灰と幻想のグリムガルーレンジについていけば楽できる   作:魁鬼

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カツアゲ

「で、レンジ。これからどうすんの?」

 

「あの変態野郎が言ってただろ、まずは情報収集だ」

 

「ああー、まあ、それが妥当だろ」

 

「アダチ、お前は金の相場を調べてこい」

 

「わかったよ」

 

「サッサは宿の確保」

 

「わかったわ」

 

「ロンは加冶屋を」

 

「ああ、わかった」

 

「チビは俺についてこい」

 

「ぁぃ」

 

「正午にもう一度ここに集合だ」

 

「あれ、俺は?」

 

「お前は好きにしろ」

 

「じゃあ、好きにさせてもらうよ」

 

「解散」

 

 

————————————————————————

 

 

 

皆がレンジの指示に従い散っていくなかカイトはその場に立ち尽くしていた。

 

「好きにしろって言われてもなー。何しよかな。まあ、テキトーにぶらついて軽く情報収集でもしますか」

 

独り言をぼやきながらも歩きだした。

 

 

歩きだしたのはいいのだが妙に視線を感じる。視線を感じる方向を向くとやはりこちらを見ている。見ているのは俺の顔ではなく服だ。自分のものと他の人のものを見比べてみるとすぐに違いがわかる。俺の服は綺麗すぎるし、デザインが複雑になっている。

 

(まとまった金ができたらアダチでも連れて服を買いに行こう。毎日この視線の中で暮らしていくのは嫌すぎる)

 

 

街の人々の好奇の目から逃れるために人通りの少ない方に進んでいくと袋小路に着いた。

 

「ありゃ、こっちはハズレか」

 

(きびす)を返し道を戻ろうとすると

 

「おっと、待ちな兄ちゃん。ここを通りたかったら金目のもんを出しな」

 

袋小路の入り口に2人の男が道を塞ぐように立っていた。

 

「えっと、そこを通してもらえませんか」

 

(まずは穏便に事を済ます方向に話を持って行こう)

 

「はあ〜ん、てめぇ義勇兵の新入りだろ?新入りは先輩の言うこと聞いとけばいいんだよ、10シルバーもってんだろ。ほら、早く出せよボケ!」

 

「……面倒だなぁ」

 

「あ?なんか言ったか?」

 

「あの、先輩方は正規の義勇兵なんですか?」

 

「はあ?そんなこともわかんねぇのかよバカじゃね?お前」

 

「じゃあ、団章もかったんですか?」

 

「当たり前だろ、お前バカか?」

 

(これはいい土産になりそうだな)

 

「えっと、お金は出しますからそこを通してもらえませんか?」

 

「初めからそうしてればいいんだよボケ」

 

「す、すいません。先輩方に失礼ですよね」

 

「んだよ、話がわかるやつじゃねえか」

 

「ちょっと待ってくださいね」

 

ポケットを漁るふりをしつつ男の装備を確認する。

 

(このウザいのは防具らしきものはなし、武器は腰に差してある短剣のみ。後ろのだんまりも防具はなし、武器は大剣か。この狭い袋小路じゃまともに触れないだろうし先に潰すのはウザいやつかな)

 

「おう、早くしろよ」

 

「あ、あれ?どこやったっけ?」

 

「トロイなお前、俺が探してやるよ」

 

「す、すみません」

 

(もっと油断しろ、もっと近づいてこい)

 

「ほら、手え上げろ」

 

「はい、わかりましたよっと」

 

 

ぐちゃぁぐちゅ

 

 

「ぎっあがぁっ」

 

「叫ばないでくださいね。人が集まると困るので」

 

手を上げ、ウザいのがポケットを漁ろうと視線を外した瞬間に右手で目を抉り、左手で首の脈を止め気を奪う。

 

「——⁉︎」

 

「後ろのあなた、動かないでくださいね。動いたらこの人の首をへし折りますよ?」

 

「お、俺たちが悪かった、2度とあんたには手をださねぇ。だからそいつを放してやってくれ!」

 

「放してくれ?放してくださいお願いします、だろ?」

 

「くっそ、……放してくださいお願いします」

 

「いいですよ、でも条件があります」

 

「わ、わかった。何でも言ってくれ」

 

「あなたがもっているその大剣と団章、それに持っているお金も全部出してください」

 

「ま、待ってくれ!剣が無かったら金を稼げねぇ!剣だけは許してくれ!」

 

「そうですか、では殺しますね」

 

「——⁉︎、わかった!剣も金も全部渡すからそいつを放してくれ!」

 

「では、こちらに投げてください。あ、大剣は床に置いて滑らせてください」

 

「畜生、悪魔め」

 

「心外ですね、やっていることはあなた方と同じですよ?」

 

「くっそぉ」

 

革袋と団章を貰い、大剣も回収した。

 

「交渉成立ですね、この人の短剣と団章もいただきますね」

 

「畜生ぉ」

 

「高い勉強料だと思ってください。投げるので受け取ってください」

 

「大丈夫か、デップ!」

 

「あにぎぃ、目がいてぇよぉ」

 

「すぐに神官のところに連れて行ってやるからな!」

 

そのままだんまりがウザいやつを担ぎ走り去っていった。

 

 

「ああ、疲れた」

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