ロストロギアの少女   作:幽々やよい

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リアルの方の都合で、更新が著しく遅れてしまい申し訳ないです。

今回は少々短いです。


第12話 幽霊少女の願いなの

「協力して欲しい?どういう事なの?」

 

 

 目の前でお願いしてきた金髪の少女、アリシアに、ソーフィヤは尋ねた。まあ、いきなり協力して欲しいと言われても、誰もがそのような反応を示すだろう。ソーフィヤからの問いかけに対し、アリシアはこう答えた。

 

 

〔私のママ、プレシアを助けて欲しいの。〕

 

 

「プレシア・テスタロッサを……?」

 

 

〔うん。ママを負の連鎖から救って欲しいんだ。〕

 

 

「……?」

 

 

 ソーフィヤは、アリシアの言葉の本意を掴みかねていた。『負の連鎖』とはどういうことなのだろう。今起こっていることの前に何かあったのだろうか。負の連鎖というなら、その開始点となるのはやはり駆動炉の事故だろう。彼女の言うことを信じるならつまり、駆動炉とはまた別に事件が起こっており、その中でプレシアがよくない方向へと向かっていったということである。

 

 

 それに対してどうすればいいのか。そう考えていると、アリシアは更にソーフィヤに語り始めた。

 

 

〔26年前の駆動炉の事故で、私は当時よく一緒にいた猫のリニスと爆発に巻き込まれてしまったの。爆発で発生した強い魔力波に飲まれて、私は意識を失ってしまった。次に私の意識が戻った時、私の目の前にはベッドに横たえられた私がいて、その側でママが泣いてた。〕

 

 

〔最初は、どういう事だか全く意味がわからなかった。けど、実感せざるを得なかった。私の体が、霊になってる事に。〕

 

 

 アリシアは少し俯き、悲しそうな表情をする。そして、話を続けた。

 

 

〔私達は、元々私とママしか家族が居なかったの。だから、ママは私を生き返らせてまた一緒に過ごせる様にしようとしたわ。そして、蘇生魔法の実験を始めた。その過程で生まれたのが……〕

 

 

「あの娘……。フェイトなのね。」

 

 

〔そう。ママも、最初はフェイトに自分の娘のように接して過ごしてたわ。けど、一緒に過ごしていく中で、利き手や性格、色んなところから、アリシア(わたし)フェイト(あのこ)が違う存在だっていうことに気付かざるを得なかった。〕

 

 

〔フェイトを大切に育てたいという気持ちと、私を生き返らせたいという気持ち。ママはこの2つの感情に板挟みになって、だんだん精神的に追い詰められていってしまったの。〕

 

 

 アリシアは顔を上げ、再びソーフィヤを見る。そして、真剣な表情になり、話す。

 

 

〔ママは、今、私を生き返らせる事に妄執してる。自分の全てを投げうってでも、願いを叶えようとしてる。このままじゃ、ママはどんどん不幸になっていっちゃう。だから、ママを止めてほしいの!〕

 

 

 アリシアは、真っ直ぐにソーフィヤの目を見る。その目には、強い意思が込められていることが十分に読み取れる。

 

 

 アリシアの話を聞き、ソーフィヤは考えていた。

 

 彼女の言うことが正しいのであれば、プレシアは何がなんでもアリシアを蘇生しようとするだろう。その事に執念している筈だ。つまり、彼女を止めるにはアリシアを生き返らせる以外に考えられる方法が無い。たとえ無理矢理止めたとしても、どんな方法を使ってでも再び死者の蘇生に手をかけるに違いない。第一、今のソーフィヤでは、とてつもない実力を持つプレシアを止めることは出来ないだろう。

 

 

 だが、死者の蘇生にも問題がある。そもそも死者蘇生は、この世界では禁術と定められている。以前魔法について学んでいるときに、クロノからそう教えてもらっていた。偶発的に起こってしまったソーフィヤのような例を除いて、この方法は使うことが出来ないし使えない。

 

 

 止めることは根本的な解決にはならず、そもそも止められるかわからない。だからといって、死者の蘇生という手段を取ることも出来ない。いくら考えても、ソーフィヤは解決策を見つけることが出来ない。

 

 

「ごめん。貴女の思いはよくわかる。でも、そう言われても私には何も……」

 

 

 ソーフィヤはアリシアから目をそらし、顔を俯かせる。アリシアに対する申し訳無さと自身への不甲斐なさから、口から謝罪の言葉が溢れていく。そして、「出来ない」とソーフィヤが告げようとしたとき、あるものが視界の中に入ってきた。

 

 

(生体ポット……。……確かさっきこれについて話してたような……?)

 

 

 ソーフィヤの頭の中で、何かが引っかかる。先程の話の中で、アリシアが何かこの生体ポットに関連して話していたはずだ。この場所で目覚めてからの記憶を呼び起こし、回想する。確かにあったはずだ、何か切っ掛けとなる言葉が。思い出す。思い出す。

 

 

 

 

 

 

『厳密に言えば、死んでるのかすらわからないけど。』

 

『感覚が残ってるんだよ。何か液体に包まれているような感覚がね。』

 

 

 

 

 

 

 瞬間、ソーフィヤの目が見開かれる。彼女の言っていることが正しいのであれば、彼女の身体は生きている可能性がある。もし()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「……出来るかもしれない。」

 

 

〔……えっ?〕

 

 

「この問題を解決する事が、出来るかもしれない。」

 

 

〔本当に!?〕

 

 

 アリシアは驚きつつも、その答えを聞けて嬉しいような表情になる。ソーフィヤは一度そらした目を再び彼女に向け、しかし表情は真面目なままで言葉を続ける。

 

 

「方法があるにはある。けど、正直成功しない確率の方が高いと思う。」

 

 

〔それでも、少しでも可能性があるなら、私はやりたい!〕

 

 

 ソーフィヤは、アリシアの目を見る。その目には強い意思が垣間見え、彼女が決して譲らないという意思を持っていることを感じさせていた。それを確認したソーフィヤは、表情を崩し笑みを浮かべながら話を続けた。

 

 

「……ここで反対意見を言っても、多分聞き入れないよね。わかった。私も出来る限り協力するよ。」

 

 

〔本当!?ありがとう!〕

 

 

 アリシアは満面の笑みで感謝の言葉を述べる。それを見てソーフィヤも微笑む。数瞬後、アリシアは疑問符を浮かべているような表情になる。

 

 

〔で、私達はどうやって動けばいいの?〕

 

 

「そうね。多分時間がもう無いから、一度だけ話すわ。まずね……」

 

 

 ソーフィヤは今回の解決手段をより詳しく説明する。アリシアはふんふんと言いながらその説明を聞く。あらかたの説明を終えると、アリシアは〔よし、わかった!〕と自信満々げに相づちを打った。

 

 

「こんな状況だし、出来るチャンスは1回だけ。だからこそ失敗できないわ。」

 

 

〔うん。絶対に成功させて、ママを助けよう!〕

 

 

 二人は互いにうなずき合う。共に、その瞳には意思を纏わせている。ここに、共に現実的な不可能を可能に変える為、二人の作戦が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 時は戻り、現在の時の庭園。気絶している前提の為下手に動くことが出来ないソーフィヤは、空中に浮かんだ状態のまま狸寝入りで機会を伺っていた。

 

 

(……さて、事が動き始めた。自分で言い出したことだし、何としても失敗するわけにはいかない。絶対に、この作戦を成功させる!)

 

 

 ソーフィヤは、改めて気持ちを入れ直す。そして、来るべき時に備え、現状出来ることをバレないように行っていく。また、アリシアも別の場所で、彼女に与えられた役割に応じて着々と準備を進めていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 世界が少し、動いた気がした。




とにかく今は、なのはReflectionを見られるように頑張ります…!(まだ見れてない)
あと、設定資料集も欲しい…!

《2019/3/1前文を削除しました》

《2020/9/17 加筆修正&アリシア→プレシアの呼び方が原作と違っていた為修正しました》
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