少年はどうやら幻想郷に召喚されたようです 作:やっぱりちくわ
「あなたは幻想郷の敵?それとも味方?」
八雲紫は単刀直入に、まっすぐとこちらを見て言い放った。
「敵か味方か…だって?」
スイルは最初、言われたことがよくわからなかった。正確にはなぜそんなことを聞かれるのかわからなかった。
「なぜこんな質問をされたのかわからないと言った顔ね。単純な話よ。突然幻想郷に現れたよくわからない人物が凄まじい力を持っている。敵か味方か確認するのは当然でしょう?だから決して敵意をもって質問してるとは思わないでくださる?」
紫はそう言うと少し頬を緩ませて笑う。そして真剣な表情で言い放った。
「幻想郷はすべてを受け入れる。現世から忘れられた者も、存在を否定された者も、誰かから見放された者も、あらゆるものを受け入れるわ。私はそんな幻想郷が好き。だからすき。だから幻想郷の敵として幻想郷を滅ぼさんとする者がいたら私は全力で排除する。たとえそれが幻想郷の意思に背くとしてもね」
紫は覚悟を決めたような真っ直ぐな目でスイルを見つめる。そしてスイルは紫の幻想郷に対する想いを聴き、自分の想いを口にする。
「俺はここに召喚されてからまだ日も浅い。だからこの幻想郷がどんなところなのか、俺にはまだ分からない。でも一つだけ確かなことがある。それは俺がここを気に入ってるということだ。」
「そう、気に入ってもらえて嬉しいわ。でもそれだけで味方とは思えないわ」
「そうだろうな。だが少なくとも今の俺にこの幻想郷をどうこうしようなんて考えは微塵もない。この世界に来て誰も知ってるやつがいない中、世話をしてくれたやつもいるしここで生きていくための知恵と力をくれたやつもいる。なのに俺は恩の一つも返せてない。幻想郷を滅ぼすなんてそれこそ恩を仇で返すようなものだ。そんなこと俺はしない。」
「それはつまり恩を返したら滅ぼすかもしれないと言うことでいいかしら?」
「ははは…まぁ今の話を聞いてるとそう思うかもな。だがさっきも言ったとおりオレはここが気に入ってるんだ。今は受け入れられなくてもいつか受け入れてもらえることを望んでいるんだ。もう一度いうが俺はここが気に入ってる。そんな俺にここを滅ぼすことにメリットなんてもちろんないしデメリットばかりだ。だから俺は幻想郷の滅ぼすなんてことしないさ。」
「それがあなたの答えかしら?」
紫は凄まじい威圧感を放ちながらスイルに問う。
「ああ、これが俺の答えだ」
スイルは胸を張ってそう答えた。そしてそれを聞いた紫は小さく笑うと、
「ふふ、合格よスイル。あなたは味方よ。幻想郷を滅ぼすなんてことはしない。私が保証するわ」
「ふぅ…心臓に全く心臓に悪いったらありゃしない」
「あら、それはごめんなさい。でもそうしなければならないほどの力をあなたは持っているのだもの。悪く思わないで頂戴な」
「うーん…やっぱりオレの能力ってすごいのか」
「当然よ。あなたを相手にする=大自然を相手にするのと同義だもの。それであなたはこれからどうするつもり?」
「とりあえず能力についてもう少し理解がしたいからな。誰もいない広い場所とかを見つけてそこで能力を制御できるようにでもしようかと思う」
「天狗達のところへは戻らなくてもいいのかしら?」
「最初はそれも考えたがそれは能力をもう少しうまく使えるようにしてからだな。このままだと里を滅ぼして天狗たちに殺されかけん」
「そういうことなら私も手を貸すわ。能力の暴走で幻想郷わ滅ぼされてもしたらたまらないもの」
そう言って紫はスキマを開く。
「ついてきなさい。あなたの能力、私が伸ばしてあげるわ」
そう言うと紫はスキマのなかに消えていった
「ええっと…これに入るのか?」
スイルの前にあるのは空間が裂けたようなものでその中に目のようなものが無数にある。とても入ろうと思えるものではない。そしてスイルが躊躇していると、
「なにしてるの?早く来なさい?」
そう言ってスキマのなかから紫が現れ、スイルを引きずり込む。
「いやぁぁぁぁぁぁぁ!」
そしてスイルもスキマに入った(引きずり込まれた)ところでスキマは消滅する。その後、
「私と橙を置いて紫様達はどちらへ?」
と部屋に戻ってきた何者かの口から小さな呟きが漏れたがそれは誰も知らない。
そういえば例大祭でテンション上がってクラウンピースのZUN帽を被っていたらそのZUN帽が大きすぎですれ違った人に「邪魔」と言われて反省したということがありましたww