車から降り、正門を抜けて昇降口でマシュとは一旦別れる、儂と総美は同じクラスじゃがマシュは違うからの。
靴を上履きに履き替えてる時に総美がコソコソと話しかけてくる。
「で、ステルスで隠してるとは言えノッブをいつまでも頭に乗っけておくわけには行きませんよね」
「うむ、なので暫くは鞄に入ってもらうつもりじゃ、良いな?」
ペシペシと頭を叩かれる、どうやら肯定のようじゃな。周りを見て今なら大丈夫というタイミングを見計らい鞄に仕舞い込む、窮屈だと思うが致し方あるまい。
しかしこのステルス状態は完全に見えなくなるのは良いが儂からも見えないのは不便じゃな、まぁ贅沢を言っても仕方があるまいか、そもそもここまで完璧なステルス自体もうおかしい領域じゃからな。
「さて、今日は何か面白い授業はあったかのう?」
「貴女の基準の面白いなら有りませんよ、いつもと同じ授業です」
「ならばクラスメイトでも眺めるしかあるまい…か」
退屈なように聞こえると思うが、それで良いのじゃ、確かに儂個人としては何かしら新しい刺激というものを欲してはいる、だがそれだけじゃいつもの日常ならそれもまた良し。
昇降口を抜け、階段を上がり教室に入り自分の席に行き鞄を机の脇にあるフックに掛けておく、隣の席には総美が同じく鞄を掛けてそれから席に座る。
儂も席に座ってからボケーッとクラスの様子を眺める、これはもう日常というかいつもの流れじゃ、しかしこれが中々に面白くての、決して飽きが来ることはないのじゃ。
…今一人の男子生徒の叫びが聞こえたがまぁ嘘吐き絶対許さない系女子が居たんじゃろうな、それも儂のクラスの人間じゃが。
「あ、雪信に総美、おはようだワン」
「おはようございます」
「うむ、相も変わらずキャラがハッキリせんな」
「姉みたいに一つはつまらないだろう?良妻願望は同じだがな」
フフンと自慢気に言うピンク髪の少女、こいつ自分を猫系と言いながら語尾は『だワン』だがその行動力と日向ぼっこ好きは猫みたいなのでまぁ多分猫系女子で良いんじゃろうな。
因みにじゃがコイツには姉が居るらしい、そいつは狐っぽいとか言ってる。
続いてガララと教室の戸が開き入ってきたのは肌も髪も綺麗な白の少女、さっき儂が言った嘘吐き絶対許さない系女子だ。
「お、今日の日課はもういいのか?」
「ええ、旦那様もそろそろ分かってくれると良いのですが…」
「まずその段階を全てすっ飛ばした旦那様呼びからなんとかしなければダメなのでは?」
総美の最もな指摘に少女はあら?私と旦那様は前世から一緒なのです、記憶が無いので旦那様は実感が無いのでしょうが何れは分かってくれます。それを真顔で言えるお主の精神に儂はどう答えれば良いのじゃ…どうにも一途というか何というか、まぁ男子生徒の方も別段嫌っているわけでは無いのがコヤツの暴走を更に加速させる要因なんじゃがな。
談笑しているとチャイムが鳴り、そろそろホームルームの時間だというのを知らせる。猫系と嘘吐き絶対許さない系は席へと戻った所で儂も軽く一息吐く、楽しいんじゃが疲れるのも少し本音じゃ。
「毎度思うのですよ雪信」
「何をじゃ?」
突然神妙な顔で呟く総美、なんじゃなんじゃ、急にそんな真面目な空気を出しおって何か重大なことでも思い出したのか?
「なんでこのクラスってこう前世が濃そうな人達が集まるんだろうって」
「それ儂らにも返ってくる言葉じゃからな?」
割りとどうでも良かった、総美は真面目なんじゃが極稀にこういった謎のボケをかましてくれる。なんて言っておると担任が入ってきて皆が席に着く、む、担任はどんなやつかじゃと?普通の格闘技が得意で黒スーツでビシっと決めた女教師じゃよ。
ホームルーム、午前の授業を軽く聞き流しながら受ける、真面目に受けるべきなんじゃが今日はそんな気になれんかった、理由はよく分からん。大方ノッブの件が大半なんじゃろうがマシュは何か知ってるが話さない、かと言って父上がなにか知ってるとも思えない。
自分らで解明することも出来なくはないだろうが難しいじゃろうし、うーむ、ええい止めじゃ、何をするにも考えるにも材料が足りなすぎるのじゃ、今は保留じゃ!
午前の授業がそんな感じに終わり昼休み、と言っても何処かに移動して食べるというわけではなく総美と自席で食べる…いつもはが頭に今日は付くが。
その日もいつも通り弁当を開こうとした時、教室の入口が開いた、この時は儂も総美も誰かが出て行ったんだろうなぁと思っていたのだがその人物は教室に入ってきて儂らの前で止まった、顔を上げるとそこにはマシュの姿。
「む?マシュ、珍しいな」
「ええ、そうですね。それで何か用ですか?」
「いえ、これから屋上で昼食でも一緒にと思いまして」
屋上…ああ、確か昼休みの時だけは開放されてるんだったな、たまには良いじゃろ。それにマシュから声をかけてくるときは何かしら重要なときじゃからな。
「分かった、総美も良いな?」
「問題無いですよ、では行きましょうか」
「良かったです、あっノッブも連れて来て下さい」
ノッブも?まぁ良いかと、広げてた弁当を包み直して鞄を軽く蹴りノッブを起こして頭に乗せてからマシュと屋上へと向かう。
道中特に何かあったわけでもなく屋上、そこには一人の少女の姿、見覚えは無いな。
…いや、少しだけ覚えがあるな、う~む思い出せん、もしかしたら見ただけで名前は聞いてないかもしれぬ。
「すみません、お待たせしました」
顎に手を当てて考え込んでいるとマシュがツイテ少女に声をかけそれで我に返る。
さていつまでも黙ってるわけにはイカンな、それにツイテ少女が儂らを知らんからえっとって言った顔で見とるし自己紹介しておくか
「初めまして、儂は『織田 雪信』じゃ、してこっちが親友の」
「『沖田 総美』です」
「あ、『高町 なのは』です!」
ツイテの少女、『高町 なのは』は儂らが名乗ると自身も名乗ってお辞儀をする。高町…高町…高町!
「ああ!!」
「にゃ!?」
「なんですか突然…ほら、二人共驚いてますよ」
あ、うん、すまぬ、引っ掛かっていたのが取れて少々嬉しかったんじゃ…とりあえず声を突然上げた理由を事細かに話す。高町、昔にと言っても割りと最近じゃが総美と高町家の長男じゃったかなが試合をしている時に見たことがありあとその際に食べた『翠屋』のシュークリームが絶品だったということを思い出してなと話す。
「ああ、あの時の、とても強いお方でした。あの時は負けましたが何れリベンジをしたいですね」
「シュークリームは絶品じゃった。今度また買いに行きたいものじゃ」
「あ、思い出した、あの時は声をかけれなくて帰っちゃったから…」
まぁ、あくまで付き添いって感じじゃったからな、それも仕方あるまいて。とりあえず立ちっぱなしも何だからとベンチに座って弁当を広げ食べ始める、全員シンプルながらどれも技術の高さを伺える弁当じゃってそうじゃない。
「して、何のようじゃマシュ、ただ昼を楽しむために儂らを呼んだわけじゃあるまい?」
「うん、アリサちゃんとすずかちゃんに来ないでって言ったから私も少しだけ不思議に思ってる」
「…そうですね」
マシュは覚悟を決めた顔で呟いてから、儂らの方を見ると
「ノッブの事についてです」
「え、マシュちゃんそれは…」
「分かってます、ですが黙っててもいいことは有りません、それに安心して下さい彼女たちは口は堅いですから」
なのはとマシュの会話に儂と総美は顔を見合わせる、どうやらノッブについてはマシュだけではなく、なのはも知っているようじゃな。
少し二人が会話していたがなのはが納得すると改めてマシュがこちらを向くとゆっくりと口を開いた。
「ノッブを出してもらってよろしいですか」
「うむ、ほれステルスを切って良いぞ」
「ノブノブ」
ノッブのステルスを切ったらなのはがノッブを初めてみた時のマシュと同じような顔をした、だがノッブに驚いてるというより他の何かに驚いてる感じじゃ。
「なんで、雪信ちゃんがデバイスを…」
「デバイス?」
どうやら、簡単な話じゃなさそうじゃ。
猫系少女に姉の狐系、そして嘘吐き絶対許さない系女子…ダリナンダアンタイッタイ
あ、只のモブなので今後は多分出てきませんし名前も有りませんよ?
・・・話の展開の仕方が下手でごめんなさい