灰と幻想のグリムガルーレンジについていけば楽できる   作:魁鬼

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わけわかんない状況でブリちゃんの所に連れて行かれたら皆さんはどう思いますか?


ブリちゃん

(ああ、俺の人生終わった。)

 

「所長、質問に答えろ。ここがオルタナって街だってことはわかった。だが、辺境軍だの義勇兵団だってのは何だ。何故俺たちはここにいる。お前はそれを知っているのか?」

 

「威勢がいいわねえ、アタシ、嫌いじゃないわよ、あんたみたいな子。名前は?」

 

「レンジだ。俺はお前みたいな変態野郎は好きじゃない。」

 

(おおっ、よく言ったレンジ。もっと言ってやれ!)

 

「そお……」

 

と答えた次の瞬間、

 

 

 

ブリトニーはカウンターを乗り越え

 

 

レンジに肉迫し

 

 

左手で服の裾を掴み引き寄せ

 

 

右手で腰のナイフを抜き、首筋に突きつけた。

 

 

いや、突きつけかけたというべきか

 

 

「まあ落ち着こうぜ、お二人さん。」

 

 

なぜなら俺がブリトニーの右腕が掴み止めたから。

 

 

「っ⁉︎」

 

「……へえ。」

 

「ここは話し合いの場だろ?そんな物騒なもんは閉まってくれよ。」

 

「そうね。でもね、レンジ。アタシを変態呼ばわりして長生きしたやつはいないわ。」

 

「……ふんっ」

 

「はあ、会話を戻そうか。で、さっきレンジが言ってたけど辺境軍とか義勇兵団ってのは何なんだ?」

 

「そうね、でもその前にあなた名前は?」

 

「カイト。」

 

「そう、カイトね。あなたアタシのペットにならない?」

 

「あはは、悪いけど俺はあんたみたいな人が苦手でね。」

 

「残念。質問に答えてあげましょ、この辺境には、アタシたち人間と敵対している種族や、モンスターって呼ばれている怪物たちがウヨウヨいるわ。辺境軍の任務は、奴らを駆逐して辺境を制圧すること。でも正直に言うと、そんなに簡単な仕事じゃないわ。実際、辺境軍はこのオルタナをと前線基地を維持するので手一杯なのよ。そこでアタシたち義勇兵団にお鉢が回ってくるわけ。アタシたち義勇兵は神出鬼没、縦横無尽に敵地に潜入し、視察して、撹乱し、敵対勢力の弱体化を図る。本体に協力することはあっても、組織だった作戦行動することはめったにないわ。単独か、まあ、三人から六人くらいの小隊(パーティ)を組んでいる義勇兵が多いかしらね。とにかく各自が己の才覚、独自の判断で情報を収集し、敵を討つ。これがアタシたち義勇兵団レッドムーンの仕事よ。」

 

「じゃあ、あれか。俺たちはその義勇兵団に入ってモンスターをブッ殺せばいいのか。」

 

「簡単に言えばそうね。」

 

「一応質問何だけど、その義勇兵団に入らなかったらどうなんの?」

 

「どうもならないわよ。義勇兵団に入る気がないならこの部屋を出て行きなさい。二度と戻ってこなくていいわ。

 

「へぇ……だったら、オレはやめとこっかな。なんかよくわかんねーけど、オレって基本的に平和主義者だし?」

 

(アホかこの天パ野郎は?ここを出ていって何すんだよ)

 

「そっ、じゃ、さよなら。元気でね。」

 

「おう!ブリちゃんも達者でな!」

 

天パは踵を返し、事務所を出て行きかけて足を止めた。

 

「……つーか、でも、ここ出た後オレ、どうすりゃいいんだ?」

 

(少しは考える頭があったんだな。)

 

「そこまでは責任持てないわよお。義勇兵団(うち)に入らないなら、あとはご自由に。見習い義勇兵になるなら、銀貨十枚、一人につき10シルバーずつあげるから、当面は暮らせると思うわ。」

 

「バッバイトでも……探す……とかしか、ねーのかな、とりあえず……」

 

「都合よく見つかるといいわねえ、義勇兵団以外の仕事もけっこう大変よ?もし運良く誰かに雇ってもらえたとしても、雀の涙みたいなお給料で馬車馬のごとくこき使われて雑用とか親方や主人の身のまわりの世話からスタートっていうのが相場ね。女の子は違う稼ぎ方もあるけどね。」

 

「かーっ、世辞辛いっスねーっ、まいったな、こりゃ。もしかしてやるっきゃない的な流れ的な?」

 

「流れも何も、やるかやらないかを決めるのは」

 

「あ、ん、た、た、ち。」

 

レンジは大きくため息をついた。

 

「具体的には何をすればいい。」

 

「あーら、レンジ。アタシを失望させないで?きいてなかった?各自が己の才覚、独自の判断で情報を収集、敵を討つ。これが義勇兵の流儀よ。」

 

「見習い義勇兵としてまず何をするかも、自分で調べて考えろってことか。」

 

「わかりやすくていいんじゃん。自分の行動に自分で責任を持ちましょうってことだろ。」

 

「そゆこと。」

 

ブリちゃんは頷いて、カウンターの上に何かを並べはじめた。赤っぽい硬貨のようなものと、小さな皮袋だ。その組み合わせが全部で13セット用意されている。ブリちゃんは三日月が浮き彫りにされている硬貨を一枚つまみ上げた。

 

「これは見習い義勇兵身分証明章、通称・見習い章。見習い義勇兵としての身分を証明するものだから、もらったらなくさないように。まあ、持っていてもたいしていいことはないんだけどね。でも銀貨二十枚、20シルバーでアタシから団章を買って、晴れて一人前の義勇兵になったら、それなりの特典があるわ。」

 

「いいだろう。」

 

レンジは見習い章と革袋をつかんだ。

 

「義勇兵だか何だか知らないが、なってやる。話はそれからだ。」

 

(まあ、やるしかないよな。お金は大事だし)

 

レンジに続き俺も見習い章と革袋を手に取った。

 

そのあとに丸刈り、少し遅れて派手女、優男、メガネ、チャラ男、ちなみにチャラ男は革袋を二個取ろうとしてブリちゃんに怒られていた。それから少し間をあけてお下げ、眠そうなやつ、デカ物。最後に気弱が取った。

 

「おめでとう。これであんたたちは今から見習い義勇兵よ。しっかり頑張ってさっさと一人前になってちょうだいね。義勇兵になったあとだったら、アタシも多少は相談に乗ってあげないこともないわ。」

 

 

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