料理好きな妖刀使い   作:ibura

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あらすじで料理料理言ってたけど、本文に入ったらそこまで料理は出てこないかも
でもオリ主が料理好きなのに変更はなし


プロローグ

「死にたくなかったら大人しくしてろよ」

 

ある日ある国のとある銀行で、銀行強盗が店員と客を脅していた。

 

『お前達は包囲されている!抵抗はやめて人質を解放しろ!

 

その外では警察がテンプレのような対応をしている。

……本当にそれで解決すると分かっているのだろうか?

 

「うるせぇ、こっちには人質がいんだよ!!

お前ちょっと来い」

 

強盗は人質のうちすぐ近くにいた少年を警察に対する威嚇目的で見せるために乱暴に立たせる。

 

「…あ」

 

乱暴に立たせたために少年は手に持っていたコーヒーをこぼしてしまい、それが自分の服を汚す。

 

「とっとと立ちやがれ糞餓鬼」

 

強盗はそんなことには気にもとめずに少年に罵倒を浴びせる。

 

「なぁ、お前のせいで服汚れたんだけど、どうしてくれんの?この服結構高かったんだよ?今日初めて着たし……」

 

強盗は気づかなかった。少年の座っている椅子の下に長細い鞄が隠すように置いてあることに。

 

「黙れ、知るかそんなこと。さっさとこっちに来い!でないと脳天に風穴を空けるぞ!!」

 

強盗は知らなかった。少年は怒らせてはいけない存在であるということを。そしてーーーーー

 

 

「てめぇいい加減にしねぇと……」

 

 

少年は既にキレているということを、強盗は気づかなかった。

 

 

「しないと、何だっていうんだ?」

「え?」

 

 

強盗は何が起きたか分からなかった。

自分が先ほどまで持っていた拳銃は宙に舞っていて、自分の首には冷たい"何か"が当てられていた。そして、少年はどこから取り出したか、いつ取り出したか分からないが、"確実に自分は殺されそう"と思わせるような刀を持っていた。

そして強盗は理解した。自分が殺されそうになっていることに。

 

 

「ボス!!」

 

そこへ、側にいた仲間が少年に向かって発砲した。ボスと呼ばれた男は仲間の存在を思い出して冷静を取り戻した。

少年に向けての発砲は死角からで確実に殺ったと思った強盗集団は、しかし少年が倒れていない、さらには"血すら流していない"という結果を目の当たりにした。

 

彼らは理解した。

 

「お前、星脈世代(ジェネステラ)か!?」

「だとしたら?」

 

銀行に強盗の悲鳴が鳴り響いた。

 

 

 

 

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

 

 

 

 

旧世紀、無数の隕石が降り注ぐ未曾有の大災害、落星雨(インベルティア)によって世界は一変した。既存の国家は衰退し、その代わりに企業が融合して形成された統合企業財体が台頭するようになった。統合企業財体は、疲弊した国家を遥かに凌ぐ権力を有し、実質的に世界を裏から操っている。

また、落星雨のもう一つの影響として、未知の元素である万応素(マナ)が検出され、科学技術の発展を促すと共に星脈世代(ジェネステラ)と呼ばれる特異な力を持った新人類を生み出した。星脈世代は今までの常識を覆す卓越した身体能力と、星辰力(プラーナ)と呼ばれるオーラを身に有している。故に星脈世代が常人を傷つけた場合、それが例え過失であったとしても、よほどの事情がない限りは厳罰に処されることが多いというのが現状となっている。

 

 

しかし、そのような世の中の裏の世界において、統合企業財体から依頼を受けて、現代社会や統合企業財体に対して悪影響を及ぼすような集団、個人を排除するという活動を行っていた少年がいた。

 

 

簡単に言えば、統合企業財体にとって危険であると判断した人間の集団を、"とある星脈世代の少年"が依頼を受けて活動不能にする。危険なテロ組織と言えど、星脈世代ではない人間を星脈世代の人間が傷つける、そしてーーー

 

 

 

場合によっては殺すこともあった。

 

 

その少年は、星脈世代であるので煌式武装(ルークス)を使っていた。だか、少年には1つ、大きな特徴があった。少年は煌式武装を使っている時も、常に鞘に納めた一振りの刀を身に付けていた。しかし、その刀を少年が使うところを実際に見たことがある人間は一人もいなかった。だがある日、少年に襲撃された集団の中で運よく生き延びた男が、少年が鞘から刀を抜いたところを見たと言った。その男は酷く怯え、詳細を聞き出すことはできなかったが、その少年について、二つの言葉を残した。

 

 

 

――あれはただの刀じゃない、妖刀だ

 

――あれは人間じゃない、死神だ

 

 

 

 

その言葉から、裏社会では少年のことを死神騎士《ナイト・リーパー》と呼ぶようになった。

 

死神に鞘から妖刀を抜かせてはいけない。死神が呪われた刀を使った瞬間、生き延びる可能性は無くなる。死にたくなければ、逃げるしかない。

 

こうして少年は、恐れられる存在となった―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

 

 

 

 

 

少年―神崎(かんざき) 真鞘(まさや)は警察官が突入してくる前に銀行を後にし、人通りの少ない路地である男と連絡を取っていた。

 

「っていうことがあったんだけど、上手いことやっといてくれるか?」

『久しぶりに連絡してきたかと思えば……。まぁ他ならぬ君の頼みなら仕方がないが』

「悪いな」

『しかし珍しいな、君が不用意に星脈世代ではない人間を攻撃するなんて』

「いや、別に攻撃した訳ではないんだけどな。ちょっと睨んだら、泣きながら謝られたよ」

『……君に睨まれたその強盗達が少し可哀想に思ったよ。それで、どうしてそんなにイライラしていたんだい?普段はそんなことで一般人を睨んだりきないだろ、君は』

「ちょっとな……アスタリスクの生徒会長共からの勧誘が鬱陶しくなってたところだったんだよ」

『なるほどね。しかし君もそろそろどこかの学園に在籍したらどうだね?世間一般には君ももう高校生になる年代だよ」

「まぁ確かに世界中をふらふら旅するのにもそろそろ飽きてきたところだしな……。だけど入るとしたらどこに入るかなぁ」

界龍(ジェロン)とかいいんじゃないかと思うけどねぇ』

「あそこは論外だ。あんなとこ入れば我が儘な餓鬼の相手をするはめになる」

『万有天羅か、確かに君にとっては苦手な相手なのかもしれないな』

 

実際に『儂の相手をしろ』という誘い?を何度も受けていた。

 

「まぁ、あるとしたら星導館ぐらいしかないな」

『そういえば君は星導館の生徒会長と仲が良いんだったな』

「仲が良いと言えるのか分からないがな。付き合いはそこそこ長い……と」

『?どうかしたかい?』

「俺に客みたいだ。また、連絡するよ御門さん」

 

そう言って真鞘はある男―御門(みかど) 雅和(まさかず)との通話を終了し、少し離れた位置に立っている少女に向かって声をかけた。

 

「噂をすれば何とやらか……久しぶりだな、クローディア」

 

目の前にはつい先ほど話に出てきた星導館学園の生徒会長、クローディア・エンフィールドが立っていた。

 

「お久びりです、真鞘。本当に、久しぶりですね……探すのに苦労しました」

「星導館の生徒会長殿がこんなところにいてもいいのか?他にもやることがあるだろ」

「えぇ、もうそれは物凄い量の仕事が溜まっているでしょうね。誰かさんがすんなりと私の誘いを受諾してくれれば、私はここにいなくてもよかったんですけどね」

「それはまぁご苦労なことだな。それで、俺をスカウトするために今日はどんな手段を持ってきたんだ?」

「……ぶっちゃけて言ってしまえば決定的と言えるほどのカードは持ち合わせていませんでしたので、星導館の現在の在名祭祀書(ネームド・カルツ)の一覧と先日編入が決まった方の情報ぐらいしか持ってきてません。あとは、昔の好ということでどうでしょうか?」

 

そういってクローディアは情報を真鞘のもつ携帯端末に送信してきた。

真鞘はその情報をしぶしぶといった表情で目を通していく。

 

「まぁ昔の好は別として、情報次第だな……あ、綾斗じゃん」

 

真鞘はまず書いてあった特待編入生の名前が自分の知り合いであることに気付いた。

 

「決定的じゃないとかよく言うぜ。お前絶対俺と綾斗が知り合いだって知ってただろう」

「あら、ばれましたか」

 

クローディアのその物言いに呆れながらも、真鞘は在名祭祀書にも一応目を通していく。その中で、真鞘はある一つの名前のところで目が止まった。

 

「あら?刀藤さんともお知り合いだったのですか?」

「……まぁな」

 

真鞘は昔出会った少女のことを思い出し、またその少女が星導館に在籍していることに少々驚いた。

 

「それで、真鞘……。我が星導館学園に特待編入生として来ていただけないでしょうか?」

 

クローディアは先ほどまでの笑顔を消し、生徒会長としての真剣な顔で真鞘に尋ねた。

 

「まぁ仕方ないか。これも何かの縁かもしれないしな。他の生徒会長とも馬が合いそうにもないし……分かったよ」

「あら、よかった。わざわざこんな所にまで出向いて断られでもしたらどうしようかと思ってました。その時は力ずくでも連れて帰るつもりでしたのに」

「……また物騒なこった」

 

 

こうして真鞘の――死神騎士の星導館への編入が決定した。

 

 

 

 




とりあえず書いていってみようと思います。
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