ようやく新デバイスの登場です。
そして、前半部分に独自解釈部があります。
最初にタイトル付け忘れました。
失礼しました。
ソーフィヤ達が時空管理局本局に来てから2日。
ソーフィヤとアリシアは、机に向かいテスト問題と戦っていた。
「これはこれ…ここはこの計算を使えば…。」
「えーと、この数を代入するとこの数値が変化して、術式にはこんな影響が出たはず…。」
《3,2,1,Time up.》
「はい、そこまでだよ。採点するから、答案用紙を渡して。」
「「はーい」」
アリシアの隣に座っていたフェイトとバルディッシュが制限時間を告げ、二人から解答を預り採点を始める。
所々難しい問題は解けていないが、それでもほとんどの問題を正答していた。その結果を見て、フェイトは笑みを浮かべる。
「うん、二人ともかなり点数が上がってる!お姉ちゃんもソーフィヤも、かなり成長してるよ!」
「そう?良かったー。いやー、お姉ちゃんとして、せめてこれくらいは出来ないとママにもフェイトにも会わせる顔がなくなっちゃうからね。」
「フェイトは大学卒業後、修士レベルの問題まで解けるからね。流石の血筋というか何というか。」
「そんな事無いよ?二人ともすごい成長速度早いし、お姉ちゃんはソーフィヤよりも短い期間でここまでなんだから、私なんてすぐに追い越されちゃうよ。」
「おおう、妹の期待が重すぎる件について…。」
「我慢しなよ、折角尊敬の眼差しを送ってくれてるんだから。」
フェイトが二人を観ているのには、ある理由がある。
アースラにいた時はクロノやリンディ、エイミィやプレシアが主に手が空いた時に勉強を教えていたが、本局に着いたことでクロノとリンディは裁判準備を、エイミィとプレシアは二人のデバイス製作補助の為、教える時間を取れなくなってしまったのだ。
その間どうしようかという話になったときにフェイトの学力が修士レベルである事が判明し、フェイトに見てもらおうということになったのである。
「今日はこれから、リンディ提督やクロノ達と一緒に検査の結果を聞きに行くんだっけ?」
「うん。その後にデバイスを渡してもらう流れになってる筈。」
「検査は大丈夫だと思うけど、自分専用のデバイスかぁー…フェイトはどんなのだと思う?」
「え?私と一緒だと嬉しいけど…でもお姉ちゃんは色々出来るから、やっぱり複数形態を持つデバイスになりそう。」
そんな事を話していると、不意に部屋の扉がノックされる。
ウィーン、とドアが開くと、そこにはクロノとエイミィがいた。
「三人とも、お話し中すまないがそろそろ時間だ。」
「さぁ、検査室に行くから準備してね。」
「「「はーい」」」
クロノとエイミィを含めた5人はすぐに部屋を出立し、数分かけて第2検査室に到着する。
部屋には、すでにリンディとプレシアが待っていた。
「リンディさん!お仕事終わったんですね!」
「ええ、今日は重要な内容を聞かなきゃいけないから、急いで終わらせたわ。ソーフィヤについて、しっかりとお話を聞かなくちゃ。」
「ママ!」「お母さん!」
「アリシア、フェイト、朝ぶりね。お勉強は大丈夫?」
「勿論!パーフェクト…じゃないけど、バッチリだよ!」
「お姉ちゃんもソーフィヤも覚えるの早いから、今やっている範囲はもう大丈夫そう。次の内容を準備してもいいかも。」
「すごいわ、アリシア!それにありがとうね、フェイト。次の勉強内容は、近い内に用意しておくわね。」
このような話をしながら、全員で奥の部屋へと移動する。そこには検査を担当した医師と白衣の研究者がおり、隣には少し大きめのモニターが設置されていた。
「お疲れ様です。お待たせしました。」
「いえいえ、こちらも先程準備が終わったので、丁度良いくらいですよ。どうぞお掛けください。」
医師の勧めに合わせ、各々席につく。
全員が座ったのを確認した所で、医師が話し始める。
「それでは、皆さんの身体検査結果について、私の方から説明を。まずはソーフィヤさんとフェイトさんですね。お二方は先の戦闘で負傷されたそうですが、おおむね元の状態まで回復していますね。リンカーコアや魔力の流れも正常、魔力量ではフェイトさんはAAAレベル、ソーフィヤさんはAAレベルまで回復しています。」
医師はモニターを操作し、次の画面を映す。その画面にはアリシアが映っている。
「次いで、アリシアさんですね。事件中に強力な魔力波を浴びたことでリンカーコアが目覚めたと伺いましたが、検査によりその事実が確認されました。現在はソーフィヤさんと同じ、AAレベルの魔力を保有しています。」
「AAレベル!?アースラでの検査では、Bレベルって話だったんですけど…。」
「おそらく、素質として潜在的に持っていたのでしょう。それが訓練でリンカーコアが強化され、表に出てきたものだと考えられます。あと、肉体的部分ですね。同年齢と比較すると発達が遅い部分がありますが、生活していく上で問題は無いでしょう。」
そう言うと、医師はモニターを再度操作し画面を切り替える。今度はプレシアが映っていた。
「最後にプレシアさんなんですが…色々と医学的に不可思議な部分がありまして。まず、喀血等を引き起こす病にかかっていたそうですが、完治しています。そして、ボロボロになっていた身体についても、その形跡はありますが現状は問題ありません。」
「完治ですって!?あれほど苦しめられたのに…。そういえば、最近喀血が無かったわね…。」
「プレシアさんも魔力波に当たったと伺ったので、魔力波で肉体が活性化し病気や身体的負傷が回復したと考えられますが…。まだ検証が必要です。再度検査をさせていただいても大丈夫でしょうか?」
「ええ。不安を抱えたままなのは、流石に嫌ですから。お願いします。」
プレシアがこのように受け答える中、クロノはある心当たりがあった。
(…これがアリシアが言っていた願いの結果、『ジュエルシード』の効果か…)
クロノは事故直後、ソーフィヤが倒れた理由を考えていたときに、アリシアから自分も願っていてソーフィヤが叶えたと聞いていた。
この事実を知るのはクロノとアリシアだけ。他の人には伝えていない。
二人は、改めてジュエルシードの危険性を認識した。
「さて、私の方の話は以上です。次は、ジュエルシードの調査の結果ですね。」
医師が席に座ると、隣にいた女性研究員が立ち上がり、モニターの所に移動する。
資料を挟んだファイルを開いたところで、クロノ達の方を向いた。
「お疲れ様です。中央技術開発局室長のマリカです。先日のジュエルシードに関連する検査の報告をします。」
そう言って、マリカはモニターを弄る。画面にはソーフィヤの図とよく分からない数式や記号、図が多数表示されている。
「結論から言いますと、『ジュエルシード』は現状危険性はありません。」
「それは…本当に?」
「ええ。あくまで
そう言うと、モニターに次の図が映される。
中心にソーフィヤを模した人形と21個のジュエルシードが、ジュエルシードの回りに二重の円が記されている。
「便宜上、ジュエルシードについてから説明しますね。ジュエルシードは、一つ一つが微弱な魔力波を出しています。そして、ジュエルシード同士の魔力波がぶつかることで、ジュエルシード自体が安定する仕様になっています。」
そして、とマリカは一息入れる。
「ジュエルシードはこの魔力波を使って、動物の感情や願望、魔力を感じとり発動します。1番のみソーフィヤさんと融合していますが、よほど大きな感情の変化がない限りは暴走しないでしょう。まとめると、ジュエルシードが21個全て手元にある今、ソーフィヤさんの感情が暴走しない限りはジュエルシードは安定し、被害を生み出すことはありません。」
「なるほど、だから現状は、という訳ですか。」
「ジュエルシードって、そんなにすごいものだったんだ…。」
「ええ。現在の技術では、これ程の魔力を含有し微弱な波にも反応、最悪の場合天変地異規模の動作が出来るものは作れないでしょう。それだけ、この
ジュエルシード本人であるソーフィヤを含め、改めてジュエルシードの危険性を全員認識した。
それと同時に、クロノはあることを考えていた。
(マリカさんの話から、ソーフィヤ本人が大丈夫であればジュエルシードは現状問題になることはない事は分かった。これなら、今進めている嘱託魔導師資格があれば事態を良い方に進められる。…ただ、マリカさんには、懸念材料が無い訳じゃない…。)
そう考え、クロノは顔をあげて直接マリカに尋ねる。
「失礼、マリカさん。この情報は、上司に報告等はされていますか?」
「…なるほど、そうね。確かにそれは重要ね。貴女のような聡い人間なら、事情は分かるでしょう?」
クロノの本意を感じ取ったプレシアは、クロノに合わせてマリカに尋ねる。
マリカはアバントの部下である、謂わば敵側にいる人間。かつて彼に被害を与えられた身としては、プレシアは簡単には信用できなかった。
プレシアの発言で、その場にいた全員がその意図に気付きマリカへと視線を向ける。
それに対して、マリカは堂々と返答した。
「この件はまだ誰にも報告していません。調査途中の部分もありますし。それに、情報漏洩対策をするのであれば、間口が狭い方が良いでしょう?不安なのであれば、私に近い知り合いにも保証をしてもらうことも可能ですし。」
ニッコリと微笑みながら、マリカは返答する。ソーフィヤ達の境遇を知り、あえて上司に報告せず情報漏洩を防いでいた。
マリカの返答に、クロノ達は皆ホッと息をついた。
「疑ってしまってすみません、マリカさん。貴女なら大丈夫そうです。」
「いえ、事情が事情ですし、仕方ありませんよ。私に何か協力できることがあれば、また声をおかけください。また随時ソーフィヤさんの検査は行いますので、よろしくお願いしますね。」
そう言ってマリカは荷物を片付け、部屋から出ていく。医師も部屋から出て、室内に残っているのはソーフィヤ達だけになった。
「取り敢えず、現状問題ないということが分かって良かった。これなら、今後の準備も良い方向で進められそうですね。」
「そうね、クロノ。ただ、その分私たちの動きが重要になってくるわ。ソーフィヤ達を守るためにも、精一杯頑張らないとね。」
「はい、母さん。」
クロノとリンディは、今回の検査結果を元に、改めて事態解決の為努力することを決意する。
ここで、エイミィが手をパン、と叩いて、固くなっていた空気を解す。
「さぁて、難しい話はここまで!この後は、ソーフィヤちゃんとアリシアちゃんのデバイスの御披露目!さあ、部屋を移動するよー!」
エイミィの掛け声にあわせて、全員で部屋を移動する。
先程まで難しい話で少し固まっていた子供達3人の雰囲気が、期待からか少し柔らかくなったように感じた。
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第2検査室を出たクロノ達は、修練場に移動していた。
到着した面々は、部屋の入り口辺りで立って待っている。なお、プレシアとエイミィは到着してすぐに、クロノ達と別れて部屋から出ていた。
「私達のデバイスかぁ…。どんなものになるんだろう?」
「うーん、分からないけど…。まあ、ママ達も協力してるし、すごいものが出来上がってそうだよね。」
「うん。
「そうだな…。ソーフィヤはまあ、剣の形態は間違いなくあるんじゃないか?アリシアは、正直想像がつかないな。」
「アリシアは私と違って、武器種にも色々適正があったしねぇ。どれになってもおかしくなさそうだけど。」
「いや、出来るっていったってそれなり止まりのレベルだし…。」
「ううん、それなりでも出来るお姉ちゃんはすごいよ!磨けばどれだって扱えるようになるって事だもん!」
「おおう、妹の期待が重すぎる件について…。」
「諦めて…何かさっきもこんな話した気がする…。」
こんな話をしながら数分待っていると部屋の扉が開き、マリーとエイミィ、プレシアが入ってきた。
「みんなお待たせー。デバイスを持ってきたよ!」
「それでは、ソーフィヤさんには私からお渡ししますね。」
「アリシアには、私が渡すわ。」
そう言ってマリーとプレシアはそれぞれデバイスを持ち、ソーフィヤとアリシアに手渡す。
渡されたデバイスを、二人は興味津々に観察している。
「私のは白色の宝石…。レイジングハートと似てる感じ…?」
「私はキャンディーボトルに、7色の宝石が入ってる感じだね。とっても綺麗!」
二人が各々のデバイスを観察していると、マリーとプレシアがそれぞれのデバイスについて説明し始める。
「それじゃあ、ソーフィヤちゃんの方から説明しますね。ソーフィヤちゃんのデバイスは、レイジングハートを参考に宝石のペンダント型になってます。インテリジェントデバイスですね。そして、アリシアちゃんは…」
「アリシアのデバイスは、特殊なタイプなの。一つのデバイスで複数の形態を同時に発動できて、簡易的だけどAIも搭載されてるわ。種類は、そうね…マルチデバイスとでもいう感じかしら。」
「まあ、取り敢えずは直接確認した方が早いと思います。名前はまだ登録してないので、素敵な名前をつけてあげてくださいね。」
マリーはそう言って、二人に微笑みかける。名前を決めてほしいと言われた二人は、少し悩んでいるようだった。
「素敵な名前か…。どんな名前が良いかな…。」
「そうだね。明るい名前を付けてあげたいなぁ。」
そう言って考えること数分。二人の中で粗方名前の候補が決まった。
「うん、これにしようかな。それじゃあアリシア、私から始めてもいい?」
「良いよー!ソーフィヤの付けた名前、楽しみだなぁ。」
そう言葉を交わしながら、ソーフィヤは少し離れたところに移動し、デバイスの初期起動を始める。
「―マスター認証[ソーフィヤ]」
「―術式[ミッドチルダ主体古代ベルカ混合ハイブリッド]」
「―デバイス名称登録、愛称[ネージュ]」
「正式名称[ペルスネージュ]」
「いくよ。ペルスネージュ。」
《OK,my lady. Stand by ready. Set up.》
ソーフィヤの身体が光に包まれる。
現在着ている服装から、バリアジャケットへと変換されていく。
光が晴れると、そこには和服に身を包んだソーフィヤが立っていた。
服装は武道の胴着袴をベースに、上半身には袖の無いジャケットを、腰には短い丈のマントを身に付けている。手には手甲が、足の脛にも装甲が付いていた。
杖はレイジングハートのスタンバイフォームを元に、上部の白の宝石を四方向で囲っている形になっていた。
「これが…私の魔導師としての格好。胴着は慣れてるし、すごく動きやすそう。」
「それが、スタンバイフォームだね。デバイスを起動すると、基本的にはその形になるよ。それじゃ、次はショットフォームって言ってみて。」
「はい!ショットフォーム!」
《shot form》
掛け声と共に上部の宝石を囲っていた四本の棒がまっすぐに伸び、杖全体の長さも少し長くなる。
「それがショットフォーム。砲撃戦をするときはこのフォームだね。ペルスネージュにはソーフィヤちゃんの魔力資質を自動で適用してくれるようになってるから、いつも通りに魔法を使える筈だよ。」
「なるほど。この杖の長さだと取り回しが良くて、扱いやすそうです!」
ソーフィヤはその場で少し杖を振ってみる。重さが丁度よく、振り回される感じもない。今までの仮デバイスより、かなり扱いやすかった。
「それと、もう一つだね。次はソーフィヤちゃんの流派の、『御神』って言ってみて。」
「???はい。」
何故流派名を唱えるのか、ソーフィヤにはいまいちよく分からなかったが、取り敢えず言われた通りにやってみる。
「いくよ、『御神』!」
《Zwillingsschwert》
杖の形態が大きく変化する。宝石は小さくなり杖の上部に入り込む。杖の棒部分全体も短くなって、剣の柄へと変わる。そして内部から日本刀の真剣に近い刃が現れた。
それが小太刀の大きさで2刀分。ソーフィヤの御神流に合わせた形態になっていた。
「!これって!」
「うん、ソーフィヤちゃんが使ってる御神流に合わせた、日本刀仕様のフォームだよ。刃は縦の衝撃には強いけど、横からの攻撃では折れやすいから気を付けて。それと、あくまで本体は柄だから。柄が完全に壊れると修復に時間がかかっちゃうから注意してね。」
「はい!…にしても、重さも丁度良いし、振りやすいなぁ。」
ソーフィヤは、いつもの御神流の型で素振りをしてみる。まるで昔から使っていたかのように手に馴染み、重さや長さも問題ない。とても使いやすかった。
「後はもう一つ、ブースターフォームっていうのがあるんだけど…。これはジュエルシードを用いる、謂わば強力だけど危険なフォームなんだ。これは訓練の中で、使っていけるように練習してね。」
「はい!」
威勢良く返事をすると、ソーフィヤは変身を解く。
姿が元に戻ったのを確認すると、元いた場所に戻ってきた。
「それじゃ、次は私だね!」
そう言って、今度はアリシアが先程ソーフィヤがいた場所に移動する。
「―マスター認証[アリシア・テスタロッサ]」
「―術式[ミッドチルダ式]」
「―デバイス名称登録[フォーチュンドロップ]」
「いっくよー!フォーチュンドロップ、セットアップ!」
《Stand by ready. Set up.》
アリシアが光に包まれる。
光の中から出てきたアリシアは、フェイトに近い格好になっていた。
近い格好とはいっても露出度はフェイトより少なく、色も白と水色を基調としたものになっている。
また、デバイスのキャンディーボトルは、六枚花のブローチに姿を変え、右手の甲に移動していた。
「おお、フェイトと似た格好じゃん!…って、武器が無いんだけど…。」
先程ソーフィヤが変身したときに武器を持っているのを見ていたので、アリシアは自分の武器が無いことに不安になる。
その事について、プレシアが説明する。
「ごめんね、アリシア。そのデバイスは特殊で、複数の武器を召喚できるデバイスなの。ちょっと待ってね…。」
そう言ってプレシアは目の前にモニターを展開し、何かを開く動作をする。
少ししてモニターを反転させると、其処にはフォーチュンドロップの展開機能一覧が書かれていた。
『スロットNo.1 ウィップスター
スロットNo.2 ファンスター
スロットNo.3 マイクスター
スロットNo.4 ソナースター
スロットNo.5 ガンスター
スロットNo.6 ソードスター
スロットNo.7 サイススター』
「これが機能一覧よ。1,2,5,6,7が戦闘用、3,4が補助用なの。まずは3と4から展開してみましょうか。コール、スロット何々で呼び出せるわ」
「りょーかい!コール、スロット3,4!」
アリシアの掛け声にあわせて、ヘッドフォンマイクと状況分析用グラスが頭に展開され、周囲にモニターが出現する。
「ヘッドフォンマイクがスロット3、それ以外はスロット4よ。ヘッドフォンマイクはデバイスさえ繋がっていれば、念話通信で届かない範囲でも戦闘中に念話できるわ。スロット4はソナーや能力分析をその場で出来る、指揮官的立場で重要になってくるわ。」
「なるほど。これが上手く使えると、戦場で動きやすくなりそう。」
アリシアは、マイクの調子やモニターの操作を一通りしてみる。個人戦闘中はキツいが、集団戦闘中にこれが扱えればかなり展開を好転させられるだろう、そう感じた。
「次は攻撃用スロットだけど…。順番に、鞭、ハリセン、銃、剣、鎌よ。一通り使ってみて貰えるかしら?」
「うん、分かった。…けど、何でハリセン?」
「何故かしら…。私たちにもよく分からないけど、入れた方がいいと思ったのよ。」
「ふーん…。まあ、いいか。」
アリシアは、一通り武器を扱ってみる。どれも手にしっくりきて、すぐにでも戦闘で使えそうな感じがした。ついでに2丁拳銃や双剣みたいな召喚が出来ることもわかり、戦略の幅を大きく広げられそうだな、とアリシアは感じていた。
ハリセンの使い道は、いまいち思い浮かばなかったが。
「…うん、こんな感じかな。かなり使いやすくて良いよ、これ!」
「そう、それなら良かった。マリーに協力して作った甲斐があったわ。」
アリシアも満足しながら、変身を解き元の場所に戻ってくる。二人とも初期起動を終えたのを確認して、クロノは二人に話しかける。
「さて、デバイスは大丈夫そうだな。明日からはデバイスも用いて、嘱託魔導師資格取得に向けて練習していく。かなり厳しい訓練になるが、大丈夫そうか?」
「勿論!それは私の為でもあり、フェイトやママの為にもなる!なら、頑張らないと!ね、フォーチュンドロップ。」
《I agree. I will cooperate, my master.》(勿論です。よろしくお願いいたしますね、マスター。)
「うん、よろしく!」
「私もそう。特に私は、クロノやリンディさんにジュエルシードの事でいっぱいお世話になってるからね。出来ることは全部やってかないと。一緒に来てくれる?ペルスネージュ。」
《Of course. As a knight, I swear to protect and help you. My lady.》(無論ですとも。私は騎士として、必ず貴方を守り助ける事を誓いましょう。)
「ふふっ、頼りにしてるよ。」
デバイスを受け取った事で、新たな段階へと進んだ2人。
そのデバイスとの出会いは二人の中で大きなものとなり、彼らがより強くなっていく為の礎となる。
それを感じることになるのは、更に先の話。
ここから、新しい運命が確かに回り始めた。
ようやく書けたぁ!
やっとデバイスを出せました!
アリシアのフォーチュンドロップとバリアジャケットは、イノセント準拠にするか、フェイト参照にするか、オリジナルで作るか、書いてる途中もずっと悩んでました。
マスター認証とかの部分は、vivid1巻を参考にさせて頂いております。
デバイスの声とかは、
フォーチュンドロップ:レイジングハートやマッハキャリバーに近い声
ペルスネージュ:バルディッシュのような、渋い男性の声
のイメージです。