう少し身を潜めていたら我々も楽なのだがな。」
「お二人とも、さすがに余裕ですね。」
「馬鹿言いな。ラビュリスは壊れて世果も今は使えない。あげくにアンタのフローレンベルクは修理中。こんな状況でダークファルスと戦うなんて馬鹿げた作戦だよ。」
「ははは・・・耳が痛いですね。はてさて、どうしたものでしょう」
『あのさあ、僕たちだって暇じゃないんだ・・・そろそろ終わらせてもらうよ』
「させるかああああああああああ!!」
キイン!!
「アンタ・・・さっきの!なんで戻ってきた!」
「俺も・・・戦います!」
「離れていなさい。貴方のような素人が戦える相手じゃない」
「まあ待てカスラ。少年、本気なのだな?」
「はい。俺にできることがあるなら」
「・・・そうか。では我々に協力してもらおう」
「正気かい?レギアス」
「今我々には手が足りないからな。戦える者は多い方がいいだろう。ただし」
機械の体で年老いた声の男が落ち着いた口調で俺を見て話す。
「戦闘中に足手まといだと判断した場合、君の安全は保障できないぞ」
声を荒げるわけでもなく、表情が変わったわけでもない。
これが戦場だと言わんばかりの、重みをもった言葉だった。
「・・・はい、わかってます」
「そうか。では見せてもらおう、君の力を」
「またこのジジイは・・・勝手な事を」
「仕方ないですね・・・みなさん、来ますよ」
ダークファルス、と呼ばれていた『異形』は何故か楽しんでいるように見えた。
『食べる物が増えたみたいだね・・・ふふふふふ』
この3人だって見るからに只者ではない。
きっと想像を絶する戦いが起ころうとしている。
それでも。
「それでも俺は・・・逃げるわけにはいかない!」
「ふん、いい根性持ってるじゃないか。行くよ!アンタ達」
2人が頷くと共に前へと走り出す。
後に続いて俺も走っていく。
ここから俺のアークスとしての物語が、始まった。
第三話 完
さあ盛りあが
っ
て
ま
い
り
ま
し
た
すいません。今回後書きに書くことがありません。次回は主人公の出生が明らかになるかもしれません。お楽しみに。
【アデルカが釣り上げた剣】
説明不足で分かりづらいと思いますが、一応☆10ソードのルインシャルムをモデルにしています。遺跡でマルチ周回していた時に初めてドロップしてめちゃくちゃ嬉しかった覚えがあります。ロックマンゼロのゼットセイバーとか好きなのでフォトンの刃とか大好きです。モデルにしているだけですので、これルインシャルムじゃないじゃん!ってなるかもしれませんが、許してください!お願いします!なんでもはしないわ。できることだけ。