さよならと言って、道を後にした。歩く道はアスファルトのようで地面を捕まえて歩く。
次々と聞こえる、うめき声はそれぞれが自分を訴えている。右を見ると、カエル、ウサギ、チョウ。
左を見ると、大きな花と、白く小さな蝿がぶんぶんと集っている。
道中にある看板は意味をなさない文字列が並んでいる。
カラフルな色の中に、場違いな赤が不協和音として存在していた。
ここでようやく夢と分かる。思い出せた記憶とは違うものが頭に映る。
白米を盛った茶碗。黒色の箸。魚の焼けたにおい。熱々のなにか。朝か夕か昼かもすらわからぬ食事、白い手がそれとは対象な箸をつかんだ所で絵は終わる。
次に浮かんだのは焼け焦げたボール。ボールを空に投げた。放り出されたボールはそのまま広がっているべき星空に消えていった。派手な紫色の鳥は地面に這いつくばり、大きな林檎は木にぶら下がって死を待っている。こちらの世界にはいない人や動物が声にならない声と、いびつな手足をバタバタとさせている。
少年は思い出す。
あれは少し前のこと。
部活の試合で来ていた体育館。これから死ぬ人が次々集まっていた。
死人たちは歓声をあげ、また亡者どもはボールをパス、ドリブル、シュート、と、最後の晩餐を楽しんでいた。
死亡となる前の時、その十二分の五前の時間。
少年はボールを投げた。最後のボールは思い描いた行動をせず、落下の後に地面に叩きつけられ、意味をなさぬものとなった。
少年を取り囲む亡者たちは、鷹をアリにする錬金術をした。術は失敗に終わり、鷹は鷲となった。
葬式が済んだ亡者どもは建物を出た。
刹那の果てに亡者どもはあるべき場所へと帰った。
少年を覆う程の巨大な鉄の箱は亡者を押しつぶし、また死人たちの幾人かの体の化学反応をなくした。
死にゆく数え切れない、閉じた光の下、少年は歪んだ動物を見てこう言った。
「さよなら」
……。
少年は家に着いた。そこには木と鉄と、数え切れない何かがあった。それらはどれもくすんだ灰色をしていた。灰の塊を一瞥して少年は塊の中から、黄色に光るものを見つけた。縄だった。少年は上を見上げ、何かを探す。もうすぐ終わる体を使って。ここでは見つからない。少年は家に出た。すると道路は光り輝いていた。同じく、車、それと手も光っていた。大きなビルもまた本来の色とは別に黄色に染まっていた。少年は歩いた。すると、落ちてくる空を受け止める為であるかのようにそこにある建物が他のものとは比べものにならないほど光っていた。少年はそこに決めた。エレベーターを使い、屋上へ。上には閉じた光がたくさんあった。邪魔だった。此岸の淵、または、彼岸の淵に立った。思い出すべきものは何もない。河の向こうに行きたいだけ。ただそれだけ。少年は空に背中を預けるように徐々に傾いて言った。百二十度、或いはマイナス二分の一程だろうか。その辺りから速度は存在感を出し、マイナス二分の√3位になった時、ミルクは戻らなくなった。
そして少年は少年のままになった。
どうも。黒ハイビスカスです。まずは読んでくれてありがとうございます。てゆうか読んでくれる人いるんですかね?
まぁとりあえずはこの作品についてですね。
この作品はフィクションです。実在しているあらゆるものに関係はしていません。
この作品は学生とかじゃないと分からない表現をしています。最後のマイナス二分の√3などはそれに当たります。
というか3って算用数字で書いちゃダメなんですよね。ごめんなさい。でもしょうがないんです。
この作品は色々と分かりにくいことがあると思います。表現も分かりにくいですし。まぁ批判を受けることはわかっています。先に言っておきます。ごめんなさい。
この作品には解説しないとわからないようなものがいっぱいあるので、解説します。調べるとわかるものは除きます。
まず、焼け焦げたボールですが、これは過去となったボールの事を思い出してます。白く小さな蝿は医者たちですね。救急車にのってる人は医者じゃなくて消防士ですが分かりやすくする為にこうしました。大きな林檎は太った女の人、紫色の鳥は鳥は人なんですが、紫という色はあの世を表してたりします。死人が歓声や亡者が最後の晩餐はもうすぐそうなる事を表しています。閉じた光は星たちで、光る縄とかは少年にとって興味があるなしを示してます。
マイナス二分の√3は調べてみてください。