設定はガバガバです、沖田の子孫ってなんだよ(哲学
海鳴市の住宅街から外れた場所にある立派な日本庭園にこれまた如何にも武家屋敷、海鳴市では知らない者は居ないと言われる名家の一つ『織田家』
その広大な敷地にある蔵の中で物語の歯車は回り始める。
ガサガサ
「むぅ、なにか面白い物はないかのうっと言ってもこの辺りのはもう殆ど漁ってしもうたし」
その大きな蔵の中で物を漁っている黒の長髪の少女はこの織田家の長女で一族の中で最も血を受け継いでると言われている『織田
埃に塗れようともあまり気にせずに大量の物の中から自分が面白そうだなと思う物を探していく、何かを見つけては見つめ、気に入らなければ元に戻しまた探す、それを続けること1時間、ふと雪信の耳に声が聞こえた。
「む?誰かおるのか?」
顔を上げ、その声によく耳を傾ける、微かにだが何かが声を上げているのが聞こえた。雪信は不審に思いその方向へと進む、近づくに連れてハッキリ聞こえてくる声。
「ノッブ!ノーブー!!」
「…一体何が住み着いておるのじゃ」
呆れたような言葉をしているがその声には嬉々とした感情が込められているのが分かる、漸く自分の欲を満たすような物に出会えると。ゆっっくりとだけどその足取りはとても軽く声の発信源へと歩を進める、そして発信源に辿り着く。
そこはまだ雪信も手を付けていない区間で山のようにガラクタ(本人談)が積まれており、その山に埋もれるように二等身くらいの人形のようなものの下半身だけが見えバタバタ足を動かしていた。
「なんじゃ…あれは」
「ノッブ!?ノーブー!!!!ノブ…」
「ええい、待っておれすぐに出してやる」
雪信の声を聞いたからなのか一層バタバタさせてから抜け出さないとアピールするためか弱々しく声を上げた、何だか哀れに思った雪信はその人形の足を掴み、思いっ切り引っ張るが小学生の力では中々抜けず、一旦手を離して一息入れてから…
「ドリャァァァァァ!!!」
渾身の力を入れて引っ張るとズボッと言う音と共に埋もれていた物の全体が現れた。
それは二頭身でデフォルメされて黒の軍服と菊紋が入った留め具の赤いマント、赤いツバの黒い軍帽の前部分には菊紋が入った太陽の光部分を表したような飾りを被った雪信そっくりの人形…が抜けた際に雪信の手から離れてクルクル回転しながら宙を舞っていた。
「あっ」
「ノォォォォォブゥゥゥゥゥ!!??」
雪信が気の抜けた声でそのクルクル回転する人形を見ていると叫び声とは似合わず、回転に合わせてその小さな身体を動かし、そしてスタッと着地、しかもポーズまで決めている。
「おお、中々やるのうお主!」
「ノッブ!」
拍手を送りながら称賛されると人形は得意気に腰に手を当て胸を張る、先程からの様子を見るとどうやら言葉を理解しているらしい、それを雪信は感じると早速質問をしてみる。
「して、貴様は何者じゃ」
「ノブ?」(首を傾げてから横に振る)
「何、イマイチ記憶に無いじゃと、なら仕方があるまい、では名前は分かるか?」
「ノッブ!」(両手を上げて跳ねる」
「ほうほう、『ノッブ』と申すのじゃな」
「ノーブー、ノブノブ?」(雪信に腕を向けてから首を傾げる)
「む?おお、儂が名乗って無かったの『織田 雪信』じゃ」
三文字と身振り手振りで伝える人形こと『ノッブ』とそれをさも当たり前の様に理解する雪信、なんとも奇妙な光景が蔵の中で繰り広げられていたがふと、雪信が何かを思い出したかのようにノッブの事をじっと見始める。
「ノブ?」(首を傾げる)
「いや、この蔵は基本かなり古い物しか入れておらん、なのにお主と言う明らかなオーバーテクノロジーが居た事に少々疑問を覚えてな」
そう、この蔵は古い壺や刀、何故か火縄銃など明らかに年代物を通り越した骨董品とかしか無いはずなのだがノッブは自立してしかも思考まで持ち合わせる人形、不釣合いもいいところなのだ。幾ら技術が発展したこの世の中でもここまで自立思考を持った人形が開発されたなど聞いたこともなく雪信からすれば何故こんな物が我が家の蔵に眠っていたのかものすごい疑問で目を瞑って顎に手を当てて考えるも全く皆目検討が付くわけはなかったので
「仕方があるまい、父上に…今は仕事で居らんかったな、ならあやつに見せてくるか。着いて来るのじゃノッブ」
「ノッブ!」
敬礼のポーズ取ってからフヨフヨと浮かび上がりそのまま雪信の頭の上に着地する。避けようと思えば避けれたのだがその浮かぶというまたハイスペック過ぎる光景に驚きそれどころでは無かったがすぐに我に返り。
「ぬお、誰が頭に乗れと申した、まぁよい、落ちるんじゃないぞ」
「ノブノブ」(満足そうな顔で頷く」
上機嫌なノッブに思わず呆れつつも笑みが溢れる雪信、そんな二人は足取り軽く蔵を出て正門から外に出ようとした時、いかつい顔でサングラスをした黒服の頭にヤの付きそうな格好の男性に声を掛けられる。
「お嬢、どちらへ?」
「総美のところへな、して父上は今日は帰られるか?」
「今日は帰られないと聞いておりますが、何か御用で?」
「そうか…いや、コイツの事について聞こうと思ったのだがな、まぁよい行ってくる」
「お気をつけていってらっしゃいませ、お嬢」
手をブラブラさせて正門から出て行く雪信に一礼する黒服、その時見た。頭に乗っている奇妙な人形が雪信の頭を叩いているところを、だけど黒服はああ、また妙な物を発掘したんだろうなぁ程度に考えるでまた勤務に戻っていった。
所変わって雪信とノッブの奇妙なコンビは正門から出て目的地へと歩みを進めていた。
「ノッブ?」(雪信の頭をペシペシと叩く)
「どこへ行くかじゃと?儂の無二の親友の家じゃ、もう着くぞ」
ほれここじゃと止まった場所は織田家と大差ないくらいの正門、違いを上げるとすればこちらのほうが何処と無く荘厳な雰囲気を醸し出している感じがするというところか。
まぁそれ以外にはそこまで大きな代わりが無く、雪信は門をくぐり敷地内に入り迷いのない足取りで道場に向かう、その際、庭の手入れをしていた初老の庭師に声をかけられる。
「おや、雪信お嬢ちゃんじゃないか。今日もお嬢様に会いに来たのかい?」
「うむ、そちも元気そうで何よりじゃ。あやつは道場か?」
「ええ、鍛錬しておられますよ。それを見せに行くのかい」
「そんなところじゃ、ではな」
お気をつけて、と庭師の言葉を背に道場へと向かう、誰もノッブに深いツッコミも何も入れないのは毎度妙な物を持ち込んでいるせいである。まぁそれはそこまで重要なことではないので割愛、雪信とノッブが道場前に着くと中からは気迫の篭った声と竹刀を振るう音が聞こえてきた。
「朝から精が出るのう、入るぞ!」
ガラッと開け放つとそこには白の本来は長い髪を編み上げるように一本で纏めポニテにした道着姿の少女が竹刀の素振りしている姿、彼女はここ『沖田家』の長女にて『沖田総司』の生まれ変わりとまで言われる程の剣の腕を持つ少女、名を『沖田 総美』よく単純な名前じゃなと雪信に弄られることもある。
総美は雪信が入ってきたことに気付くと素振りを止め、側においてあった手拭いで汗を拭きながら
「おはようございます、雪信。何をしに来たんですか?」
「うむ、コイツを見せにな」
未だ頭に乗っていたノッブの首根っこを掴んでブラーンと前に出す、総美はそれを見てふむと頷いたあと
「随分貴女に似た人形ですね」
「フッフッフ、それだけではないぞ、ほら」
「ノブ!」(両手を上げる)
「…」
只の人形かと思っていたものが突然、動きしかも喋ったと言う光景に総美は固まった。それを雪信とノッブは不思議そうに見つめる、彼女からすれば只人形が自立して動いてる『だけ』と言う感想なのだ。
「雪信、私遂におかしくなったんでしょうか、人形が勝手に動き喋った気が…」
「安心せい、現実じゃ」
片手で顔を覆いため息をつく総美に雪信は冷静にそう返すと更に大きな溜息と共にノッブを見つめる。
「いよいよ織田家の蔵も魔境になってきましたね」
「ノブ?」(不思議そうに首を傾げる)
「貴女のことを…貴女?まぁいいですか、それで私に見せてどうするんですか?」
「いや、コイツについて何か知らんかと思うてな」
真顔でそう言う雪信に新しいもの好きの貴女が知らないなら私が知るわけ無いでしょうと呆れ気味に返す総美、だがすぐにああと何かを思い出したかのように声を出すと
「だったら明日、マシュに聞いてみたらどうですか」
「おお、そうじゃな、マシュマロおっぱいに聞けば何か分かるかもしれぬな!」
「ノッブノブ?」
彼女たちがそんな会話してた頃、海鳴市のある一軒家にて
「クシュン!何か明日辺りに巻き込まれそうな気がします…」
メガネを掛けた淡い色の短髪少女がくしゃみをしてそんなことを呟いたが、その予感が的中するのは言わずもがなである。
と言うことでぐだぐだ始まりました新シリーズ。半端者の悪平等もちゃんと書きますよ!
容姿に関しては
雪信→魔人アーチャーを幼くした感じ
総美→桜セイバーを(ry
マシュ→そのまま幼くした(ry
って言った感じです。
次回からは一人称視点で進行してきますよ!(尚、次回投稿日は未定