灰と幻想のグリムガルーレンジについていけば楽できる 作:魁鬼
カイトは2人の先輩方が去っていく後ろ姿を見つめながら口元を手で隠し、湧き上がる感情を抑えていた。
「ここにきて初日から先輩に絡まれてバトルとかついてなさ過ぎだろ。でも」
「くはっ、ふひっ、ふふっ、うふふふふひっ、ああ!最高にハイってやつじゃん!肉を抉る感触、あの怯えた表情。今回は悲鳴は聴けなかったけど次回は聴きたいなあ」
カイトは頬を上気させ、恍惚とした表情で身を震わせる。
それから興奮の熱が冷めると貰った大剣が目に入った。
「そういえば、貰ったのはいいんだけどこれどうしようか」
重そうな大剣を見ながら少し考えた結果は
「早めに集合場所に戻ってレンジかロンに持ってもらえばいいかな?」
と他人任せな事を考えおよそ30Kgほどの大剣を引きずりならが来た道を引き返した。
集合場所に着くとサッサがいた。
「あれ、サッサじゃん。もう調べ終わったの?」
「ん、あっ、カイト。一応3件見てきたよ。一つ目は義勇兵宿舎ていう最低層のボロボロのところは4人部屋と6人部屋があって値段は変わらないけど大きさも変わらないの、それで1日10カパーだって。二つ目はルーキーがまともに稼げるようになってさっき言った義勇兵宿舎を出て借り始めるところで2人部屋が40カパー、4人部屋が70カパー。三つ目は中堅層が借りるところで今の私たちには関係ないと思うけど2人部屋が2シルバー、4人部屋が3シルバーと50カパーだった。1人部屋とかもあるらしいけど高いし、数が少ないから聞かなかった」
「ふーん、まあ二つ目が妥当だろ」
「それで、カイトは何してきたの? その持ってる剣とかどうしたの?」
「俺は気が行くがままに歩いてたよ。この剣は心優しい先輩に貰ったんだよ」
「それ本当?カツアゲとかしてないでしょうね?」
「あははっ、逆にされた側なんだよね」
「はぁ!? あんた大丈夫なの? 怪我とかしてない?」
「大丈夫だよ、俺は怪我してないから」
「俺はって、その先輩が怪我したってわけね」
「そういうこと、正当防衛だから訴えられることはないと思うよ」
「その先輩が復讐してきたりとかはないの?」
「そんな気概があるやつなら新人相手にカツアゲなんてしないよ。だから心配する必要ないよ」
「それならいいんだけど」
2人で話しているうちに他の全員が戻ってきた。
「全員集まったか。アダチ、話せ」
「僕からか、まずみんなが持ってる銀貨について。銀貨1枚に対して銅貨100枚、金貨1枚に対して銀貨100枚で取引されているんだ。つまり100進法だね。で、人が1人で1日暮らすために必要なお金は平均50カパー。切り詰めて20カパーらしいよ。1日50カパーを目安にした方がいいかな」
「次、サッサ」
「カイトにはさっき言ったけど、一応3件見てきたよ。一つ目は義勇兵宿舎ていう最低層のボロボロのところは4人部屋と6人部屋があって値段は変わらないけど大きさも変わらないの、それで1日10カパーだって。二つ目はルーキーがまともに稼げるようになってさっき言った義勇兵宿舎を出て借り始めるところで2人部屋が40カパー、4人部屋が70カパー。三つ目は中堅層が借りるところで今の私たちには関係ないと思うけど2人部屋が2シルバー、4人部屋が3シルバーと50カパーだった。1人部屋とかもあるらしいけど高いし、数が少ないから聞かなかった」
「俺は二つ目がいいと思うよ」
「僕も二つ目かな」
「宿は後でいい、次、ロン」
「ああ、加冶屋に行ってきたが新品は今の俺たちじゃあ手が届かねえ、防具一つで金貨がとぶらしい。それで中古があるらしいから見てきたんだが、見た目はちと汚ねぇけど使えるやつもあった」
「そうか。カイト、お前の持ってる剣はどっからとってきた」
「ん? ああ、これな。カツアゲされたから正当防衛でカツアゲ仕返した」
「そうか」
「レンジはなにしてたんだ?」
「酒場で先輩面してきた野郎を絞ったら色々と吐いた」
その後、レンジが先輩から絞った情報を聞いたが長いので簡単に説明すると
・義勇兵はギルドに入る
・ギルドに入るには8シルバー必要
・ギルドは戦士、魔法使い、盗賊、神官、狩人、聖騎士、暗黒騎士などがある
・一つのパーティーに戦士と神官は最低限1人づつ必要
・新人の狩場は森で泥ゴブリン狩りかダムロー旧市街で武装ゴブリンを狩る
「ロン、お前は
「俺はまた好きにしていいのか?」
「ああ、俺が
「じゃあ俺も戦士でいいかな、先輩から貰ったこの大剣もあるし」
それから情報交換を終え、それぞれのギルドに入るために道行く人にギルドの場所を尋ねたどり着いたのは
酒場だった。
「なあ、レンジ。ここが戦士ギルドなのか?」
「らしいぞ」
「ただの酒場にしか見えないんだけど」
入り口て呆然としていると
「ああん?てめぇら見ねぇ顔だなぁ、新入りか?」
「ここって戦士ギルド?」
「ああ、そぉだよ。他に何があんだよ」
「ただの酒場にしか見えないんだけど? おっさん酔ってるし」
「ああ! 酔ってなんかぁねぇよ。それで戦士ギルドになんか用か?」
「俺たち、戦士ギルドに入りたいんだけど」
「おお! 新入りかぁ。ガンツ! ゴンザ! 新入りだ! 相手してやれ!」
「おおっ! 新入りか親父!」
「これで3人か! 今回は豊作だな!」
「ん?俺たちの前に誰か来たのか?」
「ああ! モグゾーというデカイのが来たぞ!」
「へえ、正直意外じゃね?レンジ」
「ああ、トロそうだったからな」
「よぉし! 黒いのは俺が見る! ガンツだ! よろしくな!」
「銀のは俺が見る! ゴンザだ! よろしく頼むぞ!」
「カイト。よろしくたのんます」
「レンジだ」
「お前たちは一緒にやるか? それとも別々にやるか?」
「別々でいいだろ?」
「ああ」
「じゃあ別々で頼みますわ」
「うむ! ではついて来い!」
「じゃ、一週間後にな」
「カイト、一週間後俺と戦え」
「いいよ、ボコボコにしてやるから」
「俺が勝つ」
「はっはっは! 熱いなお前たち!」
「いや、あんたが一番熱いだろ」
そうして地獄の一週間が始まった。