どうしても妄想を押さえきれず書きました。
後悔はしてません。
第97管理外世界、地球。その中の日本の、海鳴市。その町の外れに、一件の廃寺があった。
その寺は人の手から離れて長い時間が経過しているのか、雨や風に打たれかなり損傷しており、一目でこれは廃れた寺であるということがわかるくらいに壊れていた。壁や廊下には穴が開き、屋根を支える柱は4本あるうち1本が折れ、その屋根にも瓦が剥がれていたり穴が開いているところが存在する。この寺は、完全なる廃屋と化していた。
この寺は人里から少々離れているものの周辺の人にはそれなりに知られている場所であり、それ故にある噂話みたいなものが存在していた。
それは、「かつてこの寺がある場所には、若い女性が一人で住んでいた。その女性は人里から離れた場所で暮らし続け、そしてこの場所で生涯を終えた。その後、女性の住んでいたところにこの寺が建立されたのだが、その女性は霊としてこの世に残り今もその寺に現れるのだそうだ。」という話である。
この話はいわば、都市伝説等でよくある「寺があるからかつてここで何かがあったのではないか」という類いの話である。いわば、普通であれば只の戯れ言として流されてもおかしくないものなのだ。しかし、少しではあるもののこの話には実話が含まれており、完全にではないものの、この噂話は真実を述べていた。
実際に、過去この場所にはある一人の女性が住んでいた。しかしその女性は若くして重い病を患い、この寺のある場所でその生涯を終えていた。だが女性はまだ若かった身。彼女には日常、一生に対して何かしらの執着があったのだろう。霊、とまではいかないものの、女性の残留意思のようなものは長きにわたりこの土地に残っていた。それは、「まだ生きたい」、「人として生き続けたい」という、現世への執着のようなものであった。
このようないわくの残っているこの場所に、明らかに周囲に対して違和感を放っている石が落ちていた。
深い青色をしたその石はジュエルシードと呼ばれるもので、本来ならばこの世界に存在しない、しかしこの廃寺が存在する海鳴市においてかなりの騒動を起こしている魔法結晶である。
ユーノ・スクライアによって発見され、ミッドチルダへと運搬される途中で襲撃され海鳴市へと散らばったそれは、『ロストロギア』と呼ばれるはるか昔から遺されてきたものであり、その中でも第一級危険物と分類されるほどの危険性を持つものである。
何故この様なところにこんなものが飛来してきているのか、その理由は定かではない。
先程ジュエルシードはロストロギアの中でも第一級危険物に分類されていると記したが、何故そのような扱いを受けているのか。
それは、ジュエルシードがどのような方法であれ『願いを叶える』効果を持っているからである。しかし、その効果に比例するように扱いはかなり難しく、間違った使い方をしたり使い方を失敗したりした場合、最悪膨大な魔力により世界を滅ぼしかねない。またどのような方法であれ、と書いたように、願望を叶える上でどのような影響を周囲に及ぼすかを予測できないため、第一級危険物に指定されているのだ。
そのような危険性を持った石、『限定的ではあるものの何かしらの影響を与え願いを叶えてしまう』願望機が、残留意思の強く残るこの場所に存在している。それが何を意味するのか。
ジュエルシードは何かしらの意思、願望の念、又は魔力が存在していれば、その力を発動することが出来る。この場には若くして生涯を終えた女性の残留意思が残っている。まとめて言うと、この場にジュエルシードが存在することによって、『何かしらの意思の存在』という能力の発動条件が揃ってしまったのである。
今回も例外ではなく、念によって他のジュエルシードと同じように効果が発動した。但し、今回のジュエルシードの発動には、今までの例と異なる点が一つだけ存在した。それは、願望の対象となる存在が既に無いことだ。
対象を必要とする願いでその対象が既に存在しない場合、願いを叶えることは出来なくなり普通であればその動きを止める。
しかし、ジュエルシードのような強大な力を持つものは、一度発動してしまうとその力を抑えることが困難になってしまう。不完全にでも能力を発揮しようとして、持っている力を暴走状態にしてしまうのである。
今回は「人として生き続けたい」という願いをジュエルシードは受け入れ、力を発動した。しかし、対象となる人物は既に存在しない。その場合、ジュエルシードが発動した結果どうなるのか。
答えは、対象が存在しない代償として『別のものを人間として生かす』だ。例え空気や木々、魔力等でも、纏めて『人間』を作り出し、願いを叶える。そしてそれは、
ジュエルシードを中心にしてその周りに膨大な魔力が渦巻きはじめる。ジュエルシードはその魔力の奔流の中に呑み込まれ、その姿は見えなくなる。
渦巻く魔力は徐々にその密度を増し魔力体へと変化、それに比例して魔力光の発光も強くなっていく。魔力の奔流によって産まれた魔力体が一際強い発光をした後魔力体は爆散、魔力爆発を引き起こし、その時魔力波を広い範囲に発生させ、さらに爆風で周囲に砂埃がたてた。
魔力爆発から少し時間がたって、周囲に立ち込めていた砂埃が晴れていく。この寺の周囲を見るに、かなり大きな魔力爆発はあったもののほとんど影響を受けていないようで、そこまでの被害は出なかったようだ。
しかし、先程まで魔力体が存在していたその場所には、
「……………………みゅ?」
……一糸纏わぬ少女が、その場に座っていた。
説明文の難しさ……!
無印編は滞りなくスムーズに書いて、手早くA's編まで行きたいですねー。