ロストロギアの少女   作:幽々やよい

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今回は前後編で書きます。

今回はソーフィヤ目線で書きました。


第7話 ソーフィヤと高町家なの 前

 6個のジュエルシードの暴走によって引き起こされた、海竜事件。その後、なのはとユーノ、そして私は、リンディさんからかなり怒られた。「今回は上手くいったから良かったけど、最悪被害を拡大させる可能性もあったのよ」、と。

 

 

 なのはとユーノの2人はリンディさんから怒られ反省する中で、あの海での件の顛末を思い出したのか暗い表情をしていた。特になのはは、フェイトときっちり対話出来なかった上、目の前で第三者による攻撃を受けている光景を近くで見てしまっていた為、かなり堪えているようだ。明るさが取り柄の彼女だけど、今は悲痛な面持ちをしてる。

 

 

「でもまあ、貴女達が動いたお陰で最悪の事態を免れた事もありますし、今回は不問にします。ただし、次はありませんよ。」

 

 

「「……はい!」」

 

 

 リンディさんの二人の状態や今回の事態を考慮した発言で、二人の顔は少し明るくなる。どうやらリンディさんは、かなり弁の立つ人みたい。話の持っていき方が、凄く上手だった。

 

 

 そして、なのは達にあまり長い期間ジュエルシードの件に固執させないようにする為か、リンディさんはなのはに一時帰宅するように言った。なのはは、まだ事件が解決してないからちょっと驚いてるみたいだ。

 

 

「えっ、でも、まだ……。」

 

 

「なのはさんも、これ以上学校を休むわけにもいかないし、家族の皆さんにも一回は顔を見せた方が良いと思うの。だから、一旦帰宅許可を出すわ。」

 

 

「……!はい!ありがとうございます。」

 

 

 なのはが笑みを溢す。一旦自宅に戻って家族や友人に会えることになって、嬉しいみたいだ。この流れで、リンディさんはこんなことを言った。

 

 

「そういえば、私もなのはさんのお宅に伺わないといけないわね。」

 

 

「「えっ?」」

 

 

 リンディさんの言ったことに、なのはとユーノが驚いている。どうやら純粋に何故来る必要があるのか、2人は分からなかったらしい。私はわかったけど。それを何となく察したリンディさんは、2人に理由を伝える。

 

 

「流石に子どもを預かっている身としては、一度は顔を合わせておかないと色々信用してもらえなかったりするから、伺わせてもらうわ。」

 

 

「ああ、なるほど。」

 

 

「??」

 

 

 リンディさんの話を聞いて、ユーノは完全に理解したらしい。納得した様子で頷いている。一方なのはは詳しくはあまり分からないものの、ボンヤリとは理解したらしい。疑問符を掲げつつも、一応納得と頷いていた。

 

 

 その様子をボーッと見ていたせいで、気が緩んでいたんだろう。リンディさんがその後に言った言葉に、私は不意を突かれて驚いてしまった。

 

 

「そうそう、ソーフィヤも一緒に行きましょうか。」

 

 

「……へっ?」

 

 

ソーフィヤ()も一緒に』?何でなのはの家に私も行く必要があるんだろう。確かにちょっとは気になるけど。リンディさんの発言の意図が掴めず悩む私に、リンディさんは理由を言ってくれる。

 

 

「子どもと同い年位の子どもがいると、相手も安心して預けてくれやすくなるのよ。だからお願いね。」

 

 

「あー……わかりました。」

 

 

 同年代の友達(オトリ)か。何となく言いたいことはわかった気がする。生返事になっちゃったけど。

 

 

 とりあえず、こんなリンディさんの発言から、なのはとユーノ、リンディさんと私の4人でなのはの自宅に向かうことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 高町家に向かう為、私達はアースラから海鳴市に降り立った。降りた時から、私は実際の地球の景色に見いっていた。何せ、保護される前は山奥の廃寺にいたし、保護されてからは外の景色すらまともに見られない状況だったのだ。そんな私の状態を見破ってか、リンディさんは私にある提案をした。

 

 

「ソーフィヤ、今はなのはさんの家に行かなきゃいけないけど、後で少しこの辺りを散策してみる?」

 

 

「!いいんですか?」

 

 

「大丈夫よ。今まで殆ど外に出られない状態だったから、かなり興味があるでしょう?」

 

 

「はい!ありがとうございます!」

 

 

 私は笑みを溢しながらお礼を言う。ふと頭を(よぎ)った保護対象をこんな風に連れ出しちゃって大丈夫なのか?という疑問は、気にしないことにした。

 

 

 

 

 

 周囲の景色に目を奪われながら、高町家へと歩を進める。暫く歩くと、目の前に裕福そうな少し大きめの家が目に入ってくる。なのはが駆け寄っていく辺り、恐らくあれが高町家なのだろう。

 

 

 まずなのはが、鍵を開けて家の中に入る。玄関から何かしらの話し声が聞こえた後扉が再び開かれて、中からなのはと若い女の人が出てきた。その人は優しい笑顔で私たちに声をかけてきた。

 

 

「初めまして。高町なのはの母、高町桃子です。お忙しいところ、ありがとうございます。」

 

 

 どうやら若い女の人は、なのはのお母さんらしい。

 綺麗な人だなー、と見とれていると、リンディさんが挨拶をしていたので私も急いで挨拶をする。

 

 

「初めまして。なのはさんを預からせていただいている、リンディ・ハラオウンと申します。本来ならもっと早く伺うべき処、遅くなってしまい申し訳ありません。そして、この子は……」

 

 

「ソ、ソーフィヤです。よろしくお願いします。」

 

 

 何だか変に緊張して、片言になっちゃった……。桃子さんは私の様子を見てふふっと微笑み、そしてこう言う。

 

 

「外で立ち話もなんですし、どうぞ上がってください。飲み物をお出ししますので。」

 

 

「では、お言葉に甘えさせていただきます。色々気にかけていただいてしまって、すみません。」

 

 

「いえ、お気になさらないでください。こちらは預けさせていただいている身ですし。」

 

 

 どうやら家の中に上がることになったらしい。私はなのはに手を引かれながら、高町家の中に入っていった。

 

 

 リビングに通された私達は、出してもらったお茶を飲みつつ母親同士が談笑しており、なのははそれを聞いている。ユーノはフェレット状態でなのはの膝の上に座っている。そして私はというと、なのはの姉である美由希さんの膝の上に乗せられ、頭や髪の毛、頬を、ナデナデ、モフモフ、ムニムニされている。

 

 

 いや、何故こうなった。流石に私も理解が追い付かなくなっている。リビングでお茶を飲んでて、気が付いたらいつの間にかこんな状態になっていた。

 

 

 ていうか、美由希さん撫でるのが上手い。何だかすごく優しく包まれてる感じがする。撫でられて、何だかふわふわした感覚になって、ぽーっと……

 

 

 

 はっ!完全に堕とされるところだった。でも、本当に撫でるのが上手い。撫でられたりして嫌だっていう感覚がほとんど無かった。プロなのかな。

 

 

 暫く美由希さんに撫でられて、少し気がついたことがある。何となくだけど、他の人に比べて重心が独特だ。今までなのはとかリンディさんとかに撫でられてきたけど、撫でるときの力の掛け方とかが少し違う気がする。ていうか、撫でるときの手の力の入れ方には、覚えがある気がする。

 

 

 さっきの玄関でもそうだ。なのはのお母さんの桃子さんと、姉の美由希さんや兄の恭也さんは立っているときの隙が全く違った。なのはの兄妹は何か共通の事をやってるんだろうか。そう思って、私は撫でている美由希さんと隣にいる恭也さんだけに聞こえる位の声で尋ねてみた。

 

 

「あの……、美由希さん、恭也さん。」

 

 

「ん?」

 

 

「どうしたの?」

 

 

「あの……、お二人って何か共通の武術をやってますか?」

 

 

「!……どうしてそう思ったんだ?」

 

 

「お二人の重心とかが、桃子さんとは違う感じがして……。そう、私は小太刀を振っているんですけど、その時の力の入れ方に美由希さんの撫でる時の力の入れ方が近いなって思って。」

 

 

 そう、何となく覚えがあったのは、自分が普段からやっていた小太刀の素振りで慣れがあったからだ。そりゃ、覚えがあるに決まってる。

 

 

 恭也さんは、私が小太刀を振っていると聞いてから、なんだかウズウズしている。美由希さんはそれを見て苦笑しているけど。と、恭也さんが私に誘いをかけてきた。

 

 

「なあ、良ければ君の素振りを見せてもらえないか?アドバイスとか出来るかもしれないしな。」

 

 

「そうだね、私も見てみたいな。」

 

 

 恭也さんから練習のお誘いを受けた。まあ、同じ小太刀を使うから、教授して貰えるまたとない機会だし……

 

 

「じゃあ……、拙いですけど、お願いできますか?」

 

 

「ああ。じゃあ、うちの道場に向かおうか。」

 

 

「はい!」

 

 

 恭也さんが桃子さんたちに断りを入れて席を立つ。私も恭也さんと美由希さんに続いて行こうとすると、なのはが「私にも見せて欲しいの!」と言って一緒に着いてきた。

 

 

 道場へと向かう途中、なのはが私に忠告してきた。

 

 

「ソーフィヤちゃん、お兄ちゃんはとっても強いの。だから、間違っても手合わせしようとしちゃ駄目なの!」

 

 

「う、うん。わかった。」

 

 

 なのはの圧力がいつになく強くて、なし崩し的に返事をしてしまった。というか、私はなのはのこの発言を、冗談だと思っていた。なのはには戦闘における天賦の才があるけど、まさか家族も持っているとは考えてなかった。

 

 

 そんな甘い考えをしていた私は、道場で自分の常識を覆さざるを得ない事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




後編も早い段階で投稿できる様、頑張ります。

10月から『Vivid Strike』が始まるので、それまでに進められるとこまで進めておかなければ……。
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