ちょっと無理くりでも話を進めようと長くなってしまった…
数発命中させ、その後の斉射で距離も稼いだ筈じゃったのだがやはり経験の差と言うものは大きく既に相手はわしを射程内に入れたようで容赦ない攻撃にさらされている。
(速い。しかも)
「ノブッ!!」
ノッブの警告と同時に回避行動、光弾がさっきまで居た地点を通り過ぎる。攻撃も正確で当たったビルの外壁が砕けたところを見ると威力も洒落にならん、このままじゃ総美と合流する前にやられるのがオチか…と言うかなんでアイツラあんなに離れてるんじゃ、おかしいじゃろ戦闘開始時は同じ地点におったはずじゃなのに
「ノブノブ(離れたのは自分では)」
小声でノッブが何かつぶやいたようじゃが聞き取る余裕なぞない、つかそろそろヤバイ、このままじゃ本気で逃げ切れん、距離的には前のビル突っ切ればもうすぐなのじゃがその前に接敵される…ならばいっそのこと
(迎撃するか?いや、それこそ悪手、勝てる要素が微塵も…む、待てよビル?ほう、これならもしやすると逆転もあり得るかもしれぬ、ならば)
よしやろう、その結論に至ると同時にビルの窓をガシャン!とぶち破り転がりながら着地、直ぐに火縄銃を展開して斉射、が尽く回避される、思わず舌打ちをしてしまうが当たり前の結果と言われればそれまでじゃ、確かにわしの火縄銃は威力もストッピングパワーも弾速もある、しかし当たり前じゃがあまりにも弾が直線すぎる、故に射線を見切られれば回避なんぞ容易い部類じゃろう。本来ならば数による弾幕でその欠点を補っておるのじゃが今は魔力の節約のためにその数を抑えて火縄銃を召喚してしまっている、そこまで神経質にならなくていいレベルの消費だがまだどのくらい戦闘が長引くかわからない以上節約できるならするべき…なのじゃが
(ここは弾幕を張るべきじゃったか)
いや、今更なことを言っても仕方がない、直ぐに柱の陰に隠れ策のためにちびノブを二体召喚、簡単に指示をしてからチラッと仮面の方を見ると目の前に一発の光弾…!?
「(しかもさっきまでと違っ!?)ぬぐぁ!!」
「遮蔽物が多い場所で迎え撃たれそうなら広範囲の攻撃が来ると考えなかったのか?」
「ゴホッ、痛ぅ…(ちっ、そんな魔法も当然あるか、わしが使えるんだからのう)」
抜かってた、いやマジで…と言うか真っ直ぐ飛ぶ榴弾もどきな攻撃とか卑怯じゃろ、わしも国崩しみたいな大砲作ってやるからな覚悟しておるがいい…!!
なんて冗談叩きたいところじゃが我慢、とにかく今は立ち上がりやつと対峙する。めちゃくちゃ痛いがまだ戦える、それを告げるように圧切長谷部を手元に出して構える。
「まだ戦うつもりか」
「当たり前じゃ、まだやりたいことがあるからのう、貴様なぞに殺されてたまるか」
ビルの中とは言えそこまで広い空間でもなく、対峙しているわしらの距離も言うほど離れていない、と言うか火縄銃の距離じゃない。
だが問題にもならない、柱という遮蔽物があり、更に言えばまだやつはまだ気づいてないようじゃしな。ならば策がなるまで時間を稼ぐのみ、ってそれが一番難しいんじゃけど。
「では、行くぞ!」
踏み込むと同時に火縄銃を二丁展開、即座に射撃
「ふっ」
相手はそれを回避、に合わせて間合いに踏み込み上から振り下ろす、バックステップで回避される、それに合わすように火縄銃を一丁召喚射撃
がこれも半身を逸しただけで避けられる、今度は反撃とばかりに踏み込まれ回し蹴りが放たれる。
それをギリギリでしゃがみ躱してから刀を横薙ぎに振るうも奴はすぐに距離を離し光弾を数発わしに向けて撃たれる
「ノブノブ!」
「でかしたノッブ!」
やばっと思ったがノッブが叫ぶと同時に魔法陣が浮かび上がり光弾を防ぐそこで一旦睨み合う。
魔法が絡むとまだ対処がうまくいかんのう、いつもの感じでやればこうなるのはわかっていたつもりじゃったが…とと?おお、もう持ってきよったかならば
「(思ったより早かったな)クククッ」
「何が可笑しい…?」
「む?ああ、そうじゃな、なぜかと言えばまぁこう返すしか無いのう」
戦国ボンバーマンの真似事をわしがすることになろうとはなっての、そう告げたその時、頼んでおいたものを持ってきたちびノブの叫びと何かが落ちる音、そして辺りが白い靄のようなものに包まれた。
「これは?」
奴は仮面をしてるからわからぬと思うがわしの鼻にその靄が付着すると思わずくしゃみが出そうになる、それをなんとか抑える、流石にこの場面でそれは恥ずいからな。
更にもう一体のちびノブがまた何かを投げそれが地面に落ちると景気良く飛散する、濃さは十分、さて仕上げじゃと火縄銃を10丁呼び出す、しかしこれは弾を込めておらず代わりに魔法で編み出した火種と火皿が付いている。
「科学は好きか?わしはまぁ機械工学はそんなにと言うかマシュの方が強いが科学方面、特に爆発なんかはそれとなく分かる口でな」
バフッバフッとまた2つほど重い落下音、いよいよそれが何なのか、仮面越しでも奴には分かったようで…ちょっと多くないか?
「小麦粉…ま、まさか!?」
「お、なんじゃ魔法の世界でもこれって習うというか知られておるのか、では終幕じゃ!」
その言葉を言い切るか否かの所でわしは窓からビルを脱出、それと並行して策に気付いた奴が逃亡なり防御行動を起こす前に、爆弾を抱え突撃を開始する二体のちびノブ、そして起爆用の火縄銃を一斉に起動、刹那
バァァァァァァァン!!!と想定以上の小麦粉を集めたことによりド派手な爆発音、まぁ言ってしまえば粉塵爆発が引き起こりさっきまで居たビルの一室と全てのガラスが派手に吹き飛ぶ、もちろんその衝撃波も凄まじくなるのでそんなに離れられなかったわしに容赦なく襲いかかり
「ぬぉぉぉぉぉぉ!!??」
「ノブノブノブー!?」
一応ノッブがシールドを張ってたのでガラス片でのダメージはなかったが勢いそのままに受け身もうまく取れずに地面に叩きつけられ、ゴロゴロ転がりながら思わず唸ることになる。
「ぐぉォォォォ~」
痛い、いや、この衣装のお陰でこの程度で済んだのじゃろうがそれでも痛いものは痛いのじゃよ、ああくっそもう少しちびノブに細かく指示出せばよかったか、まさかあそこまで持ってくるとは…と言うか今どの辺りじゃ?あのビルからすぐが総美の反応があったしとノッブがまだ律儀に出してる脳内マップの光点を見ると
(あ、ここじゃん)
「…今の爆発、雪信だったんですか?」
「うむ、仮面ごとな、まぁやつも死んではおらんじゃろうが動けんだろう」
物凄く呆れた感じの目でわしを見るは少々ボロボロな感じになっては居るが余裕そうな総美と息も絶え絶えのマシュ、今だ気絶中の金髪、右腕から血を流しているが比較的無傷の最初の騎士、気付いたらそっちに合流して尚且つ与えたダメージも回復してるザフィーラ、最初に目撃したときとは違う服装でハンマーを持ってる赤毛、そして集中的に総美にやられたのか切り傷だらけの仮面。
(ふむぅ、合流出来たのは良いがこれはどういう状況じゃ?)
そもそもこれだけの推定敵が居るのに総美のダメージはそんなに大きくない、いくら総美でも多人数は苦手じゃからもう少しやられてるはずじゃし、マシュも盾は確かに先程よりやられてはいるがそれ以外はそんなに変わっとらんし、これではまるで戦ってたのが総美&マシュ対仮面じゃぞ…?
「(まぁよい、それならそれで形勢逆転ってやつじゃろ?)ほれ、貴様のお仲間は重傷じゃろうな、どうする?あやつを連れて退くなら追わぬ」
「え、ま、待ってください!確保した方が…」
「この状況と人数できると思いますかマシュ、確保しても彼女らとの戦闘の可能性が高いです。その最中に逃げられる、背中から撃たれるとどちらかの可能性が残るなら退いてもらったほうが今はいいです」
わしが仮面に出した提案にマシュが反論を挟もうとするがそれを総美が止めると渋々と言った感じだったが引き下がる、さて仮面はどう出る、そしてヴォルケンリッター達もどう動く?
ほんの数瞬の膠着、状況から仲間の容態が気になったのか、それとも単純に不利だと判断したのか仮面はゆっくりと戦闘態勢を解き
「ここは、お前の言う通り退く、どうやら時間切れのようでもあるようだしな」
「時間切れ…?」
わし等は勿論、ヴォルケンリッターもその言葉に反応し聞き返そうとしたとき何かが大出力で放出された音と空に伸びる桜色の光がわしの目に飛び込んできた。
なんじゃありゃ…え、ごん太ビームとかあれも魔法なの?ええ…わしのもビーム出るけどあんなに太くないぞ…
「なに?…分かった、全員退くぞ今ので結界が破られた」
「はぁ!?っていや、まぁあれだけの威力なら当然かちっ、これだけいて魔力は取れなかったのが痛いな」
「いや、あの砲撃の主の魔力は取れたらしい…取られて尚撃ったのは正直予想外だったらしいが」
どうやらヴォルケンリッターも退くようじゃな、その方が嬉しい、こちらもこれ以上の抵抗はジリ貧過ぎてやってられんかったからな…総美は知らんがなんて考えとったらその本人が口を開いた
「退きますか、残念ですがこの状況では私も貴女も満足に戦えないですからね」
「ああ、そうだな、次こそは決着を付けたい所だ、ではな小さき剣士よ、そしてその倒れている少女にもそう告げてくれ」
あ、割りと限界だったんじゃなお主もそれでも残念ですがって言葉が出るところがなんともお主らしいというかなんというか…そんなことを思っているとふと視線を感じそっちに向くとザフィーラがなんとも曖昧な表情でこちらを見ていた。
ので軽く手を振り疲れたと言ったジェスチャーをすると向こうも苦笑をしつつ疲れたように息を吐く、何か知らんが戦闘中に限ればこいつと仲良くやっていけるような気がしたぞ。
「じゃあな盾女」
「今度は防ぎきってみせます」
へっ、そりゃ楽しみだ。それだけを赤髪が告げると騎士が合図を飛ばしそれぞれが高速で飛んでいった。気付けば仮面も居なくなってたのできっと飛んでいったんじゃろうと思ったところで体から力が抜けて座り込んでしまう、いや流石にシンドいのう…
見れば隣で総美も膝をついていた、って言うか汗やばいな大丈夫かこいつ
「流石に…ペースを考え無さ過ぎました」
「まっ、生きてるから結果オーライじゃよ、してマシュわし等はこれからどうなる?」
「そうですね、間違いなく管理局に厄介になるでしょうね」
空を見ながら呟くように言うマシュに釣られわしと総美も見るとそこには数人のローブ上のバリアジャケットの魔導士とその中でも階級が高いのじゃろう黒髪の少年に囲まれていた。
「時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ、すまないが我々と来てもらえるか」
そう告げられ、総美の方に視線を向ける、総美も総美で状況が理解できたようで小さくため息を付いてから頷く。こういうときはあれじゃ、素直に武装を解いて両手を上げるのが無難じゃな。
「話が早くて助かる、ではアースラまで同行を願おう」
これからどうなるんじゃろうな~気楽に考えながらわしと総美とマシュはそのアースラへと連行されたのであった。
次回も何時になるか未定ですが更新します!出来るだけ早くしたい(願望